2016年7月29日金曜日

ティーライフ

日経ヴェリタスの個人投資家特集号(7月24日号)で紹介されていた銘柄の1つ。「買った株は一生売らない」「損切りという言葉は最近知った」という若杉精三郎氏(69)の保有株で、氏の人柄にも興味が湧いたので調べてみた。

■ティーライフの良いところ
・上昇トレンドで小型株。
・ルイボスティーが好調。amazonや楽天で売上トップで高評価。グーグルトレンドでは「ルイボスティー」の検索数がじわじわと上昇中。社長のブログでは6月のテレビ放映後に売上が30倍になったとの記載あり。ルイボスティーはノンカフェインでおいしく、アンチエイジングにも効果があるというので今後さらに普及していく可能性が高い。
・会社の財務状態も悪くはない
・足下の株価は権利落ちという、どうでもいいようなことで急落している。

■ティーライフの良くないところ
・主力商品はプーアール茶らしいがamazonや楽天での評価や売上ランキングはいまいち。
・ルイボスティーはアフリカからの輸入品なので円安では不利になる。ルイボスティーの需要増で原料価格高騰が予想されるが競合が多いため値上げはできる状況ではない。製造は外部委託であり、利益率が落ちていく可能性がある。
・売上高成長率は1割程度。
・相乗効果のの低そうな多角経営をはじめている。
・毎年権利落ち後はしばらく株価が停滞している。

■結論
成長率は年率10%程度でPERが10倍なので、今はほぼ適正株価。ルイボスティーの普及が順調に拡大すれば上振れ余地あり。地合はよくないため、ほんのすこしだけ購入。

空売り機関が見積もる企業価値

機関投資家は株価が割高と思うところで空売りを入れる。機関投資家の売買動向から機関投資家が見積もる時価総額を推察していく。
ただし機関投資家は需給や地合なども考慮しているため、空売りの売買動向だけから、純粋な時価総額を導き出すのは難しいとは思っている。

■ペプチドリーム
モルガンスタンレー   6300円くらいから空売りを始め5500円でも空売りを増やしている
バークレイズ      6300円くらいからはじめ、5600円でも増やしている
ゴールドマンサックス  6000円くらいからはじめ5300くらいでまた空売り

機関投資家は自社で算出した株価よりも2割以上割高と思ったところで空売りを入れると考えると、3社の見積もる適正株価は4500円以下、時価総額は2500億円以下になる。

3社合計の空売り比率は合計で4.5%になるが、0.5%未満の空売りも含めるとおそらく6%を越えていると思う。
JPモルガンが5月に6000円台で買い増しして、6%以上の大量保有報告書を出しているが、これは成長期待だけでなく貸株の意味合いも強いと思う。なのでJPモルガンの大量保有は今現在の企業価値を分析することにおいてはそれほど参考にはならないように思う。

■そーせい
モルガンスタンレー   15000円以上で空売りをしている。
バークレイズ      モルガンスタンレーとほぼ一緒。
ゴールドマン      16000円台でも空売りを増やしている。
JPモルガン      20000円あたりで空売りをはじめ、16000円台で買い戻し始めている。
ドイツ銀行       出たり入ったりで基準は不明。

機関が見積もる適正株価は12000以下、時価総額は2000億円以下になる。

5社合計の空売り比率は7.6%になる。
JPモルガンが6月に15000円前後で買い増しし6%以上の大量保有報告書を出しているが、これもペプドリと同様であまり参考にはならないと思う。

○付記
「株価は最後はファンダメンタルズに回帰する」という投資哲学でファンダメンタルズを徹底的に分析して空売りをしていたOXAMはそーせいの株価の急騰にも動じず渋かった。戻ってきてはくれないのだろうか。

2016年7月22日金曜日

ペプチ ジェネンとライセンス契約

ペプチドリームは7月20日にジェネンテックとPDPSのライセンス契約を結んだことを発表した。これで企業価値がどのように変化するかを考えていく。

まず売上予想について。
技術ライセンス料は過去の事例の平均値をとると年間7億円になる。
マイルストーン・ロイヤリティ収入は4年目あたりから入りだして3億、8億、16億、20億、30億、40億、55億のように推移する。
これらを合計すると10年間で250億円になり、利益率を50%とすると利益は125億円になる。125億円を10で割ると、1年あたりの平均利益は12億円になり、それにより企業価値は50億円程度押し上がるとなんとなく見積もる。

IR資料を読むとジェネンテックとは2012年の2月から交渉を始め、2015年の12月に共同開発契約を結び、その7ヶ月後にライセンス契約を結んだとある。PDPSを使い始めてわずか7ヶ月でライセンス契約を結ぶということは、よっぽどPDPSがよかったのかなと思う。

しかし気になるのは人手不足でないかということ。過去のライセンス契約では、PDPSを実際に運用するまで平均で1年2ヶ月かかっている。今はリリー社でPDPSを設置しているわけだが、社員60人でジェネンテックの設置も同時並行してやれるのだろうか。もしかするとジェネンテックは今後の順番待ちを避けるためにも急いで契約したのかもしれない。

企業価値の算出法 ペプドリ

プロの投資家は会社の価値を計る物さしを持っており、算出した価値を基準に株を安く買い、高く売る。一方、一般の投資家は会社の価値を計る物さしを持っておらずブームにのって売買し、高く買い、安く売る。

少しでもマシな売買ができるようになるために、会社の価値を計る物さしについて調べていく。まずはアマゾンの検索で最初にヒットした『バリュエーションの教科書』から学んでいく。・・この本を読んでみたのだが、小難しかったり、テーマにまとまりがなかったりして、よく理解できなかった。とりあえず理解できたところを強引にまとめていくと以下のようになる。
*バリュエーションとは企業価値評価の意味

企業価値を算出する代表的な方法はDCF法になる。これは企業の将来の利益の見積もりから、現在の価値を算出していくもので、現在の利益から将来の企業の価値を算出していくPERと本質的には変わらない。DFC法はバイオ企業のように新薬を上市するまでは利益が少なく上市後に業績が急上昇するようなところに適した評価方法になる。

DFC法を数式にすると
企業価値 = 将来の利益見積もりの平均値 + 価値創造力 - リスク
のようになる。
価値創造力やリスクを数値化することは難しく、評価基準も人それぞれに違うので、誰もが納得できる数字を出すことは難しい。プロでも最後は結局、経験や勘に頼るという。

例としてペプチドリームの企業価値をこの方法で算出してみる。
将来の利益見通しはSBIアナリストのレポートを参考にする。
純利益の見通しを見ていくと、2016年~2026年までは15億円、21億円、31億円、48億円、68億円、92億円、116億円、144億円、170億円、216億円、288億円と推移していく。今後10年の平均利益は120億円となり、1株利益は209円となる。SBIの目標株価10000円の場合、PERは48倍になる。価値創造力やリスクを加味すると妥当な水準といえるかもしれない。

しかし個人的には10000円には割高感がある。1株利益209円や高い価値創造力にはそれほど違和感はないが、今後10年のリスクを織り込むと今の適正株価は4800円程度ではないかと思う。

今の適正株価を4800円として、来年以降の株価をざっと見積もってみる。年率35%程度の成長を見込んだ場合、2017年は6500円、2018年は8800円、2019年は12000円、2020年は16000円、2021年は21800円、2022年は29000円、2023年は39000円、2024年は53000円、2025年は71500円になる。
*変動率は±35%程度。
*数年後は円安が進んでいる可能性があり、上振れ余地はある。

2016年7月15日金曜日

テクニカル

投資家は情報が出るとそれを株価に落とし込んでいくため、チャートにはファンダメンタルズが凝縮されているといえる。そのためチャートを見るだけで会社の状態や方向性がだいたいわかる。例えば200日移動平均線が右肩下がりの場合、その会社は解決の難しい問題を抱えていることがわかる。

チャートのトレンドは機関投資家によって作られる。機関投資家の動きは出来高をみればわかる。大口の資金を一気に投入できるのは機関投資家しかおらず、出来高が急上昇したときは機関投資家が動いているとわかる。基本的には機関投資家が最も情報を熟知してると考えられるので、機関投資家の動きには逆らわないようにしている。

移動平均線やロウソク足は売買するタイミングを計るのに使える。25日と75日移動平均線がゴールデンクロスやデッドクロスになるとき株価は教科書通りに動くことが多い。ロウソク足の包み足やはらみ線、十字線などはトレンドの転換を意味し、7割くらいの確率で当たるように思う。

参考「ミネルヴィニの成長株投資法」

お金を増やす方法

お金で資産を買う。これが王道らしい。

良い資産を買うとお金がそこで働いてくれてお金が増えていくという。収入を生む不動産なんかは代表的な資産で、例えばアパートを一棟買い、それを賃貸にすると毎月家賃収入が入ってくる。

株も資産になる。良い会社に投資すれば、投資したお金を効率的につかって業績を上げ、株価を上げてくれる。ROE(株主資本収益率)という指標は投資したお金がいかに効率的に使われているかを見る指標で、ROEが高い会社は買われやすくなる。

ただし不動産にしても株にしても悪いものに投資したらお金は減ってしまう。空室率の高いアパートに投資しても、家賃収入は得られないし、経営の下手な会社に投資しても業績が上がらないため、株価も上がらない。そのため、資産の善し悪しを見る目が重要になってくる。この善し悪しを見分ける目は勉強によって身につけるしかない。

参考「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ)
 

2016年7月10日日曜日

金融緩和の限界

日銀の金融緩和策は限界に近づきつつある。今後できる緩和策には、マイナス金利や国債買い入れ、リスク資産の買い入れなどがあるが、そのいずれも問題を抱えている。それぞれの政策のメリットとデメリットを考えていく。

■マイナス金利
マイナス金利は金利を下げて投資を活発化させるという建前で導入したようだが、ゼロ金利がすでに20年ほど続いており以前からお金は有り余っているので投資需要はほとんどないことがわかる。

マイナス金利の真の目的は国の借金の利払い費を減らすのと円安誘導のように思う。

マイナス金利の欠点は、金融機関の収益を圧迫することになる。銀行などの金融機関は経済の根幹をなしているので、こういったところが疲弊すると経済全体に悪影響が及ぶ可能性がある。

メリットよりもデメリットが多そうな政策なのでこれ以上の深掘りはしにくいように思う。

■国債買い入れ
国債買い入れの目的は1)資金供給量を増やし、金利を低下させ、融資や投資の増加で経済を活性化させること、2)円安を進め輸出企業の業績をよくすること、3)株や不動産などの資産価格を底上げして消費を刺激すること、4)それらの結果により物価を上げていくというもの。

しかし実際のところは投資需要が少ないため融資が伸びず、世の中に出回るお金の量は増えていない。そのためか緩和してから三年たつが物価は上がっていない。

日銀は今のペースで国債を買い入れていくと18年ごろには買える国債がなくなるという。日銀が国債を買えなくなったら金利が急騰する可能性が高い。日銀は金利の急騰を避けるために、今後はちまちまと国債を買って、つまり国債の買い入れ額を減らして、金利の調整をしていくように思う。

■リスク資産の買い入れ
日銀は株式を年3兆円購入しているが、それを10兆円に増やす案があるらしい。しかしこれは露骨すぎる株価対策になり、市場機能を損ねてしまう。

■新たな奇策
ヘリコプターマネー(日銀が返済不要の緩和策)など

効果は未知かつ限定的で、日銀(円)の信用が落ちてしまう。

■今後の株式市場
上記のことから金融緩和は限界に達しつつあることがわかる。株式市場は金融緩和を起点として上昇してきたので、もうじきピークアウトするように思う。

2016年7月9日土曜日

金投資

市場の見通しが悪くなっているときは金が買われやすいという。今はイギリスのEU離脱や、中国経済の減速、金融政策の限界などなど、市場の見通しが悪くなっているので、金に投資するタイミングではないかと思う。

金融緩和時にも金への投資は有効だという。金融緩和をすると、通過が大量に発行されるため、通過の価値は落ちていく。しかし金の量は有限で価値が落ちることはない。

それに加えて、今は国債の利回りがマイナスになっている。金の利回りはゼロだが、マイナスよりはマシになる。そういった意味でも金への投資は相対的に有利になる。

大局的にみると、世界経済の見通しはそれほど悪くはないが、経済は低成長傾向になっており、今後当面金融緩和傾向が継続する可能性は高い。長期的に金の価格は上昇していくのではないかと思う。

2016年7月3日日曜日

利確ログ そーせい

■買い そーせい 平均買値:2800  購入時期:2014年から2015年
<買った理由>
・COPDの新薬が成長していきそうだから
・ヘプタレスの技術に問題がなさそうだから
・みずほ銀行から200億の無担保の短期融資を受けられたから

■全株売り 平均売値:16700 売却期間:6月24から6月30日
<売った理由>
(ペプドリを売った理由とほぼ同じ)
・チャートが危険。決算後から出来高をともなう大陰線が数本出ており、25日と75日移動平均線はデッドクロス。三尊天井になる可能性もある。
・来期の業績は下振れする可能性が高い

■勝因
・運がよかった。ヘプタレスを買収してから1年くらいの間に予想以上の大型契約が相次いだ。
・ヘプタレスの技術力の見極めがよかった。見極めの根拠は、ヘプタレスの元大株主が医療系専門のベンチャーキャピタルだらけなことと、主要な医学雑誌に論文が多数掲載されていることと、複数のメガファーマと提携していること。

■なぜピーク(27000円)で売れなかったか
・もともとファンダメンタルズに変化がない場合は売るつもりがなかった。
・来期の見通しが甘かった。強気のアナリストレポートの裏を取らなかった。
・市場の大変動が思ったよりも早く始まってしまった?

■今後の対策
・当面は手を出さない。
・企業価値の算出方法、DCF法などを学ぶ。
・算出した企業価値を下回ったら再度仕込んでいく。

2016年7月2日土曜日

損切りログ ペプドリ

■買い増し ペプチドリーム 平均買値:6500 購入期間:4月から6月
<買った理由>
・ペプチドリームは3月に日米欧の機関投資家巡りをしていたから。そーせいは9月に機関投資家巡りをして12月に暴騰した。
・ペプチドリームのホームページが5月の終わり頃にリニューアルされトップページに株価が表示されるようになったから。そーせいはホームページをこのようにリニューアルした直後に暴騰した。
・出来高をつけて新高値を突破したから。

■売り 平均売値:5900 売却期間:6月24日~6月30日
<売った理由>
・市場がピークアウトするタイミングが早まると思ったから
 イギリスのEU離脱により地合が大幅に悪化
 日経平均は出来高をともなう大陰線。長期ではすでに下降トレンドに入っている。
 市場の転換点を見極める専門家、ジョージ・ソロスが前線に復帰し、売りに回る。
  ゴールドマンサックスが6月に「市場にとって不利になる重大なリスクが存在している」といっており「現金のオーバーウェート」を推奨している。
・金融緩和バブルはもうすぐ終了。金融政策の限界は近い。
・グローバル系のバイオファンドは下降トレンド
・ペプドリのチャートも悪化。25日と75日の移動平均線がデッドクロス寸前。一目均衡表では雲を下抜け。ペプドリはバブル崩壊でも生き残ると思っていたが利益が弱いのでやっぱり厳しそう。

■敗因
・地合が危険なので買い増さないと決めていたが、投機的な理由で飛びついてしまった。
・会社の機関投資家巡りやHPのリニューアル後に株価が暴騰するとは限らない。
・政治に対する理解不足。EUの移民問題や格差問題、統治制度は予想以上に深刻だった。

■今後の対策
・上値追いはしない。
・投機的な理由では買わない。
・今後二年くらいは買い増さない。ただしペプチドが3500以下、そーせいが10000を下回った場合は少しずつ買っていく。
・企業価値を算出して、それを重視して売買していく。
・金やダウ・ベアのETFを買っていく。