2017年11月10日金曜日

月1の市場環境チェック

株式市場への影響が大きい金利、金融政策、企業業績を重点的にチェックしていく。

■ファンダメンタル
<金利>
・米国の長期金利は2.3%で日本は0%。株式が国債より割安な状況は変わらず。
・株式利回りから国債利回りを差し引いて算出するイールドスプレッドは日本は5.5%でアメリカは2.5%。日本株は米国株よりも優位な状況。
・金利は低いままなので債務圧縮局面はもう少し先になりそう。

<金融政策> 今回のバブルの原動力
・日本は金融緩和を継続。年間6兆円の株式購入政策も継続。株高は国策になる。
・欧州は金融緩和を縮小&延長。利上げは早くても18年9月以降。
・英国はインフレ率が3%に達し金利を引き上げ始めているが、これは景気の過熱というよりブレグジットによるポンド安により起きているのでたいした問題ではない。
・米国はすでに引き締めに転じているが速度は穏やか。トランプさんは自称”低金利人間”なので、FRBの残りの空ポストにはそういった人物が入りそう。
・中国は引き締めに動きそうだが、影響は中国国内にとどまりそう。

<経済成長率>
・世界の2017年のGDP成長率は3.6%で2018年は3.7%と良好。
・日本の2017年のGDP成長率は1.5%で2018年は0.7%とまずまず。

<EPS成長率>
現在、世界各国の成長率のばらつきは過去50年で最小だという。このような世界同時成長は通常2,3年続くらしい。ただし世界同時成長は景気サイクルの終盤に見られる特徴的な現象とも言われている。世界同時成長は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風になる。
・世界株式の2017年の予想EPS上昇率は26%、2018年は11%、2019年も11%と良好。
・日本株式の2017年の予想EPS上昇率は15%超で、来年以降も10%程度が続きそう。
・アメリカは今期も来期も10%超の上昇。

27年間ファンドマネージャーを務めているレオスキャピタルの藤野英人氏は「この27年間、日本は抜けることのないトンネルの中にいるような感じだったが、そこからいよいよ抜けるのではないかというくらい、日本企業の明るい兆しが見えてきている。この30年間は、日経平均は2万円を上値に横ばい、それにインフレも起きないフラットな時代だった。しかし大きな変化が起きそうな気がする」とコメントしているので、今後の見通しは良さそう。

<政治>
・日本の政治は安定
・海外の政治は不安定
・中国の政治は独裁体制が整い一見安定したように見えるが、これは経済的に成熟した社会には適さないシステムなので、近い将来行き詰まりそう。
・北朝鮮情勢がややリスク。アメリカが譲歩する雰囲気は皆無で、北朝鮮近海に空母3隻を派遣したり兵糧攻めをしたりしているので、軍事衝突が起きる可能性がある。ただその場合でもあっさり片が付きそう。

■テクニカル
・チャート
世界中の株式市場が上昇トレンド
しかしながら日経平均はいったん天井をつけた感がある。ピークのところで出来高をつけて十字線が出ているので、21500円あたりまで下落しそう。

・ディストリビューションデー
典型的な上昇トレンドなのでカウントせず

・ヒンデンブルグオーメン
11月6日から点灯

・トレードインディケーター
危険度43%
参考:eワラントのトレードインディケーター

・騰落レシオ
日経平均 116%
ダウ 110%
ナスダック 110%

・信用評価損益率
-8%

■結論
日本株はいったん調整しそうだが、緩和的な金融環境と世界経済の同時成長により、中期的な市場環境は比較的良好。

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