2026年4月1日水曜日

ウォッチリスト

 今後は「AI革命」と円安が進みそうなので、海外のAI関連株を中心に見ていく。

・米エヌビディア
現在、「AI革命」の恩恵を最も受けている会社。AI革命は始まったばかりなので、今後も力強い成長が期待できる。ロボット分野でも膨大なチップ需要が見込まれる。一方で、中国企業やGoogleなど競合の追い上げがリスクとなる。

推論向けAIチップでは競争が激化しているものの、学習用のハイエンド領域では依然としてエヌビディアが優位を維持している(1/9日経)。ただし、GoogleはAI基盤技術への理解が深く、最先端モデルや将来的には量子コンピューターを設計に活用できるため、中長期では追い抜かれる可能性が高い。

もっとも、エヌビディアはTPUなど他社製AIチップにも対応可能なサーバーラックの開発を進めており、ネットワークや接続技術を含めた「AIインフラ全体」で主導権を維持する戦略を取っているので、「盟主」として生き残れそうではある。3/23インフォ

短期的な最大の注目点はOpenAIの動向になる。競争力を維持できれば問題ないが、アンソロピックやGoogleの追い上げは激しく、一部領域では完全に追い越されている。OpenAIはエヌビディアの大口顧客なので、ここがコケれば、エヌビディアも無傷では済まされない。

長期的なもう一つの注目点は、ソフト基盤「CUDA」の持続性になる。Googleとメタが連携し、GPUの開発環境(PyTorch)をそのままTPUで動かす仕組みを開発しており、CUDA依存が揺らぐ可能性が出てきている。さらにアンソロピックなどによって、プログラムを機械語へ翻訳するコンパイラーをAIが自動生成する動きも進みつつある。こうした変化は、AIそのものが「CUDAの城壁」を内側から崩すリスクを孕んでいる。3/26日経


▲・米OpenAI(非上場)
ChatGPTの勢いにはやや陰りが見え始めた。ユーザー数の伸びは鈍化し、2025年末に掲げていた「週間10億人」の目標はいまだ達成できていない。

競争力の低下は、資金調達力を弱め、それがさらなる開発力低下を招く「負のスパイラル」に陥るリスクがある。


一方で、OpenAIはAIエージェント分野に本格参入し、“AI OS企業”への転換を志向している。今年は「AIエージェント実装の年」となりそうだが、競争が激しいレッドオーシャン市場でどこまで優位性を確立できるかが注目ポイントとなる。2/15インフォ2/15インフォ3/23ロイター


OpenAIは、また「コードレッド」を発令した。前回は「Gemini3.0 ショック」だったが、今回は「Claude ショック」になる。法人市場で急成長するアンソロピックに売上高で迫られ、危機感を強めているとみられる。前回のコードレッドでは巻き返しきれずに終わったが、今回も同様の展開となりそう。3/17日経

OpenAIは今年上場しそうな感じ。買う予定はないが、観察対象としては非常におもしろいので、引き続き観察していく。3/5日経


・米アンソロピック(非上場)
エンジニアから高い支持を集めるAI企業。AIの安全性を最優先する方針を掲げ(2/18日経3/7インフォ)、ソフトウェア性能においても高い評価を得ている(2/6日経)。このような理念と実力を兼ね備えた企業こそ最終的に生き残れるのではないかと思う。足元の売上成長は絶好調だが、キャッシュバーンが大きく、財務面には不安も残る。3/9インフォ

米国防総省との間で摩擦が生じており、これが業績や今後の見通しに影を落としている(3/10ロイター)。とはいえ、同社は国防総省を提訴しており、法律専門家の多くは同社が勝訴する可能性が高いとみている。また、この一連の騒動は大きな宣伝にもなっている。3/9インフォ


OpenAIやGoogleの従業員約40人(Google DeepMindの主任科学者ジェフ・ディーンらを含む)が、アンソロピックを支持する意見書を裁判所に提出した。

彼らは、同社が掲げる以下の2原則

・自律型兵器へのAI利用の制限
・AIの安全性に関する懸念

について、AI研究コミュニティにおいて広く共有されている正当な技術的課題であると主張している。

具体的には、現行のAIには以下のような問題が指摘されている。

・新しい環境で性能が不安定になる
・ターゲット識別の精度が不完全
・ハルシネーションの存在
・推論過程の不透明性
・モデル内部の仕組みの理解困難さ

これらを踏まえると、完全自律型兵器の運用に使うには信頼性が不十分だという。3/9インフォ

この意見書から、OpenAIやGoogleもアンソロピックと同様の思想を共有しているようにも見えるが、必ずしも一枚岩というわけではない。アンソロピックが国防総省との契約を解消した直後に、OpenAIは同省と契約を締結しており、Googleにも同様の動きが見られる。この点は、企業としての経営判断と研究者個人の倫理観との間に、一定の乖離が存在する可能性を示唆している。

人材流出、業績、AIの武器化をめぐる倫理問題、さらには中国との技術競争――これら複数の要因が複雑に絡み合い、容易には解決しない構図となっている。3/11日経3/17インフォ

アモデイCEOが1月に発表したエッセイ「The Adolescence of Technology(技術の思春期)」を読んだ。

要点は大きく3つ。
・AIは近い将来、人間を超える能力を持つ可能性がある
・それは文明に巨大な利益と同時に、巨大な危険をもたらす
・人類がこの「技術の思春期」を乗り越えられるかが問われている

中でも印象的だったのは、「もしデータセンターに5000万人の天才国家が突然出現したら?」という箇所。“天才国家”が出現したら、新薬開発や科学発見、経済成長は爆発的に加速し、一方で、暴走や悪用、失業といったリスクも同時に拡大するという。

つまり、知能爆発の瞬間はすでに射程圏内にあり、人類がそれを制御できるのか——という問いが、このエッセイの核心にある。この構図は、ダニエル・ココタイロ氏らの予測「AI 2027」とも強く重なる。

なお、「技術の思春期」というタイトルは、天文学者カール・セーガンの原作をもとにした映画『コンタクト』(1997)のセリフに由来するという。

久しぶりにこの映画を見返してみた。該当のセリフは、主人公(ジョディ・フォスター)が宇宙飛行士選抜の面接を受ける場面で登場する。

面接官「もし異星人に出会い、ひとつだけ質問できるとしたら、何を問いますか。」

主人公「そうですね……たぶん、こう聞くと思います。『あなたたちは、どうやってそれを成し遂げたのですか。どのように進化したのですか。そして、自己破壊に陥ることなく、この“技術の思春期”をどうやって乗り越えたのですか。』その問いこそが――ほかのどんな問いにも増して――私が個人的に答えを聞きたいものです。」

この問いは、そのまま今の人類に突きつけられている。

人類は、この「技術の思春期」を乗り越えられるのか。

今の延長線上では、おそらく難しい。人間の知能を圧倒的に上回る存在を、完全にコントロールできるとは思えないから。

この結末は現実ではなく、映画の中だけで見たい。


なお、この会社も年内に上場する可能性がある。3/26インフォ


▲・米スペースX(非上場)

この会社は6月頃に上場する予定。3/24インフォ

主力事業は衛星インターネット「スターリンク」。これは超高収益が見込まれる宇宙インフラ事業であり、参入障壁も極めて高い。成長余地の大きさを踏まえると、非常に魅力的なビジネスモデルといえる。 1/30インフォ3/4日経

さらに同社は、地球周回軌道に100万基規模の衛星を展開し、宇宙にデータセンターを構築する構想を描いている。宇宙空間であれば太陽光発電により電力コストを大幅に抑えられ、極低温環境によって冷却コストも低減できる。加えて、地球上の環境負荷を回避できる点も含め、発想としてはいつもながら天才的。1/31インフォ

ただし、実現には巨額の建設コストや維持管理の難しさ、放射線対策、通信遅延といった多くの課題が残る。実用化は少なくとも10年以上先との見方が一般的。

ここまでは悪くなかったが、同社がマスク氏のAI企業xAIを約39兆円で買収したことで、一気に冷めてしまった。表向きはAI・宇宙・通信・データを統合する戦略とされるが、実態としては、巨額の資金を要する赤字企業のxAIをスペースXの資金力で支える構図になる。仮に巨額の資金を投じたとしても、xAIが勝ち抜けるとは思えない。2/3日経 2/2インフォ

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