2018年6月8日金曜日

シンクロフード

かねてから注目していた会社。ビジネスモデルが強そうで、株価が射程圏内に入ってきたので調べてみた。

■どんな会社か
・飲食店向けの総合プラットフォーム事業を手がける。

■ビジネスモデルの強度は ★★★★
<参入障壁は高いか> ★★★
飲食店向けのプラットフォーム事業には、物件探しから、求人、店舗デザインなどいろいろあるが、どの分野においても競争は激しい。今のところシンクロフードが独占している領域はない。しかし様々な領域を総合しているプラットフォームはここだけであり、会員数の増加とともに、徐々に“堀”を固めつつある。

売上の7割を求人プラットフォーム事業で稼ぐが、このプラットフォームの利用者はシンクロフードが運営する自社メディア事業など他のプラットフォームからの来場者が多いので、営業コストがそれほどかからない。そのため競合他社の3分の1程度の価格で求人広告をのせられるなど圧倒的な価格競争力がある。

<ストック型収益か> ★★★★
プラットフォーム事業なのでストック型になる。利用者の増加に伴い収益も向上していく。会員数はここ数年は年に1万ずつ増えており、現在の会員数は13万になる。会社は潜在事業者数を68万と見積もっており、2023年までに会員数を20万まで増やす目標を掲げている。

<時流にのっているか> ★★★★★
アナログな領域をITで効率化していくのは今のトレンド。

総合的に見てビジネスモデルは最強というわけではないが、そこそこ強そうに見える。そもそもここの経営陣はビジネスモデルを考えるプロであるコンサル出身なので、ここらへんはそれほど心配しなくていいのかもしれない。

■妥当な株価はどのくらいか
過去1年の累積売買高から判断すると、2017年に大部分の投資家が見積もる妥当な株価は600円程度になる。利益率が一定の場合は売上の伸び率だけ株価も上昇するので、今後3年の売上高成長率を年率30%程度と見積もると、2018年度の平均株価は780円程度になる。
<1年チャート>


現在の株価は791円であり、ビジネスモデルも悪くないので、今が買い時のようにも思えるが少しひっかかることがある。

■問題点
株価が3月の高値1700円から窓を開けずに着実に下がり続けている。週足では13週連続で陰線がでている。一部の機関投資家が撤退しようとしているのがわかる。またモルガンスタンレーは2017年11月の株価が600円のときから空売りを始めている。今の株価は割高な可能性がある。
<2年チャート>

何か問題を見落としていると思うのだが、今のところそれが何なのかわからない。
・業績の牽引役である求人プラットフォーム事業の競合がリクルートなどで勝ち目が薄い?
・競争激化で収益力が低下していく?
・海外展開も考えているようだが、いまさら?
・あと1,2年で日本の景気がピークアウトするから?
・2016年の上場直前に設定したストックオプションが株価100倍を達成し、それを売却した社員の士気が低下する?
・高値からのただの調整にすぎない?

思いつくのはこのあたりになるがどれも決定打にかける。とりあえず800円で少し買ってみたが、しばらく様子見を続けようと思う。

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