保有比率の高い順に見ていく。
■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律分野をITで変革し最強のプラットフォーマーに
6月4日の日経に「日本(のリーガルテック)は英語圏に比べ周回遅れの状況」「英語圏のリーガルテック企業数は1千社近いが、日本は数十社程度」とあった。これは裏を返せば「日本のリーガルテックの成長余地はまだまだある」「リーガルテックのアイデアは1000くらいある」ということになり、これらのアイデアを弁護士ドットコムのプラットフォームに落とし込んでいけばこの会社はまだまだ成長していけると思った。
これは海外のアイデアのうちの1つなのかはわからないが、5月に弁護士ドットコムRightsという新規事業が立ち上がった。この事業はネット上の著作権侵害に対処するサービスで、弁護士ドットコムが用意する削除申請ツールを使えば、違法投稿を簡単に削除できるという。現状ではネット上に動画や漫画などの違法投稿が蔓延していて、被害額は出版業界だけで4000億円以上になるという。このサービスへの強い需要が期待できる。
それとこのサービスを見ていて思ったのだが、著作権をもっと利用しやすくするサービスがないものかとも思った。著作権を保護するのはもちろん大事だとは思うが、著作権を侵害しやすいネット環境で、従来のルールをカチカチに守るのも無理があるように思う。2/21の日経に「インターネット上でのコンテンツの自由な利用は海賊版サイトを生み出す温床であるものの、新たな発想や文化を生み出す原動力でもある。」とあったが、この意見には賛成で、ここらへんの新たなルール作りと著作権を使いやすくする仕組み作りが必要なのではないかと思った。当ブログでも数回、著作権を侵害してしまっているが、こういったサービスがあれば良いのにと思った。
今後3年の予想売上高成長率は年率35%程度。現在の企業価値は将来の予想利益などを勘案すると800~1300億円(株価3600~5800円)くらいか。2030年の予想時価総額は1兆円。
■シンクロ・フード
基本シナリオ:市場独占型プラットフォーマーではないので利益成長は厳しそう
シンクロフードが運営するプラットフォームの中で市場独占型はないかと考えてみたら、M&Aプラットフォームがそれに該当するのではないかと思った。これと似たようなサービスは現時点では他に見当たらず、新陳代謝の激しい飲食業界で出店費用と退店費用を削減できるこのサービスは今後伸びていくのではないかと思った。今後3年の予想売上高成長率は年率10~20%。営業利益成長率は年率0~5%。2019年の予想平均株価は600円。変動率は±20%。
業績に最もインパクトのある求人広告掲載数を記録していく。関東 2485(2466)
関西 671(671) 東海 272(300) 九州 107(64) 北海道・東北 107(125) 総計 3642(3626)
市場独占型の求人プラットフォーマー・インディードの掲載数も記録していく。東京都の飲食店 90003(83302) 大阪府の飲食店 36775(33805)
*( )内は先月
■ペプチドリーム
基本シナリオ:ペプチド創薬で最強のプラットフォーマーに
社長のリード・パトリック氏は常々強気な発言をしているが、にもかかわらず持ち株を徐々に落としていっていることがわかった。医学論文マニアのパトリック氏のことだからおそらく医薬ベンチャーあたりにでも出資しているのだろうが、それでも少し気になる。まあ、パトリック氏が主導するPDC研究をノバルティスと共同ですることが決まったようなので問題ないとは思うが。今後3年の売上高成長率は年率20%程度。現在の企業価値は将来の予想利益などを勘案すると6000~8000億円(株価4800~6500円)くらいか。2030年の予想時価総額は5兆円。
■朝日ネット
基本シナリオ:ストックビジネスで地味に成長&株主還元
火柱を立てて最高値更新。長く続いた横ばい圏からの出来高を伴う上昇なのでチャート的にはまだ期待できる。今はこういう地味株に資金が集まりやすいのかもしれない。ただ業績が地味なのは相変わらずなので(営業キャッシュフローの伸びだけは少し派手)、株価も徐々に地味な動きになっていきそう。今後3年の予想売上高成長率は年率6%程度でEPS成長率は年率15%程度。2019年の予想平均株価は650円(変動率±20%)。
<10年チャート>
■厳選ジャパン(投資信託)
基本シナリオ:ビッグチェンジ銘柄投資でテンバガー達成
この投信の主力銘柄が利益確定売りされているようなので、しばらく上値が重くなりそう。上位10銘柄に弁護士ドットコムが初登場。やはり「厳選」されたかという感じ。しかし常連のペプチドリームは姿を消してしまっている。今年の予想基準価額は11000円(変動率20%)。
■日進工具
基本シナリオ:ニッチトップの極細ドリルで市場開拓
5月に会社が出した今期の減収減益の業績予想は保守的なものだとは思うが、5月のグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)がまだ下げ止まっておらず、中国製造業PMIも節目の50を下回っているので、今期の業績はさらに下振れする可能性がある。
*PMI(購買担当者景気指数)とは、購買担当者の景況感を示した指標で、この指数が低下していれば、購買担当者が発注を控えめにしているということになる。発注は通常3~12ヶ月後のものになるので、PMIは企業業績の3~12ヶ月先の先行指標になる。2019年の予想平均株価は2400円(変動率20%)。今後3年の売上高成長率は年率0%。
■パーク24
基本シナリオ:最強のカーシェア・プラットフォーマーに。海外の「空港」駐車場事業は効率化しにくいので期待薄。
この会社が現在抱える最大の問題点はカーシェア事業の「月額基本料」かと思っていたが、決算動画を見たらそれが全くの誤解でカーシェア事業は極めて順調なことがわかった。決算動画後に株価が急反発したので、もしかしたら他の投資家も誤解していたのかもしれない。
この会社が現在抱える最大の問題点はおそらく買収した海外事業になる。前期は6億円の赤字で、赤字は今後もしばらく続きそうな雰囲気がある。一般に海外事業のM&Aは難しいと言われており、日本電産の永守社長は「日本企業による海外M&Aで成功しているのは2%」(6/11日経)と言っているし、元アナリストの藤田勉氏は「国境を越えるM&Aは川上産業では成功するが、自動車など川下産業では成功しない」(2/18日経)と言っている。加えてパーク24の海外事業の買収はこれが初めてで、買収した会社は成長余地の乏しそうな赤字企業になる。なので海外事業への強い不透明感はしばらく消えそうにない。とはいえ会社説明では現在の進捗は当初の計画通りとのことなので、とりあえずもうしばらく様子を見ようと思う。
チャートはWボトム+出来高を伴う陽線包み足で底打ち。しかし2500円より上には強い戻り売り圧力+分厚い雲があるので上値は重そう。今後3年の売上高成長率は年率5%で利益成長率も5%程度。2019年の予想平均株価は2400円(変動率20%)。
■コンテック
基本シナリオ:物流テック向け機器で業績拡大
株主総会の案内状と事業報告書が届いた。これらを読んでいるとイメージしていた会社とはだいぶ違うなあという印象を受けた。この会社は親会社がダイフクで、ロジザードの大株主になっているので、てっきり物流に特化した会社かと思っていた。しかし届いた資料を読むといろいろな事業を手がける特徴のつかみにくい会社ということがわかった(ホームページのIRを見てもわかりにくい)。この会社の株はスポーツ新聞の記事とチャートと四季報だけを見て買ったが、もうそういうのはやめようと思った。
それと今回の送付で気づいたことがもう一つ。事業報告書と一緒に配当に関する資料とクオカードが入っていたが、このクオカードは必要あるのだろうかと思った。使い勝手の悪いクオカードの分を配当に回したほうが良いのではないだろうか。保有する株式数とクオカードの額が正比例しないのも問題がある。クオカードを配ることでもしかしたら個人株主や安定株主が増えることもあるのかもしれないが、本質的にはあまり意味のないことだと思うのでやめたほうがよいのではないかと思った。これと同じことは日進工具にも言える。今後3年の売上高成長率は年率0%程度。今後3年の予想平均株価は1400円(変動率20%)。
■今後の計画
市場が反発したときに売りたい銘柄は、米ドル、日経レバETF、WTI原油ETF、コンテック、 日進工具、シンクロ・フード。
朝日ネット、パーク24は考え中。
弁護士ドットコム、ペプチドリーム、厳選ジャパンは長期で保有する予定。ただし弁護士ドットコムとペプチドリームは指標的にかなり割高なので、極端なバブル崩壊が起こりそうになってきたらいくらか売却していく(底打ちしたら買い戻す)。
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