2022年4月1日金曜日

持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■ジモティー
基本シナリオ:最強の地元取引プラットフォームに
本決算の数字は悪くなかったが、ページビューや投稿数、手数料収入の伸びが弱いのが気になった。これら3つが伸びないと成長がおぼつかなくなるので、やや不透明感が出てきた。ただ会社の方もこの点については「物足りない成長率」と認識しており、「今後さらに成長率を加速させる取り組みを推進」とのことなので、なんとかなりそうでもある。

もう一点気になったのが、また社員が減っていたこと(47→44名。アルバイトは増えている)。これで成長できるのかと思ったが、3/12ヴェリタスに「ジモティーは健全な財務基盤を確保する方針をとってきた。上場から2年で順調に利益を上げ、「今期は人材採用に投資を回せる段階になった」(加藤社長)。開発体制の強化を通してサービス開発を加速させ、事業規模の拡大をねらう。」とあったので、この点もそれほど心配しなくてよさそう。

今後の主な成長戦略3つを簡単にまとめておく。
1つ目はリユース市場で自治体との提携加速。これまでに提携した自治体との成果がポツポツ出始めたので(2/20日経2/17日経CNBC)、今後提携が加速していきそう。

2つ目は中古車の個人取引の拡大。ジモティーはエスクロー決済(ローン決済も含む)や車の鑑定士派遣などを提供しているので、取引は徐々に増えていきそう。ただ、自動車整備・管理SaaSを提供するファーストグループも同様のサービスを始めるようなので、ライバルが増えそうでもある。ファーストグループは車両50万台の詳細な情報(オーナーの信用情報も含む)があるので、手強い相手になる可能性がある。両社が提携すればいいのにと思う。2/15の日経3/22日経

3つ目は求人マッチングの拡大。ジモティーはオンライン面談のサポートや資格書類のチェックなどもしていくようなので、こちらも徐々に利用が増えていきそう。ジモティーは一部の自治体と提携してインフラ維持の仕事などを紹介しているので、この点は他にはない強みになりそう。

「ジモティー」の主要カテゴリーの投稿件数
・売ります・あげます 2021年1月 1013333 →4月 1096141 →7月 1178114 →10月 1238714 →2022年1月 1309130 →4月 1386640
・メンバー募集 71879 →74732 →77377 →80309 →82160 →84313
・助け合い 27226 →28662 →30099 →31277 →31913 → 2328
・不動産 518859 →402393 →553245 →539483 →677740 →620391
・アルバイト 46999 →61359 →58679 →68459 →81161 →92251
・正社員 15335 →17574 →17149 →17817 →20679 →20020
・イベント     →31575 →32906 →34227 →36395 →31918
・中古車      →43199 →45112 →48214 →51367 →51822
・教室・スクール   →18364 →18958 →19491 →20010 →20561
・地元のお店     →13453 →14113 →14765 →15274 →15413
・里親募集      →7628 →7997 →8426 →8628 →8700
*投稿件数は取引終了分はカウントされないので実際の投稿件数はもっと多い。

投稿件数を見ると、「メンバー募集」や「助け合い」のカテゴリーでは明らかに伸びが鈍化している。競合が出てきたのかもしれない。「売ります・あげます」カテゴリーは前年同期比でまったく伸びていない。ここが一番の問題。ただ取引が活発になって取引終了した分が多くなった可能性はある。

第1四半期の売上高予想
まずは本決算予想の振り返りから。前回の予想は「第3四半期よりページビューが小幅増で、広告単価が微増、エスクロー決済手数料4500万と想定すると、16億9千万円~17億3千万円くらいになりそう」だった。

実際はページビューが小幅増で、広告単価が大幅増、エスクロー決済手数料が3800万で売上高は17億1千万円だった。広告単価とエスクロー決済手数料の予想が少し外れた。

以上をふまえて、第1四半期の売上高予想は、ページビューが小幅増、広告単価は微減~横ばい、エスクロー決済手数料が4500万円と想定すると、4億6千万円~5億2千万円になる。

今後3年の予想売上高成長率は年率10~25%程度。現在の妥当だと思える時価総額は200億円(株価3300円、PSR10倍)くらい。2030年の予想売上高・利益は現在の4~7倍くらい。

■イントラスト
基本シナリオ:債務保証事業で未収金撲滅
第3四半期決算はほぼ計画通りの数字だったが、業務委託費や未収金が前期比で大幅に増えているのが気になった。

今後は、日本企業の業績がパッとしない中で、コロナ下で実施された「ゼロゼロ融資」の返済が始まるので企業倒産が増えていきそうであり(3/29日経)、またある調査では「住宅ローンの返済に困っている人の相談件数はコロナ前に比べて1.5倍になっている」といったデータもあるので(3/5ヴェリタス)、未収金が増えそうな気配がある。

来期の業績は計画値よりもやや下ブレるのではないかと思う。とはいえ、10%程度の成長はできそうでもある。

前回のブログで、養育費保証事業はビジネスとして成立しにくそうと書いたが、決算説明で社長も「ビジネスとして成立させるのは難しい」と言っていた。この事業はうまくいかないと莫大な赤字が発生する仕組みなので、少し安心した。ただこの事業は社会的に意義のあるものなので、なんとか工夫してビジネスとして成立させてくれればと思う。

医療費用保証の継続率が99.9%とわかった。この事業が今後一番の成長ドライバーになるので、この調子でいってくれればと思う。

今後のイントラストの成長シナリオと業績予想をざっと書いておく。今後2年は家賃債務保証事業が業績を牽引して、24年3月期の売上高は70~80億、営業利益は16~20億になる。その後は医療費用保証が業績を牽引し、27年3月期の売上高は100~120億、営業利益は20~25億になる。この時点での医療費用保証の導入病院数は1600(マーケットシェア20%)になる。

今後3年の予想売上高成長率は年10~15%程度。現在の妥当だと思える時価総額は180億円(株価800円、PSR3倍)。2030年の予想売上・利益は現在の3~4倍くらい。

■ステムリム
基本シナリオ:再生誘導医薬でテンバガー達成
研究開発は順調に進んでいるもよう。ただ治験の結果が出るのは23年2月以降なので、それまでは退屈な展開になりそう。

肝硬変のフェーズ2試験をしているが、ステムリムの薬剤は「軽症」の肝硬変への適用とわかった(参照)。市場規模はそれほど大きくないのかなと思った。

SMBC日興証がステムリムの目標株価を1400円から1800円に引き上げた。レポートを読んでいないので根拠は不明だが、進捗が順調なものだと受け取りたい。

今後3年の予想売上高成長率は年率0~20%程度。業績が急拡大するのは早くて2年後。現在の妥当だと思える時価総額は600億円(株価1000円)くらい。2030年の予想利益は30~500億円くらい。

■今後の計画
インフレが落ち着くまで静観する。ただ小型株が現状よりさらに大きく下げることがあればポツポツ買っていく。VIX指数が40超、騰落レシオが70以下になった場合も買っていく。

・・マザーズ撃沈により頓死してしまった笑。今年は資産面では悲しい年になりそうだが、現在のように市場が大きく動くときは変動要因がはっきりするので観察のしがいはありそう。知識面で実り多い年にしたい。

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