■調べようと思ったきっかけ
・チャートが底堅そうだったから
・業績の進捗率がよく、過去に上方修正を連発しているから
・時価総額50億円の小型株で経営者が大株主だったから
■どんな会社か
特殊コーティング材による内外装リフォームと、インフラに透明強化シートを張り付けるスケルトン工法などを手がける。この2つの事業が売上の85%を占める。
内外装リフォームは補修した部分の劣化を長期的に防ぐことができるため顧客満足度は高いという。エムビーエスによると従来にはなかった工法だという。
スケルトン工法は、コンクリート片の落下を防ぎつつ、コンクリートのひび割れなどの異常箇所を目視で確認できるため、時間とコストが節約できるという。透明シートによるコンクリートの補強工法ではシェアNo.1だという。
マザーズ上場で時価総額は50億円。売上高は28億円で営業利益率は10%程度。
■成長ストーリー
基本ストーリーは「独自工法で日本列島リフォームする」になる。(これはほぼエムビーエスが掲げるビジョンのまま)
今後、一番の伸びしろになりそうなのはスケルトン工法になる。現在防災面での評価は高まってきており引き合いは強くなっているという。現在の売上高は売上全体の1割程度だが、エムビーエスはこれを4割くらいまで引き上げる予定だという。国は2014年に国土強靱化計画を策定しインフラを整備・補強しはじめているがこの政策も追い風になる。スケルトン工法は主に橋の底面に使われるが、建設後50年経過した橋は2015年が18%、2025年には42%になるという。
ホームメイキャップ工法も順調に成長していきそう。エムビーエスは現在営業所を11都道府県16拠点に展開しているが、これを22年までに全47都道府県50拠点にする計画だという。支店の増加に伴い売上も拡大していきそうである。
エムビーエスは2005年に福証に上場しているが、2015年にはマザーズにも追加上場して資金を調達している。起業して20年ほど経過し、いよいよ拡大期に入りそうである。
■参入障壁は高いか
・各々の工法は特許で押さえているという。インフラを補修するスケルトン工法に至っては西日本高速鉄道やパシフィックコンサルタントなどの大手企業と共同で特許を取得しているという。ただ部材自体を開発しているわけではないので、類似の工法を真似できそうではある。
・スケルトン工法は国土交通省の「NETIS」に登録されているので価格競争力は高いという。
*市場規模はリフォーム市場が年間8兆円、インフラ整備・補強市場は累計で4兆円あり競合は多そうだが、調査不足のため詳細は不明になる。
■強み
一番の強みは社長の経営センスになる。社長は高校を中退していて学歴は低いが、創業初期に金融機関が相手にしてくれず資金調達に行き詰まると、起業家支援情報誌『月刊アントレ』に応募して事業計画オーディションでトップ賞を受賞したり、大前研一主催の「ビジネスジャパンオープン」で最多得票を獲得したりして、金融機関を振り向かせ資金調達に成功している。他にも学術機関との共同研究や英国の塗料材メーカーとの独占契約などをこなしており経営センスは鋭そうである。経営センスが鋭ければ、競合が多くても、独自路線で市場を開拓していけそうである。
■割安感はあるか
今後3年の予想売上高成長率は20%程度で、PERは23倍なのでほぼ適正株価になる。過去1年で株価が3倍近く上昇しているので発見が遅れた感は否めない。
<一目均衡表の3年チャート>
底堅いパターン。ただ直近では上ヒゲが出ているのでやや上値は重そう。
<1年チャート>
値動きは落ち着いており短期でも底堅さがある。ただ600円あたりまで下落する可能性もある。
■結論
競合の状況は不明だが、社長に力がありそうなので、なんとなくだが大化けしそうな感じがする。支店数を現在の3倍の50店まで増やし、スケルトン工法の受注が拡大すれば5年後の売上は200億くらいまでいくのではないかと思う。
チャート的には今買っても大丈夫そうだが、もうしばらく様子見。
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