2025年7月1日火曜日

保有株

 保有比率の高い順に見ていく。

■イントラスト
基本シナリオ:「賃貸保証会社」から「多角的な保証プラットフォーマー」へ

前期の売上高成長率は+18%で営業利益成長率は+12%と堅調。今期の会社予想も売上高+13%、営業利益+11%と良好な見通し。ただし、中期経営計画の数値目標はやや未達に終わりそう。

期待の医療費用保証や介護費用保証は順調に拡大中だが、競合のエランがそれを上回るペースで成長していることが分かった。エランはかつてイントラストと提携して医療費保証を提供していたが、現在は独自に保証商品を開発・販売している。エランは提携している約1,800の病院に保証商材の営業をかけているので、今後もハイペースで導入を拡大していきそう。

今回の一番の驚きは、たまたま調べたエランでこのような事実を発見したこと。イントラストを長い間観察してきたが、まったく気づけなかった。改めて株式投資の難しさと分散投資の重要性を痛感した。

イントラストは3月に中古車の割賦販売保証(試験運用)を始めた。これは、従来のオートローンの審査に通りにくかった層をターゲットとした保証サービスで、市場規模は約660億円になる。3/31IR

4月には介護福祉士修学資金の保証サービスを始めた。4/14IR
新しい保証サービスが次々に立ち上がっており、基本シナリオ通りの展開になっている。

今後3年の業績予想は、売上・利益ともに年+10~15%。現在の適正水準と考える時価総額は230億円(株価1000円、PER15倍)。


■プラスアルファ・コンサルティング
基本シナリオ:大企業向けのHRソリューション事業を軸にあと3年成長継続

2Q決算のブログ予想は、売上高は81.5億円、HRソリューション事業の導入企業数は+75で、実際は売上高81.7億円、導入企業数は+66と、ほぼ予想通りの内容だった。この予想は下限値だったため、ポジティブな印象はあまりないが、大企業向けのHRソリューション事業で今後も一定の成長が見込めるとわかったのはポジティブサプライズだった。

決算資料を見ると、HRソリューション事業のスポット売上が2Qに過去最高を更新しており、大企業による新規導入やオプション契約が増えているのがわかる。ここが順調に伸びていれば、今後のリカーリング収益(ストック収益)の拡大が見込める。

一つ誤解していたのは、新規の導入企業数が一見少なく見えても、大きな問題ではないということ。たとえば、従業員3万人の大企業1社の導入は、従業員300人の中小企業100社に相当する。大企業向けは収益性が高いため、同領域で導入が順調に進んでいる限り、新規導入数の減少自体は大きな問題ではないとわかった。

(下の表ではHRソリューション事業のスポット売上が力強く伸びている)

大企業の開拓余地もまだありそうだとわかった。会社説明によると、現状の2倍以上の新規導入余地があるらしく、5/14日経によると、大企業では複数の人事システムを併用するケースが一般的になっているようなので、この領域だけでもうしばらく成長できそうだと思った。

採算の悪い中小企業向けの導入に力を入れなくなったため、今後は利益率の改善も期待できる。

一方で、マーケティング・ソリューション事業のほうは、今期で業績がピークアウトしそう。導入企業数は減少傾向にあり、6/16日経によると、AIエージェントの普及も進んでいるようなので、今後は厳しい展開になりそう。

学生向けダイレクトリクルーティング事業の「キミスカ」も厳しそう。売上高が前期比で大幅に減少しているので、減損は避けられなさそう。

となると、来期以降はHRソリューション事業が唯一の牽引役になる。今後どこまで成長を維持できるかが最大のポイントになるが、マーケティング事業と同様に、いずれ成長がピークアウトする可能性も少なからずある。

中期的には、生成AIの進化によって、ソフトウェアの開発が容易になり、大企業向けでも競争が激化する可能性がある。多くの大企業では社内SEを抱えており、自社開発へのシフトも加速するかもしれない。

6/7日経では、米エニースフィアが開発するプログラミング支援AIツールが、会話ベースの指示でコードを生成でき、創業3年で企業価値1.4兆円に達したと報じられている。こうしたツールの急速な普及により、PACのソリューションの差別化は今後さらに難しくなっていくのではないかと思う。


PACのアップサイド要因とダウンサイド要因を簡単にまとめてみた。

<アップサイド要因>
・大企業向けHRソリューション事業に成長余地がある
・同事業は収益性が高く、利益率改善が期待できる

<ダウンサイド要因>
・マーケティング・ソリューション事業のピークアウト懸念
・生成AIの普及によるソフトウェアやコンサルティングの価値低下
・大企業向け市場でも競争激化の可能性
・中小向けHRソリューション事業は事実上撤退済み。大企業向けはいずれ飽和へ
・自律型AIの進化により、SaaSモデル自体が不要になる可能性
・事業環境の不透明さからM&Aが困難

これらを総合すると、短中期的には一定の業績の伸びは期待できるが、長期では不確実性が高い、という感じになる。

6/5日経には、「日本の少子化が想定以上のペースで進んでいる」とあった。国内の労働力人口は減ってきそうなので、人材管理ソフトの需要は高まりそう。

6/13日経には「国内主戦場のIT銘柄は需要が底堅く、トランプ関税の影響も受けにくいため、消去法的な買いが入りやすい」とあった。グロース市場は地合いもよさそうので、PAC株は堅調に推移しそう。

先日気づいたが、とうとうPACのホームページから文字化けが消えた。以前はスマホやタブレットで見ると、「決議通知」が「反省通知」になるなど、奇妙な誤表示がいくつも見られたが、今回はすべて修正されていた。これまでもPACがデバックに取り組んでいた形跡はあったが、この「反省通知」はなかなか直らなかった。今回はもしかすると、AIにデバックを任せたのかもしれない。もしそうだとしたら「エンジニアがAIに追い抜かれる」時代が到来したことを意味する。今後、IT業界のあらゆる現場で、同じような現象が起きていくのではないかと思う。

PACの3Q決算予想
売上高は125.7億円、営業利益はやや上振れ。

PACの現在の妥当な株価はどのくらいか。今後3年の売上高成長率は年8~20%、営業利益成長率は年12~25%、4年後以降にピークアウトと想定すると、株価1830円、PER20倍くらいが妥当ではないかと思う。


■SBIホールディングス
基本シナリオ:「どんどん巨大化する」「ネットは勝者総取りや」By 北尾CEO(参照

SBIHDは、5月にNTTと提携し(5/30日経5/30日経)、6月に三井住友FGと共同出資会社を作った(6/3日経)。社長の言葉通り、この会社は巨大化の一途をたどっている。今後は、株式手数料無料化の影響が現れて経営体力のない証券会社が淘汰されていきそう。


■前田工繊
基本シナリオ:土木資材系のM&Aでインフラ需要を着実に取り込む

前田工繊の基本戦略は、地方の中小企業をM&Aで取り込み、自社の全国ネットワークを活用して収益力を高めるというもの(4/5日経)。派手さはないが、着実な成長が期待できる。

来期は、今期に買収した三井化学産資に注目したい。過去最大のM&Aであり、前田工繊グループに入ることで利益の大幅な拡大が期待できる。

6/5日経によれば、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進んでおり、修繕需要は少なくとも2040年ごろまで増加傾向が続く見込み。この流れは前田工繊の長期的な追い風になりそう。


■パーク24
基本シナリオ:カーシェアの雄に

株式を買った後に、イスラエルがイランに大規模攻撃を仕掛けてしまった。その影響で原油価格が急騰し、カーシェア需要は減退しそうになってきた。ただ、専門家の見立てでは、「6週間で原油相場は元通り」とのことなので(6/17日経)、影響は一過性で終わるのかもしれない。

仮に長引いたとしても、長期的には自家用車の保有ニーズが下がり、カーシェアに移行する層が増えそう。そのため、いずれのシナリオでもカーシェア需要は比較的堅調に推移するのではないかと思う。将来的に自動運転が普及した場合でも、車両を自動運転車に置き換えればよいので、あまりネガティブな影響はなさそう。

6月23日にイスラエルとイランが停戦で合意した(6/25日経)。原油価格は急落したが、パーク24の株価はたいして反発しなかった。イスラエルとイランが戦争を始めたときにパーク24の株価が下がったのは単なる地合いの影響で、原油価格はあまり関係がなかったのかもしれない。


■メック
基本シナリオ:半導体の先端処理剤で世界標準に

電子基板の表面処理剤を製造する会社。CPUに使う半導体パッケージ基板用の高機能品は世界シェアほぼ100%。研究開発投資に積極的で価格競争力は強く、営業利益率は20%を超える。近年注力しているのが高周波の電気信号のロスを抑える技術。5Gや次世代自動車向けの需要拡大が期待できる。


■大和−iFreeNEXT FANG+インデックス
基本シナリオ:AI革命の勝者に賭ける

この投信にはアップルも含まれているが、同社はAI時代の敗者になる可能性がある。現時点で既にこの投信のお荷物的存在になっているため、近い将来、構成銘柄から外されるかもしれない。


OpenAIの元研究者であるダニエル・ココタイロ氏らが書いた「AI2027」によると、2029年にダウ工業株30種平均は100万ドルを超える可能性があるという。ココタイロ氏はChatGPTが登場する前の2021年に書いた「What 2026 looks like」で、現在の生成AIブームを正確に言い当てているので、この予想も当たる可能性がある。20バガーに期待したい。

もっとも、このシナリオは「AI開発競争が止まらず暴走する未来(レースエンディング)」の一環であり、仮にその通りになれば
「人間は自分たちが経済的に無用の存在であることに気づく。人々はなんらかの仕事をしているように見せかけるか、あるいはベーシックインカム(最低所得保障)を受け取るかの道を選ぶことになる」
「30年半ば、(AIモデルの)Consensus-1は生物兵器や化学兵器を散布し、ほとんどの人間を数時間で殺害する。生き残った人間はドローンで掃討される」という、20バガーを達成しても喜べそうにない未来が待っている(笑)。6/2日経6/2日経2/25LESSWRONG

個人的にはより穏やかな「スローダウンエンディング(穏やかな進化)」シナリオを願いたいところだが、『AI 2027』の解説記事によると、「70%の確率で破滅的結果を迎える可能性がある」とのこと。6/27ロイターによると、米中の「AIレース」はすでに始まっているもよう。


■マイクロソフト
基本シナリオ:最強のAIエージェント・プラットフォームに

6/6東洋経済によると、マイクロソフトはAIエージェントの開発基盤となる「エージェント・ファクトリー」を構築する方針だという。OpenAIとの提携やGitHubの買収も、すべてこの計画の布石だったもよう。今後この戦略が順調にいけば、マイクロソフトは最強のAIエージェント・プラットフォームになりそう。

クラウド事業も好調で、現状の成長ペースを維持すれば、3年後くらいにAmazonを抜いて世界トップに立ちそう(5/20日経)。ただ、クラウド事業が好調なのはOpenAIの尽力が大きく、両社の密月関係は先日終わったようなので(6/21日経)、今後成長が鈍化する可能性もある。

個人的に使用しているMicrosoft 365 Personalの年会費が14900円から21300円に約43%上昇した。理由は生成AI機能導入とのこと。最初のうちは変化をあまり感じられず、ぼったくり感があったが、CopilotはChatGPTとは若干異なる切り口で対応してくれるので、最近はちょくちょく使うようになっている。

欧州では、政府機関などを中心に「脱マイクロソフト」の動きが出始めている。これはデジタル主権確立を目的としたものらしい(6/17ZDNET6/20ZDNET)。今後欧州では似たような動きが広がるかもしれない。


■アルファベット
基本シナリオ:AIインフラと知能でトップを目指す

GoogleのAI「Gemini」は、ChatGPTと比べると使用感は悪いが、ChatGPTにはない鋭い見解を示すことがある。”地頭”はこっちのほうがよいのかもしれない。

AIチップやAIインフラ開発も順調で、「1ドル当たりのインテリジェンス」指標では競合に大きく差を付けている(5/14日経Google I/O 2025 keynote4/10日経)。近い将来、エヌビディアを脅かす存在になるかもしれない。

米ビッグテックでは「AIリストラ」が始まったもよう(6/18日経6/20日経)。将来的にGoogleは人件費が減って、超高収益体質になりそう。
*ただしGoogleは当面は積極採用を続ける見通し。ピチャイCEOは「AIがエンジニアの生産性を劇的に向上させる」と言いながらも人員を増やすようなので、成長の加速が期待できる。

GoogleはAIに株式投資をさせて世界一の金満会社になる可能性もある。現在のAIは、パターン認識に優れ、推論力も高く、何千もの変動要因を同時に処理できるため、株式投資をできないはずがない。ただOpenAIのサム・アルトマン氏は資金調達が必要と言っているので、こういう会社はなんらかの制約により株式投資をしてはいけないのかもしれない。

Googleは米司法省からネット広告に関する独占禁止法違反で訴えられており、米連邦地裁は関連する3サービスのうち2つで独占を認定した。検索ビジネスでも同様に敗訴しており、今後は事業分割を迫られる可能性がある。4/18日経4/18日経

しかし、現在は生成AIの登場により、検索の競争環境が急速に変化している。米ガートナーは、2026年には検索の25%がAIに置き換わると予測している(5/10日経)。旅行予約やメール送信をAIが代行する「AIエージェント」サービスも始まり、将来的には人間がウェブサイトを閲覧すらしない時代が来るとの見方もある(5/22日経5/22日経)。そうなれば、独占構造そのものが代わり、独禁法リスクは和らぐ可能性もある。

問題点はいくつかあるが、Googleでは事業の多角化が進んでおり、AI研究開発力では世界トップクラスなので、AI時代には大活躍できるのではないかと思う。

6月にテスラが自動運転タクシーのサービスを始めた(6/23日経)。テスラのサービスはGoogleのサービスよりも、(一部)先進的なシステムを使い、低コストでもあるようなので競争力は高そう。またGoogleとは異なり、安全性より開発速度を優先し、失敗(事故)から学ぶスタンスのようなので成長速度は速そう。ただし、倫理的にはやや疑問が残る。


■今後の計画
投資スタンスは 「基本静観、チャンスが来たら動く」 のまま。市場が荒れて米VIXが40超、日経平均の騰落レシオが70以下になったら株式などを買っていく。PBR、投資家心理指数、裁定売買残高なども考慮する。1ドル130円くらいになったら海外株を買っていく。

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