2016年12月30日金曜日

2017年の運用方針

■投資の判断基準
1.売り圧力はないか
2.成長ストーリーは描けるか
3.参入障壁(競争力)は高いか
4.割安感はあるか
5.地合に問題はないか

■その他の方針
・成長ストーリーは自分で勝手に作ったものなので外れる可能性がある。また会社を調査しても問題点を見落としている可能性もある。なので投資は分散させていく。
・お金の損得よりも学びを重視していく。

2016年末のポートフォリオ

・技研製作所 24%。
買った理由。ニッチトップ。生産性の高い工法を世界に普及させようとしている。2015年には大型投資を行っており、今後長期的な成長が期待できる。

・鈴茂器工 13%
買った理由。ニッチトップ。和食ブームで海外での寿司ロボットの需要が高まりそう。シンガポールに営業所を新設しており販売が加速する可能性は高い。また日本では人手不足のため飯ロボの需要は多そう。

・エフオン 2%
買った理由。バイオマス発電の増設で中長期的に安定成長が期待できる。

・ウイルプラスホールディングス 5%
買った理由。経営者がやり手なのにPERが7倍と低い。

・インフォコム 1%
買った理由。スマホ専用マンガの顧客満足度が高く、利益率、成長力も高い。

・ペプチドリーム 19%
買った理由。近い将来、創薬の台風の目になりそう。

・SBIホールディングス 6%
買った理由。トランプバブルで証券市場が盛り上がると思ったから。ただしこのバブルは一過性のものなので2017年2月までには売る。

・三井物産 5%
買った理由。グローバルでインフラ投資がトレンドになりそう。資源価格が上昇していくと予想。

・エフティグループ 3%
買った理由。チャート的に底堅いから。ファンダメンタルズ的にも底堅い。実験的に購入。

・インターアクション 6%
買った理由。CCDやCMOSの光源検査装置で世界シェア7-8割。自動車の自動ブレーキなどで新たな需要が発生している。

・現金 14%

■備考 4月頃に調整が入ると予想
4月頃にはトランプさんの政策に不透明感が出てきそうなので、それまでには大半を処分しておく。

2016年の反省会

2016年の売買をざっと振り返る。

■負け投資
・科研製薬 -9%
どうして買ったのか。新薬の水虫役が日本とアメリカで絶好超だったから。
敗因はなにか。売上が伸び悩んだことと、薬価改定の可能性が浮上したこと。売り圧力も高かった。

・日経レバ -8%
どうして買ったのか。騰落レシオが73まで落ち、長期のサポート線にタッチしたから。
敗因はなにか。すでに売り圧力は強かった。米金利引き上げ、中国経済の不透明感もあった。

・大塚ホールディングス -4%
どうして買ったのか。 統合失調症の新薬や改良薬が好調で、臨床試験中の認知症の新薬にも期待が持てた
敗因はなにか。地合いの大幅な悪化。売り圧力も強かった。

・ジャムコ -15%
どうして買ったのか。航空機需要はこれからも伸びていき、内装を手がけるここも伸びていくと思ったから
敗因はなにか。高級シートへの新規参入は出だしでつまづいてしまった。参入障壁はそれほど高くはなかった。売り圧力がかなりあった。MACDはあてにならなかった。

・エン・ジャパン -9%
どうして買ったのか。業績の伸びにくらべPERが低かったから。優良ファンドが買っていたから
敗因はなにか。求人サイトは激戦区市場だった。

・ペプチドリーム -10%
どうして買い増したのか。ホームページがリニューアルされたり、経営陣が機関投資家巡りをしていたから。それと同じことがそーせい暴騰の前に起こっており、ペプチドリームでも同じ展開になるのではないかと思ったから。
敗因はなにか。割高感があったことと地合いの悪化。

・ダウベアETF -8%
どうして買ったのか。イギリスのEU離脱でバブル崩壊が早まると思ったから。チャートでは底値で過去最高の買いが入っていた。巨大な十字線もでていた。
敗因はなにか。イギリスのEU離脱により、金融緩和策が復活した。トランプさんになりリスクオン相場になった。そもそもダウベアETFは長期の下降トレンドで売り圧力はかなり強かった。

・ダブル・スコープ -10%
なぜ買ったのか。電気自動車のパラダイムシフトが起こるとみて
敗因はなにか。参入障壁がそれほど高くなかったこと。売り圧力がすでにかなりあったこと。MACDもゴールデンクロスも出来高もあまりあてにならなかった。


■勝ち投資
・そーせい +500%
どうして買ったのか。買収したヘプタレスの会社がよかったから。販売している新薬も好調だったから
勝因はなにか。運が良かったこと。サプライズIRがあれほど連発するとは思わなかった。ヘプタレス社の見極め方も良かった。これは外部の製薬会社の評価を参考にした。


■勝ち負けしの投資 ±3%以下
・金ETF
どうして買ったのか。イギリスのEU離脱でバブルがはじけると思ったから。マイナス金利だったから。日本は金融緩和をずっと続けると思ったから。
売った理由。金利のついている米国債にお金がながれたから。米景気は堅調で金利があがりだしたから。

・ティーライフ
どうして買ったのか。ルイボスティーが絶好超だったから。社長がブログで「今月の売上30倍」と書いていたから。
売った理由。強みがたいしてなかったから。多角化経営も方向性が見えなかったから。決算もいまいちだったから。

・スタートトゥデイ
どうして買ったのか。参入障壁は高く、中長期的に成長していくと思ったから
どうして売ったのか。片山さんの本を読んで、大きな会社や、きれいな右肩上がりのチャートを描いている銘柄は投資妙味が少ないとあったから。個人的に服のネット販売は好きではなかったから。

・フェローテック
どうして買ったのか。優良ファンドの持ち株で、業績の伸びもよく、円安の恩恵を受けると思ったから。
売った理由。半導体の投資循環サイクルが終盤に近づいているということを何かで読んだから。実際は、今後も順調に伸びていきそう。

・くらコーポレーション
どうして買ったのか。くら寿司にいってなかなか良いと思ったから。世界展開もうまくいくと思ったから
どうして売ったのか。人気銘柄のためすでに割高だったため。業績の伸びがあまり期待できなかったから。円安も良くないとわかったから。

・日東精工
どうして買ったのか。ニッチトップ技術が3つあったから。
売った理由。そのニッチトップ商品の伸びがイマイチだったから。前期利益を押し上げた自動ネジ締め機の注文が今期はないから。

2016年12月23日金曜日

売り圧力4 失望

期待があるから失望売りが生まれるのであって、期待がなければ失望売りは生まれない。だからといって失望売りを避けるために期待の持てない株を買うのもどうかと思っていてが、期待値がそれほど高くない銘柄を買って高いパフォーマンスを上げているファンドがあることを知った。

それは先日登場した苦瓜氏が運用するファンドで、氏によると「上がると思って持っている人がいないから失望売りがない。安い銘柄を買えば下がらなくても時々あがるからトータルではうまくいく」とのこと。日経にも「投資家数が少ない不人気銘柄のほうが軟調な局面でも投げ売りが限定的で下がりにくい一方、驚きをもたらす材料を契機に上がり始めることが多い」とあり、長期で見ると不人気銘柄のほうが運用成績が良いとあった。

失望売りによって起こる暴落はやっぱりイヤなので、今後は不人気な優勝割安株を探してみたい。

過去10年のリターンが10%を超える唯一のファンド

「売り圧力4 失望」で登場した苦瓜氏が14年間運用するファンド「J-STOCKアクティブオープン」。2003年の運用開始以来450%上昇している優良ファンド。日経によると過去10年の年率リターンが日本株投信のなかで唯一10%を超えているという。

ファンドの運用方針は「ひたすらたくさん調査を行い、その結果をもとに、ブレることなく割安な銘柄を選び続ける。調査件数は年間900件。1日4件。電話取材含まず。それを14年間続けている。継続的に調査をしていくとブレない視点をもてる。上がっているから買う、下がっているから売るということは一切ない。割安であると信じ続ける限りはずっと持ち続ける。安いところで買って、高いところで売ることをひたすら繰り返している」というもの。「世の中が気づいていない企業の本質的な価値を発見するのが仕事」といい、割安な中小型株の発掘に日々いそしんでいるという。

そんな苦瓜氏が保有する銘柄に興味が湧いたのでファンドの月報をに載っている銘柄を調べてみた。

面白そうな銘柄がゴロゴロしているが、全部調べることはできないので、とりあえずチャートを見て気に入ったものだけを調べてみる。

・エフティグループ 712円で買い
この会社は中小企業向けのバックアップをしており、様々な分野のサポートをしている。サポートをより充実させるため、周辺のサポート企業との提携を増やしている。国内で培ったノウハウを活かそうと海外にも進出し始めている。今年は200人程度を採用し、営業攻勢をかけるという。
今後業績の牽引役にしようとしているのは、個人向けのネット光回線らしい。ストック型のビジネスを拡大していくという。

問題は個人向けネット回線はすでに激戦区であり、この会社が提供しているサービスをみたがそれほど競争力があるとは思えないこと。会社の計画は未達に終わりそうな予感がする。

しかしチャート的には悪くない。第二四半期に下方修正をして大幅下落をしたが、700円あたりでぴたりと止まっている。短期での売り圧力は強いが、中長期での売り圧力はほとんどない。配当利回りは4%近くあり、自己資本比率が56%でROEが20%もある。浮動株も少なく、典型的な”下がらない株“のように見える。なんだかんだで成長性もあるので、ちょっとした情報で急騰するのではないかと思う。


・ウイルプラスホールディングス 1550円で買い しかし月曜日に売る予定
社長が切れ者で経営能力が高い。この会社はただの輸入車販売というより事業再生の側面が強い。M&Aで買収した会社の業績は急回復している。今後もM&Aで会社を成長させていく方針だという。

日本経済は目下、急回復しているので、外車は売れやすくなるのではないかと見ている。

チャートは上昇トレンドに入った感じ。1550円当たりに累積売買高のピークが来ており、それ以下でも売買代金は積み上がっているので、今後は下げにくそう。

第一四半期決算では営業利益などの進捗率がかなりよかったので、今後はさらに上ぶれるのではないかと思う。

買った後で気づいたのだが、今回の利益率が高まったのは、営業方法が要因ではなく、円高のためではないかということ。今はどんどん円安になっているので、今後は利益率が下がっていく可能性が高い。チャートでもトランプバブルでいったん急上昇したが、その後に陰線包み足を出現させて急降下している。

さらに、ここはM&Aが成長エンジンだが、自己資本比率はそれほど高くなく、また現金もそれほどあるわけではないので、資金調達に関しても不安がある。

追記2016/12/27
売ろうと思ったがチャートを見ると切り返しそうなのでもう少しホールド。売り圧力がほとんどない。



・インフォコム 1595円で買い
スマホ用マンガが牽引役。”巨人”amazonの存在がチラついてどうかと思ったが、実際にスマホでサンプルを読んでみたらコマ単位で画像が流れて読みやすい。画質はいまいちだが、顧客満足度は高く、売上高も急上昇している。利益率もガンガン高まっており、今後も急成長していく可能性が高い。ガールズ向けが強いという触れ込みだが、男性向けも充実している。女性が読むエロマンガが充実しているのようなのでリピーターも多そう。

■ファンドマネージャーの相場観
ファンド説明の動画で苦瓜氏は今後の相場の方向性についても語っていた。
「今年の6月あたりまで小型成長株が買われていたが7月以降は割安な製造関連に注目が変わった。小型成長株の押し目買いへの意欲は弱く、割安株が買われる傾向はしばらく続くとみる」と言っていた。レオスの藤野さんも同じようなことを言っていたので、やはり今後はバリュー株が買われていくのかなと思う。

参照 J-Stock アクティブ・オープン 運用担当者が解説する当ファンドの運用

テーマ株投資 大スポ編

大スポ(東スポの関西版)が水曜日(隔週)に連載している「ミスターXの㊙道場」では大化け銘柄を多数発掘している。2016年後半では33銘柄紹介し2倍以上になった銘柄が3つもある。トップ10の成績は以下のようになる。

・エージーピー 430(8/9)→1330(11/17) +209% エネルギー関連
・アサカ理研 1080(9/6)→2523(10/20) +133%  レアメタル関連
・インターライフホールディングス 219(8/23)→455(11/29) +107% カジノ関連
・川上塗料 199(10/25)→363(12/6) +82% ロシア関連
・モバイルファクトリー 4580(8/23)→8110(9/6) +77% ポケモンGO関連
・リンコーコーポレーション 183(10/25)→313(11/21) +71% ロシア関連
・イチケン 285(8/23)→480(12/2) +68% カジノ関連
・東海運 386(10/25)→565(11/21) +46% ロシア関連
・LINE 3990(7/19)→5230(9/28) +31% スマホ関連
・関東電化工業 912(6/21)→1179(8/3) +29% リチウムイオンやフラッシュメモリー関連。

大化け銘柄発掘の方法は、インパクトのあるテーマの穴株に投資するというもの。単に業績が上がったからといって飛びついてはろくな事がないという。

直近のおすすめ銘柄はロシア関連の「ニチモウ」と、トランプ関連の「酒井重工業」と、CCDやCMOSセンサー関連の「インターアクション」。これらの銘柄に対するミスターXのコメントと自分の考察をざっと書いていく。

・ニチモウ。ミスターXのコメント。「北方領土返還が無理だったとしてもロシアとの関係は決裂せず続く。ロシアとしては日本から経済協力を引き出し、今後もたかってくる構図でテーマは続く。まだ大きく上昇してない水産商社のニチモウは面白い」。
→ロシアとの関係はそれほど変化しないと思うし、チャートでは売り圧力が強いのでパス。

・酒井重工業。ミスターXのコメント。「ローラー重機大手。トランプは10年で1兆ドルのインフラ投資を約束した。この会社は米国にも工場があるのがポイント。株価は上がり始めているがこんなものではすまない」
→チャートはかなり過熱しており、業績の裏づけがないので買う気にならない。

・インターアクション。ミスターXのコメント。「自動車の自動運転にかかせないCCD、CMOSセンサー関連で注目されていて、今後期待」
→ここはCCDやCMOSの光源検査装置で世界で7割から8割を占めるトップシェア。ソニーやサムスンが大口顧客。チャートはやや過熱気味だが、目下落ち着いており、短中長期ともに売り圧力は弱い。光源検査装置の売上高比率は約50%で利益率は約30%と高い。そしてこれが年率90%のペースで成長している。今期の営業利益予想は6億となっているが、2015年7月に発効したストックオプションの行使条件では10億円以上となっている。直近で取締役はラジオやネット説明会を頻繁に開催し、そこで「株主の期待を超える」「株主には儲けてもらう」と繰り返しいっているので上振れする可能性は高い。

問題点は、IR動画を見ていて思ったことだが、小手先のテクニックだけで会社を経営している雰囲気があること。本当にやりたいことがない感じで、流行り物で数字的に問題がなさそうなものを買収していこうという意図が感じられた。決算書にはIOTやらインダストリー4.0やら流行の言葉が並んでいるが、文脈にはまっておらず違和感を覚えた。一番の強みである光源検査装置の競争力をより高めていこうという意識も感じられず、今後の方向性が曖昧でよく見えない。IOTなどの研究を進めているとはいっているが、第一四半期の研究開発費は700万円。これで一体何ができるのだろうか。30%の配当性向は維持すると言っているが今は投資に回して攻めた方がいいのではないかと思った。

昨年発行したストックオプションの内容を見ると、非常に短期目線であり、経営陣の一族(3人)だけが私腹を肥やす仕組みになっているのも気持ち悪い。
*しかしストックオプションは発行後数ヶ月で行使条件から外れてぽしゃっている。ここからも見通しがずさんなことがわかる。

業績は急上昇しそうだが、会社の経営方針に共感できないので、長期はなし。

追記2016/12/24
今日の日経記事に、自動ブレーキなどの運転支援システムは現時点でも普及が進んでいるが、今後さらに急拡大していくと載っていた。ここの技術はCMOSシェアトップのソニーからベストパートナー賞を受けるほど評価が高いので、競争力も高いことがわかる。会社の時価総額はまだ60億程度と小さいので、大爆発するかもしれない。

2016年12月16日金曜日

中小型株5 技研製作所 ○

中小型株ファンドの月報で見つけた銘柄

■どんな会社か
防災関連のインフラ工事やハイテク駐輪場などを手がけている会社。インプラント工法という特殊な工法で堤防を建設したり、道路や水路を整備したりするときに必要となる杭打ち機を販売。海外に6カ所の拠点があり、グローバル展開もはじめている。
東証二部上場で時価総額は450億円。

■成長ストーリー
日本では2011年の東日本大震災や先日の熊本地震、今後心配される南海トラフ地震などにより防災への意識は高まっている。すでにインフラ需要や復興需要は高水準に達しているようで、今後もその傾向は当面続くらしい。

インプラント工法は頑健性や消音性、工期短縮などさまざまなメリットがあり、国交省からは推奨技術に指定されている。しかし業界の慣習や適用範囲に制限があったためこれまであまり普及してこなかった。東日本大震災後の復旧工事でこの工法が採用されたあたりから潮目が変わりはじめた。復興の”最前線”で採用されたことにより、まわりの評価が変わり、普及が拡大しつつある。建築業界の慢性的な人手不足も、省人化が可能な新工法への移行に追い風となっている。産学連携による技術革新により適用範囲も広がり、それもまた強みとなっている。

日本だけでなく世界でも大規模な災害が頻発し、東南アジアを中心に防災への関心は高まっているという。技研は海外にも積極的に進出しはじめており、最終的には海外の売上高比率を70%程度まで高めるという目標を掲げている。ちなみに2016年の海外売上高比率は10%程であり、海外の売上高成長率は20%ほどである。

インプラント工法でつくるハイテク駐輪場も今後の成長が期待できる。本社は高知県にあるが東京の一等地である六本木などでも採用されており競争力の高さがうかがえる。

技研製作所は圧入工法(インプラント工法)のパイオニアであり、世界シェアはダントツトップである。そのため営業利益率は約20%と高い。欧米でも開発はすすんでいるらしいが、技研の技術はそれの10~20年先を進んでいるという。

2015年あたりから投資キャッシュフローや雇用数が急拡大しているため、今後も安定した業績の拡大が期待できる。自称「ビビり」の社長が大型投資に踏み切っているので勝算は高いとみる。

2016/12/19追記
・技研製作所はファブレスメーカーのため、圧入機を垣内という機械メーカーに委託製造しているが、その垣内が11月に新工場を建設。生産能力の大幅向上をはかるためという。(2016年12月の高知新聞)
・国際圧入学会のセミナーが7月に開かれ、そこで技研製作所が作業内容の報告をした。それによると「特徴的であったのは、工事主体が、国、地方公共団体であることで、同工法が民間から役所レベルに引上げられていることが印象付けられた」とのこと。
 
2015年10月には10億円規模(社員一人当たり230万円程度)の大型ストックオプションを実施しているが、その行使条件は2018年期の売上高が275億円以上、営業利益が58億円以上となっている。これは今後年率13%程度の成長をしていかないと不可能な数字である。

■問題点
・インプラント工法は特殊な工法で施行できる業者が限られているので、供給に限界がある。海外展開もこれが足かせになるかもしれない。
*技研は施行会社を支援する仕組みを設けておりネットワークはじわじわと広がっている。
・インプラント工法を行う圧入機は最低でも6500万円と高価なため経済性重視、小規模な工事には向かない。
・1本目の杭は普通の杭打ち機を使わないといけない。
・原発のまわりに建設しているような高さ22メートルの防潮堤にも対応できるのか不明。
・国内の需要が長期的にどのくらいあるのか不明。
・海外は日本と規制が異なり、また新工法の工程も複雑なため、スムーズに海外展開できるかわからない。

■チャート
・長期の三角持ち合いを形成している。直近では上下のフレが収斂されほぼ横横の状態となっている。これは力をため込んでいる状態らしく、近々上下どちらかに激しく動き出す可能性がある。


・株価は一目均衡表の雲の上に来ており、累積売買高でもピークより上に来ているので売り圧力は弱い。
週足

月足


月足の累積売買高。1900円あたりに売り圧力がある。













■まとめ
技研製作所は鈴茂器工のようなニッチトップ企業であり競争力や利益率が高い。
成長率は13%ほどで配当が2%あるのであわせて15%程度の利回りが期待できる。ストックオプションの行使条件はやや余裕をもって設定するのが常なので、あの数字よりも上振れする可能性もある。このような状況でPER14倍台はやや割安に見える。
チャート的にも底堅いのでぽつぽつ買い増していく。

追記 2017年4月9日 ヴェリタス4/9号
「杭打ちに付きものだった騒音や振動がなくなり、住宅密集地や夜間の工事も可能になった。都心部ではほぼ100%当社の杭打ち機が使われるようになった」
「技研の杭打ち機はコンパクトなだめどんな場所でも施行できる。工事にともなう通行止めや鉄道の運行停止なども回避でき、工事発注者の負担は大幅に軽くなる」
「地震の多い日本は世界に冠たる杭打ち大国。震災後に政府は防災予算を拡充しており、技研には強い追い風が吹いている」
国内の長期的な需要も期待できることがわかった。

中小型株4 くら寿司 △

中小型株ファンドの月報で見つけた銘柄

■どんな会社か
回転寿司「無添くら寿司」を営業している会社。日本だけでなく、米国や台湾にも展開しており総店舗数は390店、国内では2位。添加物を使わず、鮮度良好で、安価な寿司が売り。シャリカレーなどのサイドメニューも充実しており好評。ITを駆使した店舗設計により生産性や顧客満足度は高い。顧客満足度調査ではランキング1位。

■成長ストーリー
毎年国内に20店程度の新規出店をしている。アメリカの出店ペースは今後加速させていく模様で、今期は5店予定。日本は飽和状態にあるので、今後はアメリカなど海外が牽引役になっていくのかもしれない。

■問題点
・国内はほぼ飽和状態で競争が激化している。それに加えて人件費が高騰しており利益率は低下傾向。
・魚などの食材には輸入品が多く、円安により仕入れ値が上がりつつある。
・今期の売上高成長率と営業利益率は5%程度とそれほど高くはない。PERは22倍と業界平均と同じで、割安とはいえない。
・今後は海外展開にも力を入れていくわけだが出店ペースは遅い。アメリカには09年に進出しているが現在はまだ11店舗。

■チャート
緩やかな上昇トレンドだが、直近ではその上昇速度が落ちている。成長性から判断すると横ばいになる可能性が高い。売り圧力は少ない。

■結論
下げにくい株で、今後も穏やかな成長が期待できるが、投資妙味は少なそう。

レオス 「2017年はかなり強気」

ひふみ投信を運用しているレオスキャピタルワークスが毎月開催している「ひふみアカデミー(12月)」を見たらボスの藤野氏は2017年はすごく強気のマーケットになるのではないかと言っていた。その要因はトランプバブルだけではなく、グローバルや資源価格の回復、そしてなにより日本は足元ですごく景気回復しているからとのこと。

買われる銘柄が今までとは変わってくるだろうともいっていた。グロース系からバリュー系に、ITなどのさわやか系から重厚長大のおっさん系に移っていくだろうといっていた。おっさん銘柄のなかでも経営が今時の、”きれいなおっさん銘柄”が特にいいらしい。

そんなひふみ投信の所有株(上位10銘柄)をざっと調べてみた。チェックするポイントは売上高成長率と割安度とチャートの3点。

・あいホールディングス。売上高成長率10%でPER21倍(業界平均は9倍)のため、やや割高感がある。チャートはピークアウトしており売り圧力は強い。→×

・メガチップス。売上高成長率6%でPERはマイナス。チャートは急騰し過熱気味。→×

・荏原製作所。売上高成長率もEPS成長率も横ばい。PERは13倍で業界平均とほぼ同じ。チャートは中期的には上昇、長期では横ばい。売り圧力は弱い。→△

・TDK。売上高成長率は横ばいだがEPSは急上昇している(来年は急下降)。PERは9倍。チャートは上昇トレンド。→△

・三菱重工。売上高成長率は横ばいだが、EPS成長率は30%。PERは18倍(業界平均は13倍)。チャートは上昇トレンドだが、600-700円の間に売り圧力がある。今は550円。→△

・アウトソーシング。売上高成長率は50%程度と高くPERは26倍と割高ではないが、チャートはすでにピークアウトしており売り圧力は強め。→×

・日本電産。成長率は10%程度。PERは30倍と割高に見える。チャートは上昇トレンド。→△

・船井総研。成長率は8%程度。PERは24倍と割高に見える。チャートは上昇トレンド。→△

・東京センチュリー。売上は横ばいだがEPSは8%程度の成長。PERは9倍。チャートは横ばい。→△

成長力が高く、割安で、売り圧力の少ない銘柄はなさそうだ。少しだけ興味が湧いたのはTDKと三菱重工。しかし会社がでかすぎるため調べる気が起こらない。

ひふみ投信は資産規模が大きくなったためか、上位10銘柄から小型株が消えてしまった。

2016年12月8日木曜日

売り圧力3 オーバーヘッドサプライ

株を高値で買って株価が下がると、高値で買った人は含み損を抱えて苦しむ。時間が経過し含み損が膨らむほど、多くの人は損益ゼロになるだけで大喜びする。このような高値買いをした人が大勢いる状況をオーバーヘッドサプライと呼び、これが強力な売り圧力になる。

株価が高値から40%以上下げている場合や、下向きの200日移動平均線を株価が下回っているような場合は、オーバーヘッドサプライが山盛りになっているので、株価は非常に上がりにくくなる。

オーバーヘッドサプライは前項で取り上げた一目均衡表の雲や累積売買高を見ても、どの程度あるのかがわかる。

参考:「ミネルヴィニの成長株投資法」

売り圧力2 累積売買高

累積売買高とは売買がどの価格帯で活発だったかを示す指標。累積売買高が多い価格帯では戻り待ちの売りが多く、そこを超えると売りは少なくなり、株価は上昇しやすくなる。

過去一年間の日経平均の累積売買高を見ると16800円がピークで、その価格帯より上は商いが薄くなっている。現在株価は16800円を超えてるので、株価の戻りを待つ投資家の売りが少なくなっており株価が上昇しやすくなっている。
(参考:日経新聞12/2)


前回、一目均衡表で調べた売り圧力の弱い銘柄を累積売買高の観点からチェックしてみる。

■フェローテック
一目均衡表(月足)の抵抗帯と、累積売買高(月足)のピークはほぼ一致。


しかし週足の場合では、株価は一目均衡表の上にきているが、累積売買高ではピークの下にきている。そのため底堅くはあるが、上値がやや重いことがわかる。


■そーせい
過去2年の一目均衡表(週足)
過去2年の累積売買高(週足)


過去1年の累積売買高(日足)
株価が一目均衡表の雲と累積売買高のピークを下回っている。上値は重く、株価を下支えするものがないので、一気に下落する可能性がある。

2016年12月2日金曜日

トランプトレード

トランプバブルで買った銘柄の購入動機などを書いていく。

■SBIホールディングス
<プラス要素>
・トランプバブルで証券市場や為替市場が活況になると予想。
・一目均衡表で判断すると、短期、中期、長期ともに売り圧力が弱い。

<マイナス要素>
・やや過熱気味
・バブル相場なので長期的な成長は期待できない
・トランプさんが実際にどこまで政策を実行できるかが不透明。政策が市場の期待を下回ったら失望売りが出る。

目標株価2000円、損切り株価1150円。2月までには売る。

■三井物産
<プラス要因>
・グローバルでインフラ投資が活発になり、資源価格が上昇していきそう。
・三井物産は売上に占める資源比率が高いため、資源価格上昇の恩恵を受けやすい。
・資源はドル建てのため円安の恩恵も受ける
・売り圧力が弱い

<マイナス要因>
・やや過熱気味
・トランプさんの政策が市場の期待を下回ったら失望売りが出る。

目標株価2000円。損切り株価1200円。2017年末までには売る。

■スタートトゥデイ
<プラス要因>
・アパレル界のamazon。長期的な成長が期待できる。
・チャートはなだらかな上昇トレンド

<マイナス要因>
・アパレルの通販は難しい。通販の中では返品率が最も高いという。ゾゾタウンで服を買ったことがあるが失敗が多い。
・来年、再来年を含めた予想売上高成長率は20%程度だが、PERは35倍とやや割高。
・モルガンレポートの目標株価は1800円。
・1800円に累積売買高のピークが来ている。(戻り売り圧力が強い)

目標株価2200円。損切り株価1500円。2017年末までには売る。

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これら以外に、「売り圧力の少ない成長株」で調べたフェローテック、くらコーポレーション、技研製作所を実験的に購入。
よく調べないで買ったのでやや不安。調査して考えをまとめから購入しないといけないと反省。今後もう少し調べていく。

売り圧力の少ない成長株

「日本超小型株ファンド」の月報で見つけた銘柄に投資してそれが順調なので、他のファンドの月報も調べてみる。

リストアップした銘柄は、株価が過熱しておらず、売り圧力が少なく、成長性のある銘柄。

調べた項目は、上場場所、時価総額、事業内容、成長性、割安度、問題点、チャート。

・フェローテック。ジャスダック。390億円。太陽電池や半導体関連の部品を製造。円安恩恵銘柄。売上高成長率は10%程度でPERは13倍(業界平均PERは17倍)。問題点は半導体関連はすでにピークアウトしつつあるということと割安でもないということ。チャートはほぼ横ばい。長期では上昇トレンド。

・くらコーポレーション。東証1部。1015億円。回転寿司店を経営。成長率は7%程度。PERは22倍(業界平均も22倍)。問題は円安傾向。仕入れ価格が上昇し利益率が落ちる。チャートは直近やや調整気味。長期では上昇トレンド。

・富士通フロンテック。東証2部。350億円。ATMやPOSなど金融・流通端末の製造。売上高成長率は横ばいでPERは10倍(業界平均PERは14倍)。ただし利益成長率は10%程度ある。ほぼ適正株価。チャートはやや過熱。分厚い雲抜け。

・エン・ジャパン。ジャスダック。950億円。求人情報サイト大手。成長率は10%でPERは21倍(業界平均は12倍)。問題点は完全雇用状態なので業績は頭打ちになるかもしれいこと。チャートは横ばい。長期では上昇トレンド。

・技研製作所。東証2部。460億円。防災、耐震関連の特殊工事を行う。インプラント工法などの技術に独自性があり需要は堅調。成長率は10%超でPERは14.5倍(業界平均PERも14倍)。問題点は前期の第三四半期に失望売りが出てその後の株価が硬直していること。株価は横ばい。長期では上昇トレンド。

・日進工具。ジャスダック。155億円。精密金型や部品加工向け超硬小径エンドミルを製造。成長率は5%程度でPERは11.5倍(業界平均19倍)。やや割高。チャートは上昇トレンドでやや過熱。

・プレステージ・インターナショナル。東証1部。515億円。コールセンターなどのアウトソーシング事業。成長率10%程度でPER17.5倍(業界平均22倍)。やや割高。チャートは穏やかな上昇トレンド。

・前田工繊。東証1部。400億円。河川、道路補強等の防災用建築・土木資材の大手。成長率は10%程度でPERは13倍(業界平均は24倍)。やや割高。チャートは短期ではやや過熱。長期では横ばい

・寿スピリッツ。東証1部。800億円。菓子製造大手。成長率は15%程度でPERは33倍(業界平均は18倍)。やや割高。チャートは直近やや調整だが、中長期で上昇トレンド。

・シークス。東証1部。985億円。部材のグローバル調達、物流や受託製造(EMS)などのアウトソーシング事業。成長率はほぼ横ばいでPERは14倍(業界平均は9倍)。やや割高。チャートはなだらかな上昇トレンド。

う~ん、割安な掘り出し物はなさそう。とりあえず売り圧力の弱さを重視して実験買いをしていく。

小型株3 日東精工 △

「日本超小型株ファンド」の月報で見つけた銘柄。

■どんな会社か
極小ネジや地盤調査機などを製造している会社。社長によると極小ネジとそれを締めるネジ締め機、住宅用地盤調査機は世界一の技術を誇るという。

■成長ストーリー
今業績を牽引しているのはネジ締めロボットになる。海外の自動車工場などでよく売れているという。このロボットの売上高成長率は30%ほどで利益率も高い。しかしこの事業の全体に占める売上高比率は25%程度なので業績を力強く押し上げるほどの力はなさそう。

世界一を誇る3つの技術(極小ネジ、ネジ締め機、地盤調査機)の売上高比率は全体の75%程になる。しかしこれらの成長率は横ばいとなっている。

以上を踏まえると今後の急成長は期待しにくい。ただネジは“産業の塩”とよばれるほどの必需品であり、この会社は極小ネジなど付加価値の高いネジを製造することができるので、長期的な見通しはそれほど悪くない。

■2018年に売上高400億円は可能か
会社は2015年に中期計画書を作成し、そこで2018年度の売上高目標を400億円としている。
しかし2015年度の売上高は237億円、2016年度(予想値)は253億円である。このペースで行くと2017年度には280億程度になり、そこに10月に買収した協栄製作所の売上高35億円を足すと315億円になる。となると順調にいっても2018年度には350億円くらいまでしかいかないのかもしれない。

■チャートはどうか
8月あたりに280円程度だった株価が直近では400円を超えているのでやや過熱気味。成長率10%ほどでPERは10倍なので適正株価ともいえる。ただ売り圧力は少なく、株価はここ5年の最高値を突破して青天井モードに入りつつある。直近で会社は自社株買いを発表しているので会社からみればまだ割安ということかもしれない。来期の売上高成長率(予測)は20%程度と高いのでPER17倍、株価680円程度までいくかもしれない。

■リスク
ネジが主な収入源のため、世界経済が調整したらその影響をダイレクトに受けてしまう。

■投資するタイミング
400円以下になったら少し買ってみる。