2018年3月9日金曜日

ハイプサイクル銘柄 テラスカイ

2016年に続いて2017年もクラウドコンピューティングが日本のハイプサイクルの幻滅期にきている。
クラウドの雄であるテラスカイのチャートが落ち着いた感じだったので調べてみた。

■どんな会社か
企業のクラウド導入を支援する事業とクラウド関連のソフト開発を手がけている。日本のクラウド創世記からクラウドに取り組んできたリーディングカンパニー。

■成長ストーリー
ハイプサイクルにあるようにクラウドは今後本格的な普及拡大期に入る。それに伴いクラウド導入支援で経験豊富なテラスカイの業績も拡大期に入る。

クラウドシステムを扱うベンダーにはAmazon、セールスフォース、マイクロソフト、Googleなどいろいろあるが、テラスカイはそれらを連携させるソフトも開発しており、そのソフトはデファクトスタンダード(事実上の標準)となっている。また2017年にはクラウドで初のグループウェアソフトも開発しており採用は順調に拡大しているという。これらのソフト販売もクラウド普及とともに拡大していくように思う。

現在はクラウド導入支援事業が業績を牽引する形だが、長期的にはソフト事業も大きな柱になっていく可能性が高い。営業利益率はクラウド導入支援が15%でソフト事業は30%になる。

■参入障壁は高いか
低い。すでに競争は激化している。しかしテラスカイの主要ターゲットは技術的なハードルの高い大企業となるのでそれほど問題はない。

■強み
・現在クラウドのOSで最もシェアが高いのはセールスフォースになるが、テラスカイはセールスフォース認定の高スキルエンジニアの数が日本でトップになる。
・先行者利益がある。早い段階からクラウドをやっているため経験豊富で、お客も初めてやるクラウドはよく知っている人にお願いしたいということで依頼がくる。それでさらに経験値を高めて次のお客様につながっていくという好循環ができている。

■問題点
・人手不足。ここ3年は仕事を断っている状態が続いているという。
・今期は人員を200人程度増やす予定だというが、予定通りに採用できるかわからない。
・採用できたとしても戦力になるまで時間とコストがかかる。
・テラスカイは2019年2月期も投資を優先するとのことなので来期の営業利益率も5%程度になる。営業利益率が10%を超えるのは2020年2月期からになる。
・収益のうち7割はフロー型でストック型は3割程度。

■社長の経歴など
新潟出身。東京理科大で情報科学を学び日本IBMに入社し研究所に配属される。しかし田舎がイヤということで営業職に転じる。13年間勤務し2000年にはトップセールス賞を受賞。37歳で退社し日本でのセールスフォースの立ち上げに営業の責任者として参加。その後ザヘッドの社長を経て、そのときのメンバーと共にテラスカイを立ち上げる。社長が解決しようとしている課題は、日本のIT企業のブラックな労働環境を浄化すること。クラウドはシステム開発の期間が従来よりも圧倒的に短いのでブラックな環境を浄化する力があるという。社長はテラスカイを「エンジニアのパラダイスにしたい」と言っている。

■チャート
<1年チャート> 上昇トレンド


<3年チャート> 累積売買高的には今が底 一目均衡表では売り雲を抜けている。


■結論
競合が多く、ビジネスモデルもそれほど強くないが、クラウドがハイプサイクルの幻滅期に来ており、社長は洞察に優れているタイプに見える。なんとなくだが面白い展開になりそうなので投資してみる。

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