日銀やFRBなどの中央銀行はインフレ率2%に異常にこだわっているように見える。FRB理事長のイエレンさんは「低インフレの放置は極めて危険だ」と常々言っており、つい先日にはFRBで政策見直し論が浮上したという。その見直し論とは年2%の物価上昇を目指す方針は変わらないものの、目標が未達となれば、その翌年は2%を上回る物価上昇で前年の未達分をカバーするというものだという。もしこのような政策になった場合、物価が停滞したときの利上げペースは今よりさらに減速することになる。
中央銀行がインフレにこだわるのは、ただ単に国が抱える莫大な債務を軽くするためだけではなさそうなので、そこら辺について調べていく。
経済学の常識ではデフレは悪らしい。デフレになるとモノやサービスを安く買えるというプラスの面はあるが、経済全体で見ればマイナス面の方が大きく、経済が縮小し国民の生活が苦しくなるという。
デフレの仕組みは次のようになる。不景気になりモノが売れなくなると物価が下がる。物価が下がると企業の儲けが減り、働き手の賃金が下がる。賃金が下がるとさらにモノが売れなくなる。そうなると企業は投資を抑制し人員を削減するようになる。そしてまた・・という悪循環になる。
中央銀行がインフレにこだわる理由は上記のようなものだとわかったが、ではインフレを永遠に起こしていくことは可能だろうか。個人的には難しいように思う。なぜなら成熟社会はすでに豊かなため消費は増えにくく、またグローバル競争や雇用形態を一変させそうな新しい技術が相次いでいるので賃金が上がりにくくなってるから。構造的にインフレが起こりにくくなっているように思う。
では、このような社会構造で金融緩和をして無理にインフレを起こそうとするとどうなるか。先月も同じようなことを書いたが、金融資産や実物資産にばかり資金が流れ込み、資産価格が膨張していく。膨張した資産によって消費は多少増えるだろうが、それもたかがしれている。結果的に、資産価格の膨張ばかりが起こるようになる。
中央銀行がインフレにこだわっている限りは資産価格が膨張していきそうなので、とりあえず株式はしばらく持ってようと思った。
参考:FRB、物価目標に見直し論 2017/11/29日経
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