2024年1月1日月曜日

保有株

保有比率の高い順に見ていく。

■プラスアルファ・コンサルティング
基本シナリオ:「タレントパレット」事業を軸に2030年に利益3.5~5倍

ブログで予想していた2024年9月期の業績予想は
売上高137.4億円(前期比+25%)
 <売上高の内訳>
 タレントパレット事業 87.7億円(+33%)
 見える化エンジン事業 19.8億円(+10%)
 カスタマーリングス事業 17.6億円(+7%)
 キミスカ事業 12.3億円(+30%)
営業利益49.2億円(+33%)
純利益35.2億円(+33%)

だったが、会社が出した今期の業績予想は
売上高138億円
 <売上高の内訳>
 タレントパレット事業 87.5億円
 見える化エンジン事業+カスタマーリングス事業 37.5億円
 キミスカ事業 13億円
営業利益48億円
純利益32.5億円

だった。ほぼ予想通り。純利益の伸びがやや弱いように見えるが、投資を増やすようなので問題なし。むしろ今は投資に力を入れたほうがよさそうな時期なので、利益が減って逆によかったと思う。

あとは計画通りにいくかどうかになるが、事業モデルや事業環境はよいので予想値は達成できるのではないかと思う。株価は10月に一時2300円を割り込んでいるが、今の調子でいけばあまり心配する必要はなさそう。

チャートは完全に崩れてしまったが、このチャートはもともとグロース指数と連動していたようなのでたいした意味はなさそう。PAC社株は早く指数との連動から解かれて、”独り立ち”してくれればと思うが、指標的に割安感が出てきたのでそのタイミングはわりかし近い将来に訪れるかもしれない。

<10月27日のPAC社株とグロース指数の2年チャート>

前回のブログで、7月と8月のPAC社株急落は「需給が悪化したから」と結論づけているが、おそらく需給の影響は軽微で、主因は地合いとの連動(とその悪化)になりそう。

11月の本決算でPAC社は「中期成長イメージ」をアップデートした。
2027年9月期の予想売上高は既存事業だけで233億円、予想営業利益は100億円、予想営業利益率は40%超になる。そこに新規事業やM&Aなどの分を加えると予想売上高は250億円になるという。現在の状況から考えるとこの計画の達成確率は80%くらいはありそう。

PAC社の現金は毎期順調に積み上がっており、現在約82億円ある。M&Aは成長のブースターになるようなので(12/25日経)、今後はM&Aにも期待したい。社長はプラスアルファ(付加価値)に対する感度が高そうなので、質の高い買収をしてくれるのではないかと思う。

12/26日経に、東大の人材マッチングを研究しているチームに政府(科学技術振興機構)が資金援助する、とあった。この研究チームは社員の最適配置や生徒と教師の最適マッチングなどを研究しているという。PAC社もこういう研究チームに資金援助するなり、連携するなりしたら面白そうだと思った。

学校向けの人材マネジメントシステム「ヨリソル」はこれまで大学向けに提供していくものとばかり思っていたが、小学、中学、高校、専門学校、塾などにも提供していることがわかった。大学だけでは市場規模が30~50億円くらいになりそうだったが、それが数倍に拡大するとわかった。ただ教育現場への導入は企業向けと違ってリードタイムが長くかかるようなので、この事業が業績にインパクトを与えるようになるまではしばらく時間がかかりそう。PAC社は2027年9月期の「ヨリソル」事業の売上高を8億円と予想している。

12/15日経に、内田洋行がパークシャ・テクノロジーと協業してAIで子どもの不登校の予兆などをつかむシステムを開発している、とあった。すでに埼玉県の18校で試験導入しており、将来的には全国の学校に提供していく予定という。この事業は「ヨリソル」の競合になりそうだが、提携もできそうなので、提携して「ヨリソル」をパワーアップしてくれればと思った。

PAC社は11月に企業向け研修コンテンツを提供するインソースと業務提携した。社員プラットフォームの外部連携がいよいよ本格化しそうな雰囲気になってきた。日本企業の人的投資額は米欧企業の10分の1以下のようなので(10/15日経)、この領域の拡大余地は大きそう。インソースの顧客は約2万社あり、そこから「タレントパレット」への送客も期待できる。

PAC社は12月に面接動画をAI分析するZENKIGEN社と業務提携した。ZENKIGEN社の採用AIシステム「ハルタカ」は面接を受ける人が話す動画を9つの観点から分析し、熱意や落ち着きなどを見極めるという。AIに無意識の領域を分析されるのは怖い気もするが、これを使うことにより採用の精度が高まるようなので、長期的に見ればお互いにとってプラスになりそう。今後普及が進んでいくのではないかと思う。

11/4ヴェリタス11/4ヴェリタス12/19日経で、日本の転職市場やダイレクトリクルーティング市場は巨大で成長市場であることがわかった。PAC社のダイレクトリクルーティング事業「キミスカ」は現在学生向けにしか提供していないが、転職市場にも参入したらおもしろそうだと思った。ビジョナルやリクルートの壁は厚そうだが、PAC社のシステムは社員データと学生データを掛け合わせて高精度なマッチングができるので、違った切り口で勝負ができそう。がんばってくれればと思う。

12/19日経に、食品トレー大手のエフピコが生成AIなどを活用して営業日報の分析・要約する作業を劇的に効率化した、とあった。エフピコによると営業日報は「宝の山」で商品開発や会社経営に欠かせないという。PAC社の営業支援システム「Sales Square」は営業人材の管理のみならず、このような営業日報の分析もできるので、この事業も今後伸びていきそうだと思った。

12月に「タレントパレット」に生成AIが導入された。生成AI機能を使うと、分析結果の概要や解説文を簡単に作れるという。この機能を使えばデータサイエンティストでなくても「タレントパレット」を簡単に使えるようになりそうなので、「タレントパレット」の活用頻度が高まりそうだと思った。

大企業向けのタレントマネジメントシステムは「タレントパレット」一強かと思っていたが、カオナビもこの分野で成長していることがわかった。ただ両者は似て非なるものなので棲み分けはできそう。とはいえ、「タレントパレット」の認知度は若干低いので、両者が混同されないようにアピールしていく必要はありそうだと思った。

カオナビは前期にテレワークへの移行に伴いオフィスを縮小した。オフィス移転前の出社率は20%で、オフィス縮小後はそれがさらに減るという。移転により経費は年間約2.7億円節約できるという(参照:2023年3月期・第2四半期決算説明資料)。テレワーク(在宅勤務)には創造性を高めるといった研究もあるが(11/18ヴェリタス)、やりがいが減ったり、メンタルをやられたり、離職率が高まったり、アイデアが減ったりするなどのデメリットも指摘されている(10/31日経11/27日経など)。カオナビが今後どうなるかはまだわからないが、競争力が落ちる可能性がある。この点も今後観察していきたい。

10/26日経産業に、DXコンサル&システム構築の需要は過去20年間右肩上がりで今後もこの拡大傾向は続く、みたいなことが書いてあった。PAC社もこの波に乗って成長してくれればと思った。

少し気になったのがこの会社のHP。パソコンで見た場合は問題ないが、スマホやタブレットで見ると文字化けが多い。トップ画面にもいきなりある。このような文字化けは印象が悪い。プログラミングをちゃんとできるのかという疑念が生じかねない。スマホからこの点を指摘しようとしたら、問い合わせ画面に入力した文字まで文字化けしてしまった。パソコンから一応指摘しておいたが、今のところ変化なし。

今後3年の予想売上高成長率は年20~30%程度、予想利益成長率は25~35%。現在の妥当だと思う時価総額は1380億円(株価3300円、PSR10倍、PER42倍)。2030年の予想売上高は現在の2.5~3倍くらい、予想純利益は現在の3.5~5倍くらい。


■イントラスト
基本シナリオ:家賃債務保証と医療費用保証で2028年に売上高150億円、営業利益30億円

第2四半期決算はいつも通りの順調な内容。問題は医療費用保証事業が伸び悩んでいること。会社もこの点は認識しているようで、社長は決算説明で「夏から戦術を変えて攻撃量を大幅に増やしている」と言っていた。今後の伸びに期待したい。

現在の主力である家賃債務保証事業は少なくともあと2年くらいは高成長を続けられそうなことがわかった。ソリューション事業から保証事業への切り替えはあと2年くらい続くらしい。

その後の穏やかな成長も期待できる。国内の賃貸市場は今後人口減により縮小していくが、不動産管理業では寡占化が進んでおり、大手の不動産管理会社の規模は拡大していくという。イントラストは大手の不動産管理会社と提携しているので、その恩恵を受けることができる。

イントラストと同じような事業を手がけるニッポンインシュアが10月に東証スタンダード市場に上場した。この会社の特徴は高齢者向けの家賃保証サービスに力を入れていること。日本では高齢化により単身シニア世帯の賃貸ニーズは増加しているが、「孤独死」などの問題から物件を貸し渋るオーナーは多いという(*入居者が孤独死して長期間経った状態で発見されると「心理的瑕疵物件」として次の入居希望者に告知する義務が生じる。また発見時の状態によっては現状回復に数百万円かかることもある)。ニッポンインシュアの調べでは、65歳以上が入居可能な賃貸物件は全体の5%しかないという。ニッポンインシュアはヤマト運輸などと提携して、トイレや廊下に通信機能を備えたLED電球を取り付け、見守り・訪問サービスを提供し、この課題を解決しようとしている(*現在は実証段階)9/30ヴェリタス10/20日経。イントラストも似たようなことができそうだと思った。

11/8日経に、コロナ禍中に政府系金融機関が中小企業に行った「ゼロゼロ融資」で不良債権が拡大している、とあった。実質破綻状態でありながら事業を続ける「ゾンビ企業」は21年度末で19年度比で3割増えているという。足元で倒産は増えており、この調子でいくと、イントラストの代理弁済が増える可能性がある。

東証で親子上場が改めて問題になっている。イントラストはプレステージ・インターナショナルの子会社でプレステージはイントラスト株式を56%持っている。イントラストは前期にプレステージの子会社を引き継いでいるので完全子会社化されることはなさそう。となると株式を売却する可能性があるが、それも持分が多すぎるので難しそう。現状を維持するのだろうか。どうなるのかよくわからないが、ここらへんのことはあまり興味がないので適当に観察していく。・・もしかすると今株価が下がっているのはここらへんのことも影響しているのかもしれない。

今後3年の予想売上高成長率は年10~20%程度。現在の妥当だと思う時価総額は255億円(株価1140円、PER20倍、PSR3倍)。2030年の予想売上・利益は現在の2.5倍くらい。


■今後の計画
米国が景気後退に陥ってから5~10ヶ月くらいたったころに株式などを買っていく。できたらドル建て資産を買っていく。米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが65以下になった場合も買っていく。景気後退に陥らなさそうな場合は、その時また考える。

■去年の運用成績と今年の運用成績予想
1年前にブログに書いた2023年の予想運用成績は「-25~10%」だったが、実際は-2%くらいだった。地合いの予想は大きく外れたが、運用成績は予想の範囲内に収まった。運用成績はマイナスになってしまったが、去年1年の売買を振り返ると、そこそこよいタイミングで売買しているので健闘したように思う。知識の方は着実に積み上がっているので特に問題なさそう。今年も知識を着実に積み上げていきたい。

今年の予想運用成績は「-10%~25%」。地合いに問題があれば若干のマイナス、問題がなければそこそこなプラスになりそう。持ち株や投資スタンスにはそれほどリスクはなさそうなので、地合い次第の展開になりそう。

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