2017年10月13日金曜日

月1の保有株チェック

現在の保有株はビジネスモデルがしっかりしているものばかりなので基本的にほったらかしといて大丈夫だと思っていたが、せっかくブログを始めたのだから、月1くらいの頻度でチェックしていこうと思う。

以下、保有比率の高い順に見ていく。

■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律関連のことなら弁護士ドットコム
シナリオに変化なし。チャートは長期では上昇トレンドだが短期では上値が重い。売上高成長率は35%程度。適正株価。

■技研製作所
基本シナリオ:圧入工法を世界に普及させる
シナリオに変化なし。東証一部鞍替時のインタビューで社長の棒読みが気になったが、大局観は正しそうなので特に問題なし。
チャートは上昇トレンド。売上高成長率は15%程度。適正株価。


■ペプチドリーム
基本シナリオ:ペプチド創薬で新領域を開拓
シナリオに変化なし。チャートは長期では上昇トレンドだが現在は保ち合い。売上高成長率は35%程度。適正株価。

■相模ゴム工業
基本シナリオ:高級コンドームを日本及びアジアで普及させる
シナリオに変化なし。高級コンドームの販売はamazonランキングを見る限りは好調。
チャートは上昇トレンド。売上高成長率は10%程度。やや割安。

■インフォマート
基本シナリオ:企業間取引の基幹ITインフラを構築
シナリオにやや変化あり。新社長が決算発表している動画を見たが、今後伸びしろになりそうな事業がマイナス成長だったのに、それに関する説明なし。今後の成長に疑問符がつき始めた。予想売上高成長率は25~30%から15~20%程度に低下。
チャートは長期では上昇トレンドだが短期では上値が重い。やや割高。

■鈴茂器工
基本シナリオ:飯ロボを世界に普及させる
シナリオに変化なし。チャートは上昇トレンド。売上高成長率は13%程度。適正株価。

■リスクモンスター
基本シナリオ:慢性的な人手不足でM&Aが活発化し、信用調査も活発化する
シナリオに変化なし。チャートは上昇トレンド。売上高成長率は5%程度だが利益成長率は12%程度。適正株価。

■スパークス
基本シナリオ:株式市場が盛り上がり、投信を手がけるスパークスの株価は上昇
このシナリオは微妙。個人的には今後も株価は上昇基調をたどると思っているが、空売りの多さから判断すると、まわりはまだそのようには思ってない様子。衆院選挙後に株式市場が盛り上がらなかったら売却予定。
チャートは短期では上昇トレンドに入りかけているが、長期の売り圧力は強い。売上高成長率は5%程度だが利益成長率は15%程度。適正株価。
<1年チャート>

<10年チャート>

■東武住販
基本シナリオ:景気回復で中古再生住宅の販売が好調に。支店を増やして売上拡大。
シナリオに変化なし。チャートは上昇トレンド。売上高成長率は15%程度。割安。

■朝日ネット
基本シナリオ:IOTやM2Mの需要をとらえプロバイダー事業拡大
シナリオに変化なし。チャートは保ち合いだが、底値を切り上げており上昇トレンドが始まりそう。来期の売上高成長率は10%程度、営業利益成長率は25~30%程度。やや割安。

■和田興産
基本シナリオ:景気回復で新築マンションの販売が好調に
シナリオに変化なし。今後3年の業績見通しは良い。チャートは上昇トレンド。売上高成長率は8%程度。割安。

■感想
保有銘柄が多すぎるように感じた。今後5銘柄程度に絞りこんでいきたい。
長期で保有したいのは
・プラットフォーマーの弁護士ドットコムとペプチドリーム
・ニッチトップの鈴茂器工
・大型の設備投資をした技研製作所と相模ゴム
・ストック型の朝日ネット

売却候補は
・市場環境に左右されやすい和田興産、東武住販、スパークス
*しかし今後の市場環境は良さそうなので、これらの銘柄は買い増した方がいいのかもしれない。
・ストック型だが売上高の伸びがそれほど期待できないリスクモンスター
・プラットフォーマーだが力強い成長に疑問符がついたインフォマート
あたりになる。

月1の市場環境チェック

どうせだから市場環境も一緒にチェックしていく。

■ファンダメンタル
・金利
アメリカの短期金利は1.25%で長期金利は2.32%。日本の金利は長短ともに0%。
期待利回りが7%程度ある株式のほうが国債よりも優位な状況は変わらず。
アメリカの今後5年間の平均インフレ率は2.4%程度で日本は1.3%程度なのでしばらくは低金利が続きそう。
参考:世界経済のネタ帳 アメリカ
   世界経済のネタ帳 日本

・金融政策
日本は金融緩和を継続。ヨーロッパはもうじき終了。アメリカはすでに引き締めに転じている。アメリカの引き締め速度は、インフレ率が低いため、非常に穏やかなものになりそう。それでも12月の金利引き上げでは一波乱ありそう。

・金融機関の破綻
なし。

・経済成長率
世界の2017年の経済成長率は3.6%で2018年も3.7%と良好。日本の2017年の経済成長率は1.5%で2018年は0.7%とまずまず。
参考:成長率3.6%に上振れ IMF世界予測、日本1.5% 

・EPS成長率
世界株式の2017年のEPS上昇率は26%、2018年は11%、2019年も11%と良好。日本株式の2017年のEPS上昇率は13%程度で、おそらく来年以降も10%程度が続きそう。
参考:世界株高は続くか?割安市場の選別法は?

・債務
中国の債務残高は官民合計でGDP比300%
日本政府の債務残高はGDP比240%
アメリカ政府の債務残高はGDP比110%、民間の債務残高はリーマンショック前を超えている。
債務残高は非常に高いが、金利は低いままなので債務圧縮局面はまだ先になりそう。

・政治
日本の衆院選は自民党が勝ちそう。その根拠は野党が混迷しているのと、北朝鮮との緊迫や株高のときは現政権への支持率が高まるため。自民党が勝てば、政権の安定と金融緩和継続の期待から株式市場は上がりやすくなる。
トランプさんはイランや北朝鮮、トルコとの関係を悪化させそう。

■テクニカル
・チャート
世界中の株式市場が上昇トレンド

・ディストリビューションデー
典型的な上昇トレンドなのでカウントせず

・ヒンデンブルグオーメン
無点灯

・騰落レシオ
ダウ 120%
ナスダック 110%
日経平均 137%

・信用評価損益率
-8.8%

■結論
株価にやや過熱感があり、各国の過大な債務残高は気になるが、中期的な市場環境は比較的良好。

朝日ネット

「日本超小型株式ファンド」で見つけた銘柄

■調べようと思ったきっかけ
・チャートに過熱感がなく、底堅い感じだったから
・ストック型ビジネス、貸借倍率の低さ、好財務、高配当などファンダメンタル面でも底堅そうだったから
・足下で大きな設備投資をしていたから

■どんな会社か
ネットのプロバイダー事業と教育システム事業を手がける。売上比率はプロバイダー事業が84%で教育システム事業が16%。両方ともストック型事業。

東証一部上場で時価総額は170億円。配当は3.3%、貸借倍率は0.25倍。
今期の売り上げ予想は100億円で営業利益率は10%程度。

■成長ストーリー
IOTやM2Mの需要をいち早くとらえて事業を拡大していく、というのが基本ストーリー。

個人向けのプロバイダー事業は頭打ちのため今後は法人向けサービスに注力していくことになる。法人向けはIOT/M2Mのプロバイダー事業だけでなく、大学向けに提供している教育システム事業も促進。教育システム事業は東大や慶大など200以上の大学に普及しており、足下でも増加傾向にある。

法人向けサービスの中で今後特に伸びそうなのがIOT/M2M分野になる。監視カメラやPOSレジなどをクラウド化することによって、管理ソフトの自動アップデートや正確性を増した管理ができるようになるため長期的な需要の拡大が見込めるという。IOT市場は今後年率10%以上、ネットワークカメラにいたっては年率30%以上成長していくとされ、会社はこの分野を伸ばしていくという。ネットワークカメラ事業では2015年にビデオ管理ソフト世界最大手のマイルストーン社(キャノン傘下)と提携している。

もしかしたらだが、今期に社員が激増している可能性がある。四季報や日経の情報では社員数が130人となっているが、会社のホームページでは206人となっている。会社は営業攻勢をかけているのかもしれない。
*しかし今期と前期の第1四半期決算書を比較すると販管費は微減しているので、社員が激増している可能性はそれほど高くない。単なる集計方法の違いによるものかもしれない。

足下で行った大きな設備投資によって高収益体質に転換しつつあるのも良い。従来はトラフィック(通信量)が増すたびにコストも上昇する従量制だったが、それを今回固定制に切り替えている。今後は売上拡大に伴って利益も上昇していくようになる。

■参入障壁は高いか
個人向けプロバイダー事業の参入障壁は低い。すでに価格競争に陥っている。
法人向けプロバイダー事業の参入障壁もそれほど高くはないが、競争は比較的穏やか。

朝日ネットの強みは通信品質の高さになる。顧客満足度は10年以上1位もしくはトップ圏内を維持している。私のプロバイダーも朝日ネットだが、これを選んだのはフレッツ光の担当者に「一番速くて安定感があるのはどこか」と聞いたときにここを勧められたから。業界での評判は高いのかもしれない。法人向けではこの信頼性の高さが競争上のカギになるように思う。システムの大半は自社開発しているとのことで、スピーディーかつ臨機応変にシステムを構築していけるのが通信品質の高さにつながっているのかもしれない。

社長がこの分野にかける意気込みも強みになりそう。社長は「いまやコミュニケーションは人間と人間がダイレクトに行うだけとは限らない。機械を始め、多くのものが介在する。その一つひとつが、新しいお客さまになるんです。つまり、可能性が日々増えている。すごくやりがいのある、楽しい時期だなと思います」とコメントしているので、今後面白そうな展開が期待できる。

教育システム事業の参入障壁は、詳細は不明だが、競合は限られている様子。

■その他の問題点
・今期は設備投資のため減益になる。増収増益基調になるのは来期以降。
・通信システムを従量制から定額制に切り替えたわけだが、定額制のコストがどれほどになるのかまだわからない。
・IOT(モノのインターネット)はハイプサイクルで見ると幻滅期に入ったばかり。
・セキュリティソフトはカスペルスキーを使っているようだが、先日米国ではロシア政府にハッキングされる可能性があるとして政府内での使用を禁止している。日本でもいずれその余波を受けるかもしれない。

■割安感はあるか
売上高成長率10%程度でPERが24倍というのはやや割高に見えるが、来期から3年程度の利益成長率を年率30%程度と見積もるとやや割安感がある。

■チャートや戻り売り圧力
戻り売り圧力はほとんどない。
株価は累積売買高的には短期、中期ではほぼ底になり、長期では天井圏になる。
直近では底値を切り上げている。
<1年チャート>

<5年チャート>

<10年チャート>

■結論
朝日ネットはただのプロバイダー企業というよりIOT関連企業と捉えると面白みがでてくる。それに加え今期の設備投資により高収益体質に転換しつつあるため、来期以降のEPSは急上昇が期待できる。今投資するのは少し早い気もするが、テクニカル的にはボチボチ上がりそうな気配なのでとりあえず540円で購入。今後は520円くらいで集めていく予定。

今後3年間の予想平均株価は
2017年は650円、2018年は850円、2019年は1100円。変動率は±20%。

夢真ホールディングス

DIAM新興市場日本株ファンド」で見つけた銘柄

■調べようと思ったきっかけ
・チャートに過熱感がなく、底堅い感じだったから
・下方修正を8月に出しており、悪材料が出尽くしている感じだったから
・来期の業績予想は非常に良く、高配当で、ファンダメンタルズ的にも底堅そうに見えたから

■どんな会社か
人材派遣会社。施工管理技士派遣が75%でITエンジニア派遣が25%。

ジャスダック上場で時価総額は580億円。配当は4.4%。創業者一族が大株主であり経営陣。

■成長ストーリー
稼働人員を増やして業績拡大、というのが基本ストーリー。

建設現場の施工管理技士は10年前は42万人いたが今は32万人と減っている。そしてこれが10年後には22万人になると会社は予想している。一方で建設需要は今後もほぼ横ばいのため施工管理士は慢性的に供給不足になると見ている。夢真ホールディングスは現在4000人程の施工管理技師を抱えているが、これを2020年までに6000人まで増やす計画だという。

施工管理士派遣事業は当面堅調らしいが、さらに長期で考えると日本は人口が減っていくので建設業界には不透明感があるという。そこで2030年に世界でITエンジニアが2000万人不足すると言われているITエンジニアの派遣事業に軸足を移すという。2020年までにITエンジニアを4000人まで増やす計画だという。現在、ITやIT人材育成に長けた会社を買収・提携しており、2020年までに65億円を費やしてさらに買収・提携をしていくという。

■参入障壁は高いか
施工管理技士派遣業の参入障壁はそこそこ高い。
施工管理技士の派遣は建設業界にネットワークを構築する必要があり、また成長市場というわけでもないので参入企業は限られる。施工管理技士を派遣する上場会社はここだけになる。

ITエンジニア派遣業の参入障壁はそれほど高くはない。夢真ホールディングスは新規参入組になる。

■問題点
・ITエンジニアを今年だけで1000人以上採用しているが、採用基準は若さだけで経験は不問らしい。そういった若者をたかだか2ヶ月研修しただけでITエンジニアに育成できるとは思えない。

・採用された人の大半を正社員化しているが、生産性の低い人材を大量に抱えた場合は収益が大幅に悪化してしまう。

・今年は2500人採用し来年も同程度採用するという。比率はIT人材のほうが高いという。ITエンジニアの派遣事業はまだ軌道に乗っているようには見えないが、このような状態で大量採用するのは危険に見える。会社は少し焦りすぎな印象がある。

・配当性向は100%程度と高いが2015年にはその状態で増資をしている。なぜ配当を削ってその分を投資にまわさないのか不思議。

■チャートや戻り売り圧力
戻り売りはそれほどない。
株価は累積売買高的には短期、中期、長期ともに底。
大きな三角保ち合いを形成しており直近では底値を切り上げている。
<1年チャート>

<5年チャート>

<10年チャート>


■結論
建設業界向けの技師派遣だけなら独自性があって面白いと思ったが、ITエンジニアの派遣がネックになる。今後利益率は落ちていきそう。会社の計画では今期の売上が300億円で営業利益が22億円、来期が売上400億円で営業利益45億円、2020年には売上600億円で営業利益90億円としているが、達成には不透明感が漂う。

チャートや配当、来期の業績予想から判断すると株価は今後下がりにくそうだが、ITエンジニア派遣事業の不透明感から上がりにくそうでもある。業績を確認しながらチマチマ上がっていく感じになりそう。

この銘柄は以前調べたFPGと似ている感じがした。

*この会社は調べている途中で冷めてしまったので、会社のIR資料をほとんどチェックしてない。