2019年2月1日金曜日

売買チェック

1月は売買なし。

持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律分野をITで変革し最強のプラットフォーマーに
この会社の最大の不透明要因は電子契約事業だったが、クラウドサインがデファクトスタンダード(事実上の標準)になりそうな勢いなので霧は晴れつつある。3月から電子契約の料金を1件100円から200円に引き上げるようだが、この値上げが成功したら業績へのインパクトは甚大になる。今後3年の予想売上高成長率は年率30%程度。2019年の予想平均時価総額は売上高の20倍の820億円(株価3800円)。変動率は±30%。

■シンクロフード
基本シナリオ:飲食店の運営をITで変革・サポートし総合プラットフォーマーとして盤石な地位を築く
シンクロの求人ビジネスには競合が多いため厳しい展開になると予想していたが、グーグルで「飲食 求人 東京」「飲食 求人 大阪」で検索するとトップに表示され続けている。関東圏と関西圏の求人広告掲載数も堅調に推移してるので、もしかしたら盤石な地位を築きつつあるのかもしれない。ただそれ以外の地域はまだまだ時間がかかりそう。今後3年の予想売上高成長率は年率20~25%。2019年の予想平均株価は800円(変動率30%)。
業績に最もインパクトのある求人広告掲載数を記録していく。関東 2484(2057)
関西 733(634)  東海 345(339)  九州 108(100)  北海道・東北 108(92) 総計 3778(3222)
市場独占型の求人プラットフォーマー・インディードの掲載数も記録していく。東京都の飲食店 79166(70287) 大阪府の飲食店 30353(26955)
*( )内は先月

■アイスタイル
基本シナリオ:美容分野をITで変革し最強のプラットフォーマーに
アイスタイルの新戦略「ブランドオフィシャル」の進捗は会社計画を大幅に下回っているので、今後の利益成長はあまり期待できそうにない。中国で1月から電子商取引を規制する法律(政府に登録してない者が外国で買い付けたものを国内で転売するのを禁止する法律)が施行されたが、これはアイスタイルの中国事業「越境EC」には追い風になる。今後3年の予想売上高成長率は年率20%程度で予想営業利益成長率は年率3%程度。今後2年の予想平均株価は1000円(変動率±30%)。
ブランドオフィシャルの契約企業数 67(67) *( )内は先月

■ペプチドリーム
基本シナリオ:ペプチド創薬で最強のプラットフォーマーに
特に問題ないが、業績が急拡大するのはしばらく先になりそう。今後3年の売上高成長率は年率20%程度。今後2年の予想平均株価は4600円で、予想レンジは3400-5800円。

■厳選ジャパン(投資信託)
基本シナリオ:ビッグチェンジ銘柄投資でテンバガー達成
サンバイオ・ショック直撃(笑)。バイオベンチャーはハイリスク・ハイリターンだと改めて認識。サンバイオは米国で事業を行っていながら米国で医療系ベンチャーキャピタルなどから資金調達できなかったところに今回の失敗の伏線があったのかもしれない。今年の予想基準価額は11000円(変動率20%)。

■朝日ネット
基本シナリオ:ストックビジネスで地味に成長&株主還元
来期以降は増収増益基調になりそうなので、そろそろ地味に動き出しそう。今後3年の予想売上高成長率は年率6%程度でEPS成長率は年率15%程度。2019年のの予想平均株価は550円(変動率15%)。

■日進工具
基本シナリオ:ニッチトップの極細ドリルで市場開拓
短期の景気循環(在庫循環)が3月頃に底入れしそうなので、いったん反発しそう。ただ長期の景気循環(設備投資循環・債務循環)は天井を打っているので長期的な見通しは芳しくない(参考:「景気敏感株は買い場か」2019/01/25日経)。ちなみに超長期の景気循環(技術革新循環)はまだまだ上昇途上にある。2019年の予想平均株価は2500円(変動率20%)。今後3年の売上高成長率は年率8%。

■パーク24
基本シナリオ:最強のカーシェアプラットフォーマーに。海外駐車場事業の効率化で利益拡大
今期は利益ゼロ成長予想なので株は退屈な展開になりそうだが、事業的には特に問題なし。今後3年の売上高成長率は年率5%で利益成長率は8%程度。2019年の予想平均株価は2500円(変動率20%)。

■コンテック
基本シナリオ:ダイフクとファナック向けのエッジコンピューティング機器で業績拡大
ここも在庫循環的にいったん反発しそう。この会社が大株主になっているロジザードの株価が上昇しているので、テック倉庫向けの納品も増えていきそう。2019年の予想平均株価は1400円(変動率20%)。今後3年の売上高成長率は年率5%で利益成長率は10%程度。

■今後の戦略
6月あたりまで静観する予定。

マクロ系金融資産チェック

市場の仕組みを理解しやすい順番で見ていく。

■米長期金利 (米国国債4倍ベア7)
基本シナリオ:2019年は2.5%~3.3%の間で推移

長期金利に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・実質経済成長率↓
米長期金利の基準値は実質経済成長率(名目経済成長率+インフレ率)になるが、今後は低下傾向になる。

米国の2018年の名目経済成長率は2.9%、2019年は(予)2.5%、2020年は(予)1.8%で、インフレ率は2018年が2.4%、2019年は(予)2.3%、2020年は(予)2.2%になる。

・金融政策↓
景気後退懸念や金融市場の混乱などから、FRBは金融引き締めを終えそうな雰囲気になってきた。

・財政赤字の拡大↑
米政府は財政支出を拡大して国債を大量発行しており、今後も年金や医療、福祉などの社会保証料は増大していくので、長期的に国債発行量は増え続ける。

・リスクオン、オフ→
世界的に景気後退懸念が強まっていたので、”安全資産”である米国債には資金が集まりやすかった。しかし足下では景気後退懸念や米中貿易摩擦は落ち着きつつあるので、リスクは後退しつつある。

・米国債の人気低下↑
米10年国債の利回りは先進国の中ではとても高いので海外から買われやすい。しかし足下では為替ヘッジコスト(2.9%)が米長期金利(2.7%)を上回っているので、米国債の購入は減少している。また米貿易赤字や財政赤字の拡大も人気低下の要因になる。

・投機筋の持ち高
(不明)

・チャート↑
短期のWトップが完成していったん天井を打ったように見えるが、長期のWボトムも完成しているので長期的な上昇圧力は強い。


■WTI原油 (WTI原油価格連動型上場投信)
基本シナリオ:45ドルから70ドルの間で推移

原油価格に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・産油国の採算ライン↑
サウジが財政均衡に必要な水準は1バレル80ドル、アラブ首長国連邦は60ドル、ロシアは40ドル、米企業の採算ラインは45ドルになる。

・トランプ大統領の介入↓
トランプ大統領は低インフレ(低金利)と株高を切望しているので、原油価格の上がりにくい政策を採る。

・供給↓
OPECやロシアは、米国がイラン産原油を禁輸することを想定して増産に動いていたが、それが直前で解除されたため、足下では在庫がだぶついている。

ただ新規の油田開発は、原油価格の停滞や脱化石燃料への投資家圧力などにより停滞気味なので、将来の供給不安は残っている。

・需要↑
景気後退懸念や暖冬、温暖化対策(エネルギーシフト)など需要を抑制する要因もあるが、大局的には人口増や世界経済の成長に伴い原油消費量は増加基調にある。石油需要は2040年まで拡大を続けると言われている。

・リスクオン、オフ→
原油は株式と同じリスク資産なので、リスクオフ時に売られやすいが、今はリスクが後退しつつある。

・産油国で不測の事態が起こる↑
数日前に米国がベネズエラ国営石油会社への制裁を決定した。

・投機筋の持ち高
(不明)

・為替→
原油はドル建て取引なので、ドル高になると新興国の需要が鈍る。
(WTI原油価格連動型上場投信においては、円高が進むと基準価額が下がる)

・チャート→
一目均衡表(月足)の雲の下に入っていて上値が重そうだが、移動平均線・累積売買高的には今が底になる。


■ドル円 (FXでドル買い)
基本シナリオ:2019年は102円から112円の間で推移

為替に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・日米の金融政策↓(↓は円高方向)
日本は金融緩和を継続し、米国は金融引き締めに動いていたため円安基調だったが、米国が金融引き締めを終える可能性が出てきたため、一転して円高基調に入りつつある。

・貿易収支→
日本は短期的には原油安により貿易収支が改善しそうではあるが、スマホや医薬品などの輸入が増加傾向で、生産の海外移転などにより輸出の伸びは鈍化傾向なので、長期的に貿易収支は悪化していきそう。

*日本の(貿易収支を含む)経常収支は20兆円程度の黒字を維持しているが、この黒字の大半は過去に行った投資のリターンである所得収支が占めている。所得収支は貿易黒字と違い、円に換えず現地で再投資する部分がほとんどなので、円買いフローはあまり発生しない。

米国は高関税政策などにより貿易赤字が増えそうだが、第4次産業革命の牽引役でもあるので長期的な貿易黒字圧力は強い。

・日本企業の対外直接投資→
日本企業の海外M&Aに1年半先行する世界PMI(購買担当者景気指数)はすでに天井を打っているので、日本企業による海外企業の買収も徐々に減っていきそう。

・リスクオン、オフ→
景気後退懸念や海外の政治情勢が落ち着きつつあるので、徐々にリスクオンになりそう。

・投機筋の持ち高↓
ヘッジファンドはドル買いから円買いにシフトしつつある。

・購買力平価↓
ドル円の購買力平価は96円なので、円の下限は75円、上限は120円程度になりそう。
米国の方が慢性的にインフレ率が高いので、購買力平価は長期的な円高傾向にある。

・米財政赤字の拡大→
今後、大量発行されていく米国債を消化するために大量のドルが発行される可能性がある。

・チャート→
どっちつかずの三角持ち合い。ゆくゆくは円高方向に大きく振れそう。


■日経平均 (日経レバETF)
基本シナリオ:2019年は19000から24000のボックス圏で推移

日経平均に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・EPS(1株利益)→
日経平均株価は基本的にはEPS(1株利益)とPER(人気度)によって決まるが、予想EPSは2018年度が+5%程度、2019年も+5%程度、2020年は0%程度なので、日経平均はしばらく横ばいで推移しそう。ちなみに日経平均19000円は2019年度の予想EPSが-10~-15%くらいの水準になる。

EPSに影響を与える外部要因についても見ていく。
・金融政策↓
先進国の金融政策は緩和から引き締めに転じつつあるので、金利上昇により企業の利益や資金調達環境(設備投資)は悪化する。

・為替↓
今後為替は中長期的に円高に振れていきそうなので、海外で6割を稼ぐ日本企業の利益は下振れしていく。

・PER(人気度、リスク選好度)→
米中貿易戦争や景気後退懸念によりリスクオフで株式は売られていたが、今後はこれらの問題が落ち着くのに伴い、徐々にリスクオンに向かいそう。

・投機筋の持ち高→
投機筋の売り玉はそれほど残ってないため下がりにくい。

・利回り↑
日本株式の益回りは8%と日本国債の利回り0%より高いので、株式に資金が流れやすい。

・チャート→
24000円でダブルトップを形成しており、19000円で累積売買高のピークが来ているので、当面この範囲内で動きそう。

市場環境チェック

株式市場への影響が大きい企業業績、金利、金融政策などをチェックしていく。

■ファンダメンタルズ
<EPS成長率>
・世界株式の2017年のEPS増加率は17%、2018年は15%、2019年は8%。
・米国株式の2017年のEPS増加率は11%、2018年は23%、2019年は6%。
・日本株式の2017年のEPS増加率は22%、2018年は5%、2019年も5%。
→問題なし

<経済成長率>
・世界の2018年の成長率は3.7%、2019年は3.7%→3.5%、2020年は3.7%→3.6%。
・米国の2018年の成長率は2.9%、2019年は2.5%、2020年は1.8%。
・ユーロ圏の2018年の成長率は2.2%、2019年は1.9%→1.6%、2020年は1.7%。
・日本の2018年の成長率は1.1%、2019年は0.9%→1.1%、2020年は0.3%→0.5%。
・新興国の2018年の成長率は4.9%、2019年は5.0%?、2020年は5.0%?。
・中国の2018年の成長率は6.6%、2019年は6.2%、2020年は6.2%。
*数値はIMFの予想。参照:(2018/1/22日経
現在、世界同時成長が起きており、このような状態は通常2,3年続くという。ただしこのような世界同時成長は景気サイクルの終盤に見られる特徴的な現象とも言われている。米ピムコは2019年に世界経済の同時減速が始まると予想している。

世界同時成長は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風になる。しかしその反面、海外の景気後退期は日本企業にとって強い向かい風になる。このような経済構造に円高効果が加わり、日本株は米国株の1.5倍くらい下落する。
→問題なし

<インフレ>
・米国の予想インフレ率は2018年度が2.4%、2019年は2.3%?
・欧州の予想インフレ率は2018年度が1.5%、2019年は1.5%?
・日本の予想インフレ率は2018年度が0.9%、2019年は0.5%?
*貿易戦争が激化すれば米国のインフレは加速する。
→問題なし

<金利>
・米国の短期金利は2.46%で長期金利は2.63%。
・日本の短期金利は-0.17%で長期金利はマイナス0.012%。
*米国の短期金利が長期金利を上回ると景気後退に陥るといわれるが、現在の長短金利差は0.17%。FRBは金利引き上げを止めそうなので今回は長短金利の逆転なしに景気後退に陥るのかもしれない。
*米国の実質長期金利(名目長期金利-インフレ率)が潜在成長率を上回ると景気後退に陥るといわれるが、足下の実質長期金利は0.33%で、潜在成長率は1.8%。
→問題なし

<債務>
・米国の民間債務残高はGDP比150%で横ばい傾向。
・日本の民間債務残高はGDP比150%で横ばい傾向。
・中国の企業・家計債務残高はGDP比210%まで上昇しているが、足下では横ばい傾向。日本のバブル期のピークは220%になる。
・新興国の民間債務残高はGDP比140%で、現在も微増傾向。
・過去10年で各国政府は債務を大きく膨らませている。
*米企業の債務残高はGDP比で過去最高(74%)に達している。
*中国の企業・家計債務は危険水準に達しているが、習政権は経済の筆頭課題に金融危機封じ込めを据えているので、それほど心配しなくてもよさそう。ただ貿易戦争などで経済成長が大きく下振れすれば一気に債務圧縮局面(景気後退期)に入る可能性がある。
・中国の企業債務は積み上がっているが、その大半は国営企業によるものなので、計画に沿って徐々に債務を削減していけそう。
*新興国は米利上げや原油高などで通貨安・高インフレ・高金利になり、債務圧縮局面に入りつつあった。ただインフレ率は各国中銀のターゲット内に収まっており、米利上げや原油高も止まりそうなので落ち着きそうでもある。
→問題あり

<金融政策>
・米国は引き締めに転じていたが、それを終了しそうな雰囲気。
・日本は金融緩和を継続しているが限界に近づきつつある。
・欧州は量的緩和を2018年12月に終了し、利上げは19年の秋以降になる。
・世界の量的緩和は2017年3月にピークをつけ、その後は減少傾向にある。2019年には明確なマイナスへと転じる・・はずだったが、中国が緩和方向に舵を切ったので、プラスを維持しそう。
*引き締め速度は穏やかだが全体的に引き締め傾向。これまでの経済拡大や資産インフレは金融緩和が原動力であったため、引き締めによりすべてが逆回転しつつある。
*米国はトランプ大統領の財政拡大策により次の景気後退期には金融政策しか残されていない。そのためFRBは粛々と金融引き締めを進めて、次回の金融緩和の余地を作っていくしかない。とはいってもFRBは市場の安定や景気の安定を優先するので、引き締めは穏やかに進みそう。
*日本はこのまま金融緩和を続けると、利ざやで稼ぐ銀行の収益が落ち、次の景気後退局面では貸し出しが抑制され、景気が下押しされる恐れがある。また金融機関の倒産が相次げば金融インフラを失い、金融政策が円滑に機能しなくなる恐れもある。
*日本は次の景気後退期に、ヘリマネなどの禁じ手をのぞけば、金融面でも財政面でも打つ手がない。
→問題なし

<政治>
・日本は安定。19年の消費税引き上げは株式市場の鬼門になると思っていたが、政府の大盤振る舞い(支援給付金、軽減税率、教育無償化、補正予算)や携帯料金引き下げなどにより、消費増税の負担が相殺・超過されそうなので問題なさそう。
・海外は不安定。米国と中国の覇権争いは、ハイテク・軍事分野を中心に今後長期にわたり続きそう。ただ3月の米中通商交渉でいったん停戦になりそう。
・英国のEU離脱の条件は、EUが新たな離脱国が出てくるのをけん制するため、英国にとって厳しいものになりそう。英国は国民投票を実施し、EU残留という形になるのかもしれない。
→問題なし

<その他の景気後退シグナル>
・過去の景気後退期はすべて米国の需給ギャップがプラスに転じた後に始まっているが、足下ではすでにプラスに転じている。
・コモディティ、米国債、米国株、ドルの4資産の値動きで、年間収益が高い順位が、コモディティ、米国債の順番になるとその翌年に景気後退が起きると言われているが、2018年はドル、米国債、米国株、コモディティの順。
・景気拡大期の終盤は、金余りと鈍化した成長率を引き上げるため巨大M&Aが盛んになるといわれているが、今がまさにその状態。
・景気拡大期の終盤には、業績格差が広がりやすいと言われているが、今がまさにその状態。
・世界景気の先行指標である銅価格が、ピークアウトするかどうかの分岐点にあるが、底堅そうな雰囲気。
・経済危機をいち早く察知する米低格付け債の利回りは一時急上昇したが、足下では下落し始めている。
・起こり得ない衝撃的な事象の発生を織り込むSKEW指数(ブラックスワン指数)は現在126と低位で推移している。
・中銀の利上げ局面における株式相場は「1,金融緩和の終了を嫌気した調整」→「2,利上げ中盤にかけての良好なファンダメンタルズを好感した上昇」→「3,利上げ終盤の過度な引き締めを懸念した反落」→「4,利上げの打ち止めを好感した反発」→「5,ファンダメンタルズの悪化を織り込んだ大幅な下落」という経過をたどることが多いが、今は「4,利上げ打ち止めを好感した反発」局面に入りつつあるので、いったん上がりそう。
→問題なし

■テクニカル
・チャート
NYダウは昨年10月につけた過去最高値から12月の安値までの下落幅の半値戻しを達成している。「半値戻しは全値戻し」という格言があるが、24500~25500には大量の売り玉を抱えており、米企業業績の来期見通しもぱっとしないので全値戻しは難しいかもしれない。
<NYダウ5年チャート>

日経平均はまだ3分の1程度しか戻してないので、しばらく低空飛行が続きそう。
→問題なし

・ディストリビューション・デー(機関投資家の売り抜け日)
日経平均 4日
NYダウ 1日
ナスダック 0日
→問題なし

・騰落レシオ
日経平均 105
NYダウ 178
ナスダック 166?
→問題あり。NYダウとナスダックにはかなり過熱感があるのでいったん調整が入りそう。

・信用評価損益率
ー13.33%
→問題なし。

eワラントのトレーディングインディケーター
<オノダモデル>「買い」
危険度:3月52% →4月52% →5月36% →6月43% →7月39% →8月44% →9月61% →10月18.7% →11月36% →12月68% →1月41% →2月51%

<サムモデル>「売り」
2018/1/18に「売り」に転換。2018/2/20に「買い」に転換 。2018/5/18に「売り」に転換 。2018/7/17に「買い」に転換。2018/08/20に「売り」に転換。2018/09/18に「中立」に転換。2018/10/22に「買い」に転換。2018/11/19に「売りに転換」。
→問題あり

■株ログ・インディケーター
問題なし10件、問題あり3件、中期的な危険度:10月40%→11月30%→12月35%→1月45%→2月40%。投資判断:様子見
FRBの金融引き締め停止により、株式市場はいったん落ち着きそう。

長期計画チェック

「平時にじっくり考えて決めておいたことは、後悔する判断にはなりにくい」いわれているので、今のうちから長期的な計画を考えていく。

現時点の予想では2020年頃に景気後退期に入るとみている。ただ今回の景気拡大期は低成長・低金利の中で浅く長いものだったので、景気後退期も浅く長いものになりそう。

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過去の景気後退に共通するパターン:米国の長短金利逆転後に日本株が50%超下落。

12月に5年債と2年債の金利が11年ぶりに逆転したが、FRBが利上げを終えそうな雰囲気になってきたので、今回は10年債と2年債が逆転せずに景気後退する可能性が出てきた。今回の利上げ停止ポイントは過去の水準(5%超)と比べてだいぶ低く(2.5%)なりそうなので、景気後退は比較的穏やかに進みそう。

これ以外にも景気後退や株価下落を穏やかにするいくつかの要因がある。
・リーマンショックの記憶がまだ残っているため、皆慎重になっている。
・バブルは借金をして資産を買いまくることによって生じるが、先進国では今回そのような現象はあまり見られない。
・先進国の金融機関の財務状態は比較的良好なため、先進国では金融危機(信用収縮)は起こりにくい。
 *金融危機(信用収縮)、つまりクレジットの消失が起こらなければ、金余りの状態が続く。*クレジットとは世の中に流通する大半のお金のこと。参照
 *中国の不動産にはバブルの兆候がある。ただし中国政府の需要抑制策により、日本のバブル期ほどの過熱感はない。
 *中国で最も大きなバブルはシャドーバンキング商品(銀行理財商品、委託融資、信託商品)への投資になる。これらの投資は過熱感が強く、2017年末の残高は1000兆円とGDP比8割の規模になる。
 *バブル崩壊の仕組み。金利が上がりだすと株式や不動産などが売られ資産価格が下がりはじめる。バブル系投機家は資産価格が上昇することを前提として資産を買っているので、資産価格が下がりだすと資金の逆回転が始まる。

・中国政府には財政出動の余地がある。
・中国の企業債務は積み上がっているが、その大半は国営企業のものなので計画に沿って徐々に削減していけそう。
・中国は独裁体制のため、不況に陥るとすべての批判が指導部に降りかかる構造になっている。そのため指導部はなんとしても不況を起こさないようにする。
・FRBは次の景気後退期に財政政策や金融政策で打つ手がほとんど残ってないことがわかっているので、金融引き締めは慎重に進める。
・現在、第4次産業革命が進行中で、これは今後も長期にわたり続く。
・先進国では株式以上に債券が割高なので、株式に優位性がでやすい。
・日本株に限れば、日銀のバックアップがあるので下がりにくい。
 *ただし日銀のバックアップがあるからこそ海外勢が売ってくる可能性もある。1995年に為替が1ドル80円を突破したとき、日銀が「もうこれ以上無理だ」とドル買い介入をやめたら底打ちしたという。市場参加者はドルを売る相手がいなくなり、買い戻しを始めたらしい。2018年に日銀は日本株を6兆円買い越しているが、海外勢は5兆7千億円を売り越している。

以上を総合すると、次の景気後退や株価の下落は比較的穏やかに進む可能性が高い。

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景気後退シナリオ2:株価上昇の原動力であった金融緩和と債務のサイクルがピークアウトし、景気後退に陥る。
おそらく昨年末の株価下落はこれが主因になる。ただ今回の金融引き締めは穏やかなものになりそうなので、景気後退も穏やかなものになりそう。
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景気後退シナリオ3:上がり続ける米長期金利による景気後退
今後、米長期金利は需給要因により長期的に上昇していく可能性がある。米長期金利が上昇すると株式や不動産が売られ、借り入れが減り景気後退に陥る。景気後退に陥ると通常なら長期金利も低下するが、今回は需給要因により長期金利は下がりにくい。新興国では米金利上昇とそれに伴うドル高により、通貨安、インフレ、金利高が起こり景気後退期に入る。中国ではこれらに加え、過剰債務や貿易戦争、労働人口のピークアウトなどにより景気後退に陥る。日本や欧州は、これらの国々のあおりを受けて、景気後退に陥る。
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景気後退シナリオ4:中国のバブル崩壊による景気後退
中国の企業債務は積み上がっているが、その7割以上は実物投資ではなく、リスクの高い金融資産(シャドーバンキング商品)への投資に回っている。景気下振れなどによりいったんデフォルトが起こると、急激な資金の引き上げが発生して、連鎖的なデフォルトが起こる可能性が高い。そうなると企業は債務返済で手一杯になり、新たな投資ができなくなる。不況に陥ると独裁政権に責任が集中し、政権が転覆する可能性も出てくる。そもそも独裁体制は経済的に成熟した社会には適さないシステムとも言われているので、その意味でもこのタイミングで独裁体制が終わる可能性がある。これらの政治的混乱も相まって不況が深刻化していく。経済大国・中国の不況が世界に連鎖していく。
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景気後退シナリオ5:景気後退シナリオ2,3,4が同時に起こる
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このようになるが、基本的には景気後退は比較的穏やかに進むと思うので、ビジネスモデル(利益成長を続ける仕組み)の強い企業は当面ホールドしていこうと思う。ただし景気後退シナリオ4または5が起きた場合はすみやかに手仕舞っていく。

それ以外のパターンとして
・1ドルが115円
・米長期金利が3.5%
になった場合は、その時点でドルを売っていく。
*米国の政府・民間債務は膨張しているので、長期金利が3.5%あたりまで上昇したら、FRBは債務危機を防ぐため、国債購入を再開して(ドルを大量発行して)日銀のように長期金利をコントロールしていく可能性がある。

景気後退期に入り円が80円くらいまで上昇したら、外国株や日本株、ドルを買っていく。

次の円高時に仕込みたい外国株
・(米)ALPHABET。自動運転や人工知能、データ覇権の本命。
 *ALPHABETのビジネスの中核は個人情報の活用になるが、今進んでいるデータ規制によっては収益基盤が破壊される恐れもある。
・NASDAQ100ETF。第4次産業革命の中核ETF。
・インド株のETF。インドは2040年まで人口ボーナス期が続く。
・インドネシア株のETF。インドネシアは2030年まで人口ボーナス期が続く。
・銅の先物もしくはETF。銅の需要は長期的に右肩上がりで、供給が追いつかなくなりそう。

次の景気拡大期は、中銀に金融緩和をする力があまり残されてなさそうなので、今回のような資産インフレはあまり期待できないかもしれない。