2017年10月13日金曜日

朝日ネット

「日本超小型株式ファンド」で見つけた銘柄

■調べようと思ったきっかけ
・チャートに過熱感がなく、底堅い感じだったから
・ストック型ビジネス、貸借倍率の低さ、好財務、高配当などファンダメンタル面でも底堅そうだったから
・足下で大きな設備投資をしていたから

■どんな会社か
ネットのプロバイダー事業と教育システム事業を手がける。売上比率はプロバイダー事業が84%で教育システム事業が16%。両方ともストック型事業。

東証一部上場で時価総額は170億円。配当は3.3%、貸借倍率は0.25倍。
今期の売り上げ予想は100億円で営業利益率は10%程度。

■成長ストーリー
IOTやM2Mの需要をいち早くとらえて事業を拡大していく、というのが基本ストーリー。

個人向けのプロバイダー事業は頭打ちのため今後は法人向けサービスに注力していくことになる。法人向けはIOT/M2Mのプロバイダー事業だけでなく、大学向けに提供している教育システム事業も促進。教育システム事業は東大や慶大など200以上の大学に普及しており、足下でも増加傾向にある。

法人向けサービスの中で今後特に伸びそうなのがIOT/M2M分野になる。監視カメラやPOSレジなどをクラウド化することによって、管理ソフトの自動アップデートや正確性を増した管理ができるようになるため長期的な需要の拡大が見込めるという。IOT市場は今後年率10%以上、ネットワークカメラにいたっては年率30%以上成長していくとされ、会社はこの分野を伸ばしていくという。ネットワークカメラ事業では2015年にビデオ管理ソフト世界最大手のマイルストーン社(キャノン傘下)と提携している。

もしかしたらだが、今期に社員が激増している可能性がある。四季報や日経の情報では社員数が130人となっているが、会社のホームページでは206人となっている。会社は営業攻勢をかけているのかもしれない。
*しかし今期と前期の第1四半期決算書を比較すると販管費は微減しているので、社員が激増している可能性はそれほど高くない。単なる集計方法の違いによるものかもしれない。

足下で行った大きな設備投資によって高収益体質に転換しつつあるのも良い。従来はトラフィック(通信量)が増すたびにコストも上昇する従量制だったが、それを今回固定制に切り替えている。今後は売上拡大に伴って利益も上昇していくようになる。

■参入障壁は高いか
個人向けプロバイダー事業の参入障壁は低い。すでに価格競争に陥っている。
法人向けプロバイダー事業の参入障壁もそれほど高くはないが、競争は比較的穏やか。

朝日ネットの強みは通信品質の高さになる。顧客満足度は10年以上1位もしくはトップ圏内を維持している。私のプロバイダーも朝日ネットだが、これを選んだのはフレッツ光の担当者に「一番速くて安定感があるのはどこか」と聞いたときにここを勧められたから。業界での評判は高いのかもしれない。法人向けではこの信頼性の高さが競争上のカギになるように思う。システムの大半は自社開発しているとのことで、スピーディーかつ臨機応変にシステムを構築していけるのが通信品質の高さにつながっているのかもしれない。

社長がこの分野にかける意気込みも強みになりそう。社長は「いまやコミュニケーションは人間と人間がダイレクトに行うだけとは限らない。機械を始め、多くのものが介在する。その一つひとつが、新しいお客さまになるんです。つまり、可能性が日々増えている。すごくやりがいのある、楽しい時期だなと思います」とコメントしているので、今後面白そうな展開が期待できる。

教育システム事業の参入障壁は、詳細は不明だが、競合は限られている様子。

■その他の問題点
・今期は設備投資のため減益になる。増収増益基調になるのは来期以降。
・通信システムを従量制から定額制に切り替えたわけだが、定額制のコストがどれほどになるのかまだわからない。
・IOT(モノのインターネット)はハイプサイクルで見ると幻滅期に入ったばかり。
・セキュリティソフトはカスペルスキーを使っているようだが、先日米国ではロシア政府にハッキングされる可能性があるとして政府内での使用を禁止している。日本でもいずれその余波を受けるかもしれない。

■割安感はあるか
売上高成長率10%程度でPERが24倍というのはやや割高に見えるが、来期から3年程度の利益成長率を年率30%程度と見積もるとやや割安感がある。

■チャートや戻り売り圧力
戻り売り圧力はほとんどない。
株価は累積売買高的には短期、中期ではほぼ底になり、長期では天井圏になる。
直近では底値を切り上げている。
<1年チャート>

<5年チャート>

<10年チャート>

■結論
朝日ネットはただのプロバイダー企業というよりIOT関連企業と捉えると面白みがでてくる。それに加え今期の設備投資により高収益体質に転換しつつあるため、来期以降のEPSは急上昇が期待できる。今投資するのは少し早い気もするが、テクニカル的にはボチボチ上がりそうな気配なのでとりあえず540円で購入。今後は520円くらいで集めていく予定。

今後3年間の予想平均株価は
2017年は650円、2018年は850円、2019年は1100円。変動率は±20%。

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