2017年1月27日金曜日

10倍株の特徴

日経新聞と日経マネーに「10倍株の見つけ方」なるものが載っていたので、まとめていく。

■複眼経済研究所の渡部所長の方法。渡部所長は過去20年間四季報を読破している株オタク。

☆大化け株の共通項
・上場4年以内の若い企業
・時価総額300億円以下。
・オーナー企業。
・社長が筆頭株主、もしくは第2位株主。
・社長が40歳代。
・社長の人となりがよいこと。マネジメント力が重要だから。
・長期的なテーマに合っている。
・もっとも重要なのは急成長企業なこと。成長度合いは利益よりも売上高の成長率に着目。売上が伸びていけばいずれ利益も伸びる。年率20%程度の成長がいい。

その他のポイント
・IPOから時間が経過し、株価が右肩下がりになっているチャートが狙い目。
・割安度はPERでは測りづらいため、RSRで計るといい。RSRとは時価総額÷売上高。RSRが2.5倍以下なら割安と判断。

氏の推奨する4銘柄
・TOKYOBASE。日本発ブランドを扱うセレクトショップを運営。越境EC、メードインジャパンという2大テーマに合致。
→マイナス要因:アパレルは激戦区であり成熟産業。株価は割高。

・リアルワールド。技能を持った個人に仕事をまわすクラウドソーシング。
→マイナス要因:激戦区。株価は割高。

・マイネット。不振のスマホゲームを買い取って再生する事業。ゲームの開発ではなく運営に重点。
→マイナス要因:株価は割高。参入障壁もそれほど高くない。

・キャリア。高齢化に特化した人材サービス企業。シニア人材の活用や、介護、看護師市場向けの派遣。
→マイナス要因:激戦区。株価は割高。

「参入障壁のないところに超過的な付加価値創出の余地はない」(奥野一成)という観点から見るとどの銘柄も厳しそう。

参考:日経新聞(2017年1月20日)

■個人投資家のコムストックさんの方法。

☆大化け株の共通項
・創業や上場から10年未満の若い会社。時間がたっていないほうが成長の余地が大きく、意欲も高い。
・小型株。時価総額は30億円以下。それで見つからなければ50億円以下。
・業種は小売りやサービス業に限定。これらはビジネスモデルがシンプルで理解しやすい。ネットやシステム関連は技術革新のスピードがやはく、ビジネスモデルがすぐに陳腐化し長期投資には向かない。
・競争力が高い。今後10年程度その競争力を維持できそうなのがよい。
・社長は信頼にたる人物。

その他のポイント
・投資する上で意識するのは株価の安全域。安全域とは一株あたりの価値と株価の差額に問題がないということ。一株あたりの価値は決算書から算出する。過去の業績推移を見て、業績の伸び率もチェック。
・銘柄の絞り込みにはヤフーファイナンスの時価総額下位ランキングを利用。

コムストックさんの持ち株の1つ
・ウィルプラスホールディングス。
コメント「斜陽産業や成熟産業で生き残るのは、同業他社を取り込むM&A巧者。ウィルプラスは新規出店よりも同業他社の買収によって業容を拡大。のれんは4億と少なく、適切な値段で買収していることがわかる。第一四半期決算は順調のため今後上方修正が期待できる」。
→マイナス要因:円安。それと日本経済が比較的好調なので成長戦略であるM&Aを仕掛けにくそうなこと。

参考:日経マネー(2017年3月号)

■10倍株の特徴をまとめると
・若い会社
・小型株
・社長がやり手
・社長が大株主
・長期的な見通しがよい
・成長力が高い
あたりになる。

とりあえずヤフーファイナンスの時価総額下位ランキングを物色していこうと思う。

10倍株候補発見 弁護士ドットコム

10倍株の特徴を備えた銘柄が見つかった。

10倍株の特徴は
・若い会社
・小型株
・社長がやり手
・社長が大株主
・長期的な見通しがよい
・成長力が高い
・IPOから時間が経過し、株価が右肩下がりになっているチャートが狙い目。
のようになるが、弁護士ドットコムはこれらの条件をほぼ満たしている。

■発見した経緯
ハマキョウレックスの労務訴訟を調べていて偶然見つけた。

■どんな会社か
法律相談のポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営。「税理士ドットコム」やリーガルテックなどの事業も展開。経営理念は「専門家をもっと身近に」。マザーズ上場で時価総額は160億円。
*リーガルテックとはリーガルテクノロジーの略でIT技術を活用した法務サービス

■成長ストーリー
“法律関連のことなら弁護士ドットコム”というのが基本的な流れ。

・今後は法律相談も他の調べものと同じようにネット検索にシフトしていくのは必然。法律相談のポータルサイトは弁護士ドットコムが圧倒的優位なため、今後も有料会員が順調に増えていく可能性は高い。サイトに登録する弁護士も順調に増えており、こちらも増えていきそう。一度登録した弁護士が解約する可能性はそれほど高くないので、安定したストック型収入が期待できる。

・弁護士事務所や税理士事務所をバックアップするサービスや、就職支援サービスなどの新規事業も次々に生まれている。中でもビジネス向けの弁護士紹介サイトは中長期で伸びそう。

・弁護士が法律的な観点から執筆するニュースにも独自性があり、サイトへのアクセス数の増加や登録弁護指数の増加に貢献している。

・リーガルテックにも力を入れ始めており、長期的にはこの分野が業績の牽引役になっていく可能性が高い。すでに展開中のサービス「クラウドサイン」はクラウド上で契約を完結させるもので、業務のスピードアップやコスト削減をはかれる。会社の予想を上回るペースで普及が進んでいるという。
IBMの人工知能ワトソンを使った法務相談や契約書のチェック、ブロックチェーン技術を使った所有権移転システムも開発中で、実用化は当面先になりそうだが、こちらも期待できる。

・2016年2月にストックオプションを発行しているが、その行使条件は2018年度の営業利益が6億円、2019年度の営業利益が8億円となっている。今期の営業利益を4億円と想定すると、来期の営業利益成長率は50%となり、再来期は33%となる。

・取締役や経営陣に個性派がそろっており、サプライズが多そうなのも魅力の1つ。

■参入障壁(競争力)は高いか
非常に高い。ネットメディアなので参入するのは容易だが、すでに牙城が築かれているポータルサイトを切り崩していくのは容易ではない。それはアマゾンやゾゾタウン、エムスリーやカカクコムなどを見ればわかる。

■問題点
・社長が参議院議員になってしまったこと。参議院議員は忙しそうなため、社長業に費やす時間が減ってしまいそう。ただビジネスモデルの大枠はすでに確立されており、切れ者の社長がやれるといっているのでそれほど心配していない。それに議員になることは人格や人脈に厚みがでるので、長期的に見ればビジネスにもプラスになる可能性が高い。

・サイトへのアクセス数がどこまで伸びるのかが不透明なこと。個人的に法律がらみのことはほとんど調べた事がないので需要がどこまであるのかよくわからない。現在月700万以上のアクセスがあるらしいが、クックパッドのような月6000万アクセスに到達するのは難しいように思う。

・クラウド上で契約するクラウドサインという新規サービスをはじめているが、アメリカ発の競合ドキュサインにどこまで対抗できるかわからないこと。すでに外堀(海外)は固められており、日本で早期にどこまで普及させられるかがカギになる。

■戻り売り圧力はないか
ほとんどなし。

<週足の一目均衡表> 薄い雲だが、雲抜けしている

<過去一年間の累積売買高> 累積売買高的には今が底になる


■チャート
200日移動平均線は上向きで、底値をじりじりと切り上げている

<過去一年の移動平均線>

■結論
株高が進んでいたため、今更割安感のある高成長企業など見つかるはずはないだろうと思っていたが、社長が政治家になったためか、来期の業績に確信が持てないためか、それほど過熱感のない銘柄が見つかった。

PERは55倍と一見高く見えるが、成長率も同じくらい高いのでそれほど割高感はない。さらに来期の利益成長率は50%程度見込めそうで、そこら辺を考慮すると現在の株価水準では割安感さえある。そろそろ来期の業績を織り込み始めて株価が上昇していくのではないかと思う。
*追記 2017/04/14
第3四半期決算前にSBIのサイトでPERをチェックした時はPER55倍となっていたが、それはSBI独自の数値ということがわかった。実際は70倍程度で、そこまで割安ではなかった。しかしこの勘違いをきっかけに弁護士ドットコムに着目できたので結果的にはよかったと思っている。

持ち株の大半を売り、そこに現金を足して750円で購入。ニーサはフル活用。今後700円を割り込むことがあればさらに買い増す予定。

現在のポートフォリオは弁護士ドットコム(30%)、技研製作所(22%)、ペプチドリーム(17%)、鈴茂器工(12%)、相模ゴム(11%)、ソリトンシステムズ(3%)、現金(5%)になる。

■備考
今回売った銘柄の推移もチェックし、弁護士ドットコムとのパフォーマンスを比較していく。
・SBIホールディングス 1590
・三井物産   1650
・エフオン  1010
・ウイルプラスホールディングス  1850
・インターアクション  720
・エフティグループ  700
・ハマキョウレックス  2120
・DMG森精機  1590

成熟産業にも成長企業あり

成熟産業や斜陽産業は成長性がないため、今までは投資を見送ってきたが、経営の仕方次第では成長余地があることがわかってきた。成熟産業にありながらも成長性のある企業をいくつか発見できたので、それらを1つずつ見ていく。

・第一交通
タクシー業界は斜陽産業だが、この会社は同業他社を買収してシェアを拡大し、利益を着実に増やしている。個人投資家の株1000さんによれば、こういったビジネスモデルは「一番手堅い成長パターン」らしい。
また「昨年に立ち会い外分売をして株主を増やし、なおかつ株主優待をちょっと増やした。この2つは昇格のサイン」ともいっていたので、プラスも期待できるかもしれない。
→よさそうとは思ったが売り圧力があり、原油高が収益を圧迫しそうなので見送り。

・ウィルプラスホールディングス
外車販売は緩やかに伸びてはいるが、車販業界もほぼ成熟産業になる。
ウイルプラスは第一交通のように同業他社を買収して業績を拡大していっている。
→ここの株は持っていたが円安が利益を圧迫すると思ったので売った。ここは今後も積極的に他者を買収していく予定らしいが、買収を実行するのはおそらく景気が落ち込んだときになると思うので、業績はしばらく停滞すると予想。チャートが好調なのが気がかり。

・マイネット
スマホゲーム市場もすでに成熟市場。しかしマイネットはゲームの開発ではなく、ゲームの流通や運営に特化。ゲーム内で相互に広告を出し合って集客するサービスや、利用者を分析して継続率を上げるような運営をしている。
一般に、産業が成熟するとその内々で役割分担が進んでいくという。スマホゲームの市場は1兆円程度あり、マイネットがやっているようなゲームのタイトルの買い取りや運営受託などのセカンダリー市場は1千億円程度あるという。
→ビジネスモデルに独自性は感じたが、参入障壁は低そう。

・ハマキョウレックス
物流業界も成熟産業だが、ここはM&Aによって業績を少しずつ拡大中。株価には割安感があり、チャート的にも問題ないので、2090で購入。
→今後のマイナス要因は原油高と人手不足(人件費の上昇)。

参考:日経マネー2017年3月号。日経産業2017/01/25

中小型株10 パピレス △

「J-STOCKアクティブオープン」ファンドの筆頭銘柄に突如登場した銘柄

■どんな会社か
電子書籍の配信サービスを行っており、主力はマンガのレンタルになる。中でも女性向けエロ漫画に強くリピーターは多いという。ジャスダック上場で時価総額は220億円。

■成長ストーリー
電子書籍市場の急成長に乗って成長していく、というのが基本ストーリー。この会社の強みは電子書籍マンガのレンタルであり、類似のサービスを手がける会社は少ない。利用者は安い料金でマンガを読むことがでるため需要は強そう。

■問題点
レンタルできるマンガが少ないこと。パピレスのサイトには「無期限レンタル」と表示されたマンガは多数あるが、これは実質的には買い取り制度で、他の企業が提供しているサービスと変わらない。

今後レンタル作品が増えていけば問題が解消されるのだが、人気作品のレンタルは出版社の死活問題にも関わることなのでそれほど増えるとは思えない。またたとえ増えたとしてもamazonのキンドルアンリミテッドにも提供されると思うので長期的な見通しはそれほどよくない。

電子書籍の配信は参入障壁が低く、競争はすでに激化しているので、他企業のサービスとの差異化が図れない場合は早晩成長は止まりそう。

■売り圧力はないか
ほとんどない。

■まとめ
目利きのファンドマネージャーや大物個人投資家の片山晃さんの保有株のため注目したが、長期的な見通しがいまいちなので今回は見送り。ただ足下の業績は絶好調であり、売り圧力もほとんどないので、上昇トレンドはもう少し続くと予想。

追記2017/02/13
決算後にストップ高。やっぱりプロは違う。

2017年1月20日金曜日

トランプバブル 第2波

トランプさんのドル高牽制や保護主義発言で市場はいったん調整したが、米金利やドルが上昇する方向に変化はなさそう。トランプさんは大統領就任式から1週間くらいの間にアメリカ経済を盛り上げる政策を立て続けに発表していくはずなので、市場は再点火されるのではないかと思う。今後1ヶ月半程度宴が続くと予想。

・・しかしトランプさんはドル高になっているのは自分の政策が原因ということに気づいていないのだろうか?


追記2017/01/22
トランプさんの大統領就任演説では税率の引き下げや経済刺激策が述べられず、保護主義が強調される結果になってしまった。とりあえず円は112円くらいまで下落しそう。

1月21日発売の日経マネーには「減税政策やインフラ投資、規制緩和などは前倒しで株価に織り込まれてしまったから今後は調整局面に入る可能性が高い。ここから先は実際に政策が実現するかどうかを見極める現実買いの段階に入る。株価が一段と上値を追うには一定の調整期間と新政権の政策実現能力を推し量る時間が必要」とあった。おそらくこの見立てが正解。また予想が外れてしまいそうだ。

大スポのテーマ株投資2

大阪スポーツ新聞に月2回掲載のテーマ株投資。前回のインターアクションではうまくいったので、今回もまたやってみようと思う。

今回の銘柄はアマダホールディングス、DMG森精機、テクノ・セブンの3つ。1つずつ見ていく。

■アマダホールディングス
ミスターXのコメント「トランプは本気で米国を世界の工場にしようとしている。各企業は余計な金は払いたくないから米国内で製造しなくてはいけなくなる。そこで狙うのは米国の内需関連銘柄のアマダ。金属加工機械の国内トップで米にも進出している。今後、米国内では工場建設ラッシュが期待でき、設備投資で需要が高まる。ここは配当も高い」。

→業績、チャートは特に問題なし。しかしやや割高感があるので今回は見送り。

■テクノ・セブン
コメント「トランプ銘柄とは外れるが、電気機器関連ではここ。筆頭株主のTCSホールディングスはM&Aでいろんな企業再生に動いている。ここは3Dプリンターが調子よく、TCS関連は株価が跳ね上がるときがあるのでチェック」

→業績はぱっとせず。業績予想の未達も多い。弱小企業の3Dプリンターが激戦区の市場でどこまで通用するのか疑問。成長ストーリーが全く描けないため見送り。

■DMG森精機
コメント「工作機械の世界大手で、二年前にドイツの同業大手を傘下に収め売上が倍増した。ドイツと言えばフォルクスやBM、ベンツなどが有名だが、米国内でのシェアは小さい。それでも米国内で拠点をつくらないと国境税で吸い取られるだけで、今後はドイツ勢の米国進出が見込まれ、ここも恩恵にあやかれる」

→確かに法人税の引き下げなどでドイツ勢が米国に工場を作る可能性はある。売り圧力がほとんどないのもいい。とりあえず1460で購入。

中小型株9 ソリトンシステムズ ○

「超小型株ファンド」「新興株オープン」ファンドの月報で見つけた銘柄

■どんな会社か
ITセキュリティとラウド事業が柱の会社。LTE回線を使った映像伝送など新規事業も育成中。売上構成はITセキュリティ&クラウド部門が107億円、映像コミュニケーション部門が4億円、エコ・デバイス部門が2億円。利益率は各10%程度。東証二部上場で時価総額は110億円。

■成長ストーリー
現在、人手不足や生産性向上のため、会社での勤務から在宅勤務やスマホやタブレットを使った仕事へ移行しつつある。今後この流れは加速していく可能性が高い。この会社はモバイル端末や遠隔地端末のセキュリティ管理を行っいるので長期的な成長が見込める。

据え置き型端末のITセキュリティも行っているが、ネット犯罪は今後も確実に増え続けるので、この分野でも長期的な成長が見込める。自治体向け案件の多さから、ここの技術の評価が高いことがわかる。セキュリティビジネスは一度契約したら解約されにくいストック型ビジネスの側面もある。

新規事業の映像伝送も今後伸びそう。LTE回線は今までスマホなどの通信のみに使われていたが、この会社はそれを利用した高品質の映像伝送システムを開発。すでにテレビ局では使用されており、今後は警察や消防など公共にも拡大していくという。LTE回線は3年後に今よりも50倍早くなるので、映像伝送の方法が一気にLTEに変わる可能性もある。

■競争力(参入障壁)は高いか
参入障壁は高いが、成長市場であるため競争は激化している。
ただプレーヤーの少ない寡占状態なので利益率10%程度は確保できそう。

■リスク
取引先で情報流出などがあれば信用が失墜し株価が暴落する。

■チャート
三角持ち合い。長いこと横横の状態が続いているが、業績は着実に上向いているのでそろそろ上昇トレンドが始まりそう。
売り圧力はほとんどない。

■まとめ
成長率年率10%でPER14.5倍のため、それほどの割安感はない。しかし業績は上向いておりチャートは力をため込んでいる状態になっているので、ぼちぼち上昇していきそう。
とりあえず1200円で購入。

2017年1月13日金曜日

技研とインターアクションの決算

技研の第1四半期決算は順調で特に問題なし。

インターアクションの第2四半期決算は上方修正を期待していたが通期ではまさかの下方修正で第一印象は悪い。しかし決算書をよくよく読んでみるとそれほど悪くないこともわかった。

下方修正した理由は、採算の悪い子会社を売却し、その売上がなくなったため。主力事業の方は前期比7割増と絶好調で、成長速度は第一四半期と比べると加速さえしている。もしこの勢いを保てたら通期も上昇修正される可能性が高い。

しかしこの会社の経営方針が好きになれないので当初の計画どおり売却していく。

中小型株8 日本社宅サービス △

日経マネー2月号で見つけた銘柄。

■どんな会社か
大企業などが持つ社宅の管理代行を行っている会社。リフォームやマンション管理も手がける。東証2部上場で時価総額は65億円。

■成長ストーリー
社宅の管理代行は企業にとってはコスト削減が見込めるため、今後も拡大傾向。大企業の社宅管理代行比率は現在40%程度であり、伸びしろはまだある。取引先の企業は今期増益のため、リフォームなどの周辺サービスも伸びやすい。

マンションの管理や高齢者の見守りサービスにも進出。

■問題点
参入障壁はそれほど高くはないため競争は激化している。

■基本チェックポイント
・売り圧力はないか →○
・成長ストーリーは描けるか →△
・競争力(参入障壁)は高いか →△
・割安感はあるか →△

■まとめ
典型的なストック型ビジネスであり、チャートは特に問題ないが、割安感がないため今回は見送り。株価が大幅に調整することがあれば仕込みたい。

中小型株7 エフティグループ △

「J-STOCKアクティブオープン」ファンドで見つけた銘柄

■どんな会社か
LED照明やOA機器などオフィス向け機器の商社。太陽光発電など環境商材の取り扱いもはじめる。取引相手は主に中小企業。
ネット接続や電力小売りなど個人向け事業も開始。

■成長ストーリー
扱う商材や営業人員を増やして新規顧客を積極的に開拓。
日本で培った必勝パターンでアジアに進出。
ネット接続や電力小売りなどストック型ビジネスを拡大していく。

■問題点
・特別な商材を扱っているわけではないので参入障壁は低い。
・積極的な営業がこの会社の強みになるが、営業手法の評判が芳しくない。
・会社の中期計画は毎回大幅な未達に終わっているため、あてにならない。

■良い所
財務状態はよくROEは高い。高配当で浮動株が少ないので売り圧力は弱い。
チャートを見ても中長期の売り圧力は弱いのがわかる。
11月に下方修正をだして株価は下落したが、一目均衡表(月足)の雲の上でぴたりと止まっている。上下にほとんど動かないチャートは力をため込んでいる意味合いもあるようなので、ちょっとしたきっかけで急騰する可能性がある。

■基本チェックポイント
・売り圧力はないか →△
・成長ストーリーは描けるか →△
・参入障壁(競争力)は高いか →△
・割安感はあるか →△

■まとめ
チャートをみて面白そうだと思ったが、この会社はガツガツ系の営業が売りであり、ビジネスモデルにそれほど面白味がないことがわかった。「下がらない株」としての実験は続けるが追加投資なし。

2017年1月6日金曜日

中小型株6 相模ゴム工業 ○

「日経マネー」2017年2月号に載っていた銘柄。

■どんな会社か
コンドームの製造メーカー。国内でのシェアは15~20%(推測)。コンドーム製造のほかにプラスチック製造や介護事業も手がけ、それらの売上高比率は3割程度。海外売上高比率は約15%(掲示板情報)。東証二部上場で時価総額は100億円。

■成長ストーリー
日本は人口が減少しているため今後コンドーム市場全体が伸びていくことはない。しかし高級コンドーム市場は伸びており、その分野に注力している相模ゴム工業の業績も伸びている。足下の販売は好調で今後1,2年はこの分野が業績を牽引していきそう。高級コンドームの利益率は50%以上ありEPSが急上昇していく可能性が高い。

長期的な成長の牽引役になるのは海外、中でもアジア圏になる。アジア圏の人々は日本人と体形が似ており、2030年頃まで人口が増え続ける。所得も年々上昇しており、高級コンドームの需要も高まりそう。相模ゴムはマレーシアでコンドームを生産しているが、これはコスト削減だけではなく、次の市場を見据えてのものとも思われる。2015年にはマレーシアで工場増設の大型投資を行っており、2020年には現在の1.5倍を生産できるようになるという。

■問題点
1つ目の問題は価格。高級コンドーム「001」は1個あたり260円するが、ラブホテルなどに置いてあるコンドームは1個10円程度。「001」に普通のコンドームの26倍の価値があるかといえば、少し疑問。実際に使ったことはあるが、ポリウレタン製のため、やや堅く、使用感はあまりよくなかった。
今は話題性や、巧みなブランディングで売れているのかもしれないが、今後リピーターを獲得していけるかはわからない。
ただ他のコンドームと比較した場合は価格が高く感じられるが、260円という金額だけを見るとそれほど高額とも思えないので、価格はそれほど問題にならないかもしれない。

もう一つの問題は参入障壁が高くはなさそうなこと。超薄型のコンドームが成長市場だとわかれば海外の大手製造メーカーがこぞって参入してくる可能性がある。現在はオカモトと相模ゴムの市場寡占状態。

■基本チェックポイント
1.戻り売り圧力はないか →○
2.成長ストーリーは描けるか →○
 短中期的には高級コンドームを日本で売っていく。
 長期的には高級コンドームをアジア市場で開拓していく。
3.参入障壁(競争力)は高いか →△
4.割安感はあるか →○

■まとめ
足下の業績は好調でEPSが急上昇し始めている。「001」は発売してまだ間がないので、お試し期間として当面この勢いが続く可能性が高い。ただ個人的にはあまり好きなコンドームではないので、普及拡大にはやや懐疑的でもある。株価が900円以下に落ちることがあった場合のみ買っていく。次の決算までに一回押しがあると予想。

ここ数日amazonのランキングを見ているが今のところ堅調。「001」はドラッグストア部門で56位から55位に上昇した。コンドームは通販で買われやすいと思うので、アマゾンランキングも1つの目安にしようと思う。

追記 2017/01/12
予想に反して1000円まで上昇し新高値を突破してしまった。「001」のamazonランキングは堅調で株価に割安感はまだあるので、少し怖いが1010円で購入。

追記 2017/01/13
買った直後にさっそく下落。お馴染みのパターン。この調子でいくと窓埋めで940円あたりまで落ちるかもしれない。900以下もあり得る。もし900以下まで落ちたら当初の予定通り買い増し。
・・株価が上がっているときや値動きの激しいときに買うとろくな事がない。株価が気になってしまうのもうっとうしい。今後は同じ過ちは繰り返さないようにしたい。

追記 2017/02/13 上方修正
決算書を見るとコンドーム部門の伸びが著しい。コンドーム部門の売上高比率は75%程度あり、営業利益率は45%程度と高収益のため、この部門の伸びが業績に与えるインパクトは大きい。
アマゾンランキングではドラッグストア部門で93位とやや後退しているがコンドーム部門(上位20位まで)では3位、7位、10位、16位と健闘している。
ちなみに1月12日のコンドーム部門ランキングでは3位、5位、8位。このときは「001×3箱入り」は圏外だった。

つい先日、ゴムにCNF(セルロースナノファイバー)を混ぜると強度が増すという記事を読んだ。コンドームはやはり伸縮性のあるゴムが優れていると思うので、次はCNF製の超薄型コンドームが来ると予想。

追記 2017/03/10 アマゾンランキング
ドラッグストア部門では圏外(100位以下)に。
コンドーム部門では4位、9位、10位、15位。
アジア圏でのランキングも知りたいがサイトがわからん・・。

追記 2017/04/14 アマゾンランキング
ドラッグストア部門では「001」が31位にランクアップ。
コンドーム部門では2位、6位、10位、16位。
順位は上がったが大幅にプライスダウン。「001」の5個入りは1290円から932円に(1個あたり258円から186円に)

追記 2017/05/12 アマゾンランキング
ドラッグストア部門では49位。
コンドーム部門では3位、8位、13位、14位。

追記 2017/06/16 Amazonランキング
ドラッグストア部門では「001」が33位。
コンドーム部門では2位、8位、9位、16位。業務用は14位。

追記 2017/07/15 アマゾンランキング
ドラッグストア部門では「001」が64位。
コンドーム部門もでは2位、6位、8位、22位。業務用は11位。

ストック型ビジネス

ストック型ビジネスとは固定客から定期的に利用料を得るビジネスで、売上が落ちにくく、固定客が増えれば売上がそこに上乗せされていくというもの。業績が景気に左右されにくく、業績予想が立てやすいという特徴もある。

日経マネー2月号でこのビジネスモデルを始めて知った。これは投資には理想的なビジネスモデルではないかと思う。なによりも業績が落ちにくいので株価も落ちにくいのがいい。今後はこれ関連の銘柄を探していきたい。

日経マネーに載っていたストック型ビジネスの銘柄は4つ。それをざっとまとめていく。

・リログループ。福利更正施設や社宅の管理をアウトソーシングしている。アウトソーシングは取引企業の経費削減につながり、いったん利便性を感じることができれば滅多に解約されることはない。リロは中小企業向け中心で競合が少ない。ここ5年で株価は10倍以上上昇している。

・ギガプライズ。集合住宅向けにネット接続を一括して受注し、利用料を定期的に得ている。マンションの管理会社との提携を強化しており、分譲や賃貸向けに好調。一度契約すれば滅多に解約されることはない。参入障壁はそれほど高くはないが、今のところ業績は堅調。
日経マネーに載っていたチャートを見てこれはいけると思ったが、いざSBIのチャートを見たら、すでに急騰してしまっていた。

・ビューティーガレージ。美容室向けの機器や化粧品などを販売する専門商社。90万点超の商品を扱う通販サイトも運営し、29万サロンが利用。鍼灸院や歯科医院へも展開。安定需要が見込めるリピート商材が多い。円安は逆風になる。株価は少し割高で、売り圧力も少しあり。

・日本社宅サービス。大企業などが持つ借り上げ社宅の管理代行を行うトップ企業。企業側が社宅をアウトソーシング化させる傾向は強まっているという。マンションの管理やリフォームなどの周辺サービスも堅調。上場企業は今期増益で、社宅運営には追い風という。配当性向は30%。
業態はリログループに近い。株価はそれほど過熱しておらず売り圧力もほとんどない。
問題は競争が激化しつつあること。10年前は市場をほぼ独占していたらしいが、今は20社以上がひしめいているという。アウトソーシング事業も国内だけで展開しているので成長は限られそう。
しかしながら良さそうな会社なので、今後もう少し調べてみる。