2026年1月1日木曜日

保有株

 保有比率の高い順に見ていく。

■イントラスト
基本シナリオ:「賃貸保証会社」から「多角的な保証プラットフォーマー」へ

3Q決算も堅調な内容だった。ただし、この会社がパイオニアである医療費用保証事業については、契約数が239件と、後発のエラン(348件)に後れを取っている点は少し気になった。

買収した家賃保証会社2社の利益貢献が始まったように見える。これは経営手腕によるところが大きそう。

決算説明会では、「来期目標である売上高150億円、営業利益30億円は達成可能か」という質問に対し、社長は「達成できるとお伝えしてよいかと思います」とやや慎重な言い回しで回答していた。難易度は高そうだが期待したい。

また、CFOが「大手管理戸数の成長と当社サービスのさらなる磨き込みにより、家賃保証事業は今後も2桁成長を目指す」とも発言していた。この主力事業にはまだ一定の成長余地がありそうだとわかった。

足元で株価が上昇している。特段の材料がない中での上昇に違和感があったが、スタンダード市場の地合いがいいらしく、指数は最高値を更新している。スタンダード市場の平均PBRは1.1倍台と、プライム市場(約1.6倍)やグロース市場(約3.3倍)と比べて低水準にあるので、今後も堅調に推移しそう。12/23日経

今後3年の業績予想は、売上・利益ともに年+10~15%。現在の適正時価総額は230億円(株価1000円、PER15倍)くらいになりそう。


■米アルファベット
基本シナリオ:中期「AIインフラと知能でトップに」→ 長期「大発明家に」

3Q 決算は引き続き順調だった。AI、クラウド、広告のいずれも好調な成長が続いている。

2Q決算に続き、今回の決算でも通期の設備投資計画を約8%引き上げた。来期もさらに投資を積み増す計画。にもかかわらず、フリーキャッシュフローは着実に増加しており、財務基盤の強さが際立っている。10/29インフォ10/30日経10/30日経

9月末時点のクラウド受注残は1550億ドルに達した。これはKPIになるので、今後も決算ごとに推移を確認していく。

12/19インフォに、グーグル社内で利用可能な計算資源(半導体・サーバー)が依然として決定的に不足している状況が続いている、とあった。これだけ巨額の投資を行っていても需要を満たしきれていない点から、AI関連需要の大きさがわかる。

記事には、Google独自のAIチップ(TPU)の高性能化も進んでいる、ともあった。クラウド需要の強さと半導体性能の向上が相まって、今後の成長はさらに加速していきそうだと思った。


競争環境では、OpenAIとのチャットボット覇権争いが激化している。現時点では、使い勝手の面でChatGPTが優位と感じる場面が多いが、Geminiは急速に追い上げており、性能面では多くの項目でGeminiが上回ったとの評価も増えている(10/30インフォ11/19インフォ)。詳細は後述するが、今後半年以内に決着がつく可能性がある。

OpenAIは、ChatGPTを軸に「AI操作の基本ソフト(OS)」を構築する構想を描いている。iPhoneをデザインしたジョニー・アイブ氏がAI端末を設計すると報じられており、実現すれば高い競争力を持つプロダクトになりそう。端末と外部アプリを接続し、会話形式でUber、Amazon、Spotify、AirbnbなどをAIに依頼する利用体験が定着すれば、OpenAIは単なるAIモデル提供者から「スーパーアプリ運営会社」へと変貌する可能性がある。10/7インフォ10/7インフォ10/8日経

これに対し、グーグルはすでにPixelフォンをはじめとするスマートフォン、アプリストア、AI基盤を持っている。さらにPixelイヤホンやPixelウォッチなどのデバイスもGeminiと連動し、音声操作が可能となっている。OpenAIが構想する世界観は、グーグルでも十分に実現可能であり、ハード・ソフト・AIを統合した総合力ではGoogleに分があると思っている。10/9日経

11/6インフォに、「アップルはSiriの大幅刷新に向け、Geminiを採用する最終調整に入った」とあった。さらに、11/20YouTubeでは、ウェドブッシュ証券の名物アナリスト、ダニエル・アイブス氏が、「アップルはGeminiを採用すれば、アップルの株価に75ドルから100ドルの価値をもたらす」と予想している。これらを踏まえると、モバイル端末向けAI基本ソフト(OS)の覇権は、グーグルでほぼ確定したように見える。

OpenAIは10月、独自のウェブブラウザー「ChatGPT Atlas」の提供を一部地域で開始した。ChatGPTをサイドバーで併用できる設計で、ウェブ検索、ページ要約、質問応答などを分割画面で行えるという。10/22日経10/22インフォ

一方で、グーグルもすでにウェブブラウザーChromeとGeminiを統合しているので(実質的には併存)、「ChatGPT Atlas」に際だった優位性はなさそう。12/18インフォ


チャットアプリは個人的にはChatGPTが使いやすいとの印象があるが、Geminiの真価が発揮されるのは「研究」領域ではないかとみている。グーグルは2月に、科学研究支援システム「コサイエンティスト(Co-Scientist)」を発表した。これは、文献調査や実験手法の立案など、異なる特技を持つ7種類のAIで構成されており、科学者を支援するだけでなく、新たな研究テーマを自ら発案することも可能という。

開発を主導したグーグルのナタラジャン博士は、「2年後にはAIが世界トップレベルの学術誌に掲載される研究を生み出せるようになる」との見通しを示している。現時点ですでに、「10年かけた教授の研究を2日でクリアしてしまう」こともあるようなので(笑)、「AI科学者」の誕生はもっと早まるかもしれない。10/1日経

グーグルの研究者が2年連続でノーベル賞を受賞した。去年は物理学賞と化学賞のダブル受賞で、今年は量子コンピューター研究による物理学賞になる。グーグルは基礎科学研究機関としての存在感も高まっている。10/8日経10/8日経

量子コンピューター分野では、Googleの量子研究部門責任者が「5年以内に実用化され、創薬や材料開発などで活用できる」と主張している。量子コンピューターの演算速度は、現在のスーパーコンピューターの1万倍以上とも言われる。物理学者などからは「実用性がない」などの批判もあるようだが、仮に実用化が進めば、Googleの研究開発力は飛躍的に高まる可能性がある。10/23日経10/28日経


Google Cloudは、AIスタートアップの利用者を着実に取り込んでいる。その理由はAI開発に強みを持つクラウド・プラットフォームがあるため。Google Cloudの25年のAIスタートアップ向けのシェアは38%となり、ハイパースケーラーで最もシェアを伸ばしている。グーグルはクラウド事業においても「AI革命」の恩恵を最も受けられそう。

現在全クラウド領域でトップシェアを維持するAmazon Web Services(AWS)は、シェアこそ低下傾向にあるものの、「中立性」を武器に競争力を保っている。AWSは自社の大規模言語モデル(LLM)を中核に据えていないため、幅広い計算資源の利用、大規模なクレジットパッケージ(無料枠)、そして複数の外部モデルとの高い相互運用性を求めるチームを引き付けている。AIスタートアップの創業者は特定のクラウド事業者への依存を避ける傾向が強く、AIモデルの提供元も多様化していることから、AWSの中立性は今後さらに価値を増す可能性がある。

Microsoft Azureは、大企業向けを重視した戦略により、スタートアップでの利用拡大が相対的に進んでいない。Microsoftは法人向けサービスと、米OpenAIおよび米Anthropicとの提携を軸とする戦略を維持しており、これは大企業顧客には有効だが、AIスタートアップの裾野拡大には直結していない。シェアがやや低下している点は、スタートアップがより実践的なAIツールと開発環境を備えたエコシステムへ流れていることを示唆している。

以上を総合すると、AIスタートアップ向けではGoogle Cloudが最も有利なポジションにあるように見える。12/15日経

10/8日経ビジネスによると、グーグルが提供する「Kaggle(カグル)」は、世界190以上の国・地域から1,500万人超のAI開発者やデータサイエンティストが集う、世界最大級のコミュニティーだという。コンペティションへの参加は基本的に無料で、特別な条件もなく、プログラミング未経験者でも容易に登録できる点が魅力とされている。グーグルはこのような場を通じてもアイデアや人材を吸収していることがわかった。グーグルのAI研究開発体制は他社と比べて一段抜きん出ているように見える。


グーグルはノーコードでエージェント開発が可能になる「ジェミニ・エンタープライズ」を発表した。実質的には既存製品のリブランディングのようだが、非技術者でも扱いやすい設計であるため、企業内での利用拡大が進む可能性が高い。10/9インフォ10/9インフォ


グーグルがアドビとAI分野における提携を拡大した。アドビのユーザーはグーグルの画像編集AI「Nano Banana」や、テキストから動画生成できる「Veo 3」を、PhotoshopやPremiereなどの主要アプリで利用できるようになるという。この提携は、グーグルにとってクリエイティブ市場への進出を加速させる重要な一手となる。10/29インフォ

11/7インフォによると、グーグルが巨額の資金を投じて再雇用した“天才AI研究者”が、社内の雰囲気を攪乱しているという。問題の研究者、ノアム・シャジール氏はTransformer論文の共同著者であり、現代AIの礎を築いた人物の一人だが、その発言は「危険AI並みに制御不能」とも評されている(笑)。

グーグルは現在、この天才研究者を守るべきか、それとも組織としての社内文化を守るべきかという、難しい選択に直面しているもよう。もっとも、シャジール氏を放出すれば競合他社に追いつかれるリスクが高まるので、多少の摩擦を許容しつつ、雇用を継続する以外に選択肢はなさそう。

12/16インフォによると、アルファベット傘下の自動運転車開発企業ウェイモは、最大で100億ドル超の資金調達について投資家と協議を開始したという。調達資金は、米国内および海外での自動運転サービスの急速な拡大に充てられる予定で、事業はいよいよ本格的な普及フェーズに入りつつあるように見える。

一方で、12/2日経では、中国製ロボタクシーの製造コストは、ウェイモのロボタクシーの3分の1にとどまる、とある。量産面では中国勢に明確な優位性があり、純粋なコスト競争になれば厳しい戦いになりそう。

とはいえ、セキュリティや規制の観点から、中国企業の自動運転車両が西側諸国で広くサービスを展開できる可能性は低い。また、ウェイモ自身も量産フェーズに移行すればコスト低下が進む余地は大きい。さらには、ウェイモの真の競争力はハードウェアではなくソフトウェアにある。これらを踏まえると、現時点では中国勢のコスト優位は、致命的なリスクにはなりにくいと考えている。

ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、7~9月の間にアルファベット株を6600億円分取得し、アップル株を追加売却をしていたことがわかった(11/15日経)。前回このブログでは、アルファベットを新規買いし、アップルについてはやや批判的な内容を書いている。投資判断がバフェットさんと被っているように見える。

もっとも、今回の判断をバフェットさんが下したかどうかは定かではない。ただ、同氏は以前アップルのブランド力を高く評価しており、株主総会では「(アルファベットに)投資する機会はあったのに逃してしまった」とも語っていたようなので(11/20日経)、バフェットさんの判断だった可能性も少なからずある。

これはつまりどういうことかというと、自分の感性がバフェットさんと非常に近い可能性があるということ(笑)。ただし、残念ながら投資パフォーマンスは圧倒的に劣後しているので、その差を少しでも縮められるようがんばっていきたい。

11/17インフォに「Googleが持っててOpenAIにはないもの。今、投資家がようやく気づき始めている――GoogleOpenAIが目指すものを“すでに全部持っている”」とあった。記事では、グーグルがすでに持っていて、OpenAIにないものとして次の点が挙げられていた。

1. 研究力 × LLM
2. AI専用チップ(TPU
3. Google Cloud
4. 巨大な既存プロダクトへのAI統合 (検索、ChromeGmailAndroid)
5. デバイス(スマホ、イヤホン、ウォッチ、スマートグラス)
6. ビジネス基盤とキャッシュ創出力(グーグルは継続的に利益を生んでいる)

これはつまり、「OpenAIが“いつか実現したい未来”は、Googleが“すでに持っている現在”である」という構図。この視点から、グーグルはAI時代の「本命」として再評価が始まっているという。読み通り、やはりグーグルが本命なのかもしれない。

11/20日経では「アルファベットは「M7」で唯一の勝ち組」とある。見極めのカギはキャッシュフロー(CF)とバランスシートの循環であり、財務体質の強さが際立っているという。アルファベットのCFOは「長期投資については、企業の持続的な成長と顧客需要の両方を満たすため、厳格な評価基準を設けている」と語っており、この点には一定の安心感がある。

グーグル賛辞の極めつけは12/1バロンズの記事。「大手ハイテク企業の中で最高のAI株の探究はやめるべきだ。アルファベットが明らかな勝者であり、株価の上昇は続く可能性がある」とある(笑)。ここまで楽観がすぎると、さすがに少し警戒したくなる。今後は過度な期待が剥落し、一度調整局面を迎えることもあるかもしれない。


グーグルがスペースXに投資していたことがわかった。投資後に企業価値は約80倍に膨らんでおり、巨額の含み益をもたらす可能性があるという。12/16日経には「グーグルがスペースXのIPOを魅力的な出口ととらえて売却を選ぶ場合は、AIや関連分野への投資資金の拡大につながると市場は受け止める」とある。しかし、ピチャイCEOは、AIデータセンターを宇宙に建設する時代が10年以内に「新たな常識」になるとの見解を示しているので(12/1Fortune)、売却する可能性は低そう。


グーグルの株価は上昇トレンドに乗っている。ただし、グーグルの株価が上がれば上がるほど、人間の失業が増えるのではないかという懸念もある。米マッキンゼーは、30年までにAIが世界で最大8億人の雇用を奪うと予測している(12/11日経)。大量の失業が現実となれば、人間の存在意義そのものに疑問符がつく可能性が高い。

その引き金になり得る企業の株式を買うのもどうかと思うが、企業は利潤を追求する存在であり、国家間のAI開発競争も熾烈を極めている以上、AIの開発と活用が止まることはなさそう。加えて、株式投資では株価が上がるものを買う必要がある。それならば、AIの倫理や哲学について最も深く考えていそうな企業であるグーグルの株を選ぶのが、現時点では一番マシなような気がする。

なお、予測を出したマッキンゼー自身でも、すでにリストラが始まっているもよう(12/17日経)。同社はすでに22000ものAIエージェントを活用しているという。11/18インフォ


12月、欧州委員会はグーグルに対し、独占禁止法違反の疑いで調査に入った。焦点となっているのはAI検索サービスで、報道機関やYouTubeなどのクリエーターのコンテンツを、十分な保証や対価なしにAIの性能向上に利用している可能性が指摘されている。これはややこしい問題になりそう。

報道機関などがコンテンツに対する正当な対価を得られなくなれば、制作体制が弱体化し、コンテンツの質は低下する。一方で、規制を強めすぎれば、コンテンツへのアクセスが制限され、検索精度が落ちる。その結果、収益が低下し、やはりコンテンツの質が損なわれる可能性がある。こう考えると、グーグルが一定の保証金や対価を支払う形で折り合いをつけるのが、現実的な落としどころではないかと思う。

今回、もう一つ気になった点がある。それは、OpenAIなど他のAI新興企業が、同程度には問題視されていないこと。その背景には、グーグルの圧倒的な市場シェアがありそう。“断トツトップ”は規制当局のターゲットになりやすいので、グーグルはAIの力を全面的に開放するのではなく、やや抑制気味にしたほうがよいのかもしれない。12/10日経12/10日経


12/7日経によると、世界市場において中国の「オープン型」AIモデルが、米国のAIモデルのシェアを追い抜いたという。オープン型モデルは、開発者が自由にダウンロード・改変し、自社システムに組み込める点が特徴で、米国内でも普及が加速している。

その理由は、実用に耐える十分な性能と、圧倒的な価格競争力にある。米PinterestのCEOは「大手企業のAIを使う場合と比べ、オープンソースモデルを活用することでAI関連コストを90%削減できた。米大手テック企業のクローズドモデルと比べても、性能とコストのバランスが非常に優れている」と言っている。さらに、他のCEOとの会話でも「高額な専用AIソフトでは投資回収が見合わない」という不満が多く、企業がオープンソースAIの方が効率的だと気づき始めているという。12/10インフォ

カスタムAIシステム開発企業のParsedも、「企業は汎用モデルではなく、特定用途に最適化されたオープンソースモデルを選ぶようになる」と主張している。その理由として、「コストの安さ」と「用途次第では汎用モデル以上の性能を発揮できる点」を挙げている。12/10インフォ

「医師版ChatGPT」を提供するOpenEvidenceは、創業わずか3年で年換算売上1億ドル超、評価額100億ドル超まで急成長しているAIアプリ企業になる。そんな同社は、オープンソースAIモデルを基盤としつつ、GoogleやOpenAIのAIも組み合わせることで、要約精度や検索精度を高めているという。12/12インフォ

12/11インフォには「2026年は「格安AIの年」になる可能性」とある。オープンソースAIモデルが「十分に強く、しかも激安」になり、DeepSeekやAlibabaのQwenなどを活用すれば、最先端の専有モデルと同等の性能を、10%未満のコストで実現できるという。

この流れでいくと、クローズドモデルのGeminiは不利な立場になる。この点は今後の競争環境を左右する重要な要素になるので、注意して見ていきたい。


12/22インフォでは、「データセンターの遅延が2026年の重要テーマになる」と指摘されている。
主な遅延要因として挙げられているのは、次の3点。

・電力会社からの電力供給の遅れ
・建設現場における人手不足
・政治的要因や地域住民との調整問題

エヌビディアのファンCEOも、「AIブーム最大の制約は電力」と語っている。

2026年は、真にデータセンターを運営できる企業と、そうでない企業の明暗が分かれる年になりそう。アルファベットは12月に電力確保を強化するため、クリーンエネルギー開発企業Intersect Powerを買収しているので、大丈夫そうに見える。12/22インフォ


今後3年の業績予想は、売上・利益ともに年+10~20%。現在の適正PERは25~35倍(株価262~368ドル)くらいになりそう。


AI分野ではバブル懸念が消えないが、今後2、3年は旺盛な投資需要で市場は拡大し、その後はAI実装と収益化が進むことで、さらに一段の市場拡大につながるのではないかと思う。

AI関連企業の経営陣のコメントをAIに解析させ、「心理スコア」を算出した分析では、87%の企業が「先行きに楽観的」という結果が出ている。さらに、経営陣の強気な発言に実績が伴っている企業では、心理スコアと株価の間に一定の連動性も確認されたという。テック大手の中では、アルファベットがその代表例とされている。足元のアルファベットの「楽観指数」は高い。今後の躍進に期待したい。12/25日経


■新日本科学
基本シナリオ:世界有数のCRO(医薬品開発業務受託機関)に

新日本科学はCRO事業が好調で、最近は欧米顧客からの引き合いが増えている。
直近4年間は積極的な投資を続けてきたため減益基調となっているが、投資フェーズも終盤に差しかかっており、今後は投資回収局面に入りそう。
新形態の片頭痛薬も近く米国で上市予定であり、円安が進行している点も追い風となる。

ただし、この新形態薬は片頭痛薬の中では比較的「レトロ」な部類に入り(11/29日経)、市場規模はそれほど大きくなさそう。それでも今回の上市を通じて一定の評価を得られれば、新日本科学が強みとする「経鼻粉末剤」技術は、他の薬剤への応用余地も大きいため、技術プラットフォームとしての価値が高まる可能性がある。

アジア圏でCRO事業の競争激化が進んでいる点は気になるが、臨床試験では価格よりも試験の精度や信頼性が重視される。その点で実績を積み上げてきた新日本科学は、過度な価格競争に巻き込まれにくい立ち位置にあるのではないかと思う。

中長期的なリスクとして注視すべきなのは、2022年頃にFDAが発表した「医薬品開発における動物実験の段階的廃止方針」。今後は動物実験に代わり、ヒトの培養細胞やAIシミュレーションなどへの移行が進められる見通し。新日本科学もヒト培養細胞を用いた試験を開始しているが、仮に動物実験が本格的に廃止されれば、事業への影響は甚大になり得る。

現時点では、動物実験を完全に代替できる技術は存在しないものの、このテーマは長期的に新日本科学の競争力を左右する可能性がある。引き続き慎重にフォローしていきたい。


■サイバーエージェント
基本シナリオ:AI・ロボット時代の余暇産業の勝者に

本決算では、前期業績は絶好調だったが、今期の利益予想は前期比で-30~-16%の減益見通し。主な要因は、前期にヒットしたゲームタイトルのピークアウトと、AI関連の新規事業への投資拡大になる。

懸念材料である広告事業については、「検索から生成AIへ」というユーザー行動の変化を踏まえ、新たな広告ビジネスの構築を目指しているという。とはいえ、広告運用の多くはすでにAIによる自動化が進んでおり、構造的に利益率は低下しやすい。広告事業がかつてのような高収益モデルに戻る可能性は高くなさそう。

今期はゲーム事業の反動減がありそうだが、第4四半期では海外売上が急拡大している。もしこの勢いが続けば、想定ほど利益は落ち込まない可能性もある。また、アプリの外部決済が可能になった点も、一定の追い風になりそう。

もっとも、外部決済についてアプリ事業者の間では「実質的に外部誘導の導入は難しい」との声も多い。外部決済では、アップルやグーグル以外の決済代行手数料に加え、決済サイトの運営コストなどが発生する。これらが合算されることで、アップルに支払う15%(グーグルは20%)に上乗せされ、結果的に従来の決済手数料26%を上回るケースもあるという。12/23日経

人材面では、サイバーエージェントの初任給は42万円と高水準であり(12/22日経)、今年も優秀な新卒が多数入社していそう。同社は人材を伸ばす仕組みに強みがあるので、今後も力強く成長していけるのではないかと思う。

新社長の内山氏は、11/15日経を読む限り、環境変化への感度が高く、柔軟性がありそうな人なので、会社をうまく伸ばしていけそう。


■米ベライゾン
基本シナリオ:シュルマン氏の経営改革で株価2倍(80ドル)

10月、ベライゾンは突然CEOの交代を発表した。配当の権利落ち日の直前というタイミングだったので、株価下落を避けようとする意図が透けて見え、イヤな印象を受けた。発表当日、株価は今年最大の出来高をつけ、5%下落した。

しかし、新CEOに就任したシュルマン氏の経歴を調べると、見方は変わった。
同氏はAT&Tでキャリアをスタートさせた後、ベライゾン・ワイヤレス USAの創設CEOとして事業を牽引。その後、ブッキング・ホールディングスの役職を経て、2015~2023年にはPayPalのCEOを務め、売上高を3倍超、EPSを5倍に拡大させている。2018年以降はベライゾンの社外取締役として関与し、2024年12月にはLead Independent Director(独立取締役トップ)に就任している。

2025年前半にかけてベライゾンの事業停滞感が強まっていたことを踏まえると、今回のCEO交代は必ずしも悪い流れには見えない。10/7ブルームバーグ10/7インフォ

以下、シュルマン氏がPayPalで行った改革を整理し、それをベライゾンに当てはめた場合の展開を予測してみた。

1.固定費の圧縮 + 資金の成長領域への再配分

PayPalでは非中核事業からの撤退、コスト削減を進め、余剰資金を成長領域へ集中投下。組織をスリム化し、意思決定を高速化した。

→ベライゾンへの応用
すでに
・約1.5万人(15%)の人員削減
・設備投資の効率化
を発表しており、PayPal時代と同様、「固定費を削り、戦略投資に回せる余力を最大化する」方向に進む可能性が高い。11/14日経

2.顧客維持(チャーン低減)に異常にこだわる

PayPalでは「顧客獲得より維持の方が10倍効率的」という思想を徹底。
解約率・利用頻度・苦情データをリアルタイムで分析し、AIを使って“不満の兆候”を事前に検知。UI改善を積み重ね、CEO自身が顧客満足度スコアをKPIに据えた。

→ベライゾンへの応用
通信キャリア最大の課題はチャーン(解約)。シュルマン氏就任後の内部メモで「顧客を幸せにすることが、最も金になる」と明言している。

想定される施策は
・解約予兆AIの本格導入
・料金プランの簡素化
・待ち時間、サポート、回線トラブルなどストレスポイントの重点改善
・顧客ロイヤルティKPIの経営中枢への組み込み

PayPalと同じ、顧客体験を軸にした改革が進む可能性が高い。

3.アプリ強化・UX再設計

シュルマン氏は「アプリUIを毎週改善する」レベルでUXにこだわる経営者。
PayPalでは操作フローを大幅に削減し、利用頻度を飛躍的に伸ばした。

→ベライゾンでも起こりそうなこと
・My Verizonアプリの全面刷新
・契約変更、料金確認、サポートをスマホ完結
・操作数を極限まで減らした解約防止設計

ペイパルでの成功パターンをそのまま通信キャリアに移植する可能性が高い。

4.決済・金融の知見 → ベライゾン金融化

PayPal時代にBNPL(後払い)、個人融資、クレジット強化を主導。

→ ベライゾンで考えられる新領域
・スマホ分割払いの金融商品化
・通信+端末+保険のパッケージ化
・Verizon版後払いサービス
・セキュリティ/ID認証統合サービス

通信と金融は相性がよく、AT&Tや日本のauKDDI)もこの分野で成果を上げている。

5.組織文化改革(ペイパル戦える集団に変えた)

シュルマン氏はハードワークと実行力で知られ、組織改革にも踏み込むタイプ。PayPalでは透明性の高い経営、成果重視の評価、スピード感ある意思決定を徹底した。

→ベライゾン版改革
就任直後の社員向けメモでは
“We will be scrappier.”(もっと戦う組織になる)
と宣言しており、硬直した大企業文化にメスを入れる可能性が高い。

ただし、シュルマン氏は利益を5倍に伸ばした一方、株価は在任期間全体で約2倍にとどまっている。理由としては

1.コロナ禍バブルの反動
2.Apple Payへのシェア流出
3.BNPL競争での劣勢
4.新規事業・投資の不振
が挙げられる。

以上のことからわかるのは、
シュルマン氏の弱みは
・グローバル覇権を狙う大型新規事業

強みは
・コスト削減・効率化・UX改善に強い。合理化・最適化に強い。

今回ベライゾンがシュルマン氏を選んだ理由は、ペイパルの「失敗」ではなく「成功」の部分。以下の点は、ベライゾンの弱点とほぼ完全に一致している。

・解約率の低減
・コスト最適化
・ユーザー体験の改善
・スピード重視文化への変革
・収益性向上
・デジタルプラットフォーム最適化

シュルマン氏は「成長しない環境でも利益を最大化する」実務家であり、現在のベライゾンとは相性が良い。

前回のブログでは、ベライゾンについて「驚くほど退屈」と評しているが、CEO交代によって一気におもしろくなってきた。一人の経営者が巨大企業をどこまで変えられるのか。戦略が順調に進めば、2027年頃に株価80ドル(現在の約2倍)くらいになっているのではないかと思う。


■米アマゾン
基本シナリオ:EC・物流・ロボット分野で圧倒的な地位を維持しつつ、メディア・クラウド・AIでもトップ集団に残る

アマゾン倉庫では、ロボット台数が近く人員数を上回る見通しとされる。同社はすでに「人員を増やさずに売上を伸ばす」経営フェーズに入っており、世界の従業員数は2021年末の161万人から2024年末には156万人へ減少している。一方、北米売上(クラウド事業を除く)は2770億ドルから3880億ドルへと大幅に増加している。

アマゾンは倉庫内の仕分け・梱包・搬送の自動化に向け、ロボット技術への投資を継続しており、将来的には人型ロボットによる配送も検討されているとされる。クラウド事業のように自社で培った技術を外部に展開していく可能性も考えられる。アマゾンはEC企業にとどまらず、先進的なロボット企業としての成長シナリオも描ける。10/22インフォ

AWSは、グーグルクラウドとのクラウド間直接接続サービスを開始した。今後はマイクロソフトのクラウドとの接続も予定されているという。背景には、AI分野でAWSが相対的に劣勢に立ち、顧客がデータを他クラウドへ移行し始めている現状がある。この「クラウド間接続」により、AWSからの顧客離脱を防ぐ狙いがあると見られる。

AWSの構造的な弱点は、自社の強力な独自AIモデルを持っていない点にある。この点が、中長期の成長シナリオをやや不透明にしている。12/3日経12/4インフォ12/1インフォ12/2インフォ

とはいえ、従来型のクラウド需要は引き続き強く、業況は堅調。AIツール(AIエージェントを含む)の構築基盤である「AWS Bedrock」も好調で、処理能力が追いつかないほどの需要があるという。契約残高は約2,000億ドルと、前年同期比28%増に達している。12/1インフォ10/31日経 11/2インフォ

アマゾンクラウドの強みは、エヌビディア製GPUに依存せず、自社製AI半導体「トレーニアム」を含め、AMD・インテル製を併用するマルチ半導体戦略を採っている点にある。
用途やワークロードによって最適な半導体・モデルは異なる。自律的に動くAIエージェントの時代には、顧客ごとに最適なAIを選択できる柔軟性が重要になる。

AIモデルそのものは今後、コモディティー(汎用品)化が進む可能性が高い。アマゾンは、顧客が自由に選択できる幅広いモデルと開発ツールを提供する立場を取っている。

アマゾンでは2017年から独自AI半導体を開発しており、現在データセンターに新規導入するAI半導体の半分以上が自社設計品になる。コスト競争力にも強みがある。11/17日経


■SBIホールディングス
基本シナリオ:「どんどん巨大化する」「ネットは勝者総取りや」By 北尾CEO(参照

2Q決算も好調で、全セグメントが順調に成長している。
今後は日本株式トークンのプラットフォームを担う存在へと進化していくことを期待したい。11/19日経9/30インフォ


「中間報告書 SBI VISION 2025」が届いたので、要点を簡単にまとめておく。
SBIが現在、特に力を入れているのは次の2点。

1.企業生態系の「融合」
「バラバラだった事業を“つなげて”、収益力を一段引き上げる」

・銀行 × 証券の本格連携
SBI証券とSBI新生銀行を一体で使わせる仕組みを強化し、顧客の囲い込みとLTV向上を狙う。

・デジタルアセット × 金融の融合
暗号資産・ブロックチェーンを投機対象ではなく「金融インフラ」として活用する。
ステーブルコインやトークンなど、次世代の金融インフラを先回りして押さえる。

・金融 × メディア
メディア・IP(音楽、アニメ、Web3メディア等)をグループ化し、「コンテンツ → ファン → 投資・金融」までを一気通貫させる。


2.アライアンス戦略の進化
「自前主義ではなく、提携によって一気にスケールさせる」

SMBC・NTT・KDDIなどと提携し、SBIの金融サービスを、他社の顧客基盤に“載せる”

・FPaaS(金融をAPIで提供)
SBIの金融機能を他社に丸ごと提供。電力会社など異業種とも連携開始。

・資産運用の高度化
KKR、Man Groupなど世界的運用会社と提携し、これまで一部富裕層向けだったオルタナティブ投資を一般投資家に販売する。

・地方創生との連動
地域銀行との資本・業務提携を拡大。
次世代勘定系システムによるコスト削減と収益改善に加え、メディアやイベントも活用し、地域経済を巻き込む。

まとめ
SBIが目指しているのは、
「金融・デジタル・メディアをすべてつなげ、自社と提携先を包含する“経済圏”を構築すること」

この構想の詳細は8月に出版された北尾CEOの著書『金融とメディア、ITが融合する日』に描かれていそう。もしこの構想が実現すれば、SBIホールディングスは国内随一の金融グループになる可能性が高い。

中間報告書を読んで、思っている以上にSBIは巨大化しそうだと思った。


■エムスリー
基本シナリオ:医療DXの勝者に

2Q決算後にストップ高になったものの、その後、株価は再び元の水準に戻ってしまった。株価が下がった理由ははっきりしない。グロース株全体の調整局面だったのか、あるいはAIの進展が同社にとって逆風になるとの見方が出たのか、他の理由か、現時点ではよくわからない。ただし、長期的な見通しは今のところ悪くなさそうなので、ホールドを続ける予定。

一方で、無視できない変化もある。
AIの進化により、医師という職業そのものが減少する可能性が出てきた。
12/15日経によれば
「AIは医師に比べ、難しい病気の診断を約4倍高い精度で行える」
「費用を抑えた治療提案も可能」
「AI単独の診断スコアは、AIを活用した医師をも上回った」(笑)
という。

こうなると人間の医師の役割は減少していきそう。もちろん、共感力や微妙なニュアンスを読み取る力では、現時点では人間に分があるため、医師という職業が完全になくなることは考えにくい。しかし、基本的な診断や標準的な処置の多くは、今後AIやロボットに置き換わっていくのではないかと思う。

エムスリーの主力事業の一つは、医師向けのマーケティング事業になる。仮に医師数が減少すれば、この事業の成長にブレーキがかかるのは避けられない。医療DXの進展が追い風になる一方で、AIの進化が事業構造そのものを揺さぶるリスクもありそう。この点は注意して見ていきたい。


■前田工繊
基本シナリオ:土木資材系のM&Aでインフラ需要を着実に取り込む

1Q決算は上振れ気味で、通期計画に対する進捗率は高い。今年も上方修正が入りそう。
しかし株価があまり上がらない。成長率が低いからだろうか。


■大和 iFreeNEXT FANG+インデックス
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

アップル株は失墜すると予想していたが、株価は過去最高値を更新している。ただし、今回の上昇は業績拡大による寄与はごくわずかで、大半はPERの上昇によるものと考えられる。

フォーブス12/20には「アップル株、2026年に40%下落する可能性」との記事があり、その根拠として、売上高がほぼ横ばいであること、AIの開発・実装が遅れていること、新製品が期待を下回っていること、そして資本配分が研究開発や設備投資よりも自社株買いに偏っている点が挙げられている。この見方には一定の妥当性がある。実際、2025年のアップルの投資額は、グーグルやマイクロソフト、アマゾン、メタと比べて半分以下にとどまっており、ここから急激な成長を期待するのは難しい。

一方で、12/30インフォに別の見方が示されている。アップルは「LLMはいずれコモディティ化する」と考え、自前モデルへの巨額投資を避けつつ、Google Geminiなど外部AIを活用し、製品への統合を重視する戦略を取っているという。そして2026年は、AIへの投資額の多さではなく、AIをいかに効果的に製品へ組み込めたかが評価を左右する年になる可能性があり、その点でアップルは有力な候補とされている。

この見方にも一理あり、確かに2026年は「AI活用の年」になりそうだが、アップルに残された成長余地は大きくないように見える。


メタについては、やや怪しい雰囲気が出てきた。AI分野で出遅れているため、資金力にものを言わせてAI人材を急ごしらえで集めているが、その即席チームがうまく機能するかは不明。
データセンターなどAI関連投資が急増し、営業利益率は悪化、フリーキャッシュフローは3分の1にまで減少している。しかも、グーグルやマイクロソフトのようにデータセンターを外販しているわけではないので、短期的には利益を圧迫する構造。AI開発が順調に進まなければ、これらの設備は一転して重い負債になりかねない。投資回収リスクにより株価は停滞気味。10/29インフォ10/31日経

とはいえ、AIで負ければ、主力のSNS事業でも負ける可能性が高まるため、方向性としては間違っていないようにも見える。

それ以上に気になるのは、11/6インフォ11/7日経で報じられた「メタは詐欺広告と認識しながら、収益を優先して完全にはブロックしていなかった」という件。この自社利益を優先する姿勢は、未成年者へのSNS利用規制の流れとも無関係ではなさそう。過去のケンブリッジ・アナリティカ問題も含め、メタの倫理観には問題がありそう。このような倫理観はAI開発においても不安材料になる。


これまで、この投信は「基準を外れればFANG銘柄でも除外される」と思っていたが、11/7日経によると、「アップルやネットフリックスなど6社は原則固定、残り4社は流動性や成長率を基準に入れ替える」というルールらしい。この仕組みだと、この「固定される6社」は、将来性が低下しても組み入れが維持される可能性が高い。そうなると、この投信のパフォーマンスは伸び悩む可能性がある。


構成銘柄の一つであるサービスナウの株価下落が続いている。同社は企業内の「申請」「承認」「問い合わせ」「トラブル対応」といった業務フローを一元管理・自動化するクラウドプラットフォームを提供している。AIとの相性は良く、AI関連企業の買収を進めており(12/2インフォ12/23インフォ)、AIエージェントの高精度化・高セキュリティ化に取り組んでいる。

ただし、こうした業務フローの合理化システムは生成AIによって比較的容易に模倣できるようになりつつある。既存の大企業がすぐにサービスナウを捨てるとは考えにくいが、新規導入を検討する企業にとっては、コスト的に第一選択肢にならない可能性が高い。株価下落は、将来の新規顧客獲得鈍化を織り込み始めている影響かもしれない。10/2インフォ


ネットフリックスは、827億ドル(約13兆円)を投じてWarner Bros. Discoveryの映画スタジオとHBO Maxを買収するとの報道があった。しかし、12/5インフォでは、この買収は金額面でも戦略面でも誤りで、最終的に成立しない可能性が高いという。理由としては、

1.価格が高すぎる
2.独禁法で止められる
3.Netflixにとって戦略的メリットが薄い
4.「取られるくらいなら買う」防衛的な買収
5.     財務負担が大きく、数年間はコスト削減モードに入り機動力を失う
などが挙げられている。

買収が失敗した場合でも約9000億円の違約金を支払う契約とされており、ネットフリックスの本気度は高いが、結果的にはいろいろな意味で失敗に終わりそう。


■フィルカンパニー
基本シナリオ:特殊駐車場開発で市場開拓



■iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブ ETF
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

AIブームのバロメーターとして見ている。9月に運用開始で、その後横ばい状態が続いている。



■米マイクロソフト
基本シナリオ:最強のAIエージェント・プラットフォームに

1Q決算は好調で、業績・投資・財務のいずれにも大きな問題はなさそう。10/29インフォ10/30日経

ただし、生成AIの「王者」ChatGPTが、「Gemini3」登場以降、やや劣勢に立たされ始めた。マイクロソフトのCopilotはChatGPTがベースになっているため、ここが負けると大ダメージを受ける可能性がある。

マイクロソフトがここ数年、OpenAIへの追加出資を控えていた点を考慮すると、OpenAIの失速をある程度予期していた可能性がある。ナデラCEOは危機を感じたためか、経営業務の一部を部下に移譲し、自身はAI事業に集中する体制へとシフトしている。10/1インフォ

12/22インフォによれば、ナデラ氏は社内メールやTeams上でCopilotの完成度に強い不満を示し、「Geminiと比べて賢くない」などの発言をしているという。やはりAIモデルの性能差に危機を感じているように見える。

とはいえ、AIエージェントのプラットフォーム事業という観点では、マイクロソフトは依然として有利な立場にある。現在、企業向けソフトウェアの世界ではAIエージェントを巡る大混戦が始まっており、「史上最大級のソフトウェア市場の再編」が進行中。そこでは「どのエージェントを使うか」ではなく、「どう管理するか」が最大テーマになりつつある。

企業がAIエージェントを選ぶ際の最大の判断基軸は「データがどこにあるか」になる。世界の大企業の約9割がMicrosoft 365を利用しており、結果として、「Copilot Studio+Teams」「Agent 365」といったマイクロソフトのAIエージェント・プラットフォームが選ばれる可能性が高い。すでに外部の開発企業も、Copilot上でエージェント開発を始めている。11/12インフォ11/18インフォ

ただし、ここでもAIモデル性能の劣後は問題になる。基礎モデルの性能がすぐれないと、優秀なAIエージェントは生まれにくいため。マイクロソフトの”基本シナリオ”にはやや不透明感が出始めた。

なお、現時点で“エージェント管理ツール”の主な競合はアマゾンとセールスフォースになる。11/13インフォ

(サービスナウの株価が下落しているのは、ここらへんが主因かもしれない。)

現時点では企業におけるAIエージェント導入は想定ほど進んでいない。マイクロソフト自身も、AIエージェント関連の売上見通しを下方修正している。12/3インフォ

普及が遅れている最大の理由は、生成AIの挙動が依然として「気まぐれ」なことになりそう。AIは同じ質問でも毎回微妙に異なる回答を返す。この特性は創造性という意味では強みになるが、定型業務とは相性が悪い。出力のばらつきや業務適用の調整に手間がかかり、導入が難航しているのではないかと思う。12/19インフォ


10/28日経によると、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、マイクロソフトが顧客を高額な有料プランへ不当に誘導したとして提訴した。同社は2024年10月からOffice 365の有料会員に対し、Copilot利用を含む形での値上げを通知し、受け入れなければ契約解約が必要だと説明していた。しかし実際には、Copilotを含まない従来サービスを同価格で継続できる「第三の選択肢」が存在し、それは解約手続きを始めた後に初めて表示される設計だったという(笑)。

マイクロソフトは、たまにこういうあこぎな商売をする。すでに十分な利益を上げているにもかかわらず、なぜブランド価値を毀損しかねない行動をするのか、正直よくわからない。



■NTT
基本シナリオ:NTTデータを軸に成長。長期ではIOWN(光半導体)に期待

12/30日経で、NTT社長が次のように語っていた。

「従来のコンピューターの電子回路は、AIの処理に使うと電力がかさんで大量の熱を出す問題がある。当社は次世代通信基盤『IOWN(アイオン)』の新製品として、省電力の光技術を使う『光電融合デバイス』を26年度から順次発売する。圧倒的に低い消費電力で低発熱のデータセンターを実現したい」

IOWNはまだ研究段階で、実用化は数年先という印象を持っていたが、すでに一部では製品化にこぎ着けているらしい。現在のデータセンターは電力制約が最大のボトルネックになっており、仮にこの製品が「圧倒的な省エネ性能」を実現できれば、NTTに対する市場評価が大きく変わる可能性がある。

『光電融合デバイス』を検索したら、「TSMCに勝てる、光技術の「隠し玉」 NTT副社長明かす」(2/3日経)という記事が出てきた。記事によれば、光電融合デバイスが現在と比べて100倍のエネルギー効率を実現するのはまだしばらく先になりそうだが、今後の計画は比較的クリアで、光半導体の中核となる特許を多数押さえているようなので、見通しは悪くない。今年はこの『光電融合デバイス』に注目していきたい。



■今後の計画
投資スタンスは 「基本静観、チャンスが来たら動く」 のまま。市場が荒れて米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが70以下になったら株式などを買っていく。PBR、投資家心理指数、裁定売買残高なども考慮する。1ドル135円くらいになったら海外株を買っていく。

ただし、AIは「人類史上最大の革命」とも言われるので、AI関連株についてはドルコスト平均法で着実に積み上げていく。AIは暴走すると人類を滅亡させるリスクもあるので、その点に理解のある会社を選んでいく。

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