2018年3月9日金曜日

月1の市場環境チェック

株式市場への影響が大きい金利、金融政策、企業業績を重点的にチェックしていく。

■ファンダメンタルズ
<インフレ>
・米国の予想インフレ率は2017年度が2.1%で、2018年度が2.2%。
・欧州は2017年度が1.4%で2018年度が1.5%。2019年が1.6%。
・日本は2017年度が0.7%で、2018年度が0.9%。
→問題なし。

<金利>
・米国の現在の短期金利は1.5%で長期金利は2.87%。2018年末の予想短期金利は2.25%~2.5%、長期金利は3%程度。2019年末の短期金利は3.0%~3.5%、長期金利は3.5%程度。
・日本の短期金利と長期金利はともに2018年末も2019年末も0%台。
・中国の現在の短期金利は2.9%、長期金利は3.9%。
→問題なし。米長期金利は上がり始めているが、日本や欧州の金利は低いままなので3%程度で落ち着きそう。

<債務>
・米国の民間債務残高はGDP比150%。リーマンショック時のピークである160%から減少し、足下では横ばい傾向。ただし個人債務残高に限ればリーマン前を超えている。
・日本の民間債務残高はGDP比150%。1990年頃のピーク220%から減少し、足下では横ばい傾向。
・中国の民間債務残高はGDP比200%で現在も上昇中。日本のバブル期のピーク220%に近づきつつある。
→問題あり。中国の債務は高水準。

<金融政策>
・米国はすでに引き締めに転じているが速度は穏やか。
・日本は金融緩和を継続。
・欧州は量的緩和を2018年9月まで延長。利上げは早くても18年9月以降。インフレ率が2%に達していないので引き締めは穏やかなものになりそう。
・中国は金利を徐々に引き上げている。
世界の主要中銀による量的緩和は2017年3月にピークの20兆円/月をつけ、その後は減少傾向。2019年にはマイナスへ転じる。
→問題あり。全体的に引き締め傾向。

<経済成長率>
・世界の2017年のGDP成長率は2.7%、2018年は3.1%、2019年は3.0%と良好。
・米国の2017年のGDP成長率は2.2%、2018年は2.5%、2019年は2.2%と良好。
・欧州の2017年のGDP成長率は2.2%、2018年は2.35、2019年は2.0%と良好。
・日本の2017年のGDP成長率は1.5%、2018年は1.3%、2019年は0.8%とまずまず。
現在、世界同時成長が起きており、このような状態は通常2,3年続くという。ただしこのような世界同時成長は景気サイクルの終盤に見られる特徴的な現象とも言われている。
世界同時成長は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風になる。
→問題なし

<EPS成長率>
・世界株式の2017年の予想EPS上昇率は26%、2018年は11%、2019年も11%と良好。
・アメリカの2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は20%(うち減税効果分が8%)。
・日本株式の2017年の予想EPS上昇率は15%超で、2018年は10%程度。
→少し問題あり。もしも為替が100~105円くらいで落ち着くと日本の今年のEPS成長率は0%になる。

<政治>
・日本の政治は安定。
・海外の政治は不安定。
→問題なし

■テクニカル
・チャート
日経平均は2月14日に2万950円の一番底をつけ、3月5日に同等の2万930円の二番底をつけているため下げ止まった感じ。ダウはデッドクロスになりそうだが、特に問題なし。

・ディストリビューションデー
日経平均 先月は8日 →今月は5日
ダウ 先月は5日 →今月は5日
ナスダック 先月は6日 →今月は2日
→問題なし。落ち着きつつある。

・トレードインディケーター
危険度 11月43% →12月62% →1月69% →2月74% →3月52%
参考:eワラントのトレードインディケーター

・騰落レシオ
日経平均 84
ダウ 103
ナスダック ?

・信用評価損益率
ー8.86%

■まとめ
特に問題なし。日本株は為替が円安基調に戻ったらまた上がっていきそう。

為替は短期的には毛抜き底がでており、長期的には分厚い抵抗帯があるので、テクニカル的にはこれ以上下がりにくい。貿易戦争が始まらなければ持ち直すと思う。
<3ヶ月チャート>
<10年チャート>

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