2019年6月1日土曜日

持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律分野をITで変革し最強のプラットフォーマーに
今更ながら電子契約市場の将来的な規模の大きさに気づいた。先月の決算説明会で社長が「電子契約市場は今から4年後の2023年には、5,500億円の市場になるという想定もあります。」と言っていた。これは1年前の説明会でも同じようなことを言っていたが、そのときは非現実的な数字だと思ったので「一説」としてスルーしていた。しかし改めて考えてみると、米国などで電子契約事業を専業でやっているドキュサインの売上はすでに1000億円近くあるし、日本のデジタルシフトも急速に進んでいるので、あながち無理な数字でもないと思うようになった。たとえ2023年に5500億円までいかないとしても、遅かれ早かれその数字は達成できるのではないかと思う。

弁護士ドットコムが運営する電子契約事業・クラウドサインの売上はまだ3億円にも満たないが、市場占有率は8割を超えており、この状態を維持できれば、市場の拡大とともに業績も拡大していく。仮にクラウドサインが今の勢い、つまり倍々ペースで成長していくとすると、2020年の売上高は(会社予想の)8億円、2021年は16億円、2022年は32億円、2023年は64億円、2024年は128億円、2025年は256億円、2026年は512億円、2027年は1024億円・・のようになる。もちろんこれほど単純にいくとも思ってないが、大雑把に見るととだいたいこんな感じになると思う。そしてもし売上が1000億円を超えたら時価総額1兆円が見えてくる。

私はこの会社の株を買うときに目標時価総額を1000億円としており、時価総額が1000億円を突破したときに半分ほど売ってしまったが、上記を考慮すると早計だったことになる(当時は市場規模の大きさに気づいてなかったので売ったのは仕方ない)。この会社には時価総額1兆円のポテンシャルがありそうなので残りの分は長期で保有していこうと思う。

今後3年の予想売上高成長率は年率35%程度。現在の企業価値は将来の予想利益などを勘案すると800~1300億円(株価3600~5800円)くらいか。2030年の目標時価総額は1兆円。

■シンクロ・フード
基本シナリオ:市場独占型プラットフォーマーではないので利益成長は厳しそう
決算はほぼ想定通りの内容だったが、求人広告掲載数が一部地域でマイナス成長に陥り始めているので、今期も業績未達に終わりそう。求人広告掲載数が減っている理由は「完全雇用」も考えられるが、インディードの掲載数は微増傾向なので、これは違うように思う。やはり競合多数の巨大市場で勝負しているのが問題のように思う。最強のビジネスモデルとは には「小さな市場を独占することから始める」とあるが、これは強いプラットフォーム企業の必須件のなのかもしれない。成功しているプラットフォーム企業を見ると、ほぼ全てがこのパターンが当てはまっているように思う。

決算時のIRで創業メンバーでナンバー2の大須賀氏が辞めることがわかったのもネガティブ。代わりにリクルート出身の中川氏が新しいマネジメント体制を構築するようだが、ビジネスモデルの根幹に問題がありそうなので、シンクロの将来には暗雲が立ちこめていると感じ始めた。株価はしばらく一目均衡表の暗雲の下をさまよう展開になりそう。今後3年の予想売上高成長率は年率10~20%。営業利益成長率は年率0~5%。2019年の予想平均株価は600円。変動率は±20%。
業績に最もインパクトのある求人広告掲載数を記録していく。関東 2466(2423)
関西 671(706)  東海 300(269)  九州 64(84)  北海道・東北 125(139) 総計 3626(3621)
市場独占型の求人プラットフォーマー・インディードの掲載数も記録していく。東京都の飲食店 83302(84392) 大阪府の飲食店 33805(33949)
*( )内は先月

<3年チャート>

■ペプチドリーム
基本シナリオ:ペプチド創薬で最強のプラットフォーマーに
2019/05/28の日経に「今後は中分子医薬品が抗体医薬などの高分子領域を置き換え、数十兆円の巨大市場に成長することが確実視されている」とあった。この会社も弁護士ドットコムと同様に市場の中核に位置しているので市場の拡大とともに業績も拡大していきそう。

5月に薬剤透過の最難関とされる血液脳関門を突破するキャリアペプチド(薬の運搬役)をJCRと共同で開発したとのIRがあった。これを使えば分子量の大きな抗体や核酸などの薬剤も脳内に送り込むことができるようになるという。これはなかなか画期的な技術だと思うので、脳腫瘍やアルツハイマーを研究する製薬会社からの引き合いが増えていきそう。

今後3年の売上高成長率は年率20%程度。現在の企業価値は将来の予想利益などを勘案すると6000~8000億円(株価4800~6500円)くらいか。2030年の目標時価総額は5兆円。

■厳選ジャパン(投資信託)
基本シナリオ:ビッグチェンジ銘柄投資でテンバガー達成
SBIからメールで厳選ジャパンの「運用状況の報告」が届いた。そこには運用方針も載っており、運用方針は「勝ちたい・儲けたいという感覚よりは「ファンドに関係する人にプラスがあるようにしたい」と考えています。よく言われる「三方よし」の話でいくと、企業は事業を伸ばす。家計は資産が増える。マーケットはその機能を正常に発揮する。(略)株式市場という場所の土を耕して、なにかしら果実を後世に遺せればと思っています。」とあった。株式投資で岩谷氏のように長期的に高いパフォーマンスを上げるには地頭の良さやセンス(洞察力)、強い好奇心は必須だと思うが、こういう考え方も大事なのかなと思った。

この投信やDIAM新興市場日本株ファンドを見ていると、エニグモ、ラクスル、エデュラボ、カオナビなど前から気になっていた銘柄が上位10銘柄に登場してきている。今は買うタイミングではいと思い買うのを控えていたが、強そうな会社を買う場合は、地合いなどをあまり気にしすぎる必要はないのかなと思った。・・でもやっぱり買う気にはならないけど。今年の予想基準価額は11000円(変動率20%)。

■朝日ネット
基本シナリオ:ストックビジネスで地味に成長&株主還元
このところ大口の買いが何度か入っていたので株価が上がっていくのではないかと期待していたが、5月に入り創業メンバーの滝口氏が持ち株を大量に売却していることがわかった。内情をよく知るインサイダーが手仕舞っているので、株価はもう天井なのかもしれない。今期の業績予想は最高益突破ならず。ただ投資回収期に入っているので若干の上振れは期待できる。今後3年の予想売上高成長率は年率6%程度でEPS成長率は年率15%程度。2019年の予想平均株価は600円(変動率±20%)。

■日進工具
基本シナリオ:ニッチトップの極細ドリルで市場開拓
今期の業績予想は減収減益とのこと。フロー型ビジネスモデルの景気敏感株は業績予想が難しい。とりあえず景気循環(設備投資循環)の終盤にはこの種の株は買ってはいけないことがわかった。次に買うときはグローバルPMIやOECD世界景気先行指数などを参考にしようと思う(多分、これらの指標がピークを打った1年後くらいに業績はピークを打つ)。2019年の予想平均株価は2400円(変動率20%)。今後3年の売上高成長率は年率0%。

■パーク24
基本シナリオ:カーシェア事業は競争激化で利益成長鈍化。海外の「空港」駐車場事業は効率化しにくいので期待薄。
反発したら売ろうと思っていたが全然反発しない(笑)。ただ月次のカーシェア会員数などの推移を見ると順調なペースで増加しており、配当利回りも3%を超え始めているのでそろそろ下げ止まりそう。問題はやはりカーシェア事業の月会費になりそうだが、パーク24は月会費を徴収してそれを投資に回し、より競争力を高めていくという戦略のようなので、もう少し様子を見ようと思う。ただ先日カレコの車に乗ってみたのだが、パーク24の車よりきれいでナビも新しかった。パーク24で利用した車のナビはどれも古く、ブルートゥースにさえ接続できなかった。カレコの車両はブルートゥースが使えるのはもちろん、シガーソケットにUSBポートがついているのも気が利いてるなと思った。パーク24はまずはここらへんから改善していくべきではないかとも思った。今後3年の売上高成長率は年率5%で利益成長率も5%程度。2019年の予想平均株価は2400円(変動率20%)。

■コンテック
基本シナリオ:物流テック向け機器で業績拡大
ここも日進工具と同じパターン。たとえ時流に乗っていてもマクロ環境が厳しいと業績も厳しくなることがわかった。3月に入ってきた大口の買い手は今回の決算で撤退したもよう。今後3年の売上高成長率は年率0%程度。今後3年の予想平均株価は1400円(変動率20%)。

■今後の計画
株式市場は6月から8月頃にピークを付けるとみていたが、米中交渉決裂でそのシナリオも崩れてしまった。まだ中国が折れる可能性は残っているとは思うが、米国がファーウェイの「公開処刑」を始めたので不穏な空気が漂い始めた。とりあえずもう少し様子見。

市場が反発したときに売りたい銘柄は日進工具、コンテック、ドル、日経レバETF、WTI原油ETF 。
シンクロ・フード、朝日ネット、パーク24は考え中。
弁護士ドットコム、ペプチドリーム、厳選ジャパンは長期で保有する予定。ただし弁護士ドットコムとペプチドリームは指標的にかなり割高なので、極端なバブル崩壊が起こりそうになってきたらいくらか売却していく(底打ちしたら買い戻す)。

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