2017年10月13日金曜日

夢真ホールディングス

DIAM新興市場日本株ファンド」で見つけた銘柄

■調べようと思ったきっかけ
・チャートに過熱感がなく、底堅い感じだったから
・下方修正を8月に出しており、悪材料が出尽くしている感じだったから
・来期の業績予想は非常に良く、高配当で、ファンダメンタルズ的にも底堅そうに見えたから

■どんな会社か
人材派遣会社。施工管理技士派遣が75%でITエンジニア派遣が25%。

ジャスダック上場で時価総額は580億円。配当は4.4%。創業者一族が大株主であり経営陣。

■成長ストーリー
稼働人員を増やして業績拡大、というのが基本ストーリー。

建設現場の施工管理技士は10年前は42万人いたが今は32万人と減っている。そしてこれが10年後には22万人になると会社は予想している。一方で建設需要は今後もほぼ横ばいのため施工管理士は慢性的に供給不足になると見ている。夢真ホールディングスは現在4000人程の施工管理技師を抱えているが、これを2020年までに6000人まで増やす計画だという。

施工管理士派遣事業は当面堅調らしいが、さらに長期で考えると日本は人口が減っていくので建設業界には不透明感があるという。そこで2030年に世界でITエンジニアが2000万人不足すると言われているITエンジニアの派遣事業に軸足を移すという。2020年までにITエンジニアを4000人まで増やす計画だという。現在、ITやIT人材育成に長けた会社を買収・提携しており、2020年までに65億円を費やしてさらに買収・提携をしていくという。

■参入障壁は高いか
施工管理技士派遣業の参入障壁はそこそこ高い。
施工管理技士の派遣は建設業界にネットワークを構築する必要があり、また成長市場というわけでもないので参入企業は限られる。施工管理技士を派遣する上場会社はここだけになる。

ITエンジニア派遣業の参入障壁はそれほど高くはない。夢真ホールディングスは新規参入組になる。

■問題点
・ITエンジニアを今年だけで1000人以上採用しているが、採用基準は若さだけで経験は不問らしい。そういった若者をたかだか2ヶ月研修しただけでITエンジニアに育成できるとは思えない。

・採用された人の大半を正社員化しているが、生産性の低い人材を大量に抱えた場合は収益が大幅に悪化してしまう。

・今年は2500人採用し来年も同程度採用するという。比率はIT人材のほうが高いという。ITエンジニアの派遣事業はまだ軌道に乗っているようには見えないが、このような状態で大量採用するのは危険に見える。会社は少し焦りすぎな印象がある。

・配当性向は100%程度と高いが2015年にはその状態で増資をしている。なぜ配当を削ってその分を投資にまわさないのか不思議。

■チャートや戻り売り圧力
戻り売りはそれほどない。
株価は累積売買高的には短期、中期、長期ともに底。
大きな三角保ち合いを形成しており直近では底値を切り上げている。
<1年チャート>

<5年チャート>

<10年チャート>


■結論
建設業界向けの技師派遣だけなら独自性があって面白いと思ったが、ITエンジニアの派遣がネックになる。今後利益率は落ちていきそう。会社の計画では今期の売上が300億円で営業利益が22億円、来期が売上400億円で営業利益45億円、2020年には売上600億円で営業利益90億円としているが、達成には不透明感が漂う。

チャートや配当、来期の業績予想から判断すると株価は今後下がりにくそうだが、ITエンジニア派遣事業の不透明感から上がりにくそうでもある。業績を確認しながらチマチマ上がっていく感じになりそう。

この銘柄は以前調べたFPGと似ている感じがした。

*この会社は調べている途中で冷めてしまったので、会社のIR資料をほとんどチェックしてない。

0 件のコメント:

コメントを投稿