2018年1月12日金曜日

投信ランキング

毎月チェックしている投資信託のパフォーマンスをチェックしてみた。

■過去1年のパフォーマンス
・日興グローイングベンチャーファンド 95%
・SBI中小型割安成長株ファンド 62%
・MHAM新興成長株オープン 62%
・日本新興株オープン 60%
・スパークス超小型株式ファンド 59%
・MUFG日本株セレクトオープン 54%
・フィデリティ中小型株オープン 53%
・DIAM新興市場日本株ファンド 49%
・ひふみ投信 44%
・J-STOCKアクティブオープン 40%
・いちよし中小型成長株 38%

■過去3年のパフォーマンス
・日興グローイングベンチャーファンド 144%
・MHAM新興成長株オープン 133%
・SBI中小型割安成長株ファンド 125%
・DIAM新興市場日本株ファンド 118%
・MUFG日本株セレクトオープン 106% 
・J-STOCKアクティブ投信 102%
・日本新興株オープン 102%
・ひふみ投信 83%
・フィデリティ中小型株オープン 64%
*超小型株式ファンドといちよし中小型成長株は運用期間が3年以下なのでなし。

■それぞれの投信の特徴
日興グローイングベンチャーファンド。IPO銘柄に特化した投信。エンジェルジャパンの4人チームが運用(投資助言)。過去1年のパフォーマンスは95%とトップだが過去3年にいたっては144%と伸びがやや鈍化。上げ相場に強い投信になる。先月の月報にティーケーピーという銘柄が初登場し、過熱感もなく事業内容もわかりやすそうだったので調べようと思ったが、あっという間に上昇してしまった。

SBI中小型割安成長株ファンド。財務体質が健全で着実な成長が見込める割安株に投資。これもエンジェルジャパンの4人チームが運用(投資助言)。過去1年と3年のパフォーマンスは共にトップクラス。しかしこの投信の組み入れ銘柄は素人にはわかりにくいというか、成長ストーリーを描きにくいものが多いのでなかなか投資対象には入らず。

MHAM新興成長株オープン。中小型成長株投信。1年・3年のパフォーマンスは良好。

日本新興株オープン。運用年数の長い中小型成長株投信。比較的わかりやすい会社が多いが、上位銘柄がめったに入れ替わらないためなかなか投資対象とは出会えず。

スパークス超小型株式ファンド。日本で唯一の小型成長株に特化した投信。藤村忠弘氏が運用。たまに過熱感がなくわかりやすい銘柄が月報に登場し、何度かその恩恵にあやからせてもらっている。ミズホメディやラクトジャパンなどの大化け株も底値の時から登場していた。

MUFG日本株セレクトオープン。配当利回りのよい中小型成長株に投資。技研製作所はここで発見。

フィデリティ中小型株オープン。2017年に運用者が変わりパフォーマンスが急上昇した投信。ライザップやフマキラーなど穴株を発掘するのが得意かもしれない。数ヶ月前から上位銘柄にあるGNIもそろそろ吹き上げるのかもしれない。

DIAM新興市場日本株ファンド。ビッグチェンジ銘柄に特化したテンバガー投信。岩谷渉平氏が運用。投資しているのはメガトレンドに乗った優良企業ばかりなので、いろんな意味で参考になる。つい最近はSBIホールディングスやアンリツに絶妙なタイミングで投資。私は以前この2社に投資をしたことがあるためある程度知っていると思っていたが、理解の甘さを痛感。

ひふみ投信。数年前までは中小型成長株に特化していたが、今は資産規模が大きくなりすぎたため大型株や外国株も組み入れている。上位銘柄には大型株ばかりしか出てこなくなったため銘柄の参考にはならないが、YouTubeで毎月行っている運用報告は参考になる。

J-STOCKアクティブオープン。主にジャスダックの割安成長株に投資。苦瓜達郎氏が運用。過去1年の運用成績は40%と他と比べるとぱっとしないが、過去3年では102%と好調。割安度を重視しているので下げ相場に強そう。組み入れ銘柄を何度か買ったことがあるが相性はいまいち。

いちよし中小型成長株ファンド。中小型株分析に定評のあるいちよし経済研究所の情報などを元に運用。

■感想
投資信託は数十銘柄に分散投資しているので年間上昇率はせいぜい30%程度だろうと思っていたが50%を超えるものが多くて驚いた。私の運用パフォーマンスは2015年~2017年は上記の投信をほぼ上回ることができたが、今年は私の好きな”下げにくい成長株”を発掘しにくそうなので、これらを下回りそう。なので上げ相場に乗るために優良投信を買っていくことにする。

月1の売買チェック

■買い 
・厳選ジャパン(投資信託)
テンバガーファンドマネージャーの岩谷渉平氏らが2017年10月に新設した投信。メガトレンドに乗った優良企業20数社に集中投資。この投信が開設された当初の組み入れ銘柄はソフトバンクや日本電産などの大型株ばかりだったが、直近では中小型成長株にシフトしているため投資妙味がでてきた。

・弁護士ドットコム 買い増し
当初は1250円あたりまで落ちてきたら買う戦略だったが、ほぼ底をうったような感じだったので購入。業績の見通しはよく、株価はそろそろ来期の業績を織り込み始めるように思った。累積売買高や一目均衡表(週足)では非常に下がりにくいパターンとなっており、直近では25日線と75日線のゴールデンクロスを形成し、底値を切り上げている。

<累積売買高と一目均衡表の3年チャート>

<1年チャート>

■売り
・技研製作所 7割売却 損益+61%
昨日の決算を見て海外展開はしばらく先になりそうだと感じたため売却。今後3年の予想売上高成長率は年率15%から0%にダウン。

月1の持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律関連のことなら弁護士ドットコム
シナリオに変化なし。リーガルテック事業の収益化はしばらく先になると思っていたが、矢継ぎ早にクラウドサイン関連の新規事業を立ち上げており、収益化が早まりそうな気配になってきた。クラウドサイン事業は起業家志向の東大院卒コンビが指揮をとっているようだが、やはりパワフル。チャートは底打ちした感じ。今後3年の売上高成長率は年率35%程度。適正株価。

■ペプチドリーム
基本シナリオ:ペプチド創薬で新領域を開拓
シナリオに変化なし。会社は投資家向け説明会をたくさん開いているようだが、それは自信がある証拠なので良い兆候。それにしてもアベノミクス初動時のバイオバブルと動きが似てきた。今後この調子でさらに上昇していくのかもしれない。チャートは上昇トレンド。今後3年の売上高成長率は年率35%程度。適正株価。

■厳選ジャパン(投資信託)
基本シナリオ:ビッグチェンジ銘柄投資でテンバガー達成
予想基準価格上昇率は30%程度。

■東武住販
基本シナリオ:景気回復で中古再生住宅の販売が好調に。支店を増やして売上拡大。
シナリオに変化なし。12月に政府は人口減対策としてリフォームの仲介事業者を対象に税金を減らす政策案を固めたという。現在、日本の住宅投資に占めるリフォーム比率は26%だが、ドイツの73%や英国の55%に比べて低く、25年までに50%まで高める計画だという。中古再生住宅市場は地味なメガトレンドになるのかもしれない。チャートは上昇トレンド。今後3年の売上高成長率は年率15%程度。適正株価。

■和田興産
基本シナリオ:景気回復でマンション販売が好調に
シナリオに変化なし。今後2年の業績見通しは良いが、それ以降はやや不透明。チャートは上昇トレンド。今後3年の売上高成長率は年率5%程度。適正株価。

■技研製作所
基本シナリオ:圧入工法を世界に普及させる
シナリオに変化はないが、海外展開は当分先になりそう。チャートは保ち合いへ移行しそう。今後3年の売上高成長率は0%程度。適正株価。

■鈴茂器工
基本シナリオ:飯ロボを世界に普及させる
シナリオに変化なし。チャートは保ち合い。今後3年の売上高成長率は年率10%程度。適正株価。

■スパークス
基本シナリオ:株式市場が盛り上がり、投信を手がけるスパークスの株価も上昇
シナリオに変化なし。チャートは上昇トレンドだが戻り売り圧力がまだ残っているので上値がやや重そう。今年の売上高成長率は5%程度だが利益成長率は30%程度。適正株価。
<1年チャート>
<3年チャート> 上値が重そう

■今後の戦略
下がりにくそうな成長株があれば買っていくが、基本的には徐々に撤退する方向でいく。

*適正株価の判断基準はこちらのコメント欄を参照

今年の目標パフォーマンス

今年の目標パフォーマンスは+30%だが、現在の保有株からそれが達成可能か考えていく。

・弁護士ドットコム(保有比率38%)
2017年の平均株価1450円。予想上昇率35%。上昇要因は業績拡大。
2018年の予想平均株価1950円(変動率±35%)

・ペプチドリーム(保有比率18%)
2017年の平均株価3400円。予想上昇率35%。上昇要因は業績拡大。
2018年の予想平均株価4600円(変動率±35%)

・東武住販(保有比率12%)
2017年の平均株価1150円。予想上昇率50%。上昇要因は業績拡大と水準訂正。
2018年の予想平均株価1700円(変動率±30%)

・投信 厳選ジャパン(保有比率9%)
2017年の平均価格11000円。予想上昇率30%。上昇要因はファンドマネージャーの目利き力と上げ相場。
2018年の予想平均価格14500円(変動率±20%)

・和田興産(保有比率4%)
2017年の平均株価850円。予想上昇率50%。上昇要因は業績拡大と水準訂正。
2018年の予想平均株価1250円(変動率±30%)

・技研製作所(保有比率4%) 
2017年の平均株価3000円。予想上昇率0%。
2018年の予想平均株価3000円(変動率±15%)

・鈴茂器工(保有比率3%)
2017年の平均株価2500円。予想上昇率10%。上昇要因は業績拡大。
2018年の予想平均株価2750円(変動率±15%)

・スパークス(保有比率2%)
2017年の平均株価260円。予想上昇率50%。上昇要因は業績拡大と上げ相場。
2018年の予想平均株価390円(変動率±40%)

・現金(保有比率10%)

■結論
地合いが大きく崩れなければ目標は達成できそう。

月1の市場環境チェック

株式市場への影響が大きい金利、金融政策、企業業績を重点的にチェックしていく。

■ファンダメンタル
<インフレ>
今回の適温相場の構成要素の1つは低インフレになるが、雇用の引き締まりや米国の大型減税策などによりインフレ圧力が高まりはじめた。今後米国のインフレ率が2%を超えて上昇していくと政策金利も連動して上昇していく可能性が高いため、適温相場が崩れる恐れがある。

現時点での米国の2017年度の予想インフレ率は2.0%で、2018年度が2.2%になる。
日本は2017年度が0.7%で、2018年度が0.9%。

<金利>
・短期金利が長期金利を上回ると債務圧縮(景気後退)局面に入りバブルが崩壊すると言われているが、現在の米国の短期金利は1.5%で、長期金利は2.54%になる。今の利上げペースなら2018年末に短期金利は2.25%までしか上がらないので、長短金利の逆転はもう少し先になりそう。
・日本の短期金利と長期金利はともに0%台。
・中国の短期金利は3.7%、長期金利は3.9%。長期金利は1年前よりも1.0%上がっている。

<債務>
・米国の民間債務残高はGDP比150%。リーマンショック時のピークである160%から減少し、足下では横ばい傾向。ただし個人債務残高に限ればリーマン前を超えている。
・日本の民間債務残高はGDP比150%。1990年頃のピーク220%から減少し、足下では横ばい傾向。
・中国の民間債務残高はGDP比200%で現在も上昇中。日本のバブル期のピーク220%に近づきつつある。
・世界の債務総額はリーマンショック前の1.2倍になっている。

<金融政策>
・日本は金融緩和を継続。年間6兆円の株式購入政策も継続しているが、2018年内に株式購入額を3兆円程度に減らす可能性がある。もしそうなれば日銀が一番の買い手なだけに影響は大きそう。
・欧州は金融緩和を縮小し延長。利上げは早くても18年9月以降。インフレ率は2%に達していないので、引き締めるとしても穏やかなものになりそう。
・米国はすでに引き締めに転じているが速度は穏やか。
・中国は金利を徐々に引き上げている。

世界の主要中銀による量的緩和は2017年3月に20兆円/月となり最高の水準を記録している。これが2018年末には6兆円/月まで縮小し、2019年半ばにはマイナスへ転じるという。
参考:2018年も「ゴルディロックスの年」は本当か(ロイター)

<経済成長率>
・世界の2017年のGDP成長率は2.7%、2018年は3.1%、2019年は3.0%と良好。
・米国の2017年のGDP成長率は2.2%、2018年は2.5%、2019年は2.2%と良好。
・日本の2017年のGDP成長率は1.5%、2018年は1.3%、2019年は0.8%とまずまず。

現在、世界同時成長が起きており、このような状態は通常2,3年続くという。ただしこのような世界同時成長は景気サイクルの終盤に見られる特徴的な現象とも言われている。
世界同時成長は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風になる。

<EPS成長率>
・世界株式の2017年の予想EPS上昇率は26%、2018年は11%、2019年も11%と良好。
・日本株式の2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は10%程度。
・アメリカの2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は20%(うち減税効果分が8%)。

<政治>
・日本の政治は安定。
・海外の政治は不安定。2018年秋にアメリカで中間選挙があるが共和党の1党体制が崩れる可能性がある。
・北朝鮮や中東に地政学的リスク。

■テクニカル
・チャート
世界中の株式市場が上昇トレンドだが、日米株価は移動平均線からの乖離率が高く過熱気味。
<日経平均の5年チャート>
<ダウの5年チャート>


・ディストリビューションデー
上昇トレンドなのでカウントせず

・ヒンデンブルグオーメン
無点灯
*この指標は参考にならないとわかったので今月で終了。

・トレードインディケーター
危険度 11月43% → 12月62% → 1月69%
参考:eワラントのトレードインディケーター

・騰落レシオ
日経平均 117
ダウ 125
ナスダック ?

・信用評価損益率
11月-8% → 12月-7.7% → 12月29日5.7%
信用評価損益率的には天井に近づきつつある。

■まとめ 今後数ヶ月の予想
日米株には過熱感があるのでいったん調整してもおかしくはないが、世界経済は総じて堅調で、金余り環境も続きそうなので、中期的な市場環境は比較的良好。

■2018年の予想
世界中の株式市場は最高値圏にあるため戻り売り圧力はなく、緩和気味の金融政策と新興国の所得の増加などにより金余りの状態は続くため、下がりにくい相場になる。経済成長が続けば非常に上がりやすい相場になる。過去のバブルでは最終局面で最も上昇しているので、今年は急騰するかもしれない。

リスクは米欧のインフレ率急上昇による金利上昇と、中国の過剰債務処理政策による金利上昇と、株式市場の低変動率によるレバレッジ(負債をテコにした投資)の蓄積になる。

■2019年の予想
2019年は世界の主要中銀が引き締めに転じているので、株価上昇のカギは低インフレと経済成長のみになる。ただ日本は金融緩和を継続しているので相対的に有利になる。

■今回のバブルについて
過去のバブルは主にレバレッジ(負債をテコにした投資)により形成されているが、今回のバブルはレバレッジというよりも、中央銀行による通貨の大量供給や、新興国の経済成長による運用残高の増加によって底上げされた側面が強いので、バブルが崩壊しても(債務圧縮&景気後退局面に入っても)下落は限定的のように思う。過去のバブルでは60%程度下落しているが、今回は35~40%程度ですむかもしれない。

米国の大型減税はインフレ効果なし?

雇用が引き締まった状態で大型減税をすると普通は経済成長率が高まってインフレ圧力も高まるが、今回の減税ではそれほどインフレ圧力は高まらないとも言われている。その理由は多くの企業はすでに潤沢な資金を抱えているため設備投資は増えにくく、個人減税に関しては期間が限られている上、税負担が増す層も多いため個人消費を刺激するほどの効果が期待できないためだという。

その一方で、減税策により企業の一株利益は8%ほど押し上げられるという。こういった構図も米株上昇の一因のように思う。

参考:減税目前、波乱の芽は債券 日経2017/12/20

米金利上昇の影響

念のため、米国で金利が急上昇した場合のことを考えておく。

今後インフレ率が2%を超えて上昇する傾向がはっきりすれば、FRBは政策金利を引き上げていくわけだが、そうなると長期金利も大幅に上昇する可能性がある。

現在の米株価を企業業績と実質長期金利(長期金利-インフレ率)とリスクプレミアム(投資家が求める超過収益)から分析すると、リスクプレミアムの推計値は2.5%になるという。これはリーマンショック後の3.5%からは低下しているが、リーマンショック前の1.3%と比べれば高いという。つまり今の株価はリスクプレミアム的には妥当な水準になる。しかし今後、実質長期金利が1%上昇したら、米株価には割高感が出て25%程度下落してもおかしくないという。

仮に長期金利が金余りなどの理由で上昇しなくても、短期金利がそれを上抜けば債務圧縮局面に入らざるを得なくなる。

短期金利が上がっても長期金利が上がっても、どちらにしても株式市場には大きなマイナスの影響が出そうなので、注意しておこうと思う。

参考:金融政策正常化 道険し 日経2017/12/12