2018年2月9日金曜日

月1の市場環境チェック

株式市場への影響が大きい金利、金融政策、企業業績を重点的にチェックしていく。

■ファンダメンタル
<インフレ>
・米国の予想インフレ率は2017年度が2.0%で、2018年度が2.2%。
・欧州は2017年度が1.4%で2018年度が1.5%。2019年が1.6%。
・日本は2017年度が0.7%で、2018年度が0.9%。
→問題なし。ただ米欧のインフレは一時的に加速しそう。

<金利>
・米国の2018年末の短期金利は2.25%~2.5%、長期金利は3%程度。2019年末の短期金利は3.0%~3.5%、長期金利は3.5%程度。
・日本の短期金利と長期金利はともに2018年末も2019年末も0%台。
・中国の現在の短期金利は3.7%、長期金利は3.9%。長期金利は1年前よりも1.0%上がっている。
→問題なし。ただ米金利はしばらく乱高下しそう。

<債務>
・米国の民間債務残高はGDP比150%。リーマンショック時のピークである160%から減少し、足下では横ばい傾向。ただし個人債務残高に限ればリーマン前を超えている。
・日本の民間債務残高はGDP比150%。1990年頃のピーク220%から減少し、足下では横ばい傾向。
・中国の民間債務残高はGDP比200%で現在も上昇中。日本のバブル期のピーク220%に近づきつつある。
→問題あり。アメリカでは消費がピークアウトしつつあり、中国の債務は危険水準。

<金融政策>
・米国はすでに引き締めに転じているが速度は穏やか。
・日本は金融緩和を継続。
・欧州は量的緩和を2018年9月まで延長。利上げは早くても18年9月以降。インフレ率は2%に達していないので引き締めは穏やかなものになりそう。
・中国は金利を徐々に引き上げている。
・世界の主要中銀による量的緩和は2017年3月に過去最高の20兆円/月に達しているが、2018年末には6兆円/月まで縮小し、2019年半ばにはマイナスへ転じる。
→問題あり。米欧は引き締め速度を上げそう。世界の量的緩和はピークアウトしている。

<経済成長率>
・世界の2017年のGDP成長率は2.7%、2018年は3.1%、2019年は3.0%と良好。
・米国の2017年のGDP成長率は2.2%、2018年は2.5%、2019年は2.2%と良好。
・欧州の2017年のGDP成長率は2.2%、2018年は2.35、2019年は2.0%と良好。
・日本の2017年のGDP成長率は1.5%、2018年は1.3%、2019年は0.8%とまずまず。
現在、世界同時成長が起きており、このような状態は通常2,3年続くという。ただしこのような世界同時成長は景気サイクルの終盤に見られる特徴的な現象とも言われている。
世界同時成長は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風になる。
→問題なし

<EPS成長率>
・世界株式の2017年の予想EPS上昇率は26%、2018年は11%、2019年も11%と良好。
・アメリカの2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は20%(うち減税効果分が8%)。
・日本株式の2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は10%程度。
→問題なし

<政治>
・日本の政治は安定。
・海外の政治は不安定。2018年秋にアメリカで中間選挙があるが共和党の1党体制が崩れる可能性がある。
・北朝鮮や中東に地政学的リスク。
→問題なし

■テクニカル
・チャート
今回の下落で移動平均線との乖離率が小さくなり、過熱感が解消してきた。

<日経平均の5年チャート> チャート上の底値は2万円

<NYダウの5年チャート> 長期の移動平均線との乖離率はまだ高く過熱感は解消されていない。このまま2万ドルあたりまで下落しても不思議ではない。

・ディストリビューションデー
日経平均 8日
ダウ 5日
ナスダック 6日
→問題あり。調整は今後数ヶ月続きそう。

・トレードインディケーター
危険度 11月43% →12月62% →1月69% →2月74%
参考:eワラントのトレードインディケーター

・騰落レシオ
日経平均 80
ダウ 83
ナスダック ?

・信用評価損益率
-4.47%

■まとめ
日本株は米株に振り回され目先調整しそうだが中期的には問題なし。

日本株の底値はチャートでは2万円になり、ファンダメンタルズでは22000円になる。
*22000円は 来期の日経平均予想EPS1650円 × 過去5年の最低PER13.5倍 で求めた。
今は押し目買いのタイミングのように思う。 

■今回のバブルについて
過去のバブルは主にレバレッジ(負債をテコにした投資)により形成されているが、今回のバブルはレバレッジというよりも、中央銀行による通貨の大量供給や、新興国の経済成長による運用残高の増加によって底上げされた側面が強いので、バブルが崩壊しても(債務圧縮&景気後退局面に入っても)下落は限定的になると思う。過去のバブル崩壊では60%程度下落しているが、今回は35~40%程度ですむように思う。

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