日本でフリマ事業を展開するメルカリはアメリカでも同事業を展開しようとしているが、アメリカではすでにeBayという洗練されたプラットフォーマーが市場を独占しているので、成功する可能性はほとんどない。
メルカリが日本で成功したのは、ひとえにヤフーの体たらくが招いたものにすぎないように思う。メルカリが登場する前のヤフオクのシステムはとにかく煩雑で、住所や送料などの基本情報さえもいちいち入力し、やりとりしなければならなかった。一度ヤフオクとeBayでほぼ同時期に落札したことがあったが、米国で落札したeBayのほうが先に届いたこともあった。もしヤフーがeBayを手本にしてシステムを改善したり、フリマ事業をはじめていたりしたら、メルカリの参入余地はなかったように思う。
メルカリは日本の成功体験に味をしめ、海外に進出することになったわけだが、上記のように事情が大きく異なるので同じようにいく可能性はほとんどない。経営陣はとっくにここらへんのことに気づいているはずだが、すでに”ゴール“を達成しているようなので撤退が遅れる可能性がある。
やや話はそれるが、メルカリには上場ゴールのような節があった。メルカリは上場時に行使できるストックオプションが全株式の10%以上あり、6月の上場時には6月締めの決算にもかかわらず伸び率の高い売上予想だけ開示して、赤字のEPSは非開示にしている。これは資金調達のみならずストックオプションを売り抜けるために株価をつりあげようとしているように見える。メルカリは口では長期目線の経営をするといっているが、この行動を見る限り極めて短期目線にみえる。少なくとも公正さには欠ける。このようなスタンスではアメリカはもとより長期的に成長していくのも難しいように思う。
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