2018年6月8日金曜日

太陽ホールディングス

少数選抜投資を手がけるみさき投資が2017年10月に大量保有報告書を出した銘柄。

みさき投資は太陽ホールディングス以外に過去4銘柄で大量保有報告書をだしているが、株価は報告書の提出後に大幅に上昇している。

みさき投資の投資手法は、まず「長期投資に値するか」という観点から決算書などを徹底的に調べ上げ、いったん投資先が決まれば、経営陣に助言して投資家の考えを経営に組み入れていくというもの。ここでいう投資家の考えとは「長期的に最も企業価値を向上させる」ものになる。

過去の4銘柄はいまいちピンとこなかったのでスルーしたが、太陽ホールディングスは事業がわかりやすく、また大量保有報告書を出してから株価がちょうどいい感じで調整していたので調べてみた。

太陽ホールディングスはスマホなどのプリント配線基板に使う絶縁膜(ソルダーレジスト)を作っている会社で世界シェアは5割超。売上の9割をこの事業が占め、営業利益率は平均20%超と高い。しかしこの分野の成長率は年率3~4%程度とそれほど高くない。

事業の柱が1本しかないので今後は多角化していくという。その中心になりそうなのが医薬品製造事業になる。医薬品の製造は絶縁膜の製造と同じようなものらしく、会社が持っている製造ノウハウをいかせば、医薬品を低コストで製造できるという。

投資における問題点は、事業が為替や半導体市況の影響を受けやすいなどいろいろあるが、一番の問題点は力強い成長ストーリーを描きにくいところにあるように思う。絶縁膜の成長率は低く、医薬品製造事業も収益に貢献してくるのは4,5年先になる。おそらく今後の株価上昇の起点となるのは2017年のDICとの資本業務提携やみさき投資の助言あたりになる。

株価は累積売買高的には今が妥当なところという感じ。今後の見通しや財務状態、配当性向が良いため今以上は下がりにくいように思う。しかし2017年11月に中外製薬から特許切れの医薬品を買ったところから大きく下がり、足下の株価の上には過去2年分の戻り売り圧力がたまっているので上値は重そう。とりあえずここもしばらく様子見しようと思う。
<2年チャート>


■ビジネスモデルの強度 ★★★☆
・参入障壁は高いか 過去の営業利益率から判断すると参入障壁は高い ★★★★
・ストック型収益か フロー型になる。しかし需要は安定しておりリピーターは多そう ★★★
・時流に乗っているか 半導体や医薬品のコストダウンはメガトレンド ★★★

参考:みさき投資の投資哲学
  「投資される経営 売買(うりかい)される経営 」(中神 康議)

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