2021年10月1日金曜日

持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■ジモティー
基本シナリオ:最強の地元取引プラットフォームに
9月に「ジモティーカー」という子会社を設立した。これはおそらく個人間の車売買をサポートする会社になる。個人間で車売買をする場合、手続きがややこしいという課題があるので、それを解決するのが目的になるのではないかと思う。

車の個人間売買の潜在市場は大きそうであり、また「ジモティー」では9月から15万円以上の高額取引はすべてエスクロー決済が義務づけられたので、この事業が軌道に乗れば業績が急拡大しそう。

8月にジモティーのエスクロー決済を使って出品してみた。すると交渉前にいきなり決済されてしまった。もしその後の交渉で都合が折り合わなかった場合はどうするのかと思った。システムにはまだまだ穴がありそうだと思った。

US版メルカリが米ウーバーと連携し、全米で「メルカリローカル」を始めた(7/21日経)。ウーバーが日本でもサービスを始めればメルカリは日本でも同じことをすると思うので、これはジモティーの脅威になるかもしれない。

ただメルカリは対面取引の「メルカリアッテ」を2018年にやめているので、「メルカリローカル」はネットだけで取引が完結する仕組みになりそう。対面取引主体のジモティーとは競合しないかもしれない。それにウーバーが日本でサービスを始めたらジモティーもそれと連携すると思うので、その意味でもメルカリがそれほど脅威にはならないのではないかと思う。

ジモティーは7月に自治体と地域住民をマッチングさせるシステム「LOCONET」β版の提供を開始した。このシステムは自治体の仕事を地元民に紹介するシムテムらしいが、いずれは地域情報の窓口のような存在に発展していく可能性もある。米ネクストドアのような存在に進化することも少し期待したい。

*ネクストドアとは2011年に米国で創業した会社。地域コミュニティーの会員同士の交流サイトを運営している。地元のイベントや小売店、レストランなどの情報の共有、グッズ交換などの活動の場を提供している。世界11カ国に約6000万人のユーザーを抱えている。日本にも一応進出している。収入源は広告で、2020年の売上高は約130億円、損失は約80億円になる(7/7日経)。この会社はいずれジモティーの脅威になる可能性がある。

ジモティーと業態が似ているフューチャーリンクネットワークがマザーズに上場した。この会社は地元情報をまとめたウェブサイトなどを運営する会社になる。事業の柱は地域情報流通事業、公共ソリューション事業、マーケティング事業の3つで、ジモティーと被りそうな事業は地域情報流通事業になる。この事業は「地元」をよく知る運営パートナーが地元の情報を集め、紹介する事業。今は新聞をとる人が減っており、ポスティングが難しくなっているので、それを補う役目があるという。収入源は地元事業社からの広告掲載料、運営パートナーからの加盟料・ロイヤリティになる。現在、全国の約740の市区町村で事業を展開しており、サイトの月間閲覧数は約820万回になる。この事業の売上高は約5億円で利益は約2億円。成長率は最大で20%程度になる。

フューチャーリンクの社長は「ライバルは折り込みチラシ、看板広告、ポスティング」といっているので、ジモティーの脅威にはならなさそう。・・この会社を調べていて気づいたが、ジモティーも地元企業の広告を載せられるようにしたらいいのにと思った(もうしているかもしれないが)。

ニュースに「日本の研究開発力が落ちている」(8/11日経)、「この20年間、賃金が全く伸びていない」(9/20日経)、「円の購買力は50年前の水準まで落ちている」(7/26ロイター)とあった。この調子でいくと日本の貧困化が進みそうなので、リユースがさらに活発化していきそう。ジモティーの活躍できる場が増えそうだと思った。

「ジモティー」の主要カテゴリーの投稿件数
・売ります・あげます 2020年10月 945116 →1月 1013333 →4月 1096141 →7月 1178114 →10月 1238714
・メンバー募集 69364 →71879 →74732 →77377 →80309
・助け合い 26203 →27226 →28662 →30099 →31277
・不動産 511537 →518859 →402393 →553245 →539483
・アルバイト 44585 →46999 →61359 →58679 →68459
・正社員 14002 →15335 →17574 →17149 →17817
・イベント         →31575 →32906 →34227
・中古車          →43199 →45112 →48214
・教室・スクール      →18364 →18958 →19491
・地元のお店        →13453 →14113 →14765
・里親募集         →7628 →7997 →8426
*投稿件数は削除されたものもあるので実際の投稿件数はもっと多い。

第3四半期の業績予想。
まずは第2四半期予想の振り返りから。前回の予想は「第2四半期の売上高は、第1四半期よりページビュー微減で、広告単価が微減~横ばいと想定すると、3億5千~3億8千万円くらいになりそう。第1四半期からの累計では7億5千~7億8千万円くらいになりそう」だった。

実際は、第2四半期の売上高は4億円で、第1四半期からの累計は8億円だった。予想よりやや上振れた要因は、ページビューと広告単価が微増だったことと、エスクロー決済手数料(2300万円)を考慮していなかったこと。

以上を踏まえて、第3四半期決算の売上高予想は、「第2四半期よりページビューが大幅減で、広告単価が微減、エスクロー決済手数料2600万と想定すると、3億~3億5千万円くらいになりそう。第1四半期からの累計では11億~11億5千万円くらいになりそう」になる。

通期の業績予想は4月に書いた「今期業績は売上・利益ともに10~20%程度の伸びになるのではないかと思う」から変化なし。

今後3年の予想売上高成長率は年率20%程度。現在の妥当だと思える時価総額は200億円(株価3300円、PSR13倍)くらい。2030年の予想売上・利益は現在の10倍くらい。

■ステムリム
基本シナリオ:再生誘導医薬でテンバガー達成
7月に下方修正を出したが、その理由が「新規契約の中止」ではなく、「レダセムチドのマイルストーン不足」だったので、それほど問題なさそう。ただ表皮水疱症の承認には追加の臨床試験が必要になったので、このマイルストーンが入るのは一年以上先になりそう。

表皮水疱症は患者数が少ないので、今回の追加臨床試験はやや誤算だったが、ある意味吉報でもあった。承認申請が予定より半年以上遅れていたので、レダセムチドに何か問題があるとは思っていたが、それが副作用ではなく、データ不足(再現性の確認)ということなので、本質的な問題はあまりなさそう。フェーズ2試験では副作用が少なく、著効例が半数近くあるとのことなので、追加試験はクリアできそう。それにしても、PMDAはどうしてこんなに結論を出すのが遅いのだろうか。この薬を待ちわびている患者が気の毒に思う(今のところ、レダセムチドよりも効く薬はない)。

心筋梗塞の治験は、治験の責任者が阪大を退官したようなので(掲示板情報)、自然消滅しそう。治験の発案者にやる気がなかったようなので、成功する見込みも乏しかったのかもしれない。

Yahoo!ファイナンス掲示板に「80代の骨髄中の組織幹細胞の数は新生児と比べると1/200から1/700まで減少する」とあった。調べてみると「骨髄中の組織幹細胞の数は80代では新生児の1/200まで減少します。幹細胞が減少することで傷ついた組織修復が行われなくなります。その結果さまざまな病気を発症する、これが老化です」(参照)とあった。

レダセムチドの脳梗塞治験は60~84歳を対象に行われているので、もしかするとこの治験は失敗するかもしれない。ラットでの非臨床試験では、おそらくこの点を考慮して高齢のラットを使っているとは思うが、資料にその情報がないので実際のところはよくわからない。

とはいえ、これは塩野義と阪大がやっている研究なので、この点を認識していないはずがない。なので、この点はそれほど心配しなくてもよいのかなと思う。また高齢者でもケガしたら普通に治癒するので、脳梗塞治験でも治癒するのではないかと思う。それと成長期に幹細胞が豊富にあるのは当たり前で、それと比較するのはここではあまり重要ではないように思う。

脳梗塞治験の結果は11月中にもわかりそう。成功したら持ち株はホールド、失敗したら売却していく。

コロナ肺炎の非臨床試験は順調にいったもよう。動物試験では肺の「抗線維化作用」、「抗炎症作用」、「上皮組織を再生する作用」が確認できたという。ただ決算資料では今後の方針については触れておらず、コロナ治療薬市場はレッドオーシャンなので、これ以上治験を進めるのは難しいかもしれない。ただ決算資料には「新規提携に伴う一時金が発生する可能性」ともあるので、もしかすると塩野義あたりと契約する可能性もある。

今後3年の予想売上高成長率は年率0~10%程度。業績が急拡大するのは早くて3年後。現在の妥当だと思える時価総額は600億円(株価1000円)くらい。2030年の予想利益は0~500億円くらい。

■イントラスト
基本シナリオ:債務保証事業で未収金撲滅
第1四半期決算は特に問題なし。医療費用保証は病院の評価が高いようで、継続率はほぼ100%とのこと。この商品を導入すると医療費の回収業務を専門業者に委託でき、未収金の回収率が上がるのでメリットは大きそう。コロナが収束したあたりから導入が加速しそう。

8月の動画説明会で医療費用保証の回収率が60%(家賃債務保証の回収率は98.5%)とわかった。以前書いたレポートで指摘していたとおり、やはり医療費の回収は難しそう。ただ病院からは保険料として前年の未収金の8~9割をもらっているようなので、ビジネスとしては成立しているもよう。

*補足
7月のブログに「医療費用保証スマホスを導入した病院で患者に「保証会社が集金する」と伝えると、アナウンスメント効果で未収金が大幅に減ったという」と書いたが、未収金が減ったのはアナウンスメント効果だけではなさそう。昨年はコロナの影響で患者が大幅に減っているので(9/1日経)、そちらの影響の方が大きかったのではないかと思う(動画説明会で質問したら否定されたが)。足元では患者数がコロナ前の水準に戻りつつあるようなので、来期からは未収金が増えそう。ただコロナ対策による感染症対策の影響で風邪や鼻炎などの感染症にかかる人が減っている。コロナ対策はまだ続きそうなので、これらの患者が以前の水準に戻るにはもうしばらくかかりそう。9/18日経

*訂正
7月のブログに「病院がスマホスを更新するときは前年の未収金額をベースに保証料を決めるので、未収金が減れば保証料も減る。となると、スマホスの利益率は今後低下していく可能性が高い」と書いた。しかしそれは間違いで、売上が落ちるだけで利益率は落ちない。

森ビルにイントラストの家賃債務保証が導入された。イントラストはクリーンな経営をしているので、それで選ばれたのかもしれない(創業以来、訴訟件数は0件)。イントラストの今後3年の成長ドライバーは家賃債務保証事業になるので、この調子でブランド力を高めて集客につなげてくれればと思う。

同業のジェイリースは法人向けの家賃保証事業で業績を急拡大させているが、イントラストは同事業には注力しないという。法人向けは、イントラストがいうところの「バッドリスク」が多く、引き受けられない案件が多いという。こういう堅実なスタンスには好感が持てた。

今後のイントラストの成長シナリオと予想業績をざっと書いておく。今後3年は家賃債務保証事業が業績を牽引して、24年3月期の売上高は80億、営業利益は20億になる(中期経営計画の数字)。その後は医療費用保証が業績を牽引し、27年3月期の売上高は130億、営業利益は27億になる。なお、この時点での医療費用保証スマホスの導入病院数は1600になる。

今後3年の予想売上高成長率は年15%程度。現在の妥当だと思える時価総額は200億円(株価900円、PSR4倍)。2030年の予想売上・利益は現在の4倍くらい。

■今後の計画
11月にもステムリムの命運が決まりそう。進捗に応じて売買していく。それ以外の銘柄は放置。

市場が荒れてVIX指数が40超、騰落レシオが70以下になったら株式を買っていく。

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