2018年2月9日金曜日

米、適温相場終了

先月「米金利上昇の影響」の項で、米国の実質長期金利が1%上昇するとダウには割高感が出て25%(6600ドル)下落する可能性があると書いた。

先月から実質長期金利は0.4%上昇しており、上記の式に当てはめると2600ドル下落することになる。実際の市場では2800ドル下落しているので、ほぼ計算通り動いていることになる。

では今後の長期金利はどのように推移していくのだろうか。

長期金利にはファンダメンタル的にもテクニカル的にも強い上昇圧力がかかっているように見える。

米国は大型減税と大型インフラ投資により景気が上振れしそうであり、一方で財政赤字が拡大して米国債の需給は悪化しそうである。この両面から長期金利に強い上昇圧力がかかる。加えてFRBの国債売り出しや、国防費増も需給のマイナス要因になる。

チャートでは長期の移動平均線を短期と中期の移動平均線が上抜いているため上昇圧力が強い。月足のチャートではダブルボトムを形成しそうであり、月足の一目均衡表では雲を上抜けしているので心理的な抵抗帯もなくなっている。
<5年チャート>

<10年チャート>

ではこのまま長期金利が急上昇していくのかと言えば、そういうわけでもないように思う。インフレの上昇が長期で続くとは思えないし、金余り環境も当分続きそうだから。ゴールドマンサックスは2018年末の長期金利を3%と予測しているが、そのあたりで落ち着くのではないかと思う。

ただ米国の金利は上昇基調に入ったようなので、米株が以前のようにガンガン上がっていくような状況は終わったように思う。

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