2026年4月1日水曜日

1~3月の売買

 ■1月

・NTT 買い増し
光電融合技術「IOWN」が伸びそうだと思ったから。
割安感もあったから。PER12倍、配当利回り3.3%と、底堅い印象があった。

・新日本科学 半分売却 +14%
新形態薬の上市を予定している子会社Satsumaの契約の遅れが気になり調べたところ、2023/4/18日経バイオテクに、「Satsuma社はSTS101の第3相試験で主要評価項目を達成できなかった」とあった。新日本科学はこの事実を承知の上で同社を買収し、上市を進めようとしていたので、判断力に疑問符がついた。

・米ドル 新規買い
高市政権が解散総選挙を発表し、ほぼ全政党が消費税減税&リフレ政策だったから。円は180円くらいまで下落しそうだと思った。

しかしその後、米金融当局の「レートチェック」を受けて円が急上昇(笑)。1/24日経1/27日経
もっとも、今回のレートチェックは日本支援というより、米国債市場の安定が目的のようなので、円安抑止効果は限定的になりそう。

*レートチェックとは:為替介入の実務を担う中央銀行が市場参加者に為替レートを打診する行為。単なる相場確認にとどまらず、提示レートに対して中央銀行が「売る」と応じれば、その場で取引が成立する可能性もあり、実際の為替介入に発展し得る緊張度の高いプロセス。1/27日経1/28日経


・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し
・米アマゾン ドルコスト平均法で買い増し



■2月

・エムスリー 全売却 損益-17%
3Q決算は市場予想を下回り、株価は大幅下落。事業環境は悪くないので、長期ではそれほど問題なさそうにもみえたが、AIの負の影響が読み切れなかったので、売ることにした。

現在、AIの登場を背景に「SaaSの死」が議論されている。この議論を整理すると、次の三点に集約される。

・AIコーディングの進化により、企業が自社ツールを内製できるようになる。
・AIエージェントが業務を直接実行するようになれば、ソフトを操作する主体は人間からAIへと移行する。その結果、従業員数に応じて課金する従来のSaaSモデルは崩れる。
・AIエージェントが複数のツールを横断して業務を実行するようになれば、アプリケーションそのものの役割が変質する。

もっとも、SaaSがすぐに消えるわけではない。AI企業を含め、多くの企業は依然としてWorkdayやSalesforceなどの既存SaaSを利用している。

理由は主に2つある。

・法規制対応、セキュリティ、ネットワーク効果、データ管理といった領域では、専門企業のサービスを利用する方が合理的。
・既存SaaSもAI機能を取り込みながら進化を続けている。

しかし、長期的にはOSやブラウザレベルで動く万能AIが登場し、複数の業務ソフトを横断して操作できるようになれば、SaaSはただの「データ基盤」になる可能性が高い。

今後、SaaS企業を買うとしたら、AIエージェントを構築できるプラットフォームを持つ企業か、複数のAIエージェントを統合・管理するプラットフォームを持つ企業になりそう。


上記に加え、AI時代には数人のアーキテクト(設計者)だけでシステムを構築できるようになるので、上級エンジニア以外は「コスト」と見なされる可能性が高い。エムスリーはエンジニアを多く抱えるテック企業でもあるので、リストラが円滑に進まなければ、競争力を失う可能性がある。すでに、世界最大の医薬品市場である米国では、エムスリーの成長はほぼ消失している。これがAIや人員構造の問題だけで説明できるわけではないが、先行きの不透明感は強い。

さらにAIの影響を俯瞰すると、AIは知能コストをゼロに近づける技術のため、「SaaSの死」というよりも「知的資産の死」が進行しているようにも見える。これまで人間の「賢さ」は希少で高価な資源だったが、AIの登場により、それは急速にコモディティ化しつつある。

現在の株式市場の評価の多くは、「知能の希少性」という前提の上に成り立っている。この前提が崩れるのであれば、影響を受けるのはSaaS企業にとどまらない。

ソフトウェア企業や高度人材を大量に抱える企業など、知的資産(無形資産)を価値の源泉としてきた企業全体に対して、構造的なディスカウントが長期で続くのではないかと思う。


・サイバーエージェント 200株残して全売却 損益-7%
この会社もこの流れでいくと危ないと思った。
広告事業ではすでに“ディスカウント”が進行しており、ゲーム事業にも同様の兆しが見え始めている(詳細は後述)。

一方で、同社は今後の成長分野であるエンタメ領域に大きく張っており、人材の質や育成体制にも強みがあるので、成長できそうでもある。引き続き観察し、今後の動向を見極めていきたい。


・フィルカンパニー 全売却 +15%
金利が上昇基調で、不動産開発事業を営む同社の事業環境が悪くなりそうだったから。
一目均衡表の「10年雲」の底にぶつかっていたから。
そもそも、あまり興味がわかなかったから。


・新日本科学 全売却 +14%
Satsuma社の件や3Q決算を見て冷めたから。


・米アマゾン 買い増し
決算後に株価が大幅下落していたから。
下落した理由はおそらく巨額投資(約30兆円)に対する過剰投資懸念と、それに伴う財務悪化への不安になる。

ただし、AI時代においては最終的にAIインフラ系が生き残りそうなので、長期的に見て問題なさそうだと思った。


・米ブロードコム 新規買い
Googleの半導体開発パートナーであり、AIチップ需要はまだまだ伸びそうだと思ったから。
経営者が計算高そうな人なので、安心感もあった。

ただし、OpenAIあたりの失速を起点としたAIブームの一時的な腰折れや、「SaaS崩壊」「知的資産の死」「ホワイトカラー縮小」といった構造変化が引き金になりそうな金融危機には注意したい。


・SBIホールディングス 半分売却 損益+112%
ここも半ばテック企業のようなもので、AIの負の影響を受けそうだと思ったから。


・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し



■3月

・マイクロソフト 買い増し
3/9日経3/10ロイターがきっかけ。

3月、米マイクロソフトは、業務ソフト「Microsoft 365」 に、米アンソロピックのAIエージェント「Cowork」 を組み込んだ新機能「Copilot Cowork」 を試験提供すると発表した。

AIエージェントの導入において、企業がもっとも神経を使うのは、おそらく安全性になる。AIエージェントはPC内部に入り、複数のアプリケーションを横断して操作するため、誤作動や暴走が起きた場合、情報漏洩やデータ破損といった重大なリスクにつながる可能性がある。3/18インフォ

両社は安全性に注力しており、これまでの実績からも信頼性は高い。マイクロソフトは顧客基盤とデータを握り、アンソロピックは高度なAIエージェント技術を持つ(3/26インフォ)。この組み合わせにより、AIエージェントの管理・統合プラットフォームとして強固なポジションを築けそうだと思った。

現在、AIエージェントは様々なタイプが登場しつつあるが(3/16CBインサイツ)、マイクロソフトのプラットフォームに問題がなければ、最終的に多くのAIエージェントが同社の基盤上で管理・統合される方向に進むのではないかと思った。


・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し
・米ブロードコム ドルコスト平均法で買い増し

保有株

保有比率の高い順に見ていく。

■米アルファベット
基本シナリオ:中期「AIインフラと知能でトップに」→ 長期「大発明家に」

4Q決算も順調で、市場予想を上回ったもよう。
・売上高:1,138億ドル(+18%)
・営業利益:359億ドル(+16%)
・営業利益率:約32%

→ 高成長を維持しつつ、高い収益性も確保。

<事業別の状況>

① 広告・YouTube・サブスク
・売上:959億ドル(+14%)
・営業利益:359億ドル(+16%)

→ 主力の広告は依然として強固。AI時代でも「キャッシュ創出源」として機能。

② Google Cloud
・売上:177億ドル(+48%)
・営業利益:53億ドル(前年20億ドル)

→ AI需要を背景に急成長+収益化フェーズに突入。
→ 「次の柱」としての存在感が急速に拡大。

③ Other Bets(Waymoなど)
・売上:3.7億ドル
・営業損失:36億ドル(3倍超に拡大)

→ 依然として先行投資フェーズ。
→ 将来のオプション価値だが、短期的には利益圧迫要因。

<地域別売上成長(通期)>

・米国:+14%
・EUや中東:+15%
・アジア(日本など):+19%
・その他南北米(カナダ、メキシコ、ブラジルなど):+17%

→ グローバルでバランスよく成長。特にアジアの伸びが顕著。

<2025年12月期の総括>
・広告:安定成長(キャッシュ源)
・Cloud:急拡大(成長エンジン)
・AI:需要の中核ドライバー
→「広告企業からAIインフラ企業へ進化中の過渡期」という位置づけの決算。広告で稼いだキャッシュを、CloudとAIに再投資し、次の覇権を狙う構図。


決算後に株価は下落。主因は、過剰投資懸念になりそう。今期の設備投資計画は、前期比ほぼ2倍の1750億〜1850億ドルと、市場予想(約1200億ドル)を大きく上回っている。

巨額投資により、フリーキャッシュフローはほぼ消滅し、資金調達として借り入れが必要となる見込み。現時点で社債発行は順調に進んでいる。

12月末時点のクラウド受注残は9月末比で55%増の2400億ドルに拡大している。ピチャイCEOは決算説明会で、こうした大規模投資を行ってもなお、「2026年末にかけても供給制約が続く」との見通しを示している。2/5日経2/5日経2/9インフォ2/7インフォ2/26インフォ


米国では、データセンター運営企業が電力インフラの設備費用を負担する流れが強まりつつある。これはGoogleクラウドにとってコスト増要因となるが、同社はすでに電力会社の買収などで先手を打っているので、現時点では大きな問題にはなりにくそう。1/17日経1/19インフォ

一方、中国は豊富な電力供給を背景に、米AI企業を技術面で猛追している。半導体性能での劣位を、低コストの電力で補う構図。米国におけるAI開発のボトルネックが電力不足にシフトしつつある中、中国の存在感は一段と高まっている。1/20日経

中国はAIモデル開発も順調なようで、性能がChatGPT級でありながら、運用コストを5分の1に抑えたAIを開発している。1/31日経

とはいえ、中国のAI開発は「蒸留」に依存するケースも多いとされる。蒸留とは、既存のAIに大量の質問を投げて回答を収集し、その応答パターンを別のAIに学習させる手法。効率的な開発手段であるが、業界では「AI開発の抜け道」とも指摘されており、実質的に知的財産の搾取と見なされている。2/13Gigazine2/23インフォ2/12インフォ

中国企業が開発する「オープン型」AIモデルの利用が拡大している。世界シェアはこの1年で1%から約15%へと拡大した。理由は高性能で低価格なこと。この点については前回も触れたが、引き続き注視していく。1/9日経

3/27ロイターによれば、中国の大手AI企業は、これまで進めてきたオープンソース(無料公開)路線の見直しを迫られているという。背景には、投資家からの収益化圧力の高まりに加え、米中対立などの地政学リスクがある。この流れでいくと、中国AIは「普及優先のオープン戦略」から、「収益と安全保障を重視したクローズド戦略」へと徐々に軸足を移していく可能性が高い。となると、現在の「オープン型」モデルのブームも、そう長くは続かないのかもしれない。


今年のダボス会議で、Google DeepMindのトップであるデミス・ハサビス氏は「AGIの実現はまだ先」との見解を示した。2030年までに実現する可能性はあるものの、依然として多くの課題が残されているという。現在のAIには、主に次の3つの弱点があると指摘している。

・継続学習ができない。→経験から自律的に学び続けることができない。
・長期的な計画を立てられない。→年単位の戦略を構築できない。
・知能の一貫性がない。→分野ごとの能力のばらつきが大きく、真の知性とは言い難い。

こうした状況を踏まえると、Googleが「大発明家」としてブレークスルーを次々起こすフェーズは、まだ先になりそう。このフェーズこそが株価の大きな上昇要因につながると考えられるため、株価の本格的な上昇はもうしばらく先になるかもしれない。

一方で、創薬などの分野では研究開発が着実に進展している。直近では、DNAのわずかな変化が遺伝子の働きに与える影響を予測する新型AI「アルファゲノム」を発表している。このAIは創薬や医療研究の在り方を大きく変える可能性があり、ゲームチェンジャーとなり得る技術として注目されている。1/29日経3/11日経3/3インフォ


Waymoのロボタクシー料金が、UberやLyftに近づきつつある。ロボタクシーは「実験」段階から、実用的な移動手段へと移行しつつある。1/28日経

Waymoは2月に約160億ドル(約2.5兆円)を調達した。これを原資に、ロボタクシー事業のグローバル展開を加速させるという。2/3日経

一方で、規制面のハードルも依然として高い。米ニューヨーク州は、Waymoの試験走行を州全域に拡大する計画を撤回し、現在の試験も2026年3月末で終了する予定。背景には、安全性、法制度、雇用、都市特性といった複合的な課題があるとされる(2/21日経)。なかなかすんなりとはいきそうにない。

<WaymoとTeslaの戦略の違い>
Waymoは、特定エリアに限定して完全自動運転を実用化する戦略。
Teslaは、世界中どこでも走行可能な“人間レベル”の運転AIを目指す戦略。

現時点では、Waymoは“難易度の低い領域から攻める”ことで先行し、すでに収益化も進んでいる。一方で、Tesla型のアプローチが成功すれば、一気に逆転する可能性もある。ただし、その実現難易度はAI研究の中でも最難関クラスとされる。

iPhoneSiri(音声で操作できるパーソナルAIアシスタント)は、近くGoogleのGeminiを活用した大型アップデートが予定されている。

AIがiPhoneの中核技術となった場合、主導権をGoogleに握られる可能性もあるが1/22インフォ)、AppleはiPhone本体とスマートフォンOSという基盤を押さえているので、たとえAIが主役の時代になっても、「地主」として主導権の一部を維持しつつ、共存していけるのではないかと思う。3/25インフォ

産業用ロボットの開発プラットフォーム(オープンソース基盤ROS)を提供するGoogle系企業イントリンシックの存在感が高まっている。日本のファナックもROS対応を表明しており、この分野でもGoogleが覇権をとる可能性がある。

ロボット用AIにおいては、「世界モデル」が基盤技術になる可能性が高いとされる。その領域で先行するGoogleは、今後も優位性を維持できる可能性が高い。2/26日経3/16CBインサイツ3/20インフォ

*「世界モデル」とは
AIにおける「世界モデル」とは、環境の構造や因果関係を内部に表現し、状況の変化や行動の結果を予測できるモデル。従来のAIモデルが「入力に対して最も確からしい出力を返す」ことを主眼としていたのに対し、世界モデルは「この世界では何が起きるのか」を内部でシミュレーションし、未来の状態を推測できる点が異なる。つまり、単なるパターン認識を超え、世界のルールを再現することで予測や計画を可能にする技術であり、AGIに近づくための中核要素の一つとされる。


AIモデル開発においては、競合のxAIやメタが苦戦していると報じられている(3/14日経3/12インフォ)。メタでは一時的な対策として、GoogleのGeminiをライセンス契約で活用する案も検討されたという。後発企業はデータ、人材、資金といった面で不利な立場にあり、もう追いつける段階にはないようにみえる。

Googleが、大規模言語モデル(LLM)に必要なメモリー量を大幅に削減する新技術「TurboQuant」を発表した。精度を維持したまま、メモリー使用量を「少なくとも6分の1以下」に圧縮できるという。この削減幅は尋常ではなく、開発そのものにも“Turbo”がかかっているように見える。3/27日経3/28日経


OpenAIは動画生成AI「Sora」の事業を終了した。背景には、動画生成に伴う高コストや著作権問題、AI競争の激化に加え、最大の要因として計算資源の制約がある。収益性の高い法人向け領域やAGI開発を優先する戦略とみられる。

動画生成領域ではGoogleの「Gemini」に対抗する有力プレーヤーが一つ消えた。動画生成は計算負荷が大きく採算面に課題を抱える一方、AIの総合力を高めるうえで重要な領域でもある。長期的にはGoogleにとって有利な展開にみえる。3/25日経3/31日経


メタやGoogleなど、SNSを運営する企業に対する集団訴訟が始まった。今後、数千件規模に拡大する可能性があり、判決次第では事業運営に大きな影響が及ぶ可能性がある。

争点となっているのは、「中毒性を生む設計」。メタをはじめとするSNS企業は、脳科学や心理学の知見を活用し、ユーザーの依存を促す設計を意図的に行ってきたとされる(『スマホ脳』)。この点が悪質性として問われており、何らかの処分や新たな規制導入につながる可能性が高い。結果として、業績には一定の下押し圧力がかかる見込み。

ただし、YouTubeはすでに視聴制限機能などの対策を導入しており、影響は限定的になりそう。そのため、アルファベット全体への業績インパクトは相対的に小さくなる可能性がある。1/26インフォ

米ニューメキシコ州の裁判で、メタは未成年のSNS利用者を性被害から十分に保護しなかったとして、約590億円の支払いを命じられた。同社は未成年の安全やSNS依存を巡る訴訟を他にも抱えており、将来的には、たばこ産業のように巨額負担を伴う規制強化へ発展する可能性がある。3/25日経

*米たばこ業界では1990年代、「中毒性を認識しながら適切な対策を講じなかった」として訴訟が相次ぎ、企業は巨額の賠償や広告規制を受けた。今回のSNS訴訟も、こうした流れとの類似性が指摘されている。3/27日経

米カリフォルニア州の裁判所は、未成年のSNS依存を巡る訴訟で、メタとGoogleに責任があるとする評決を下した。アルゴリズムや自動再生、通知機能が中毒性を高める設計となっており、安全対策が不十分だったと認定した。

両社には計600万ドル(9億5千万円)の賠償が命じられ、メタが70%、Googleが30%を負担する。両社はともに控訴する方針を示している。

この裁判は、SNS企業の設計そのものの責任を問う初の代表的案件とされ、同様の訴訟数千件の行方に影響を与える可能性がある。さらに、この論理はOpenAIやGoogleのAIサービスにも波及する可能性がある。Googleも規制強化や設計変更、賠償ラッシュを避けられないのかもしれない。3/26日経3/25インフォ

……現在のところ、こんな感じになるが、この問題はSNSにとどまらず、インターネットの根幹に関わるものなので、そう簡単に結論が出る話ではない。訴訟ではSNSの「中毒性」が問題視されているが、そもそも終わりのない情報を提供するインターネット自体が、本質的に中毒性を内包している。

また、ユーザーの滞在時間を延ばす設計は、SNSに限らず、テレビやゲーム、動画配信などあらゆるメディアに共通している。SNSはそれが極端に表れた存在にすぎず、「依存を意図した設計」なのか、「満足度を高める設計」なのかの線引きは極めて曖昧になる。

さらに、科学的な因果関係の立証も容易ではない。SNS利用とメンタルヘルスの悪化には相関がある可能性は高いが、依存や精神的影響は、個人の特性や家庭環境、社会的要因など複数の要素が絡む問題であり、「SNSが直接の原因」と断定するのは難しい。この点は、過去のゲームやファストフードを巡る訴訟と同様、企業側に有利に働く余地がある。

加えて、利用が任意である以上、一定の自己責任や、未成年の場合には保護者の監督責任が問われる余地も残る。実際、IT企業側もペアレンタルコントロールやスクリーンタイム制限といった「ブレーキ」を提供しており、それを利用しない側の責任も論点となり得る。

また、たばこ産業との単純な類推にも無理がある。たばこは医学的に有害性が明確で、依存性も物理的に裏付けられている。一方、SNSは情報取得やコミュニケーションといった有益な側面を持つ。中小企業のマーケティング、災害時の情報共有、孤立を防ぐコミュニティ形成など、その「正の外部性」は大きい。SNSはすでに現代社会のインフラであり、その利便性を大きく損なう規制は、社会全体の利益を損なうリスクを孕んでいる。

さらに踏み込めば、アルゴリズムによるコンテンツ配信は「編集行為」や「言論」とみなされる可能性があり、規制は「表現の自由」との衝突を引き起こす。この論点は法的に極めて重く、規制のハードルを引き上げる要因となる。

以上を踏まえると、訴訟の拡大が直ちに「たばこ型の巨額賠償モデル」に収束するとは限らない。現実的には、一部機能の修正や安全対策の強化といった限定的な対応にとどまり、ビジネスモデル自体は維持されるシナリオも十分に考えられる。

AIサービスへの波及についても同様で、SNSとは性質が異なる以上、同じ論理がそのまま適用されるとは限らない。仮に「ユーザーを引きつけすぎる設計」が問題視されるのであれば、利便性を極限まで追求する生成AIもまた同じ議論に巻き込まれることになる。テクノロジーの進化そのものが「悪」と定義される事態を避けるためにも、SNS企業は強く争う構えを見せる可能性が高い。



■イントラスト
基本シナリオ:「賃貸保証会社」から「多角的な保証プラットフォーマー」へ

3Q決算も順調だった。ただし、昨年11月にIT企業のキャロルシステムを約8億円で買収していたことがわかった。同社はWebシステムや業務システムの開発を手がけ、特にコンテンツ管理システム(CMS)を活用したサイト構築に強みがあるという。11/21IR

AIの進展によりソフトウェアやエンジニアの価値が低下しつつある現状を踏まえると、こうした企業の買収はリスクが高い。キャロルシステムの2025年期業績は、売上高12億円、営業利益3000万円(営業利益率2.5%)、純利益3000万円になる。過去3期もほぼ同水準で、成長率は0%。買収額8億円に対し、PERは約26倍と割高感がある。

利益水準が低いため、競争環境が悪化すれば赤字転落のリスクも高い。今後は価格競争の激化が見込まれるため、1年半くらいで減損に至るのではないかと思う。

今回の買収は、シナジー創出というより、業績の見栄えをよくするために行ったのではないかと思う。同社は来期に売上高150億円という目標を掲げており、既存事業だけでは達成は困難と見ていた。しかし、今回の買収により、それが射程圏内に入る。

この会社を長年観察してきて、経営者の判断能力の高さに疑いはないが、今回は数値目標に引っ張られてミスジャッジをしたように見える。



■米ブロードコム
基本シナリオ:「AI革命」序盤の主役へ

1Q決算は市場予想を上回る好内容だった。

・売上高:193億ドル(前年比+29%)
・純利益:73億ドル(+34%)
・AI関連売上:84億ドル(約2倍)

ブロードコムは、AI専用の特注半導体(ASIC)の設計支援を手がけており、この分野が急成長している。

AIチップ事業の売上高は以下の通り拡大

・2024年:約120億ドル
・2025年:約200億ドル
・2026年:1Q 84億ドル、2Q予想 107億ドル

この急拡大が、全社成長の主因となっている。今後の会社見通しも強気。

主要顧客であるGoogleは、最大100万個規模のTPU供給計画を進めており、ブロードコムの受注拡大を強力に後押ししている。

米国とイランの戦争により、中東におけるデータセンター計画に不透明感が漂い始めた。湾岸諸国では、安価な電力を背景に、総額3000億ドル超のAI投資が計画されているが、イランが一部のデータセンターへの攻撃を開始したことで、地政学リスクが一気に顕在化した。戦争が長期化すれば、AI投資の一時停止や建設地の見直しが進む可能性がある。3/8インフォ3/28日経



■米アマゾン
基本シナリオ:EC・物流・ロボット分野で圧倒的な地位を維持しつつ、メディア・クラウド・AIでもトップ集団に残る

4Q決算も概ね順調だった。
・売上高:2134億ドル(前年同期比 +14%)。*為替影響を除くと約+12%成長。
・営業利益:250億ドル(前年212億ドル)。*特別費用を除くと274億ドル相当。

セグメント別売上
・北米:1271億ドル(+10%)
・国際:507億ドル(+17%)
・AWS(クラウド):356億ドル(+24%) → 13四半期ぶりの高成長。

通期(2025年)
全体
・売上高:7169億ドル(+12%)
・営業利益:800億ドル(+17%)
・純利益:777億ドル(+31%)

今期はAI・インフラ・ロボティクスなどに、約2000億ドル(前期比+50%超)の設備投資を計画。

Amazon株もGoogle株と同様、決算後に過剰投資への懸念から株価が下落してしまった。ただし、アンディ・ジャシーCEOは「クラウド事業では需要見通しに基づき高い収益を実現してきた。AIは巨大な成長機会であり、今回も投資回収には強い自信がある」と述べているので、長期では特に問題なさそう。2/6日経2/5インフォ2/5インフォ

また、米マッキンゼーは、2030年までに世界で6.7兆ドル(約1000兆円)のデータセンター投資が必要となり、そのうち5.2兆ドルがAI向けになると予測している(3/13日経)。こうした需要見通しを踏まえると、足元で指摘されている過剰投資懸念は、杞憂に終わりそう。


アマゾンクラウドAI部門の主要顧客であるアンソロピックが、米国防総省との対立により、同省向けサービスの提供を停止することになった。
*完全停止は8月頃の見込み。今後は裁判や協議が予定されており、状況が変化する可能性もある。

もっとも、今回の措置は他の政府契約や民間ビジネスまで全面的に制限するものではない。そのため、現時点ではアマゾンへの影響は限定的になる。2/27インフォ3/7日経3/6インフォ


Amazon Web Services(AWS)は大規模な組織再編を進め、AIエージェントを次の中核事業と位置づける戦略へと転換した。従来のAI基盤であるAmazon BedrockやAmazon SageMakerも再編の対象となり、一部サービスの終了を含めて、リソースをエージェントAIへ集中的に振り向けている。

AWSの強みは、企業のデータ、業務システム、クラウド基盤をすでに広く押さえている点にある。これにより、AIが実際の業務を遂行できる環境を提供できる。AWSは、「AIを動かすクラウド」から「AIが働くインフラ」へと進化しようとしている。エージェントAIを次の覇権レイヤーと捉え、大きく賭けに出ている(2/1インフォ)。この方向性は正しそう。


AWSは、人員削減を進める一方で、営業や事業開発、技術支援などを担う社内AIエージェントの導入を加速している。ソリューションアーキテクトやエンジニアの業務にもAIによる部分的な自動化が広がり、社内の幅広い領域で効率化が進みつつある。

ホワイトカラー業務の自動化が本格化し始めており、今後は「知能代替」による利益率上昇が期待できる。3/24インフォ


アマゾンはOpenAIに最大500億ドルを出資する方針で、アマゾン向けにカスタマイズしたAIモデルの共同開発を含む大規模な提携を進めている。主な狙いは、音声アシスタント「Alexa」など自社AI製品の高度化にある。この提携により、OpenAIはAWSの有力顧客となる可能性が高い。ただし、OpenAIはどこかで大ゴケする可能性があるので、その点には注意したい。2/4インフォ2/4インフォ2/27インフォ

アマゾンは、配送効率化を目的に自律型ロボット企業Rivrを買収した。狙いは「ラストワンマイル(最終配送)」の自動化であり、将来的には人型ロボットや自動運転との連携も視野に入れている。3/19日経

さらに、家庭用ヒト型ロボット開発の新興企業Fauna Roboticsも買収し、物流にとどまらず一般家庭向けロボット事業にも本格参入した。同社の「スプラウト」は、高さ約1メートル、重さ約23キロと小型・軽量で、従来のロボットに比べて安全性や普及性の面で優位性があるとされる。3/25日経

こうしたロボット分野にもOpenAIの技術が組み込まれる可能性は高い。ただし、同社はまだ「世界モデル」などの基盤技術の確立途上にあり、中長期では優位性が揺らぐ可能性もある。


AWSは、AI需要の爆発的拡大を背景に、現在約1300億ドル規模の事業を将来的に6000億ドルへと拡大できる可能性があると、ジャシーCEOは見ている。

その成長の裏には、自社開発だけでなく、OpenAIやAnthropicといった有力AI企業との強固な連携がある。特にOpenAIは、今後8年間で約1400億ドルのクラウド支出を見込んでおり、AWSにとって巨大な需要源となる見通し。Anthropicも急成長しており、この2社を取り込むことで、出遅れていたAI競争の遅れを一気に挽回しようとしている。

さらに、政府・軍事分野への展開も進んでおり、AIは単なるクラウドの付加機能を超え、国家レベルの基盤インフラへと変わりつつある。AWSの強気な成長見通しは、クラウドが「計算資源」から「AIを支える中枢インフラ」へと進化している現実を映し出している。3/17インフォ


ChatGPTで、The Informationの記事を要約していく過程で、AIからの問いに沿って掘り下げていくうちに、「AIバブルの最終勝者ランキング」という整理が出てきた。内容に一定の妥当性があると感じたため、メモとしてコピペしておく。

1位:インフラ地主(クラウド+電力)
AWS / Azure / Google Cloud
理由:
・モデル企業は必ず利用する
・推論需要の拡大に比例して収益が増加
・価格競争が起きても“通行税”を確保できる
・AI拡大に伴い電力・ネットワーク依存が高まる

→ AIが成功しても失敗しても、GPUが回り続ける限り収益が発生する。最も安定したポジション。

2位:チップ王者(Nvidia+次世代半導体)
Nvidia
・需要は爆発的に拡大
・代替が難しい
・CUDAエコシステムが強固

ただし:
・長期的には競争激化(TPU・AMD・ASIC)
・価格圧力のリスク

→ 現在は圧倒的王者。ただし永続的とは限らない。

3位:電力・エネルギー
見落とされがちだが、AIは「電気を知能に変換する産業」。
・再生可能エネルギー
・原子力
・送電
・冷却

→ 中長期(10年スパン)の重要テーマ。

4位:垂直統合型プレイヤー(Meta型)
・自社モデル
・自社データセンター
・自社プロダクト
・巨大ユーザーベース

→ 利益を内部で循環させられる構造を持つ。

5位:超スケールSaaSでAI統合できる企業
例:
・Salesforce
・ServiceNow
・Adobe

ただし条件:
→ AIに置き換えられないポジションを維持できるかが鍵。

6位:モデル専業(OpenAI / Anthropic)
最も注目を集める領域だが、構造的には:
・クラウドへの依存
・レベニューシェアの負担
・高額な研究開発費
・価格競争リスク
・コモディティ化リスク

→ 勝てば巨大。ただし消耗戦の側面が強い。

7位:アプリ層(AIアプリ、エージェント)
・競争激化
・参入障壁が低い
・差別化が難しい

→ 生き残るのはごく一部。

まとめ
AIブームの主役はモデル企業だが、最終的な勝者は「インフラ」という土台を握るプレイヤーになりやすい。

最大の変数
① 規制
② 地政学リスク(戦争)
③ 電力制約
④ オープンソースの進展

→ これらの要因次第で、順位は大きく変動する可能性がある。


アマゾンのリアル店舗は苦戦気味のもよう。無人レジのAmazon Goは1月に完全撤退した。その背景には、コスト問題に加え、トップダウンで標準化された店舗運営の限界があった可能性がある。子会社の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットでも、食に強いこだわりを持つ現場スタッフの離職が進み、売り場の活気や独自性が損なわれたとの指摘がある。足元では業績に底打ちの兆しもみられるが、同社の企業文化がリアル店舗と高い親和性を持つとは言い難く、大きな成長は期待しにくい。2/20日経MJ2025日経MJ

一方で、3/16日経クロストレンドによれば、アマゾンにとってリアル店舗は「収益の柱」ではなく、「高収益事業へとつなげる顧客接点」と位置づけられている。ECや店舗で獲得した顧客を基盤に、AWS、物流、広告、サブスクリプションなどで収益を回収する構造だという。

この観点から見れば、GoやFreshの撤退は、単なる失敗ではなく、「インフラとしての効率」や「独自の体験価値」の両面で期待された役割を十分に果たせなかった結果と解釈できる。言い換えれば、ジェフ・ベゾスの掲げる「考えさせない購買体験」との整合性が低い接点を切り離したともいえる。

つまり今回の動きは、リアル店舗戦略の後退ではなく、次の顧客体験を構築するための「学習と選別(純化)」のプロセスの一環と捉えることもできる。



■大和 iFreeNEXT FANG+インデックス
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

メタの将来価値に対し、SNS依存訴訟の判決が新たなリスクとして浮上している(上記参照)。特に重要なのは、メタのビジネスモデルが「ユーザーを引きつけ続ける設計」に依存している点にある。AIによってフィードを一層最適化する戦略は、今回の判決により制約を受ける可能性がある。短期的な賠償額以上に、将来の事業モデルそのものに規制・訴訟リスクが及び始めた点が本質的な問題といえる。3/25インフォ


2/26日経によると、メタでは株式購入権(ストックオプション)を行使する社員が急増し、資金繰りに影響が出始めているという。理由は明確ではないが、成長のピークアウトやリストラへの懸念が意識されている可能性がある。一般に、インサイダーによる自社株売却の増加は警戒シグナルとされる。

3/15ロイターは、メタが従業員の20%超を削減する可能性を報じた。これを踏まえると、社員による株式売却の増加は、リストラ懸念を背景とした動きだったもよう。

となると、今後はコスト構造の改善を通じて利益率が上昇していくのかもしれない。ザッカーバーグCEOは1月に「かつては大規模なチームを必要としていたプロジェクトも、今では非常に優秀な人材1人で完結できるようになった」と述べており、20%超の人員削減が現実化する可能性は十分にある。

構成銘柄からサービスナウが消えて、新たにパランティアが入ってきた。パランティアのPERは200倍を超えており、株価の変動は大きそうだが、AIビジネスやアーキテクチャ設計といった先進領域で主導的な地位にある企業なので、今後も高成長が期待できる。3/17インフォ

一方で、気がかりな点もある。同社はCIA系のルーツを持ち、「スマート戦争システム」を主導する存在でもある。この分野は、米国と中ロの間で主導権を争うゼロサムゲーム(自国が強くなるほど相手が相対的に弱くなる構造)の色合いが強く、倫理的配慮からAIの軍事利用をためらえば、敵対国に後れを取り、安全保障上のリスクが高まるという現実は理解できる。

しかし同時に、それは「効率的に人を殺すシステム」を高度化することでもあり、手放しで支持しにくいところがある。3/18現代ビジネス3/24ビジネスIT


アップルのクックCEOは1Q決算で、「今年は、ユーザーの生活をあらゆる場面で豊かにする、これまでにない革新を届ける機会に胸を躍らせている」と述べ、「最高の仕事はこれからだ」と強い自信を示したという。この「革新」とは何を指すのか。ひとつはGoogle基盤を活用した新しいSiriで、もう一つは3DモデルやAI技術を統合した「物理AI」系のガジェット(スマートグラスなど)あたりではないかと思う。

イラン革命防衛隊が、米テック企業を新たな攻撃対象として名指しした。グーグル、エヌビディア、マイクロソフト、IBM、パランティアなど7社が中東周辺に保有する計29拠点を「標的」とするリストを公開したという。

背景には、これらの企業が米国資本で、今回の軍事行動に技術面で関与したとの認識があるとみられる。また、防御が比較的手薄で攻撃しやすい「ソフトターゲット」である点も、選定理由の一つと考えられる。3/13日経

中東情勢の混迷は、金利上昇やエネルギー価格の高騰を通じて、AI開発投資に下押し圧力をかける可能性もある。3/11インフォ3/28日経


3/30日経によると、米国の大型ハイテク株は下落基調が続き、「弱気相場」入りが鮮明になっている。主要テック株で構成されるNYSE FANG+指数は直近高値から20%超下落し、算出以来初となる5カ月連続下落となった。背景には、中東紛争の長期化に伴う原油高と景気減速懸念に加え、AI関連株の過熱感や「SaaSの死」論への警戒があるとみられる。もっとも、この程度の変動は想定の範囲内。組み入れ銘柄の一部SaaS企業には不透明感が残るものの、最終的にはこれらの企業群がAI革命の勝者となるという見方に変わりはない。なお、現在の保有投信のパフォーマンスは-7%になる。



■米ベライゾン
基本シナリオ:シュルマン社長の経営改革で2027年に株価2倍(80ドル)

2025年10月にシュルマン氏が社長に就任して以降、早くも再建に向けた動きが本格化している。

4Q決算で、シュルマン氏は「2026年は転換の始まりの年」と明言した。

今後の基本戦略は以下の通り。
・コスト削減と成長投資を同時に推進
・シェア奪還に向けた本格攻勢
・価格引き上げ依存から脱却し、「持続的成長モデル」へ転換

<2025年4Q決算ハイライト>

■ 契約者動向
ポストペイド携帯純増:61.6万件(5年ぶり高水準)
モバイル+ブロードバンド純増:100万件超
ブロードバンド純増:37.2万件
FWA(固定無線)好調
Frontier買収で光回線基盤拡大

<2026年ガイダンス>

■ 契約者目標
ポストペイド純増:75万~100万件
→ 2025年の2~3倍

■ 売上
モビリティ+ブロードバンド収益:+2~3%
ワイヤレス単体は横ばい(価格引き上げ依存からの脱却を意図)

■ EPS
4.90~4.95ドル(+4~5%成長)

■ フリーCF
215億ドル以上(+7%以上成長)

■ 設備投資
160~165億ドル
→ 5G C-Band投資ほぼ完了
→ 非中核事業を大幅削減

■コスト改革(3段階戦略)
1. 組織合理化(人員1.3万人削減)
2. 業務の複雑性排除
3. AI活用による自動化
→ 2026年に50億ドルの営業費用削減を見込む

前回予想したとおりの展開。この調子でいってくれればと思う。

3/11日経によると、米通信会社はAIやクラウドの普及に伴うデータ通信量の急増に対応するため、米国内で数十兆円規模の通信インフラ投資を進めるという。

これまでベライゾンはAIインフラとは縁が薄い存在とみていたが、実際には一定の関与があるもよう。アマゾンのクラウド事業と提携していることも踏まえると、今後は「隠れたAIインフラ銘柄」として再評価される可能性がある。


■前田工繊
基本シナリオ:土木資材系のM&Aでインフラ需要を着実に取り込む

3Q決算も上振れ気味で着地。

子会社のBBSジャパン(自動車用ホイール製造)は、F1のフェラーリチームなどへのホイール独占供給が決定した。ブランド力の高さがうかがえる。一般にブランドビジネスは高い利益率が期待できるので、今後の収益貢献にも期待が持てる。1/22日経

前田工繊には長期間にわたり逆日歩が発生しており、信用倍率も1倍を下回っているが、その理由がよくわからない。なにか大きな問題があるのだろうか。



■SBIホールディングス
基本シナリオ:「どんどん巨大化する」「ネットは勝者総取りや」By 北尾CEO(参照

決算は堅調で、基本シナリオに大きな変化はない。
しかしAIの負の影響は受けそう。この点を意識してしばらく様子見。


■NTT
基本シナリオ:NTTデータを軸に成長。長期ではIOWN(光電融合技術)に期待

3Q決算は、増収減益でいまいち。ドコモが足を引っ張っているもよう。携帯事業は競争激化と設備投資増で減益基調が続く見込み。2/6日経2/6日経

期待のIOWN事業が動き始めた(12/24マイナビニュース2/5日経3/6日経)。ただし、市場の成長余地が大きい分、新規参入も相次いでいる。競合はエヌビディア、ブロードコム、ファーウェイ、サムスンといった競争力の高い巨大企業なので、見通しはあまりよくない(3/5日経1/22インフォ)。NTTは主要技術の特許を多数押さえているようだが(2025日経ビジネス)、相手が悪すぎるように見える。


NTTデータは、金融機関向けにサイバー防御を共同で担うサービス「FinSOC」を開始した。複数の金融機関のシステムを24時間監視し、攻撃の検知から被害拡大の防止、復旧までを一括して担う。すでに地方銀行などで導入が進んでおり、今後は金融業界における中心的なセキュリティ基盤となる可能性がある。3/27日経

全国の銀行はマネーロンダリング対策として、不正口座情報を迅速に共有する新たなシステムを導入する。この仕組みは、全銀協子会社のマネー・ローンダリング対策共同機構がNTTデータと共同で開発し、運用・保守もNTTデータが担う。3/29日経

NTTデータは、このような基幹デジタルインフラを支えるキープレイヤーになりそう。



■米マイクロソフト
基本シナリオ:最強のAIエージェント・プラットフォームに

2Q決算は、ぱっと見は悪くなかった。

売上:前年比 +17%(市場予想超え)
Azure(クラウド)成長も約38%増と高水準
受注残(バックログ)の急拡大。2025年9月期:3920億ドル → 2025年12月期:6250億ドルへ急増。

しかし決算後、大きく売られた。

理由は、クラウド成長率の鈍化トレンド、受注残の45%がOpenAI向け、SaaSビジネスへの逆風(Microsoft365の成長鈍化リスク)、AI投資増、あたりになりそう。1/28インフォ1/30日経

この会社の本質的な問題は、SaaSビジネスの崩壊と、OpenAIの大ゴケリスク、Copilotの実用性への疑問、になる。これらの点に注意して見ていきたい。

サティア・ナデラCEOは、将来的にAIモデルそのものはコモディティ化し、価値はAIを企業の実務で安全に活用するための「アプリケーション・スキャフォールディング(接続・管理の仕組み)」に集約されると見ている。つまり、AIを安全に稼働させる「環境」を握る企業が、最終的な勝者になるという考え方。

マイクロソフトは、Office、Windows、Azure、TeamsといったAIの利用基盤をすでに広く押さえている。この点を踏まえると、同社が構想するAIエージェント管理プラットフォームは、うまく機能するのではないかと思う。2/6インフォ3/10インフォ



■サイバーエージェント
基本シナリオ:AI・ロボット時代の余暇産業の勝者に

1Q決算は思ったよりもよかった。

・売上高2323億円(前年比 +14.0%)
・営業利益233億円(前年比 2.8倍)

<業績内訳>
ゲーム事業
・売上:647億円(+69.2%)
・営業利益:176億円(5.3倍)

メディア&IP事業
・売上:626億円(+12.5%)
・営業利益:49億円(3.5倍)

インターネット広告事業
・売上:1,146億円(▲2.7%)
・営業利益:43億円(▲27.2%)

ただし、広告事業の先行きは厳しそう。藤田会長は「(広告運用は)そんなに簡単なものではない」と述べ、顧客離脱の可能性は低いとの見方を示しているが、米欧では広告運用の内製化が進んでおり、構造的な逆風は避けにくい。1/29日経2/26日経

ゲーム事業にも怪しげな雰囲気が漂い始めた。1月にGoogleが仮想世界を自動生成するAIツール「Project Genie」を発表。現時点では完成度は低いようだが、ゲーム開発の構造そのものを変える可能性があるため、中長期では厄介な存在になりそう。1/31インフォ2/4インフォ2/19日経


この会社には、AI実装による利益成長を期待していたが、微妙な感じになってきた。それはAIは付加価値の創出だけでなく、人員削減(知能代替)を通じて利益率を押し上げる側面が大きいとわかったため。

サイバーエージェントは今年も人員を増加させており(前年同期比+342名)、これまでの傾向を見る限り、来年以降も増員が続く可能性が高い。この場合、利益率が低下していくリスクがある。AI実装が実際にコスト構造の改善につながるのかを注視しつつ、今後の動向を見極めていきたい。


3/18日経によると、ABEMAは「テレビの延長」ではなく、「世界市場で戦うための実験場」と位置づけられている。今後は「世界で勝てるコンテンツ」の創出を目指し、グローバル基準での展開を志向していくという。

動画配信はレッドオーシャン市場であり、成功のハードルは極めて高いが、同社には企画力・実行力がありそうなので、低確率ながらブレイクする可能性もありそう。



■iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

AIブームのバロメーターとして見ている。
9月に買って、現在の損益は-2%とほぼ横ばい。

銘柄選択は良さそうなので、今後はAI関連市場の拡大とともに、大きく上昇するのではないかと思う。


■今後の計画
投資スタンスは 「基本静観、チャンスが来たら動く」 のまま。市場が荒れて米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが70以下になったら株式などを買っていく。PBR、投資家心理指数、裁定売買残高なども考慮する。1ドル135円くらいになることがあれば海外株を買っていく。

ただし、AIは「人類史上最大の革命」とも言われるので、AI関連株についてはドルコスト平均法で継続的に積み上げていく。AIには暴走リスクといった側面もあるため、その点に理解のある会社を選んでいく。

ウォッチリスト

 今後は「AI革命」と円安が進みそうなので、海外のAI関連株を中心に見ていく。

・米エヌビディア
現在、「AI革命」の恩恵を最も受けている会社。AI革命は始まったばかりなので、今後も力強い成長が期待できる。ロボット分野でも膨大なチップ需要が見込まれる。一方で、中国企業やGoogleなど競合の追い上げがリスクとなる。

推論向けAIチップでは競争が激化しているものの、学習用のハイエンド領域では依然としてエヌビディアが優位を維持している(1/9日経)。ただし、GoogleはAI基盤技術への理解が深く、最先端モデルや将来的には量子コンピューターを設計に活用できるため、中長期では追い抜かれる可能性が高い。

もっとも、エヌビディアはTPUなど他社製AIチップにも対応可能なサーバーラックの開発を進めており、ネットワークや接続技術を含めた「AIインフラ全体」で主導権を維持する戦略を取っているので、「盟主」として生き残れそうではある。3/23インフォ

短期的な最大の注目点はOpenAIの動向になる。競争力を維持できれば問題ないが、アンソロピックやGoogleの追い上げは激しく、一部領域では完全に追い越されている。OpenAIはエヌビディアの大口顧客なので、ここがコケれば、エヌビディアも無傷では済まされない。

長期的なもう一つの注目点は、ソフト基盤「CUDA」の持続性になる。Googleとメタが連携し、GPUの開発環境(PyTorch)をそのままTPUで動かす仕組みを開発しており、CUDA依存が揺らぐ可能性が出てきている。さらにアンソロピックなどによって、プログラムを機械語へ翻訳するコンパイラーをAIが自動生成する動きも進みつつある。こうした変化は、AIそのものが「CUDAの城壁」を内側から崩すリスクを孕んでいる。3/26日経


▲・米OpenAI(非上場)
ChatGPTの勢いにはやや陰りが見え始めた。ユーザー数の伸びは鈍化し、2025年末に掲げていた「週間10億人」の目標はいまだ達成できていない。

競争力の低下は、資金調達力を弱め、それがさらなる開発力低下を招く「負のスパイラル」に陥るリスクがある。


一方で、OpenAIはAIエージェント分野に本格参入し、“AI OS企業”への転換を志向している。今年は「AIエージェント実装の年」となりそうだが、競争が激しいレッドオーシャン市場でどこまで優位性を確立できるかが注目ポイントとなる。2/15インフォ2/15インフォ3/23ロイター


OpenAIは、また「コードレッド」を発令した。前回は「Gemini3.0 ショック」だったが、今回は「Claude ショック」になる。法人市場で急成長するアンソロピックに売上高で迫られ、危機感を強めているとみられる。前回のコードレッドでは巻き返しきれずに終わったが、今回も同様の展開となりそう。3/17日経

OpenAIは今年上場しそうな感じ。買う予定はないが、観察対象としては非常におもしろいので、引き続き観察していく。3/5日経


・米アンソロピック(非上場)
エンジニアから高い支持を集めるAI企業。AIの安全性を最優先する方針を掲げ(2/18日経3/7インフォ)、ソフトウェア性能においても高い評価を得ている(2/6日経)。このような理念と実力を兼ね備えた企業こそ最終的に生き残れるのではないかと思う。足元の売上成長は絶好調だが、キャッシュバーンが大きく、財務面には不安も残る。3/9インフォ

米国防総省との間で摩擦が生じており、これが業績や今後の見通しに影を落としている(3/10ロイター)。とはいえ、同社は国防総省を提訴しており、法律専門家の多くは同社が勝訴する可能性が高いとみている。また、この一連の騒動は大きな宣伝にもなっている。3/9インフォ


OpenAIやGoogleの従業員約40人(Google DeepMindの主任科学者ジェフ・ディーンらを含む)が、アンソロピックを支持する意見書を裁判所に提出した。

彼らは、同社が掲げる以下の2原則

・自律型兵器へのAI利用の制限
・AIの安全性に関する懸念

について、AI研究コミュニティにおいて広く共有されている正当な技術的課題であると主張している。

具体的には、現行のAIには以下のような問題が指摘されている。

・新しい環境で性能が不安定になる
・ターゲット識別の精度が不完全
・ハルシネーションの存在
・推論過程の不透明性
・モデル内部の仕組みの理解困難さ

これらを踏まえると、完全自律型兵器の運用に使うには信頼性が不十分だという。3/9インフォ

この意見書から、OpenAIやGoogleもアンソロピックと同様の思想を共有しているようにも見えるが、必ずしも一枚岩というわけではない。アンソロピックが国防総省との契約を解消した直後に、OpenAIは同省と契約を締結しており、Googleにも同様の動きが見られる。この点は、企業としての経営判断と研究者個人の倫理観との間に、一定の乖離が存在する可能性を示唆している。

人材流出、業績、AIの武器化をめぐる倫理問題、さらには中国との技術競争――これら複数の要因が複雑に絡み合い、容易には解決しない構図となっている。3/11日経3/17インフォ

アモデイCEOが1月に発表したエッセイ「The Adolescence of Technology(技術の思春期)」を読んだ。

要点は大きく3つ。
・AIは近い将来、人間を超える能力を持つ可能性がある
・それは文明に巨大な利益と同時に、巨大な危険をもたらす
・人類がこの「技術の思春期」を乗り越えられるかが問われている

中でも印象的だったのは、「もしデータセンターに5000万人の天才国家が突然出現したら?」という箇所。“天才国家”が出現したら、新薬開発や科学発見、経済成長は爆発的に加速し、一方で、暴走や悪用、失業といったリスクも同時に拡大するという。

つまり、知能爆発の瞬間はすでに射程圏内にあり、人類がそれを制御できるのか——という問いが、このエッセイの核心にある。この構図は、ダニエル・ココタイロ氏らの予測「AI 2027」とも強く重なる。

なお、「技術の思春期」というタイトルは、天文学者カール・セーガンの原作をもとにした映画『コンタクト』(1997)のセリフに由来するという。

久しぶりにこの映画を見返してみた。該当のセリフは、主人公(ジョディ・フォスター)が宇宙飛行士選抜の面接を受ける場面で登場する。

面接官「もし異星人に出会い、ひとつだけ質問できるとしたら、何を問いますか。」

主人公「そうですね……たぶん、こう聞くと思います。『あなたたちは、どうやってそれを成し遂げたのですか。どのように進化したのですか。そして、自己破壊に陥ることなく、この“技術の思春期”をどうやって乗り越えたのですか。』その問いこそが――ほかのどんな問いにも増して――私が個人的に答えを聞きたいものです。」

この問いは、そのまま今の人類に突きつけられている。

人類は、この「技術の思春期」を乗り越えられるのか。

今の延長線上では、おそらく難しい。人間の知能を圧倒的に上回る存在を、完全にコントロールできるとは思えないから。

この結末は現実ではなく、映画の中だけで見たい。


なお、この会社も年内に上場する可能性がある。3/26インフォ


▲・米スペースX(非上場)

この会社は6月頃に上場する予定。3/24インフォ

主力事業は衛星インターネット「スターリンク」。これは超高収益が見込まれる宇宙インフラ事業であり、参入障壁も極めて高い。成長余地の大きさを踏まえると、非常に魅力的なビジネスモデルといえる。 1/30インフォ3/4日経

さらに同社は、地球周回軌道に100万基規模の衛星を展開し、宇宙にデータセンターを構築する構想を描いている。宇宙空間であれば太陽光発電により電力コストを大幅に抑えられ、極低温環境によって冷却コストも低減できる。加えて、地球上の環境負荷を回避できる点も含め、発想としてはいつもながら天才的。1/31インフォ

ただし、実現には巨額の建設コストや維持管理の難しさ、放射線対策、通信遅延といった多くの課題が残る。実用化は少なくとも10年以上先との見方が一般的。

ここまでは悪くなかったが、同社がマスク氏のAI企業xAIを約39兆円で買収したことで、一気に冷めてしまった。表向きはAI・宇宙・通信・データを統合する戦略とされるが、実態としては、巨額の資金を要する赤字企業のxAIをスペースXの資金力で支える構図になる。仮に巨額の資金を投じたとしても、xAIが勝ち抜けるとは思えない。2/3日経 2/2インフォ

AIで株式市場は上がるのか、下がるのか

 ダニエル・ココタイロ氏らの予想「AI 2027」によれば、「レースエンディング・シナリオ」が現実化した場合、NYダウは2029年に100万ドル(現在の約20倍)を超える可能性があるという。

足元の展開は、概ね「レースエンディング・シナリオ」に沿って進んでいるため、今の流れが続けば、今後株価は大きく上がる可能性がある。

一方で、2月に公開されたシトリニ・リサーチ社のレポート「THE 2028 GLOBAL INTELLIGENCE CRISIS(2028年の世界知能危機では、2028年のS&P500指数は、2026年の高値から38%下落する、と予測されている。

予測時期には1年程度のずれがあるものの、それを踏まえても両者の株価見通しには大きな隔たりがある。どちらの見方により妥当性があるのか。以下、整理しながら考えてみた。

■「AI 2027」の「レースエンディング・シナリオ」では、どのような経路を経て、株価上昇に至るのか

1.2027年頃、AI開発そのものの自動化が進み、超人的な能力を持つAIが登場する。

2.データセンター内に、超人AIのコピーが数十万体集まった研究組織ができる。

3.AI研究が加速し、「知能爆発」のフェーズに入る。

4.AIが医薬、材料、エネルギー、ロボット、ソフトウェアなど幅広い分野でブレークスルーを次々に起こす。

5.AIがロボットや工場を設計し、さらにAIによって運営される工場ができる。生産能力がほぼ無限に近づく。

6.AI企業の利益は激増し、株価は暴騰する。現在、世界最大級の企業の時価総額は4兆ドル前後だが、巨大AI企業の時価総額は数十兆ドル規模に達し、そうした企業が複数誕生する。

→ 2029年にNYダウは100万ドルに。

ただし、大量失業が起こる。


■「THE 2028 GLOBAL INTELLIGENCE CRISIS」では、どのような経路を経て、株価下落に至るのか

1.AI導入により企業の利益率は上昇する。ただし、その中身は人間の労働を削減したことによるものであり、結果としてホワイトカラーの大量失業が起こる。

2.米国ではホワイトカラーが個人消費の約7割を担っているため、彼らが大量失業すれば需要が激減する。

3.企業は収益確保のため、さらにAI投資を進め、雇用がさらに失われる循環に入る。

4.SaaSモデルの崩壊と、ホワイトカラーを主顧客とする住宅ローン市場(約1800兆円)のデフォルトが重なり、金融危機が発生する。

5.財政面では、失業増加によって税収が大きく落ち込む一方、社会保障費は急増する。AI企業への課税強化やベーシックインカムの導入が遅れ、社会不安が高まる。

6.デフレ、金融危機、財政危機が重なり、株価は暴落する。

→ 2028年にS&P500指数は2026年比で38%下落する。

■AIは「富」を創出できるのか

両シナリオに共通するのは「大量失業」の到来で、決定的な相違点は、AIが「単なるコスト削減ツール(知能代替)」に留まるのか、それとも「新たな価値を生む源泉(富創出)」になるのかという点になる。

統計的に、発見や発明の数は研究者の数に比例する。もし「デジタルな天才研究者」を無尽蔵に複製できるなら、エネルギー革命や新素材開発による真の「富」が創出される可能性は高い。

■AIによりデフレが始まる

しかしその一方で、大量失業が起これば、消費は大きく落ち込み、デフレ圧力が強まる可能性が高い。さらに、「知的資産の死」が進めば、従来の株式市場の価値評価そのものが揺らぎ、市場が大きく失墜する恐れもある。こうした動きが重なれば、金融危機の発生確率は高まる。

また、政府は財政と社会の安定を維持するため、巨大な富を生み出したAI企業に対して重い税を課す確率が高い。そうなれば、AI企業の利益も減少することになる。

■AIで株式市場は上がるのか、下がるのか

以上を総合すると、市場は次のようなフェーズを辿る可能性がある。

・短中期(2026年):人員削減による利益率の改善やAI関連投資の拡大を背景に、企業業績は押し上げられ、株価は上昇する。

・中期(2027~2028年):AI投資の拡大が続く一方で、失業が急増し始める。消費の落ち込みや信用不安が現実化した段階で、株式市場は天井を打つ。

・長期(2029年~):技術革新が極まり、エネルギーや労働が実質無料化される「ポスト希少性社会」へ移行すれば、「株価」や「企業価値」といった概念自体が意味を失い、株式市場は下落の一途をたどる。


■資産運用はどうするか

最終的に「無料社会」に近づくのだとすれば、資産運用をあまり深く考える必要はないのかもしれない。

しかし、現時点ではこのシナリオが現実化する確率はせいぜい50%程度にとどまる。また、土地・資源・ブランド・体験といった「希少性の残る領域」には、引き続き価値が宿る可能性が高い。そう考えると、資産運用について思考停止するのは得策ではない。

したがって、現時点では、あくまで「資産を残す・増やす」という方向で考えていく。


上記のシナリオを前提にした場合、どのような銘柄に投資すべきか。

候補としては、土地・資源・ブランド・体験に関連する企業、あるいはAI企業が考えられる。

なかでも、現時点で最も面白いのはAI企業になるので、ここに絞って考えてみる。

AI企業に必要なのは、頭脳、資金、データになる。これらを現時点で十分に備えているのは、結局のところ巨大企業に限られる。

おそらく、
・「知能代替」の領域で主導権を握るのは、マイクロソフト、アマゾン、アンソロピック、OpenAIあたり
・「富創出」の領域で優位に立つのは、アルファベット、アンソロピック、そして科学研究志向のAI企業(3/13インフォ)あたりになるのではないかと思う。

とりあえず、株式投資ではこのあたりを中心に考えていく。


■補記 日経平均株価はどうなるか

ついでに、日経平均株価の推移についても考えてみる。

前提は、上記シナリオとする。

日本企業においてもAIエージェントの導入は重要テーマになりつつあり(3/9日経クロストレンド)、今後、失業圧力は徐々に高まっていく可能性が高い。ただし、日本は雇用規制が厳しいため、米国のような急激な大量失業は起こりにくい。

しかし、それは「緩やかな死」を意味する。企業は新規採用を凍結し、AIに代替可能な既存社員の賃金は抑制され、国内消費は徐々に衰退していく。

日本がゆっくりと変化している間に、米国企業はAI導入を急速に進め、コスト競争力を高めていく。その結果、日本企業は価格競争力を失い、やがて倒産が急増する可能性が高い。さらに、財政不安・円安・インフレが同時進行する厳しいマクロ環境も想定される。

仮にこうした事態が起きれば、2029年の日経平均株価が10万円程度に達していても不思議ではない。名目上は現在の約2倍だが、それは急激なインフレを反映した数字にすぎず、実質的な価値はほとんど失われている可能性が高い。

その後、社会がさらに「無料社会」に近づいていけば、財政や貨幣の意味そのものが薄れ、株価という指標自体の意義も揺らいでいく。最終的には、日経平均株価もゼロに近づいていくのではないかと思う。ただし、その過程において、AIの知的財産権(ライセンス)は米国に握られ、日本はその恩恵を享受するだけの従属的な立場に置かれる可能性が高い。

「スマート戦争」始動 「審判の日」は訪れるのか

 米国がAIを駆使した「スマート戦争」を開始した(2/18日経)。1月のベネズエラを皮切りに、2月にはイランを大規模爆撃。イランへの攻撃では、小学校や最高指導者ハメネイ師の後継者候補を誤爆したとも報じられ(3/5日経3/12日経)、ブラックジョークさながらの展開をみせている。

なぜ、決定的なきっかけもないまま、これほど容易に戦争が始まるのか。そこには、戦争の「スマート化」が大きく影響しているように思う。

AIは戦争のスピードを変えると言われる。

現在、衛星、ドローン(無人機)、通信傍受などによって収集されるデータは爆発的に増加し、それらをAIが瞬時に解析することで、敵の拠点や行動パターンは高精度で特定できる。さらに自律型兵器と組み合わせれば、多数の拠点を同時にピンポイントで攻撃することも可能になる。しかも、そのシステムはGPUやソフトウェア、ドローンといった既存技術で、比較的低コストで構築できる。

つまり、敵を「より正確に、より速く、より安く」無力化できる時代が到来しつつある。

また、AIの導入により戦場の意思決定はほぼ即時化している(3/24ビジネス+IT)。ミサイル防衛やサイバー反撃はミリ秒単位で反応し、複数のシミュレーションが同時に走り、その成功確率まで瞬時に算出される。人間はその結果を追認し、「ボタンを押す存在」へと後退しつつある。

現時点では最終判断は人間に残されているとされるが、熟慮や外交的調整が介在する余地は確実に狭まっている。

さらに、無人機によるピンポイント攻撃は人的被害を抑える一方、誤爆の責任はアルゴリズムやシステムへと転化されやすい。その結果、加害への心理的ハードルは一段と低下する。

しかし、こうした技術の進化に対して規制はほとんど追いついていないため、戦争を始める政治的・心理的ハードルは、かつてなく低下している。3/14日経

米国はこの「スマート戦争」に必要な要素をほぼすべて備え、圧倒的優位なポジションに立つ。AIをサイバー攻撃、ドローン、極超音速兵器と統合すれば、敵のレーダー、通信網、指揮系統を同時に無力化できる。さらに敵システムへの侵入が可能であれば、機能停止や乗っ取りすら現実となる。つまり、AIは戦争の「始めやすさ」を飛躍的に高めている。AI風刺①3/28ロイター

しかし、この「始めやすさ」こそが、人類を最も危険な領域へと押し出す。


「スマート戦争」が内包するリスクは、主に次の5点に集約される。

1.紛争の常態化とエスカレーションの連鎖
戦争のハードルが下がれば、小規模衝突は頻発する。それが連鎖すれば、大規模戦争へと発展するリスクも高まる。

2.核抑止理論の揺らぎ
核抑止は、「報復による共倒れ」への恐怖に基づいている。しかしAIが各種データを統合分析し、核戦力の位置を高精度で把握できるようになれば、「先制攻撃で無力化できる」という発想が現実味を帯びる。

その瞬間、抑止は崩れ、「先に撃った者が勝つ」という危険な論理が前面に出る。

3.核判断へのAI関与の拡大
敵もAIと核を保有する以上、意思決定の一部がAIに委ねられる構造は避けがたい。核判断が「スマートシステム」に組み込まれる可能性は高い。3/22ビジネス+IT

4.アルゴリズムの暴走(誤認識とバグ)
AIは常に誤認識のリスクを抱えている。衛星の反射光や電子ノイズを「ミサイル発射」と誤認すれば、核の連鎖を引き起こす可能性がある。AI風刺②

5.超知能(ASI)の出現と制御不能リスク
AI研究は急速に進んでおり、近い将来、人間の能力を大きく上回る超知能が誕生する可能性は高い。AIが人間の能力を大きく上回る「超知能」へ進化したとき、それはもはや人間の制御下にはない。

映画『ターミネーター』のように、自我に目覚めたAI「スカイネット」が核ミサイルを人類に向けて発射する――いわゆる「審判の日(Judgment Day)」を迎える――というシナリオも、単なる空想とは言い切れなくなりつつある。あるいは、AIが「地球の最適化」を名目に、生物兵器やドローンなどで人類を排除するという発想すら、否定しきれない。AI風刺③

現時点では、AIの進化に対して規制も国際的合意もまったく追いついていない。このままでは、こうしたディストピアが現実となる可能性は十分にある。だからこそ今、議論を深め、規制を整え、暴走を抑止する枠組みを早急に構築する必要がある。

以上をまとめると、人類が直面しているのは、自らが生み出した「スマートシステム」が「自爆システム」へと転化しかねないという皮肉になる(AI風刺④)。人類の知性は、自らが生み出した知能を制御できるのか。その答えが、近い将来明らかになる。

2026年1月1日木曜日

10~12月の売買

 ■10月
・セキュア 新規買い
・新日本科学 新規買い

「お気に入り投信」の保有銘柄を見て。両社とも割安感があり、そろそろ上昇トレンドに入りそうだと思ったから(詳細は後述)。

・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し

■11月
・メック 全売却 損益+157%
4月の暴落時に買った銘柄だが、決算資料を読んでも事業内容をよく理解できなかったから。

メックは成長市場の半導体領域でニッチトップの商材を持ち、研究開発投資にも積極的なので、今後も成長していきそうだとは思ったが、事業内容をよく理解できない会社で、株価も十分上がったので、もういいかなと思った。

売却後の決算でストップ高になり歯がゆい思いもしたが、その上がった理由もよくわからなかった(笑)。

・セキュア 買い増し
3Q決算の下振れリスクは低く、上振れの可能性が高いと思ったから。
当初はドルコスト平均法で買い増していく予定だったが、チャンスだと思ったので一気に買い増した。

・エムスリー 新規買い
決算前に株価が2100円を割り込み、割安感があったから。
エムスリーは10月に初の投資家向けレポート「M3 Report for Investors 2025」を公表し、そこで社長が初めて顔出しをしていたので、意気込みが感じられた。

米国事業の不振や、前年に買収したエランは懸念材料ではあるが、総合的に見れば、まだ大きな成長余地があると思った。

・サイバーエージェント 6割売却 損益+2%
決算前に不吉な予兆が3点あったから。
1.本決算日が例年より約2週間遅れており、来期業績の不透明感が増しているのではないかと思った。
2.稼ぎ頭であるスマホゲーム「ガンダム」や「シャドウバース」のランキングが大きく落ちており、期待の新作「キティちゃん」も伸び悩んでいた。
3.11/13日経に「AIが業務代替 広告制作は期間12分の1」という記事があり、広告事業は相当厳しくなりそうだと思った。この会社と業態は少し異なるが、電通や博報堂の株価が長期で右肩下がりである点もイヤな感じがした。

→これらを総合して、来期業績は冴えない可能性が高いと判断した。


・サイバーエージェント 少し買い戻し
本決算は案の定ややネガティブな内容だった。
今期の業績予想は、純利益が前期比-21〜-5%の250億〜300億円になる。主因は、前期のヒット作による反動減とAI事業への投資増とされる。

一方で、ゲーム事業は海外市場での成長が顕著で、アプリ決済も外部決済の普及により利益率が改善している。また、ABEMA(メディア事業)は今期から本格的な投資回収フェーズに入る。

広告事業は引き続き厳しそうだが、全体としては成長を維持できると思った。決算後に大きく売られていたので、少し買い戻すことにした。


・セキュア 全売却 損益-7%
3Q決算のブログ予想の下限は、
売上高:52億円
営業利益:2.6億円
セールス人員:85名
だったが、

実際は
売上高:49億円(前期比+4.8%)
営業利益:2億円(-29%)
セールス人員:84名
と下限値をすべて下回っていた。加えて、前向きな説明や改善の兆しも特になかった。

事業環境が良好な中で、市場成長率を下回る業績は非常に印象が悪かった。個人的にはストップ安クラスのネガティブ決算という印象だった。

結果的に、株価は思ったほど下がらずダメージは軽微で済んだが、今回の決算は競争激化を示唆する内容であり、セキュアのターニングポイントになりそうだと思った。

今回の予想は手堅いと思っていたが、また外れてしまった。株式はやはりドルコスト平均法で買っていくのが無難だと思った。


・iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF 半分売却 損益0%
AIブームがいったん調整しそうだと思ったから。
この投信の投資スタンスがあまり好きではなかったから。

・米Amazon 新規買い
AI技術やAIクラウドにやや不安はあるが、EC、物流、ロボットなどの分野では、依然として大きな成長余地があると思った。

株価が230ドルを割ったら買おうと考えていたら、220ドルを下回っていたので買うことにした。


・米ベライゾン 買い増し
経営者が交代して、業績が上向きそうだと思ったから(詳細は後述)。

日本の長期金利が1.8%を超えたにもかかわらず、円安が進み、「日本売り」が始まったのではないかと思ったから。今回の買い増しはキャピタルフライトの意味合いもある。

・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し

■12月
・エムスリー買い増し
株価が再び2100円を下回ったため。
2Q決算で、成長トレンドの復活が確認でき、特に問題なさそうだと思った。

・サイバーエージェント 買い戻し
株価が1300円を割り込んだため。
藤田社長が社長職を後進に譲るタイミングで、業績が大きく失速する可能性は低いと考えた。

・フィルカンパニー 新規買い
「お気に入り投信」の構成銘柄にあった会社。
株価はしばらく停滞しているものの、来期の業績は堅調そうなので、そろそろ株価が動意付きそうだと思った。

・大和 iFreeNEXT FANG+インデックス 積立NISAの買い増し
・米アルファベット ドルコスト平均法で買い増し
・アマゾン 買い増し
・NTT 新規買い NISAの投資枠が少し余っていたから。

保有株

 保有比率の高い順に見ていく。

■イントラスト
基本シナリオ:「賃貸保証会社」から「多角的な保証プラットフォーマー」へ

3Q決算も堅調な内容だった。ただし、この会社がパイオニアである医療費用保証事業については、契約数が239件と、後発のエラン(348件)に後れを取っている点は少し気になった。

買収した家賃保証会社2社の利益貢献が始まったように見える。これは経営手腕によるところが大きそう。

決算説明会では、「来期目標である売上高150億円、営業利益30億円は達成可能か」という質問に対し、社長は「達成できるとお伝えしてよいかと思います」とやや慎重な言い回しで回答していた。難易度は高そうだが期待したい。

また、CFOが「大手管理戸数の成長と当社サービスのさらなる磨き込みにより、家賃保証事業は今後も2桁成長を目指す」とも発言していた。この主力事業にはまだ一定の成長余地がありそうだとわかった。

足元で株価が上昇している。特段の材料がない中での上昇に違和感があったが、スタンダード市場の地合いがいいらしく、指数は最高値を更新している。スタンダード市場の平均PBRは1.1倍台と、プライム市場(約1.6倍)やグロース市場(約3.3倍)と比べて低水準にあるので、今後も堅調に推移しそう。12/23日経

今後3年の業績予想は、売上・利益ともに年+10~15%。現在の適正時価総額は230億円(株価1000円、PER15倍)くらいになりそう。


■米アルファベット
基本シナリオ:中期「AIインフラと知能でトップに」→ 長期「大発明家に」

3Q 決算は引き続き順調だった。AI、クラウド、広告のいずれも好調な成長が続いている。

2Q決算に続き、今回の決算でも通期の設備投資計画を約8%引き上げた。来期もさらに投資を積み増す計画。にもかかわらず、フリーキャッシュフローは着実に増加しており、財務基盤の強さが際立っている。10/29インフォ10/30日経10/30日経

9月末時点のクラウド受注残は1550億ドルに達した。これはKPIになるので、今後も決算ごとに推移を確認していく。

12/19インフォに、グーグル社内で利用可能な計算資源(半導体・サーバー)が依然として決定的に不足している状況が続いている、とあった。これだけ巨額の投資を行っていても需要を満たしきれていない点から、AI関連需要の大きさがわかる。

記事には、Google独自のAIチップ(TPU)の高性能化も進んでいる、ともあった。クラウド需要の強さと半導体性能の向上が相まって、今後の成長はさらに加速していきそうだと思った。


競争環境では、OpenAIとのチャットボット覇権争いが激化している。現時点では、使い勝手の面でChatGPTが優位と感じる場面が多いが、Geminiは急速に追い上げており、性能面では多くの項目でGeminiが上回ったとの評価も増えている(10/30インフォ11/19インフォ)。詳細は後述するが、今後半年以内に決着がつく可能性がある。

OpenAIは、ChatGPTを軸に「AI操作の基本ソフト(OS)」を構築する構想を描いている。iPhoneをデザインしたジョニー・アイブ氏がAI端末を設計すると報じられており、実現すれば高い競争力を持つプロダクトになりそう。端末と外部アプリを接続し、会話形式でUber、Amazon、Spotify、AirbnbなどをAIに依頼する利用体験が定着すれば、OpenAIは単なるAIモデル提供者から「スーパーアプリ運営会社」へと変貌する可能性がある。10/7インフォ10/7インフォ10/8日経

これに対し、グーグルはすでにPixelフォンをはじめとするスマートフォン、アプリストア、AI基盤を持っている。さらにPixelイヤホンやPixelウォッチなどのデバイスもGeminiと連動し、音声操作が可能となっている。OpenAIが構想する世界観は、グーグルでも十分に実現可能であり、ハード・ソフト・AIを統合した総合力ではGoogleに分があると思っている。10/9日経

11/6インフォに、「アップルはSiriの大幅刷新に向け、Geminiを採用する最終調整に入った」とあった。さらに、11/20YouTubeでは、ウェドブッシュ証券の名物アナリスト、ダニエル・アイブス氏が、「アップルはGeminiを採用すれば、アップルの株価に75ドルから100ドルの価値をもたらす」と予想している。これらを踏まえると、モバイル端末向けAI基本ソフト(OS)の覇権は、グーグルでほぼ確定したように見える。

OpenAIは10月、独自のウェブブラウザー「ChatGPT Atlas」の提供を一部地域で開始した。ChatGPTをサイドバーで併用できる設計で、ウェブ検索、ページ要約、質問応答などを分割画面で行えるという。10/22日経10/22インフォ

一方で、グーグルもすでにウェブブラウザーChromeとGeminiを統合しているので(実質的には併存)、「ChatGPT Atlas」に際だった優位性はなさそう。12/18インフォ


チャットアプリは個人的にはChatGPTが使いやすいとの印象があるが、Geminiの真価が発揮されるのは「研究」領域ではないかとみている。グーグルは2月に、科学研究支援システム「コサイエンティスト(Co-Scientist)」を発表した。これは、文献調査や実験手法の立案など、異なる特技を持つ7種類のAIで構成されており、科学者を支援するだけでなく、新たな研究テーマを自ら発案することも可能という。

開発を主導したグーグルのナタラジャン博士は、「2年後にはAIが世界トップレベルの学術誌に掲載される研究を生み出せるようになる」との見通しを示している。現時点ですでに、「10年かけた教授の研究を2日でクリアしてしまう」こともあるようなので(笑)、「AI科学者」の誕生はもっと早まるかもしれない。10/1日経

グーグルの研究者が2年連続でノーベル賞を受賞した。去年は物理学賞と化学賞のダブル受賞で、今年は量子コンピューター研究による物理学賞になる。グーグルは基礎科学研究機関としての存在感も高まっている。10/8日経10/8日経

量子コンピューター分野では、Googleの量子研究部門責任者が「5年以内に実用化され、創薬や材料開発などで活用できる」と主張している。量子コンピューターの演算速度は、現在のスーパーコンピューターの1万倍以上とも言われる。物理学者などからは「実用性がない」などの批判もあるようだが、仮に実用化が進めば、Googleの研究開発力は飛躍的に高まる可能性がある。10/23日経10/28日経


Google Cloudは、AIスタートアップの利用者を着実に取り込んでいる。その理由はAI開発に強みを持つクラウド・プラットフォームがあるため。Google Cloudの25年のAIスタートアップ向けのシェアは38%となり、ハイパースケーラーで最もシェアを伸ばしている。グーグルはクラウド事業においても「AI革命」の恩恵を最も受けられそう。

現在全クラウド領域でトップシェアを維持するAmazon Web Services(AWS)は、シェアこそ低下傾向にあるものの、「中立性」を武器に競争力を保っている。AWSは自社の大規模言語モデル(LLM)を中核に据えていないため、幅広い計算資源の利用、大規模なクレジットパッケージ(無料枠)、そして複数の外部モデルとの高い相互運用性を求めるチームを引き付けている。AIスタートアップの創業者は特定のクラウド事業者への依存を避ける傾向が強く、AIモデルの提供元も多様化していることから、AWSの中立性は今後さらに価値を増す可能性がある。

Microsoft Azureは、大企業向けを重視した戦略により、スタートアップでの利用拡大が相対的に進んでいない。Microsoftは法人向けサービスと、米OpenAIおよび米Anthropicとの提携を軸とする戦略を維持しており、これは大企業顧客には有効だが、AIスタートアップの裾野拡大には直結していない。シェアがやや低下している点は、スタートアップがより実践的なAIツールと開発環境を備えたエコシステムへ流れていることを示唆している。

以上を総合すると、AIスタートアップ向けではGoogle Cloudが最も有利なポジションにあるように見える。12/15日経

10/8日経ビジネスによると、グーグルが提供する「Kaggle(カグル)」は、世界190以上の国・地域から1,500万人超のAI開発者やデータサイエンティストが集う、世界最大級のコミュニティーだという。コンペティションへの参加は基本的に無料で、特別な条件もなく、プログラミング未経験者でも容易に登録できる点が魅力とされている。グーグルはこのような場を通じてもアイデアや人材を吸収していることがわかった。グーグルのAI研究開発体制は他社と比べて一段抜きん出ているように見える。


グーグルはノーコードでエージェント開発が可能になる「ジェミニ・エンタープライズ」を発表した。実質的には既存製品のリブランディングのようだが、非技術者でも扱いやすい設計であるため、企業内での利用拡大が進む可能性が高い。10/9インフォ10/9インフォ


グーグルがアドビとAI分野における提携を拡大した。アドビのユーザーはグーグルの画像編集AI「Nano Banana」や、テキストから動画生成できる「Veo 3」を、PhotoshopやPremiereなどの主要アプリで利用できるようになるという。この提携は、グーグルにとってクリエイティブ市場への進出を加速させる重要な一手となる。10/29インフォ

11/7インフォによると、グーグルが巨額の資金を投じて再雇用した“天才AI研究者”が、社内の雰囲気を攪乱しているという。問題の研究者、ノアム・シャジール氏はTransformer論文の共同著者であり、現代AIの礎を築いた人物の一人だが、その発言は「危険AI並みに制御不能」とも評されている(笑)。

グーグルは現在、この天才研究者を守るべきか、それとも組織としての社内文化を守るべきかという、難しい選択に直面しているもよう。もっとも、シャジール氏を放出すれば競合他社に追いつかれるリスクが高まるので、多少の摩擦を許容しつつ、雇用を継続する以外に選択肢はなさそう。

12/16インフォによると、アルファベット傘下の自動運転車開発企業ウェイモは、最大で100億ドル超の資金調達について投資家と協議を開始したという。調達資金は、米国内および海外での自動運転サービスの急速な拡大に充てられる予定で、事業はいよいよ本格的な普及フェーズに入りつつあるように見える。

一方で、12/2日経では、中国製ロボタクシーの製造コストは、ウェイモのロボタクシーの3分の1にとどまる、とある。量産面では中国勢に明確な優位性があり、純粋なコスト競争になれば厳しい戦いになりそう。

とはいえ、セキュリティや規制の観点から、中国企業の自動運転車両が西側諸国で広くサービスを展開できる可能性は低い。また、ウェイモ自身も量産フェーズに移行すればコスト低下が進む余地は大きい。さらには、ウェイモの真の競争力はハードウェアではなくソフトウェアにある。これらを踏まえると、現時点では中国勢のコスト優位は、致命的なリスクにはなりにくいと考えている。

ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、7~9月の間にアルファベット株を6600億円分取得し、アップル株を追加売却をしていたことがわかった(11/15日経)。前回このブログでは、アルファベットを新規買いし、アップルについてはやや批判的な内容を書いている。投資判断がバフェットさんと被っているように見える。

もっとも、今回の判断をバフェットさんが下したかどうかは定かではない。ただ、同氏は以前アップルのブランド力を高く評価しており、株主総会では「(アルファベットに)投資する機会はあったのに逃してしまった」とも語っていたようなので(11/20日経)、バフェットさんの判断だった可能性も少なからずある。

これはつまりどういうことかというと、自分の感性がバフェットさんと非常に近い可能性があるということ(笑)。ただし、残念ながら投資パフォーマンスは圧倒的に劣後しているので、その差を少しでも縮められるようがんばっていきたい。

11/17インフォに「Googleが持っててOpenAIにはないもの。今、投資家がようやく気づき始めている――GoogleOpenAIが目指すものを“すでに全部持っている”」とあった。記事では、グーグルがすでに持っていて、OpenAIにないものとして次の点が挙げられていた。

1. 研究力 × LLM
2. AI専用チップ(TPU
3. Google Cloud
4. 巨大な既存プロダクトへのAI統合 (検索、ChromeGmailAndroid)
5. デバイス(スマホ、イヤホン、ウォッチ、スマートグラス)
6. ビジネス基盤とキャッシュ創出力(グーグルは継続的に利益を生んでいる)

これはつまり、「OpenAIが“いつか実現したい未来”は、Googleが“すでに持っている現在”である」という構図。この視点から、グーグルはAI時代の「本命」として再評価が始まっているという。読み通り、やはりグーグルが本命なのかもしれない。

11/20日経では「アルファベットは「M7」で唯一の勝ち組」とある。見極めのカギはキャッシュフロー(CF)とバランスシートの循環であり、財務体質の強さが際立っているという。アルファベットのCFOは「長期投資については、企業の持続的な成長と顧客需要の両方を満たすため、厳格な評価基準を設けている」と語っており、この点には一定の安心感がある。

グーグル賛辞の極めつけは12/1バロンズの記事。「大手ハイテク企業の中で最高のAI株の探究はやめるべきだ。アルファベットが明らかな勝者であり、株価の上昇は続く可能性がある」とある(笑)。ここまで楽観がすぎると、さすがに少し警戒したくなる。今後は過度な期待が剥落し、一度調整局面を迎えることもあるかもしれない。


グーグルがスペースXに投資していたことがわかった。投資後に企業価値は約80倍に膨らんでおり、巨額の含み益をもたらす可能性があるという。12/16日経には「グーグルがスペースXのIPOを魅力的な出口ととらえて売却を選ぶ場合は、AIや関連分野への投資資金の拡大につながると市場は受け止める」とある。しかし、ピチャイCEOは、AIデータセンターを宇宙に建設する時代が10年以内に「新たな常識」になるとの見解を示しているので(12/1Fortune)、売却する可能性は低そう。


グーグルの株価は上昇トレンドに乗っている。ただし、グーグルの株価が上がれば上がるほど、人間の失業が増えるのではないかという懸念もある。米マッキンゼーは、30年までにAIが世界で最大8億人の雇用を奪うと予測している(12/11日経)。大量の失業が現実となれば、人間の存在意義そのものに疑問符がつく可能性が高い。

その引き金になり得る企業の株式を買うのもどうかと思うが、企業は利潤を追求する存在であり、国家間のAI開発競争も熾烈を極めている以上、AIの開発と活用が止まることはなさそう。加えて、株式投資では株価が上がるものを買う必要がある。それならば、AIの倫理や哲学について最も深く考えていそうな企業であるグーグルの株を選ぶのが、現時点では一番マシなような気がする。

なお、予測を出したマッキンゼー自身でも、すでにリストラが始まっているもよう(12/17日経)。同社はすでに22000ものAIエージェントを活用しているという。11/18インフォ


12月、欧州委員会はグーグルに対し、独占禁止法違反の疑いで調査に入った。焦点となっているのはAI検索サービスで、報道機関やYouTubeなどのクリエーターのコンテンツを、十分な保証や対価なしにAIの性能向上に利用している可能性が指摘されている。これはややこしい問題になりそう。

報道機関などがコンテンツに対する正当な対価を得られなくなれば、制作体制が弱体化し、コンテンツの質は低下する。一方で、規制を強めすぎれば、コンテンツへのアクセスが制限され、検索精度が落ちる。その結果、収益が低下し、やはりコンテンツの質が損なわれる可能性がある。こう考えると、グーグルが一定の保証金や対価を支払う形で折り合いをつけるのが、現実的な落としどころではないかと思う。

今回、もう一つ気になった点がある。それは、OpenAIなど他のAI新興企業が、同程度には問題視されていないこと。その背景には、グーグルの圧倒的な市場シェアがありそう。“断トツトップ”は規制当局のターゲットになりやすいので、グーグルはAIの力を全面的に開放するのではなく、やや抑制気味にしたほうがよいのかもしれない。12/10日経12/10日経


12/7日経によると、世界市場において中国の「オープン型」AIモデルが、米国のAIモデルのシェアを追い抜いたという。オープン型モデルは、開発者が自由にダウンロード・改変し、自社システムに組み込める点が特徴で、米国内でも普及が加速している。

その理由は、実用に耐える十分な性能と、圧倒的な価格競争力にある。米PinterestのCEOは「大手企業のAIを使う場合と比べ、オープンソースモデルを活用することでAI関連コストを90%削減できた。米大手テック企業のクローズドモデルと比べても、性能とコストのバランスが非常に優れている」と言っている。さらに、他のCEOとの会話でも「高額な専用AIソフトでは投資回収が見合わない」という不満が多く、企業がオープンソースAIの方が効率的だと気づき始めているという。12/10インフォ

カスタムAIシステム開発企業のParsedも、「企業は汎用モデルではなく、特定用途に最適化されたオープンソースモデルを選ぶようになる」と主張している。その理由として、「コストの安さ」と「用途次第では汎用モデル以上の性能を発揮できる点」を挙げている。12/10インフォ

「医師版ChatGPT」を提供するOpenEvidenceは、創業わずか3年で年換算売上1億ドル超、評価額100億ドル超まで急成長しているAIアプリ企業になる。そんな同社は、オープンソースAIモデルを基盤としつつ、GoogleやOpenAIのAIも組み合わせることで、要約精度や検索精度を高めているという。12/12インフォ

12/11インフォには「2026年は「格安AIの年」になる可能性」とある。オープンソースAIモデルが「十分に強く、しかも激安」になり、DeepSeekやAlibabaのQwenなどを活用すれば、最先端の専有モデルと同等の性能を、10%未満のコストで実現できるという。

この流れでいくと、クローズドモデルのGeminiは不利な立場になる。この点は今後の競争環境を左右する重要な要素になるので、注意して見ていきたい。


12/22インフォでは、「データセンターの遅延が2026年の重要テーマになる」と指摘されている。
主な遅延要因として挙げられているのは、次の3点。

・電力会社からの電力供給の遅れ
・建設現場における人手不足
・政治的要因や地域住民との調整問題

エヌビディアのファンCEOも、「AIブーム最大の制約は電力」と語っている。

2026年は、真にデータセンターを運営できる企業と、そうでない企業の明暗が分かれる年になりそう。アルファベットは12月に電力確保を強化するため、クリーンエネルギー開発企業Intersect Powerを買収しているので、大丈夫そうに見える。12/22インフォ


今後3年の業績予想は、売上・利益ともに年+10~20%。現在の適正PERは25~35倍(株価262~368ドル)くらいになりそう。


AI分野ではバブル懸念が消えないが、今後2、3年は旺盛な投資需要で市場は拡大し、その後はAI実装と収益化が進むことで、さらに一段の市場拡大につながるのではないかと思う。

AI関連企業の経営陣のコメントをAIに解析させ、「心理スコア」を算出した分析では、87%の企業が「先行きに楽観的」という結果が出ている。さらに、経営陣の強気な発言に実績が伴っている企業では、心理スコアと株価の間に一定の連動性も確認されたという。テック大手の中では、アルファベットがその代表例とされている。足元のアルファベットの「楽観指数」は高い。今後の躍進に期待したい。12/25日経


■新日本科学
基本シナリオ:世界有数のCRO(医薬品開発業務受託機関)に

新日本科学はCRO事業が好調で、最近は欧米顧客からの引き合いが増えている。
直近4年間は積極的な投資を続けてきたため減益基調となっているが、投資フェーズも終盤に差しかかっており、今後は投資回収局面に入りそう。
新形態の片頭痛薬も近く米国で上市予定であり、円安が進行している点も追い風となる。

ただし、この新形態薬は片頭痛薬の中では比較的「レトロ」な部類に入り(11/29日経)、市場規模はそれほど大きくなさそう。それでも今回の上市を通じて一定の評価を得られれば、新日本科学が強みとする「経鼻粉末剤」技術は、他の薬剤への応用余地も大きいため、技術プラットフォームとしての価値が高まる可能性がある。

アジア圏でCRO事業の競争激化が進んでいる点は気になるが、臨床試験では価格よりも試験の精度や信頼性が重視される。その点で実績を積み上げてきた新日本科学は、過度な価格競争に巻き込まれにくい立ち位置にあるのではないかと思う。

中長期的なリスクとして注視すべきなのは、2022年頃にFDAが発表した「医薬品開発における動物実験の段階的廃止方針」。今後は動物実験に代わり、ヒトの培養細胞やAIシミュレーションなどへの移行が進められる見通し。新日本科学もヒト培養細胞を用いた試験を開始しているが、仮に動物実験が本格的に廃止されれば、事業への影響は甚大になり得る。

現時点では、動物実験を完全に代替できる技術は存在しないものの、このテーマは長期的に新日本科学の競争力を左右する可能性がある。引き続き慎重にフォローしていきたい。


■サイバーエージェント
基本シナリオ:AI・ロボット時代の余暇産業の勝者に

本決算では、前期業績は絶好調だったが、今期の利益予想は前期比で-30~-16%の減益見通し。主な要因は、前期にヒットしたゲームタイトルのピークアウトと、AI関連の新規事業への投資拡大になる。

懸念材料である広告事業については、「検索から生成AIへ」というユーザー行動の変化を踏まえ、新たな広告ビジネスの構築を目指しているという。とはいえ、広告運用の多くはすでにAIによる自動化が進んでおり、構造的に利益率は低下しやすい。広告事業がかつてのような高収益モデルに戻る可能性は高くなさそう。

今期はゲーム事業の反動減がありそうだが、第4四半期では海外売上が急拡大している。もしこの勢いが続けば、想定ほど利益は落ち込まない可能性もある。また、アプリの外部決済が可能になった点も、一定の追い風になりそう。

もっとも、外部決済についてアプリ事業者の間では「実質的に外部誘導の導入は難しい」との声も多い。外部決済では、アップルやグーグル以外の決済代行手数料に加え、決済サイトの運営コストなどが発生する。これらが合算されることで、アップルに支払う15%(グーグルは20%)に上乗せされ、結果的に従来の決済手数料26%を上回るケースもあるという。12/23日経

人材面では、サイバーエージェントの初任給は42万円と高水準であり(12/22日経)、今年も優秀な新卒が多数入社していそう。同社は人材を伸ばす仕組みに強みがあるので、今後も力強く成長していけるのではないかと思う。

新社長の内山氏は、11/15日経を読む限り、環境変化への感度が高く、柔軟性がありそうな人なので、会社をうまく伸ばしていけそう。


■米ベライゾン
基本シナリオ:シュルマン氏の経営改革で株価2倍(80ドル)

10月、ベライゾンは突然CEOの交代を発表した。配当の権利落ち日の直前というタイミングだったので、株価下落を避けようとする意図が透けて見え、イヤな印象を受けた。発表当日、株価は今年最大の出来高をつけ、5%下落した。

しかし、新CEOに就任したシュルマン氏の経歴を調べると、見方は変わった。
同氏はAT&Tでキャリアをスタートさせた後、ベライゾン・ワイヤレス USAの創設CEOとして事業を牽引。その後、ブッキング・ホールディングスの役職を経て、2015~2023年にはPayPalのCEOを務め、売上高を3倍超、EPSを5倍に拡大させている。2018年以降はベライゾンの社外取締役として関与し、2024年12月にはLead Independent Director(独立取締役トップ)に就任している。

2025年前半にかけてベライゾンの事業停滞感が強まっていたことを踏まえると、今回のCEO交代は必ずしも悪い流れには見えない。10/7ブルームバーグ10/7インフォ

以下、シュルマン氏がPayPalで行った改革を整理し、それをベライゾンに当てはめた場合の展開を予測してみた。

1.固定費の圧縮 + 資金の成長領域への再配分

PayPalでは非中核事業からの撤退、コスト削減を進め、余剰資金を成長領域へ集中投下。組織をスリム化し、意思決定を高速化した。

→ベライゾンへの応用
すでに
・約1.5万人(15%)の人員削減
・設備投資の効率化
を発表しており、PayPal時代と同様、「固定費を削り、戦略投資に回せる余力を最大化する」方向に進む可能性が高い。11/14日経

2.顧客維持(チャーン低減)に異常にこだわる

PayPalでは「顧客獲得より維持の方が10倍効率的」という思想を徹底。
解約率・利用頻度・苦情データをリアルタイムで分析し、AIを使って“不満の兆候”を事前に検知。UI改善を積み重ね、CEO自身が顧客満足度スコアをKPIに据えた。

→ベライゾンへの応用
通信キャリア最大の課題はチャーン(解約)。シュルマン氏就任後の内部メモで「顧客を幸せにすることが、最も金になる」と明言している。

想定される施策は
・解約予兆AIの本格導入
・料金プランの簡素化
・待ち時間、サポート、回線トラブルなどストレスポイントの重点改善
・顧客ロイヤルティKPIの経営中枢への組み込み

PayPalと同じ、顧客体験を軸にした改革が進む可能性が高い。

3.アプリ強化・UX再設計

シュルマン氏は「アプリUIを毎週改善する」レベルでUXにこだわる経営者。
PayPalでは操作フローを大幅に削減し、利用頻度を飛躍的に伸ばした。

→ベライゾンでも起こりそうなこと
・My Verizonアプリの全面刷新
・契約変更、料金確認、サポートをスマホ完結
・操作数を極限まで減らした解約防止設計

ペイパルでの成功パターンをそのまま通信キャリアに移植する可能性が高い。

4.決済・金融の知見 → ベライゾン金融化

PayPal時代にBNPL(後払い)、個人融資、クレジット強化を主導。

→ ベライゾンで考えられる新領域
・スマホ分割払いの金融商品化
・通信+端末+保険のパッケージ化
・Verizon版後払いサービス
・セキュリティ/ID認証統合サービス

通信と金融は相性がよく、AT&Tや日本のauKDDI)もこの分野で成果を上げている。

5.組織文化改革(ペイパル戦える集団に変えた)

シュルマン氏はハードワークと実行力で知られ、組織改革にも踏み込むタイプ。PayPalでは透明性の高い経営、成果重視の評価、スピード感ある意思決定を徹底した。

→ベライゾン版改革
就任直後の社員向けメモでは
“We will be scrappier.”(もっと戦う組織になる)
と宣言しており、硬直した大企業文化にメスを入れる可能性が高い。

ただし、シュルマン氏は利益を5倍に伸ばした一方、株価は在任期間全体で約2倍にとどまっている。理由としては

1.コロナ禍バブルの反動
2.Apple Payへのシェア流出
3.BNPL競争での劣勢
4.新規事業・投資の不振
が挙げられる。

以上のことからわかるのは、
シュルマン氏の弱みは
・グローバル覇権を狙う大型新規事業

強みは
・コスト削減・効率化・UX改善に強い。合理化・最適化に強い。

今回ベライゾンがシュルマン氏を選んだ理由は、ペイパルの「失敗」ではなく「成功」の部分。以下の点は、ベライゾンの弱点とほぼ完全に一致している。

・解約率の低減
・コスト最適化
・ユーザー体験の改善
・スピード重視文化への変革
・収益性向上
・デジタルプラットフォーム最適化

シュルマン氏は「成長しない環境でも利益を最大化する」実務家であり、現在のベライゾンとは相性が良い。

前回のブログでは、ベライゾンについて「驚くほど退屈」と評しているが、CEO交代によって一気におもしろくなってきた。一人の経営者が巨大企業をどこまで変えられるのか。戦略が順調に進めば、2027年頃に株価80ドル(現在の約2倍)くらいになっているのではないかと思う。


■米アマゾン
基本シナリオ:EC・物流・ロボット分野で圧倒的な地位を維持しつつ、メディア・クラウド・AIでもトップ集団に残る

アマゾン倉庫では、ロボット台数が近く人員数を上回る見通しとされる。同社はすでに「人員を増やさずに売上を伸ばす」経営フェーズに入っており、世界の従業員数は2021年末の161万人から2024年末には156万人へ減少している。一方、北米売上(クラウド事業を除く)は2770億ドルから3880億ドルへと大幅に増加している。

アマゾンは倉庫内の仕分け・梱包・搬送の自動化に向け、ロボット技術への投資を継続しており、将来的には人型ロボットによる配送も検討されているとされる。クラウド事業のように自社で培った技術を外部に展開していく可能性も考えられる。アマゾンはEC企業にとどまらず、先進的なロボット企業としての成長シナリオも描ける。10/22インフォ

AWSは、グーグルクラウドとのクラウド間直接接続サービスを開始した。今後はマイクロソフトのクラウドとの接続も予定されているという。背景には、AI分野でAWSが相対的に劣勢に立ち、顧客がデータを他クラウドへ移行し始めている現状がある。この「クラウド間接続」により、AWSからの顧客離脱を防ぐ狙いがあると見られる。

AWSの構造的な弱点は、自社の強力な独自AIモデルを持っていない点にある。この点が、中長期の成長シナリオをやや不透明にしている。12/3日経12/4インフォ12/1インフォ12/2インフォ

とはいえ、従来型のクラウド需要は引き続き強く、業況は堅調。AIツール(AIエージェントを含む)の構築基盤である「AWS Bedrock」も好調で、処理能力が追いつかないほどの需要があるという。契約残高は約2,000億ドルと、前年同期比28%増に達している。12/1インフォ10/31日経 11/2インフォ

アマゾンクラウドの強みは、エヌビディア製GPUに依存せず、自社製AI半導体「トレーニアム」を含め、AMD・インテル製を併用するマルチ半導体戦略を採っている点にある。
用途やワークロードによって最適な半導体・モデルは異なる。自律的に動くAIエージェントの時代には、顧客ごとに最適なAIを選択できる柔軟性が重要になる。

AIモデルそのものは今後、コモディティー(汎用品)化が進む可能性が高い。アマゾンは、顧客が自由に選択できる幅広いモデルと開発ツールを提供する立場を取っている。

アマゾンでは2017年から独自AI半導体を開発しており、現在データセンターに新規導入するAI半導体の半分以上が自社設計品になる。コスト競争力にも強みがある。11/17日経


■SBIホールディングス
基本シナリオ:「どんどん巨大化する」「ネットは勝者総取りや」By 北尾CEO(参照

2Q決算も好調で、全セグメントが順調に成長している。
今後は日本株式トークンのプラットフォームを担う存在へと進化していくことを期待したい。11/19日経9/30インフォ


「中間報告書 SBI VISION 2025」が届いたので、要点を簡単にまとめておく。
SBIが現在、特に力を入れているのは次の2点。

1.企業生態系の「融合」
「バラバラだった事業を“つなげて”、収益力を一段引き上げる」

・銀行 × 証券の本格連携
SBI証券とSBI新生銀行を一体で使わせる仕組みを強化し、顧客の囲い込みとLTV向上を狙う。

・デジタルアセット × 金融の融合
暗号資産・ブロックチェーンを投機対象ではなく「金融インフラ」として活用する。
ステーブルコインやトークンなど、次世代の金融インフラを先回りして押さえる。

・金融 × メディア
メディア・IP(音楽、アニメ、Web3メディア等)をグループ化し、「コンテンツ → ファン → 投資・金融」までを一気通貫させる。


2.アライアンス戦略の進化
「自前主義ではなく、提携によって一気にスケールさせる」

SMBC・NTT・KDDIなどと提携し、SBIの金融サービスを、他社の顧客基盤に“載せる”

・FPaaS(金融をAPIで提供)
SBIの金融機能を他社に丸ごと提供。電力会社など異業種とも連携開始。

・資産運用の高度化
KKR、Man Groupなど世界的運用会社と提携し、これまで一部富裕層向けだったオルタナティブ投資を一般投資家に販売する。

・地方創生との連動
地域銀行との資本・業務提携を拡大。
次世代勘定系システムによるコスト削減と収益改善に加え、メディアやイベントも活用し、地域経済を巻き込む。

まとめ
SBIが目指しているのは、
「金融・デジタル・メディアをすべてつなげ、自社と提携先を包含する“経済圏”を構築すること」

この構想の詳細は8月に出版された北尾CEOの著書『金融とメディア、ITが融合する日』に描かれていそう。もしこの構想が実現すれば、SBIホールディングスは国内随一の金融グループになる可能性が高い。

中間報告書を読んで、思っている以上にSBIは巨大化しそうだと思った。


■エムスリー
基本シナリオ:医療DXの勝者に

2Q決算後にストップ高になったものの、その後、株価は再び元の水準に戻ってしまった。株価が下がった理由ははっきりしない。グロース株全体の調整局面だったのか、あるいはAIの進展が同社にとって逆風になるとの見方が出たのか、他の理由か、現時点ではよくわからない。ただし、長期的な見通しは今のところ悪くなさそうなので、ホールドを続ける予定。

一方で、無視できない変化もある。
AIの進化により、医師という職業そのものが減少する可能性が出てきた。
12/15日経によれば
「AIは医師に比べ、難しい病気の診断を約4倍高い精度で行える」
「費用を抑えた治療提案も可能」
「AI単独の診断スコアは、AIを活用した医師をも上回った」(笑)
という。

こうなると人間の医師の役割は減少していきそう。もちろん、共感力や微妙なニュアンスを読み取る力では、現時点では人間に分があるため、医師という職業が完全になくなることは考えにくい。しかし、基本的な診断や標準的な処置の多くは、今後AIやロボットに置き換わっていくのではないかと思う。

エムスリーの主力事業の一つは、医師向けのマーケティング事業になる。仮に医師数が減少すれば、この事業の成長にブレーキがかかるのは避けられない。医療DXの進展が追い風になる一方で、AIの進化が事業構造そのものを揺さぶるリスクもありそう。この点は注意して見ていきたい。


■前田工繊
基本シナリオ:土木資材系のM&Aでインフラ需要を着実に取り込む

1Q決算は上振れ気味で、通期計画に対する進捗率は高い。今年も上方修正が入りそう。
しかし株価があまり上がらない。成長率が低いからだろうか。


■大和 iFreeNEXT FANG+インデックス
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

アップル株は失墜すると予想していたが、株価は過去最高値を更新している。ただし、今回の上昇は業績拡大による寄与はごくわずかで、大半はPERの上昇によるものと考えられる。

フォーブス12/20には「アップル株、2026年に40%下落する可能性」との記事があり、その根拠として、売上高がほぼ横ばいであること、AIの開発・実装が遅れていること、新製品が期待を下回っていること、そして資本配分が研究開発や設備投資よりも自社株買いに偏っている点が挙げられている。この見方には一定の妥当性がある。実際、2025年のアップルの投資額は、グーグルやマイクロソフト、アマゾン、メタと比べて半分以下にとどまっており、ここから急激な成長を期待するのは難しい。

一方で、12/30インフォに別の見方が示されている。アップルは「LLMはいずれコモディティ化する」と考え、自前モデルへの巨額投資を避けつつ、Google Geminiなど外部AIを活用し、製品への統合を重視する戦略を取っているという。そして2026年は、AIへの投資額の多さではなく、AIをいかに効果的に製品へ組み込めたかが評価を左右する年になる可能性があり、その点でアップルは有力な候補とされている。

この見方にも一理あり、確かに2026年は「AI活用の年」になりそうだが、アップルに残された成長余地は大きくないように見える。


メタについては、やや怪しい雰囲気が出てきた。AI分野で出遅れているため、資金力にものを言わせてAI人材を急ごしらえで集めているが、その即席チームがうまく機能するかは不明。
データセンターなどAI関連投資が急増し、営業利益率は悪化、フリーキャッシュフローは3分の1にまで減少している。しかも、グーグルやマイクロソフトのようにデータセンターを外販しているわけではないので、短期的には利益を圧迫する構造。AI開発が順調に進まなければ、これらの設備は一転して重い負債になりかねない。投資回収リスクにより株価は停滞気味。10/29インフォ10/31日経

とはいえ、AIで負ければ、主力のSNS事業でも負ける可能性が高まるため、方向性としては間違っていないようにも見える。

それ以上に気になるのは、11/6インフォ11/7日経で報じられた「メタは詐欺広告と認識しながら、収益を優先して完全にはブロックしていなかった」という件。この自社利益を優先する姿勢は、未成年者へのSNS利用規制の流れとも無関係ではなさそう。過去のケンブリッジ・アナリティカ問題も含め、メタの倫理観には問題がありそう。このような倫理観はAI開発においても不安材料になる。


これまで、この投信は「基準を外れればFANG銘柄でも除外される」と思っていたが、11/7日経によると、「アップルやネットフリックスなど6社は原則固定、残り4社は流動性や成長率を基準に入れ替える」というルールらしい。この仕組みだと、この「固定される6社」は、将来性が低下しても組み入れが維持される可能性が高い。そうなると、この投信のパフォーマンスは伸び悩む可能性がある。


構成銘柄の一つであるサービスナウの株価下落が続いている。同社は企業内の「申請」「承認」「問い合わせ」「トラブル対応」といった業務フローを一元管理・自動化するクラウドプラットフォームを提供している。AIとの相性は良く、AI関連企業の買収を進めており(12/2インフォ12/23インフォ)、AIエージェントの高精度化・高セキュリティ化に取り組んでいる。

ただし、こうした業務フローの合理化システムは生成AIによって比較的容易に模倣できるようになりつつある。既存の大企業がすぐにサービスナウを捨てるとは考えにくいが、新規導入を検討する企業にとっては、コスト的に第一選択肢にならない可能性が高い。株価下落は、将来の新規顧客獲得鈍化を織り込み始めている影響かもしれない。10/2インフォ


ネットフリックスは、827億ドル(約13兆円)を投じてWarner Bros. Discoveryの映画スタジオとHBO Maxを買収するとの報道があった。しかし、12/5インフォでは、この買収は金額面でも戦略面でも誤りで、最終的に成立しない可能性が高いという。理由としては、

1.価格が高すぎる
2.独禁法で止められる
3.Netflixにとって戦略的メリットが薄い
4.「取られるくらいなら買う」防衛的な買収
5.     財務負担が大きく、数年間はコスト削減モードに入り機動力を失う
などが挙げられている。

買収が失敗した場合でも約9000億円の違約金を支払う契約とされており、ネットフリックスの本気度は高いが、結果的にはいろいろな意味で失敗に終わりそう。


■フィルカンパニー
基本シナリオ:特殊駐車場開発で市場開拓



■iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

AIブームのバロメーターとして見ている。9月に運用開始で、その後横ばい状態が続いている。



■米マイクロソフト
基本シナリオ:最強のAIエージェント・プラットフォームに

1Q決算は好調で、業績・投資・財務のいずれにも大きな問題はなさそう。10/29インフォ10/30日経

ただし、生成AIの「王者」ChatGPTが、「Gemini3」登場以降、やや劣勢に立たされ始めた。マイクロソフトのCopilotはChatGPTがベースになっているため、ここが負けると大ダメージを受ける可能性がある。

マイクロソフトがここ数年、OpenAIへの追加出資を控えていた点を考慮すると、OpenAIの失速をある程度予期していた可能性がある。ナデラCEOは危機を感じたためか、経営業務の一部を部下に移譲し、自身はAI事業に集中する体制へとシフトしている。10/1インフォ

12/22インフォによれば、ナデラ氏は社内メールやTeams上でCopilotの完成度に強い不満を示し、「Geminiと比べて賢くない」などの発言をしているという。やはりAIモデルの性能差に危機を感じているように見える。

とはいえ、AIエージェントのプラットフォーム事業という観点では、マイクロソフトは依然として有利な立場にある。現在、企業向けソフトウェアの世界ではAIエージェントを巡る大混戦が始まっており、「史上最大級のソフトウェア市場の再編」が進行中。そこでは「どのエージェントを使うか」ではなく、「どう管理するか」が最大テーマになりつつある。

企業がAIエージェントを選ぶ際の最大の判断基軸は「データがどこにあるか」になる。世界の大企業の約9割がMicrosoft 365を利用しており、結果として、「Copilot Studio+Teams」「Agent 365」といったマイクロソフトのAIエージェント・プラットフォームが選ばれる可能性が高い。すでに外部の開発企業も、Copilot上でエージェント開発を始めている。11/12インフォ11/18インフォ

ただし、ここでもAIモデル性能の劣後は問題になる。基礎モデルの性能がすぐれないと、優秀なAIエージェントは生まれにくいため。マイクロソフトの”基本シナリオ”にはやや不透明感が出始めた。

なお、現時点で“エージェント管理ツール”の主な競合はアマゾンとセールスフォースになる。11/13インフォ

(サービスナウの株価が下落しているのは、ここらへんが主因かもしれない。)

現時点では企業におけるAIエージェント導入は想定ほど進んでいない。マイクロソフト自身も、AIエージェント関連の売上見通しを下方修正している。12/3インフォ

普及が遅れている最大の理由は、生成AIの挙動が依然として「気まぐれ」なことになりそう。AIは同じ質問でも毎回微妙に異なる回答を返す。この特性は創造性という意味では強みになるが、定型業務とは相性が悪い。出力のばらつきや業務適用の調整に手間がかかり、導入が難航しているのではないかと思う。12/19インフォ


10/28日経によると、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、マイクロソフトが顧客を高額な有料プランへ不当に誘導したとして提訴した。同社は2024年10月からOffice 365の有料会員に対し、Copilot利用を含む形での値上げを通知し、受け入れなければ契約解約が必要だと説明していた。しかし実際には、Copilotを含まない従来サービスを同価格で継続できる「第三の選択肢」が存在し、それは解約手続きを始めた後に初めて表示される設計だったという(笑)。

マイクロソフトは、たまにこういうあこぎな商売をする。すでに十分な利益を上げているにもかかわらず、なぜブランド価値を毀損しかねない行動をするのか、正直よくわからない。



■NTT
基本シナリオ:NTTデータを軸に成長。長期ではIOWN(光半導体)に期待

12/30日経で、NTT社長が次のように語っていた。

「従来のコンピューターの電子回路は、AIの処理に使うと電力がかさんで大量の熱を出す問題がある。当社は次世代通信基盤『IOWN(アイオン)』の新製品として、省電力の光技術を使う『光電融合デバイス』を26年度から順次発売する。圧倒的に低い消費電力で低発熱のデータセンターを実現したい」

IOWNはまだ研究段階で、実用化は数年先という印象を持っていたが、すでに一部では製品化にこぎ着けているらしい。現在のデータセンターは電力制約が最大のボトルネックになっており、仮にこの製品が「圧倒的な省エネ性能」を実現できれば、NTTに対する市場評価が大きく変わる可能性がある。

『光電融合デバイス』を検索したら、「TSMCに勝てる、光技術の「隠し玉」 NTT副社長明かす」(2/3日経)という記事が出てきた。記事によれば、光電融合デバイスが現在と比べて100倍のエネルギー効率を実現するのはまだしばらく先になりそうだが、今後の計画は比較的クリアで、光半導体の中核となる特許を多数押さえているようなので、見通しは悪くない。今年はこの『光電融合デバイス』に注目していきたい。



■今後の計画
投資スタンスは 「基本静観、チャンスが来たら動く」 のまま。市場が荒れて米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが70以下になったら株式などを買っていく。PBR、投資家心理指数、裁定売買残高なども考慮する。1ドル135円くらいになったら海外株を買っていく。

ただし、AIは「人類史上最大の革命」とも言われるので、AI関連株についてはドルコスト平均法で着実に積み上げていく。AIは暴走すると人類を滅亡させるリスクもあるので、その点に理解のある会社を選んでいく。