2016年6月26日日曜日

財政ファイナンス

日銀は国債を年80兆円のペースで購入している。日銀の保有残高は6月の時点で370兆円になる。これは国債全体の34%を占めているという。18年にはそれが50%に達するという。

国債とは国の借金で、国はその借金を買い取ってくれたところに利息を払っている。2014年の利払い費は10兆円くらいで、そのうちの34%が日銀に支払われていることになる。日銀は国の管轄なのでその利息は国に戻ってくる。18年に日銀の国債保有比率が50%に達すれば、利息の50%が日銀に払われることになり、つまり利息の50%が国に戻ってくることになる。仮に日銀の国債保有比率が100%になれば、国の利払い費は実質的にゼロになる。これが財政ファイナンス。

日銀は国債を購入するのはインフレと投資の活性化のためと言っているが、財政ファイナンスも主な目的の1つのように思う。

ただ日銀は国債を100%購入することはできず、そのような状況で国債買い取りが上限に達してしまうと、国債の買い手不在で金利が上がる可能性が高い。金利が1%上がるだけで国の利払い費は10兆円以上増えるので、長期的に見ると、中途半端な財政ファイナンスはあまり意味のないもののように思える。

2016年6月25日土曜日

富の移転

市場の大変動期に素人投資家からプロの投資家へ富が移転するという。その仕組みは以下のようになる。

プロの投資家は市場がピークをつけたところで売り抜け、素人投資家はピークをつけたところで買い始める。ちょうどその頃になると新聞を賑わすニュースが流れて市場が急落し、素人投資家は買ったばかりの株を投げ売りしていく。一方、騒ぎが一段落したところでプロの投資家が戻ってきて、自分が売ったばかりの株を買い戻していく。このようにして富の移転が起こるという。

損をした素人投資家の心の傷が癒えるには多くの年月がかかる。その傷が癒える頃に市場は再び新たなピークを迎え素人投資家が戻ってくる。そしてまた同じ光景が繰り返されるという。

参考:「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」ロバート・キヨサキ

2016年6月19日日曜日

ペプチドリームの問題点

・売上が少ない
ペプチドリームは多くの製薬会社と提携しているが、その提携の内容は「創薬した化合物の提供」ではなく「創薬技術の提供」なので契約金がそれほど高くはない。提携企業は順調に増えているが、売上は20億円程度とそれほど多くない。

・人が少ない
社員が60人しかいない。これほどの技術と数多くの提携企業を抱えるわりには研究者が少なすぎるように感じる。社長は2020年頃には100人体制にするといっているがそれでパラダイムシフトに対応できるのか疑問。

・分子量が大きい
環状ペプチド薬は分子量が平均1500くらいあるので、細胞膜を透過するのは難しいといわれている。
*細胞膜を透過できる分子量は1000までと考えられている。

2016年6月18日土曜日

ペプチドリーム

今後買い増していきたい銘柄の一つ。

薬には低分子薬と中分子薬と高分子薬があるが、それらの特徴をまとめると以下のようになる。
・低分子薬は安価だが、副作用が出やすく、ほぼ出尽くしている。
・高分子薬(抗体)は副作用が少ないが、高価で開拓余地は少ない。
・中分子薬(ペプチド)は安価で副作用が少なくほぼ未開拓。ほぼすべての病気に対応。

以上のことから今後創薬の中心になりそうなのは中分子薬になる。この中分子薬をつくるのに最も評価の高い創薬プラットフォームを所持しているのはペプチドリームになる。

2016年6月12日日曜日

そーせい

現在の主力株。

上市したCOPD薬から得た収入をヘプタレスに投資して成長していく、というのが基本ストーリー。

■ヘプタレス
ここの技術は薬のターゲット(GPCR)を正確に解析し、そこから創薬していくというもの。低分子化合物から高分子化合物まで対応しておりターゲットは幅広い。技術に対する大手製薬企業からの評価は高く、研究・経営陣営には経験豊富な人材がそろっている。

医療費の問題から今後承認される薬は良く効き、副作用がほとんどないものだけになっていくので、ここの技術はより重要になっていく。息の長い成長を続けていくと思う。

■COPD薬
そーせいが開発・譲渡したシーブリは競合品のスピリーバに勝るとも劣らない効能だが、薬価ではスピリーバの後発薬にはかなわないので成長はあまり期待できない。

シーブリの複合剤ウルティブロは競合品のアノーロと比べると使い勝手が若干劣るかもしれないが、現在主流の合剤アドエアと比べると薬効的に優れているようなのである程度の伸びは期待できる。

2016年6月11日土曜日

デフレ脱却?

日本のような成熟した国で果たして物価が上がるだろうか。日本は少子高齢化社会のため、潜在成長率は0%である。それに加え、海外から安い製品が流入しており、ネットによる情報格差解消のために価格は下がり続けている。こんな状況では物価は上がらないのではないだろうか。

安倍首相はデフレ脱却のために消費税増税を延期したが、デフレ構造を変えるのは無理があるように見える。デフレを受け入れ、その中でなんとかやっていくようにしたほうがよいのではないだろうか。

2016年6月5日日曜日

バブル

■バブルの発生条件
バブルが発生するための条件は三つ。まずはバブルが発生する前が不景気ということ。大規模な金融緩和はこの時期に始まる。二つ目は金余り。過去のバブルはすべて金余りの状態で発生している。今は“異次元”の金融緩和をしており、かつてないほどお金が余っている。三つ目は前のバブル崩壊から7-10年経過していること。バブルが膨らむにはそのくらいの時間がかかり、その間に過去の経験を忘れてしまう。

■バブルの崩壊のきっかけ
金利の引き上げがきっかけになることが多い。ただし金利を引き上げてもすぐに崩壊しない。金利引き上げ2,3回目、8~9ヶ月くらいたったころに急落しやすい。金融機関ははバブルで膨らんだ不良債権の山を処理できなくなり、連鎖破綻していく。リーマンショックのような大きなショックは相場がしばらく下げた後に起こる。
このほか戦争や災害、政治の混乱などもきっかけになる。

■バブル崩壊の震源地になりそうなアメリカや中国の現状
<アメリカ>
米企業はここ三年以上にわたって保有資金を設備投資や研究開発よりもM&Aや自社株買いに費やしているので、今後の成長余地は少なくなっている。緩和策もほぼ限界に達している。ダウのチャートはダブルトップになりそうで、バフェット指標はサブプライム時に近い。先行指標性のあるハイイールド債や輸送株指数はすでにピークアウトしている。

<中国>
中国の不動産バブルは1990年の日本の不動産バブルにそっくり。日本では人口がピークアウトして経済もピークアウトしたときに不動産バブルがはじけているが、中国も今まさにその状態になっている。バブルがはじけると大量にある不良債権が処理できなくなり、金融機関が連鎖破綻していく。現時点で中国で上場している不動産企業の1/3がデフォルト寸前で、借り入れを増やして延命を図っている状態と言われている。

■バブル崩壊しない条件
経済成長率が負債の増加率よりも高ければバブルにキャッチアップして崩壊しない。高度成長期の日本がそれにあたる。しかしほぼすべての国では経済成長率よりも負債の増加率が上回っている。

そもそもアメリカの経済はそれほど悪くなく、負債の増加率も穏やかなので、バブルは破裂しにくい。

中国やアメリカはバブルを徹底的に研究しているので何かしらの対策はたてているはず。アメリカの中銀は過去のバブル崩壊ではバブルが崩壊しきるまで金利を引き上げ続けたが、今回はおそらくそうしなさそう。中国は不良債権処理の会社をつくり、外資系の投資銀行などと組んで処理をしはじめている。

よくバブルになると「今までとは状況が違うから従来の尺度で測ることはできない」という夢想的な解釈が出てくるが、今回のバブルは本当に今までと違う可能性がある。今までのバブルは負債を増やして生じたものであったが、今回のバブルは各国中銀のお金の過剰供給によるもの。中銀が極端な引き締めを行わない限りはバブルは破裂しなさそうではある。

■バブルが崩壊したらどうするか
不況の谷は2-3年かけてつくられるのでバブル崩壊してから2年は買わないようにする。株価が急落して指標的に割安に見えることがあっても手出しはしない。

参考『最強の「先読み」投資メソッド』土居雅紹

2016年6月4日土曜日

地合い

日米欧では金融緩和がほぼ限界に達し、企業の利益が今後著しく増えていくことはないので、株価は天井をつけたと見ている。チャートを見ても天井圏で変動率が高くなっているのでいつ下げてもおかしくない状態に見える。

アメリカは景気拡大8年目に入り景気循環的にはいつ終焉を迎えてもおかしくはない。中国は不動産の分野で不良債権が山積みになっているので金融危機が起こる可能性が高い。両国と関係の深い日本はそれらのあおりを受けるので、今後は厳しい展開になると予想する。