保有比率の高い順に見ていく。
■米アルファベット
基本シナリオ:中期「AIインフラと知能でトップに」→ 長期「大発明家に」
4Q決算も順調で、市場予想を上回ったもよう。
・売上高:1,138億ドル(+18%)
・営業利益:359億ドル(+16%)
・営業利益率:約32%
→ 高成長を維持しつつ、高い収益性も確保。
<事業別の状況>
① 広告・YouTube・サブスク
・売上:959億ドル(+14%)
・営業利益:359億ドル(+16%)
→ 主力の広告は依然として強固。AI時代でも「キャッシュ創出源」として機能。
② Google Cloud
・売上:177億ドル(+48%)
・営業利益:53億ドル(前年20億ドル)
→ AI需要を背景に急成長+収益化フェーズに突入。
→ 「次の柱」としての存在感が急速に拡大。
③ Other Bets(Waymoなど)
・売上:3.7億ドル
・営業損失:36億ドル(3倍超に拡大)
→ 依然として先行投資フェーズ。
→ 将来のオプション価値だが、短期的には利益圧迫要因。
<地域別売上成長(通期)>
・米国:+14%
・EUや中東:+15%
・アジア(日本など):+19%
・その他南北米(カナダ、メキシコ、ブラジルなど):+17%
→ グローバルでバランスよく成長。特にアジアの伸びが顕著。
<2025年12月期の総括>
・広告:安定成長(キャッシュ源)
・Cloud:急拡大(成長エンジン)
・AI:需要の中核ドライバー
→「広告企業からAIインフラ企業へ進化中の過渡期」という位置づけの決算。広告で稼いだキャッシュを、CloudとAIに再投資し、次の覇権を狙う構図。
決算後に株価は下落。主因は、過剰投資懸念になりそう。今期の設備投資計画は、前期比ほぼ2倍の1750億〜1850億ドルと、市場予想(約1200億ドル)を大きく上回っている。
巨額投資により、フリーキャッシュフローはほぼ消滅し、資金調達として借り入れが必要となる見込み。現時点で社債発行は順調に進んでいる。
米国では、データセンター運営企業が電力インフラの設備費用を負担する流れが強まりつつある。これはGoogleクラウドにとってコスト増要因となるが、同社はすでに電力会社の買収などで先手を打っているので、現時点では大きな問題にはなりにくそう。
1/17日経、
1/19インフォ
一方、中国は豊富な電力供給を背景に、米AI企業を技術面で猛追している。半導体性能での劣位を、低コストの電力で補う構図。米国におけるAI開発のボトルネックが電力不足にシフトしつつある中、中国の存在感は一段と高まっている。
1/20日経
中国はAIモデル開発も順調なようで、性能がChatGPT級でありながら、運用コストを5分の1に抑えたAIを開発している。
1/31日経
とはいえ、中国のAI開発は「蒸留」に依存するケースも多いとされる。蒸留とは、既存のAIに大量の質問を投げて回答を収集し、その応答パターンを別のAIに学習させる手法。効率的な開発手段であるが、業界では「AI開発の抜け道」とも指摘されており、実質的に知的財産の搾取と見なされている。
2/13Gigazine、
2/23インフォ、
2/12インフォ
中国企業が開発する「オープン型」AIモデルの利用が拡大している。世界シェアはこの1年で1%から約15%へと拡大した。理由は高性能で低価格なこと。この点については前回も触れたが、引き続き注視していく。
1/9日経
3/27ロイターによれば、中国の大手AI企業は、これまで進めてきたオープンソース(無料公開)路線の見直しを迫られているという。背景には、投資家からの収益化圧力の高まりに加え、米中対立などの地政学リスクがある。この流れでいくと、中国AIは「普及優先のオープン戦略」から、「収益と安全保障を重視したクローズド戦略」へと徐々に軸足を移していく可能性が高い。となると、現在の「オープン型」モデルのブームも、そう長くは続かないのかもしれない。
今年のダボス会議で、Google DeepMindのトップであるデミス・ハサビス氏は「AGIの実現はまだ先」との見解を示した。2030年までに実現する可能性はあるものの、依然として多くの課題が残されているという。現在のAIには、主に次の3つの弱点があると指摘している。
・継続学習ができない。→経験から自律的に学び続けることができない。
・長期的な計画を立てられない。→年単位の戦略を構築できない。
・知能の一貫性がない。→分野ごとの能力のばらつきが大きく、真の知性とは言い難い。
こうした状況を踏まえると、Googleが「大発明家」としてブレークスルーを次々起こすフェーズは、まだ先になりそう。このフェーズこそが株価の大きな上昇要因につながると考えられるため、株価の本格的な上昇はもうしばらく先になるかもしれない。
一方で、創薬などの分野では研究開発が着実に進展している。直近では、DNAのわずかな変化が遺伝子の働きに与える影響を予測する新型AI「アルファゲノム」を発表している。このAIは創薬や医療研究の在り方を大きく変える可能性があり、ゲームチェンジャーとなり得る技術として注目されている。
1/29日経、
3/11日経、
3/3インフォ
Waymoのロボタクシー料金が、UberやLyftに近づきつつある。ロボタクシーは「実験」段階から、実用的な移動手段へと移行しつつある。
1/28日経
Waymoは2月に約160億ドル(約2.5兆円)を調達した。これを原資に、ロボタクシー事業のグローバル展開を加速させるという。
2/3日経
一方で、規制面のハードルも依然として高い。米ニューヨーク州は、Waymoの試験走行を州全域に拡大する計画を撤回し、現在の試験も2026年3月末で終了する予定。背景には、安全性、法制度、雇用、都市特性といった複合的な課題があるとされる(
2/21日経)。なかなかすんなりとはいきそうにない。
<WaymoとTeslaの戦略の違い>
Waymoは、特定エリアに限定して完全自動運転を実用化する戦略。
Teslaは、世界中どこでも走行可能な“人間レベル”の運転AIを目指す戦略。
現時点では、Waymoは“難易度の低い領域から攻める”ことで先行し、すでに収益化も進んでいる。一方で、Tesla型のアプローチが成功すれば、一気に逆転する可能性もある。ただし、その実現難易度はAI研究の中でも最難関クラスとされる。
iPhoneのSiri(音声で操作できるパーソナルAIアシスタント)は、近くGoogleのGeminiを活用した大型アップデートが予定されている。
AIがiPhoneの中核技術となった場合、主導権をGoogleに握られる可能性もあるが(1/22インフォ)、AppleはiPhone本体とスマートフォンOSという基盤を押さえているので、たとえAIが主役の時代になっても、「地主」として主導権の一部を維持しつつ、共存していけるのではないかと思う。3/25インフォ
産業用ロボットの開発プラットフォーム(オープンソース基盤ROS)を提供するGoogle系企業イントリンシックの存在感が高まっている。日本のファナックもROS対応を表明しており、この分野でもGoogleが覇権をとる可能性がある。
ロボット用AIにおいては、「世界モデル」が基盤技術になる可能性が高いとされる。その領域で先行するGoogleは、今後も優位性を維持できる可能性が高い。2/26日経、3/16CBインサイツ、3/20インフォ
*「世界モデル」とは
AIにおける「世界モデル」とは、環境の構造や因果関係を内部に表現し、状況の変化や行動の結果を予測できるモデル。従来のAIモデルが「入力に対して最も確からしい出力を返す」ことを主眼としていたのに対し、世界モデルは「この世界では何が起きるのか」を内部でシミュレーションし、未来の状態を推測できる点が異なる。つまり、単なるパターン認識を超え、世界のルールを再現することで予測や計画を可能にする技術であり、AGIに近づくための中核要素の一つとされる。
AIモデル開発においては、競合のxAIやメタが苦戦していると報じられている(
3/14日経、
3/12インフォ)。メタでは一時的な対策として、GoogleのGeminiをライセンス契約で活用する案も検討されたという。後発企業はデータ、人材、資金といった面で不利な立場にあり、もう追いつける段階にはないようにみえる。
Googleが、大規模言語モデル(LLM)に必要なメモリー量を大幅に削減する新技術「TurboQuant」を発表した。精度を維持したまま、メモリー使用量を「少なくとも6分の1以下」に圧縮できるという。この削減幅は尋常ではなく、開発そのものにも“Turbo”がかかっているように見える。
3/27日経、
3/28日経
OpenAIは動画生成AI「Sora」の事業を終了した。背景には、動画生成に伴う高コストや著作権問題、AI競争の激化に加え、最大の要因として計算資源の制約がある。収益性の高い法人向け領域やAGI開発を優先する戦略とみられる。
動画生成領域ではGoogleの「Gemini」に対抗する有力プレーヤーが一つ消えた。動画生成は計算負荷が大きく採算面に課題を抱える一方、AIの総合力を高めるうえで重要な領域でもある。長期的にはGoogleにとって有利な展開にみえる。
3/25日経、
3/31日経
メタやGoogleなど、SNSを運営する企業に対する集団訴訟が始まった。今後、数千件規模に拡大する可能性があり、判決次第では事業運営に大きな影響が及ぶ可能性がある。
争点となっているのは、「中毒性を生む設計」。メタをはじめとするSNS企業は、脳科学や心理学の知見を活用し、ユーザーの依存を促す設計を意図的に行ってきたとされる(『スマホ脳』)。この点が悪質性として問われており、何らかの処分や新たな規制導入につながる可能性が高い。結果として、業績には一定の下押し圧力がかかる見込み。
ただし、YouTubeはすでに視聴制限機能などの対策を導入しており、影響は限定的になりそう。そのため、アルファベット全体への業績インパクトは相対的に小さくなる可能性がある。
1/26インフォ
米ニューメキシコ州の裁判で、メタは未成年のSNS利用者を性被害から十分に保護しなかったとして、約590億円の支払いを命じられた。同社は未成年の安全やSNS依存を巡る訴訟を他にも抱えており、将来的には、たばこ産業のように巨額負担を伴う規制強化へ発展する可能性がある。
3/25日経
*米たばこ業界では1990年代、「中毒性を認識しながら適切な対策を講じなかった」として訴訟が相次ぎ、企業は巨額の賠償や広告規制を受けた。今回のSNS訴訟も、こうした流れとの類似性が指摘されている。
3/27日経
米カリフォルニア州の裁判所は、未成年のSNS依存を巡る訴訟で、メタとGoogleに責任があるとする評決を下した。アルゴリズムや自動再生、通知機能が中毒性を高める設計となっており、安全対策が不十分だったと認定した。
両社には計600万ドル(9億5千万円)の賠償が命じられ、メタが70%、Googleが30%を負担する。両社はともに控訴する方針を示している。
この裁判は、SNS企業の設計そのものの責任を問う初の代表的案件とされ、同様の訴訟数千件の行方に影響を与える可能性がある。さらに、この論理はOpenAIやGoogleのAIサービスにも波及する可能性がある。Googleも規制強化や設計変更、賠償ラッシュを避けられないのかもしれない。
3/26日経、
3/25インフォ
……現在のところ、こんな感じになるが、この問題はSNSにとどまらず、インターネットの根幹に関わるものなので、そう簡単に結論が出る話ではない。訴訟ではSNSの「中毒性」が問題視されているが、そもそも終わりのない情報を提供するインターネット自体が、本質的に中毒性を内包している。
また、ユーザーの滞在時間を延ばす設計は、SNSに限らず、テレビやゲーム、動画配信などあらゆるメディアに共通している。SNSはそれが極端に表れた存在にすぎず、「依存を意図した設計」なのか、「満足度を高める設計」なのかの線引きは極めて曖昧になる。
さらに、科学的な因果関係の立証も容易ではない。SNS利用とメンタルヘルスの悪化には相関がある可能性は高いが、依存や精神的影響は、個人の特性や家庭環境、社会的要因など複数の要素が絡む問題であり、「SNSが直接の原因」と断定するのは難しい。この点は、過去のゲームやファストフードを巡る訴訟と同様、企業側に有利に働く余地がある。
加えて、利用が任意である以上、一定の自己責任や、未成年の場合には保護者の監督責任が問われる余地も残る。実際、IT企業側もペアレンタルコントロールやスクリーンタイム制限といった「ブレーキ」を提供しており、それを利用しない側の責任も論点となり得る。
また、たばこ産業との単純な類推にも無理がある。たばこは医学的に有害性が明確で、依存性も物理的に裏付けられている。一方、SNSは情報取得やコミュニケーションといった有益な側面を持つ。中小企業のマーケティング、災害時の情報共有、孤立を防ぐコミュニティ形成など、その「正の外部性」は大きい。SNSはすでに現代社会のインフラであり、その利便性を大きく損なう規制は、社会全体の利益を損なうリスクを孕んでいる。
さらに踏み込めば、アルゴリズムによるコンテンツ配信は「編集行為」や「言論」とみなされる可能性があり、規制は「表現の自由」との衝突を引き起こす。この論点は法的に極めて重く、規制のハードルを引き上げる要因となる。
以上を踏まえると、訴訟の拡大が直ちに「たばこ型の巨額賠償モデル」に収束するとは限らない。現実的には、一部機能の修正や安全対策の強化といった限定的な対応にとどまり、ビジネスモデル自体は維持されるシナリオも十分に考えられる。
AIサービスへの波及についても同様で、SNSとは性質が異なる以上、同じ論理がそのまま適用されるとは限らない。仮に「ユーザーを引きつけすぎる設計」が問題視されるのであれば、利便性を極限まで追求する生成AIもまた同じ議論に巻き込まれることになる。テクノロジーの進化そのものが「悪」と定義される事態を避けるためにも、SNS企業は強く争う構えを見せる可能性が高い。
■イントラスト
基本シナリオ:「賃貸保証会社」から「多角的な保証プラットフォーマー」へ
3Q決算も順調だった。ただし、昨年11月にIT企業のキャロルシステムを約8億円で買収していたことがわかった。同社はWebシステムや業務システムの開発を手がけ、特にコンテンツ管理システム(CMS)を活用したサイト構築に強みがあるという。
11/21IR
AIの進展によりソフトウェアやエンジニアの価値が低下しつつある現状を踏まえると、こうした企業の買収はリスクが高い。キャロルシステムの2025年期業績は、売上高12億円、営業利益3000万円(営業利益率2.5%)、純利益3000万円になる。過去3期もほぼ同水準で、成長率は0%。買収額8億円に対し、PERは約26倍と割高感がある。
利益水準が低いため、競争環境が悪化すれば赤字転落のリスクも高い。今後は価格競争の激化が見込まれるため、1年半くらいで減損に至るのではないかと思う。
今回の買収は、シナジー創出というより、業績の見栄えをよくするために行ったのではないかと思う。同社は来期に売上高150億円という目標を掲げており、既存事業だけでは達成は困難と見ていた。しかし、今回の買収により、それが射程圏内に入る。
この会社を長年観察してきて、経営者の判断能力の高さに疑いはないが、今回は数値目標に引っ張られてミスジャッジをしたように見える。
■米ブロードコム
基本シナリオ:「AI革命」序盤の主役へ
1Q決算は市場予想を上回る好内容だった。
・売上高:193億ドル(前年比+29%)
・純利益:73億ドル(+34%)
・AI関連売上:84億ドル(約2倍)
ブロードコムは、AI専用の特注半導体(ASIC)の設計支援を手がけており、この分野が急成長している。
AIチップ事業の売上高は以下の通り拡大
・2024年:約120億ドル
・2025年:約200億ドル
・2026年:1Q 84億ドル、2Q予想 107億ドル
この急拡大が、全社成長の主因となっている。今後の会社見通しも強気。
主要顧客であるGoogleは、最大100万個規模のTPU供給計画を進めており、ブロードコムの受注拡大を強力に後押ししている。
米国とイランの戦争により、中東におけるデータセンター計画に不透明感が漂い始めた。湾岸諸国では、安価な電力を背景に、総額3000億ドル超のAI投資が計画されているが、イランが一部のデータセンターへの攻撃を開始したことで、地政学リスクが一気に顕在化した。戦争が長期化すれば、AI投資の一時停止や建設地の見直しが進む可能性がある。
3/8インフォ、
3/28日経
■米アマゾン
基本シナリオ:EC・物流・ロボット分野で圧倒的な地位を維持しつつ、メディア・クラウド・AIでもトップ集団に残る
4Q決算も概ね順調だった。
・売上高:2134億ドル(前年同期比 +14%)。*為替影響を除くと約+12%成長。
・営業利益:250億ドル(前年212億ドル)。*特別費用を除くと274億ドル相当。
セグメント別売上
・北米:1271億ドル(+10%)
・国際:507億ドル(+17%)
・AWS(クラウド):356億ドル(+24%) → 13四半期ぶりの高成長。
通期(2025年)
全体
・売上高:7169億ドル(+12%)
・営業利益:800億ドル(+17%)
・純利益:777億ドル(+31%)
今期はAI・インフラ・ロボティクスなどに、約2000億ドル(前期比+50%超)の設備投資を計画。
Amazon株もGoogle株と同様、決算後に過剰投資への懸念から株価が下落してしまった。ただし、アンディ・ジャシーCEOは「クラウド事業では需要見通しに基づき高い収益を実現してきた。AIは巨大な成長機会であり、今回も投資回収には強い自信がある」と述べているので、長期では特に問題なさそう。
2/6日経、
2/5インフォ、
2/5インフォ
また、米マッキンゼーは、2030年までに世界で6.7兆ドル(約1000兆円)のデータセンター投資が必要となり、そのうち5.2兆ドルがAI向けになると予測している(
3/13日経)。こうした需要見通しを踏まえると、足元で指摘されている過剰投資懸念は、杞憂に終わりそう。
アマゾンクラウドAI部門の主要顧客であるアンソロピックが、米国防総省との対立により、同省向けサービスの提供を停止することになった。
*完全停止は8月頃の見込み。今後は裁判や協議が予定されており、状況が変化する可能性もある。
Amazon Web Services(AWS)は大規模な組織再編を進め、AIエージェントを次の中核事業と位置づける戦略へと転換した。従来のAI基盤であるAmazon BedrockやAmazon SageMakerも再編の対象となり、一部サービスの終了を含めて、リソースをエージェントAIへ集中的に振り向けている。
AWSの強みは、企業のデータ、業務システム、クラウド基盤をすでに広く押さえている点にある。これにより、AIが実際の業務を遂行できる環境を提供できる。AWSは、「AIを動かすクラウド」から「AIが働くインフラ」へと進化しようとしている。エージェントAIを次の覇権レイヤーと捉え、大きく賭けに出ている(
2/1インフォ)。この方向性は正しそう。
AWSは、人員削減を進める一方で、営業や事業開発、技術支援などを担う社内AIエージェントの導入を加速している。ソリューションアーキテクトやエンジニアの業務にもAIによる部分的な自動化が広がり、社内の幅広い領域で効率化が進みつつある。
ホワイトカラー業務の自動化が本格化し始めており、今後は「知能代替」による利益率上昇が期待できる。
3/24インフォ
アマゾンはOpenAIに最大500億ドルを出資する方針で、アマゾン向けにカスタマイズしたAIモデルの共同開発を含む大規模な提携を進めている。主な狙いは、音声アシスタント「Alexa」など自社AI製品の高度化にある。この提携により、OpenAIはAWSの有力顧客となる可能性が高い。ただし、OpenAIはどこかで大ゴケする可能性があるので、その点には注意したい。
2/4インフォ、
2/4インフォ、
2/27インフォ
アマゾンは、配送効率化を目的に自律型ロボット企業Rivrを買収した。狙いは「ラストワンマイル(最終配送)」の自動化であり、将来的には人型ロボットや自動運転との連携も視野に入れている。
3/19日経
さらに、家庭用ヒト型ロボット開発の新興企業Fauna Roboticsも買収し、物流にとどまらず一般家庭向けロボット事業にも本格参入した。同社の「スプラウト」は、高さ約1メートル、重さ約23キロと小型・軽量で、従来のロボットに比べて安全性や普及性の面で優位性があるとされる。
3/25日経
こうしたロボット分野にもOpenAIの技術が組み込まれる可能性は高い。ただし、同社はまだ「世界モデル」などの基盤技術の確立途上にあり、中長期では優位性が揺らぐ可能性もある。
AWSは、AI需要の爆発的拡大を背景に、現在約1300億ドル規模の事業を将来的に6000億ドルへと拡大できる可能性があると、ジャシーCEOは見ている。
その成長の裏には、自社開発だけでなく、OpenAIやAnthropicといった有力AI企業との強固な連携がある。特にOpenAIは、今後8年間で約1400億ドルのクラウド支出を見込んでおり、AWSにとって巨大な需要源となる見通し。Anthropicも急成長しており、この2社を取り込むことで、出遅れていたAI競争の遅れを一気に挽回しようとしている。
さらに、政府・軍事分野への展開も進んでおり、AIは単なるクラウドの付加機能を超え、国家レベルの基盤インフラへと変わりつつある。AWSの強気な成長見通しは、クラウドが「計算資源」から「AIを支える中枢インフラ」へと進化している現実を映し出している。
3/17インフォ
ChatGPTで、The Informationの記事を要約していく過程で、AIからの問いに沿って掘り下げていくうちに、「AIバブルの最終勝者ランキング」という整理が出てきた。内容に一定の妥当性があると感じたため、メモとしてコピペしておく。
1位:インフラ地主(クラウド+電力)
AWS / Azure / Google Cloud
理由:
・モデル企業は必ず利用する
・推論需要の拡大に比例して収益が増加
・価格競争が起きても“通行税”を確保できる
・AI拡大に伴い電力・ネットワーク依存が高まる
→ AIが成功しても失敗しても、GPUが回り続ける限り収益が発生する。最も安定したポジション。
2位:チップ王者(Nvidia+次世代半導体)
Nvidia
・需要は爆発的に拡大
・代替が難しい
・CUDAエコシステムが強固
ただし:
・長期的には競争激化(TPU・AMD・ASIC)
・価格圧力のリスク
→ 現在は圧倒的王者。ただし永続的とは限らない。
3位:電力・エネルギー
見落とされがちだが、AIは「電気を知能に変換する産業」。
・再生可能エネルギー
・原子力
・送電
・冷却
→ 中長期(10年スパン)の重要テーマ。
4位:垂直統合型プレイヤー(Meta型)
・自社モデル
・自社データセンター
・自社プロダクト
・巨大ユーザーベース
→ 利益を内部で循環させられる構造を持つ。
5位:超スケールSaaSでAI統合できる企業
例:
・Salesforce
・ServiceNow
・Adobe
ただし条件:
→ AIに置き換えられないポジションを維持できるかが鍵。
6位:モデル専業(OpenAI / Anthropic)
最も注目を集める領域だが、構造的には:
・クラウドへの依存
・レベニューシェアの負担
・高額な研究開発費
・価格競争リスク
・コモディティ化リスク
→ 勝てば巨大。ただし消耗戦の側面が強い。
7位:アプリ層(AIアプリ、エージェント)
・競争激化
・参入障壁が低い
・差別化が難しい
→ 生き残るのはごく一部。
まとめ
AIブームの主役はモデル企業だが、最終的な勝者は「インフラ」という土台を握るプレイヤーになりやすい。
最大の変数
① 規制
② 地政学リスク(戦争)
③ 電力制約
④ オープンソースの進展
→ これらの要因次第で、順位は大きく変動する可能性がある。
アマゾンのリアル店舗は苦戦気味のもよう。無人レジのAmazon Goは1月に完全撤退した。その背景には、コスト問題に加え、トップダウンで標準化された店舗運営の限界があった可能性がある。子会社の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットでも、食に強いこだわりを持つ現場スタッフの離職が進み、売り場の活気や独自性が損なわれたとの指摘がある。足元では業績に底打ちの兆しもみられるが、同社の企業文化がリアル店舗と高い親和性を持つとは言い難く、大きな成長は期待しにくい。
2/20日経MJ、
2025日経MJ
一方で、
3/16日経クロストレンドによれば、アマゾンにとってリアル店舗は「収益の柱」ではなく、「高収益事業へとつなげる顧客接点」と位置づけられている。ECや店舗で獲得した顧客を基盤に、AWS、物流、広告、サブスクリプションなどで収益を回収する構造だという。
この観点から見れば、GoやFreshの撤退は、単なる失敗ではなく、「インフラとしての効率」や「独自の体験価値」の両面で期待された役割を十分に果たせなかった結果と解釈できる。言い換えれば、ジェフ・ベゾスの掲げる「考えさせない購買体験」との整合性が低い接点を切り離したともいえる。
つまり今回の動きは、リアル店舗戦略の後退ではなく、次の顧客体験を構築するための「学習と選別(純化)」のプロセスの一環と捉えることもできる。
■大和 iFreeNEXT FANG+インデックス
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける
メタの将来価値に対し、SNS依存訴訟の判決が新たなリスクとして浮上している(上記参照)。特に重要なのは、メタのビジネスモデルが「ユーザーを引きつけ続ける設計」に依存している点にある。AIによってフィードを一層最適化する戦略は、今回の判決により制約を受ける可能性がある。短期的な賠償額以上に、将来の事業モデルそのものに規制・訴訟リスクが及び始めた点が本質的な問題といえる。
3/25インフォ
2/26日経によると、メタでは株式購入権(ストックオプション)を行使する社員が急増し、資金繰りに影響が出始めているという。理由は明確ではないが、成長のピークアウトやリストラへの懸念が意識されている可能性がある。一般に、インサイダーによる自社株売却の増加は警戒シグナルとされる。
3/15ロイターは、メタが従業員の20%超を削減する可能性を報じた。これを踏まえると、社員による株式売却の増加は、リストラ懸念を背景とした動きだったもよう。
となると、今後はコスト構造の改善を通じて利益率が上昇していくのかもしれない。ザッカーバーグCEOは1月に「かつては大規模なチームを必要としていたプロジェクトも、今では非常に優秀な人材1人で完結できるようになった」と述べており、20%超の人員削減が現実化する可能性は十分にある。
構成銘柄からサービスナウが消えて、新たにパランティアが入ってきた。パランティアのPERは200倍を超えており、株価の変動は大きそうだが、AIビジネスやアーキテクチャ設計といった先進領域で主導的な地位にある企業なので、今後も高成長が期待できる。3/17インフォ
一方で、気がかりな点もある。同社はCIA系のルーツを持ち、「スマート戦争システム」を主導する存在でもある。この分野は、米国と中ロの間で主導権を争うゼロサムゲーム(自国が強くなるほど相手が相対的に弱くなる構造)の色合いが強く、倫理的配慮からAIの軍事利用をためらえば、敵対国に後れを取り、安全保障上のリスクが高まるという現実は理解できる。
しかし同時に、それは「効率的に人を殺すシステム」を高度化することでもあり、手放しで支持しにくいところがある。3/18現代ビジネス、3/24ビジネスIT
アップルのクックCEOは1Q決算で、「今年は、ユーザーの生活をあらゆる場面で豊かにする、これまでにない革新を届ける機会に胸を躍らせている」と述べ、「最高の仕事はこれからだ」と強い自信を示したという。この「革新」とは何を指すのか。ひとつはGoogle基盤を活用した新しいSiriで、もう一つは3DモデルやAI技術を統合した「物理AI」系のガジェット(スマートグラスなど)あたりではないかと思う。
イラン革命防衛隊が、米テック企業を新たな攻撃対象として名指しした。グーグル、エヌビディア、マイクロソフト、IBM、パランティアなど7社が中東周辺に保有する計29拠点を「標的」とするリストを公開したという。
背景には、これらの企業が米国資本で、今回の軍事行動に技術面で関与したとの認識があるとみられる。また、防御が比較的手薄で攻撃しやすい「ソフトターゲット」である点も、選定理由の一つと考えられる。3/13日経
中東情勢の混迷は、金利上昇やエネルギー価格の高騰を通じて、AI開発投資に下押し圧力をかける可能性もある。3/11インフォ、3/28日経
3/30日経によると、米国の大型ハイテク株は下落基調が続き、「弱気相場」入りが鮮明になっている。主要テック株で構成されるNYSE FANG+指数は直近高値から20%超下落し、算出以来初となる5カ月連続下落となった。背景には、中東紛争の長期化に伴う原油高と景気減速懸念に加え、AI関連株の過熱感や「SaaSの死」論への警戒があるとみられる。もっとも、この程度の変動は想定の範囲内。組み入れ銘柄の一部SaaS企業には不透明感が残るものの、最終的にはこれらの企業群がAI革命の勝者となるという見方に変わりはない。なお、現在の保有投信のパフォーマンスは-7%になる。
■米ベライゾン
基本シナリオ:シュルマン社長の経営改革で2027年に株価2倍(80ドル)
2025年10月にシュルマン氏が社長に就任して以降、早くも再建に向けた動きが本格化している。
4Q決算で、シュルマン氏は「2026年は転換の始まりの年」と明言した。
今後の基本戦略は以下の通り。
・コスト削減と成長投資を同時に推進
・シェア奪還に向けた本格攻勢
・価格引き上げ依存から脱却し、「持続的成長モデル」へ転換
<2025年4Q決算ハイライト>
■ 契約者動向
• ポストペイド携帯純増:61.6万件(5年ぶり高水準)
• モバイル+ブロードバンド純増:100万件超
• ブロードバンド純増:37.2万件
• FWA(固定無線)好調
• Frontier買収で光回線基盤拡大
<2026年ガイダンス>
■ 契約者目標
• ポストペイド純増:75万~100万件
→ 2025年の2~3倍
■ 売上
• モビリティ+ブロードバンド収益:+2~3%
• ワイヤレス単体は横ばい(価格引き上げ依存からの脱却を意図)
■ EPS
• 4.90~4.95ドル(+4~5%成長)
■ フリーCF
• 215億ドル以上(+7%以上成長)
■ 設備投資
• 160~165億ドル
→ 5G C-Band投資ほぼ完了
→ 非中核事業を大幅削減
■コスト改革(3段階戦略)
1. 組織合理化(人員1.3万人削減)
2. 業務の複雑性排除
3. AI活用による自動化
→ 2026年に50億ドルの営業費用削減を見込む
前回予想したとおりの展開。この調子でいってくれればと思う。
3/11日経によると、米通信会社はAIやクラウドの普及に伴うデータ通信量の急増に対応するため、米国内で数十兆円規模の通信インフラ投資を進めるという。
これまでベライゾンはAIインフラとは縁が薄い存在とみていたが、実際には一定の関与があるもよう。アマゾンのクラウド事業と提携していることも踏まえると、今後は「隠れたAIインフラ銘柄」として再評価される可能性がある。
■前田工繊
基本シナリオ:土木資材系のM&Aでインフラ需要を着実に取り込む
3Q決算も上振れ気味で着地。
子会社のBBSジャパン(自動車用ホイール製造)は、F1のフェラーリチームなどへのホイール独占供給が決定した。ブランド力の高さがうかがえる。一般にブランドビジネスは高い利益率が期待できるので、今後の収益貢献にも期待が持てる。
1/22日経前田工繊には長期間にわたり逆日歩が発生しており、信用倍率も1倍を下回っているが、その理由がよくわからない。なにか大きな問題があるのだろうか。
■SBIホールディングス
基本シナリオ:「どんどん巨大化する」「ネットは勝者総取りや」By 北尾CEO(
参照)
決算は堅調で、基本シナリオに大きな変化はない。
しかしAIの負の影響は受けそう。この点を意識してしばらく様子見。
■NTT
基本シナリオ:NTTデータを軸に成長。長期ではIOWN(光電融合技術)に期待
3Q決算は、増収減益でいまいち。ドコモが足を引っ張っているもよう。携帯事業は競争激化と設備投資増で減益基調が続く見込み。
2/6日経、
2/6日経
NTTデータは、金融機関向けにサイバー防御を共同で担うサービス「FinSOC」を開始した。複数の金融機関のシステムを24時間監視し、攻撃の検知から被害拡大の防止、復旧までを一括して担う。すでに地方銀行などで導入が進んでおり、今後は金融業界における中心的なセキュリティ基盤となる可能性がある。
3/27日経
全国の銀行はマネーロンダリング対策として、不正口座情報を迅速に共有する新たなシステムを導入する。この仕組みは、全銀協子会社のマネー・ローンダリング対策共同機構がNTTデータと共同で開発し、運用・保守もNTTデータが担う。
3/29日経
NTTデータは、このような基幹デジタルインフラを支えるキープレイヤーになりそう。
■米マイクロソフト
基本シナリオ:最強のAIエージェント・プラットフォームに
2Q決算は、ぱっと見は悪くなかった。
売上:前年比 +17%(市場予想超え)
Azure(クラウド)成長も約38%増と高水準
受注残(バックログ)の急拡大。2025年9月期:3920億ドル → 2025年12月期:6250億ドルへ急増。
しかし決算後、大きく売られた。
理由は、クラウド成長率の鈍化トレンド、受注残の45%がOpenAI向け、SaaSビジネスへの逆風(Microsoft365の成長鈍化リスク)、AI投資増、あたりになりそう。1/28インフォ、1/30日経
この会社の本質的な問題は、SaaSビジネスの崩壊と、OpenAIの大ゴケリスク、Copilotの実用性への疑問、になる。これらの点に注意して見ていきたい。
サティア・ナデラCEOは、将来的にAIモデルそのものはコモディティ化し、価値はAIを企業の実務で安全に活用するための「アプリケーション・スキャフォールディング(接続・管理の仕組み)」に集約されると見ている。つまり、AIを安全に稼働させる「環境」を握る企業が、最終的な勝者になるという考え方。
マイクロソフトは、Office、Windows、Azure、TeamsといったAIの利用基盤をすでに広く押さえている。この点を踏まえると、同社が構想するAIエージェント管理プラットフォームは、うまく機能するのではないかと思う。2/6インフォ、3/10インフォ
■サイバーエージェント
基本シナリオ:AI・ロボット時代の余暇産業の勝者に
1Q決算は思ったよりもよかった。
・売上高2323億円(前年比 +14.0%)
・営業利益233億円(前年比 2.8倍)
<業績内訳>
ゲーム事業
・売上:647億円(+69.2%)
・営業利益:176億円(5.3倍)
メディア&IP事業
・売上:626億円(+12.5%)
・営業利益:49億円(3.5倍)
インターネット広告事業
・売上:1,146億円(▲2.7%)
・営業利益:43億円(▲27.2%)
ただし、広告事業の先行きは厳しそう。藤田会長は「(広告運用は)そんなに簡単なものではない」と述べ、顧客離脱の可能性は低いとの見方を示しているが、米欧では広告運用の内製化が進んでおり、構造的な逆風は避けにくい。
1/29日経、
2/26日経
ゲーム事業にも怪しげな雰囲気が漂い始めた。1月にGoogleが仮想世界を自動生成するAIツール「Project Genie」を発表。現時点では完成度は低いようだが、ゲーム開発の構造そのものを変える可能性があるため、中長期では厄介な存在になりそう。
1/31インフォ、
2/4インフォ、
2/19日経
この会社には、AI実装による利益成長を期待していたが、微妙な感じになってきた。それはAIは付加価値の創出だけでなく、人員削減(知能代替)を通じて利益率を押し上げる側面が大きいとわかったため。
サイバーエージェントは今年も人員を増加させており(前年同期比+342名)、これまでの傾向を見る限り、来年以降も増員が続く可能性が高い。この場合、利益率が低下していくリスクがある。AI実装が実際にコスト構造の改善につながるのかを注視しつつ、今後の動向を見極めていきたい。
3/18日経によると、ABEMAは「テレビの延長」ではなく、「世界市場で戦うための実験場」と位置づけられている。今後は「世界で勝てるコンテンツ」の創出を目指し、グローバル基準での展開を志向していくという。
動画配信はレッドオーシャン市場であり、成功のハードルは極めて高いが、同社には企画力・実行力がありそうなので、低確率ながらブレイクする可能性もありそう。
■iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける
AIブームのバロメーターとして見ている。
9月に買って、現在の損益は-2%とほぼ横ばい。
銘柄選択は良さそうなので、今後はAI関連市場の拡大とともに、大きく上昇するのではないかと思う。
■今後の計画
投資スタンスは 「基本静観、チャンスが来たら動く」 のまま。市場が荒れて米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが70以下になったら株式などを買っていく。PBR、投資家心理指数、裁定売買残高なども考慮する。1ドル135円くらいになることがあれば海外株を買っていく。
ただし、AIは「人類史上最大の革命」とも言われるので、AI関連株についてはドルコスト平均法で継続的に積み上げていく。AIには暴走リスクといった側面もあるため、その点に理解のある会社を選んでいく。
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