2020年7月3日金曜日

市場環境チェック

株式市場への影響が大きい企業業績、金利、金融政策などをチェックしていく。

■ファンダメンタルズ
<EPS成長率>
・世界株式の2019年のEPS増加率は8%、2020年は-30~0%
・米国株式の2019年のEPS増加率は3%、2020年は-40~0%
・欧州株式の2019年のEPS増加率は3%、2020年は-40~0%
・日本株式の2019年のEPS増加率は-8%、2020年は-40~0%
*参照:6/14ヴェリタス、6/27日経など
*2020年はコロナの影響で大幅な減益予想になるが、コロナ抜きで考えると、今は金利低下により企業の利払い費が減少しており、経済のデジタル化に伴い設備投資や人件費が減少しているので、企業の利益は増えやすい状況になっている。
→問題あり

<経済成長率>
・世界の2019年の成長率は2.9%、2020年は-4.9%、2021年は5.4%
・米国の2019年の成長率は2.4%、2020年は-8.0%、2021年は4.5%
・中国の2019年の成長率は6.1%、2020年は1.0%、2021年は8.2%
・ユーロ圏の2019年の成長率は1.3%、2020年は-10.2%、2021年は6.0%
・日本の2019年の成長率は0.9%、2020年は-5.8%、2021年は2.4%
*数値はIMF予想。6/25日経
*IMFは「新型コロナウイルスによる感染第2波が発生すれば、2021年の世界経済成長率はゼロ成長にとどまる」と言っている。6/25日経
*世界の経済成長率が3%を下回ると不況感が強まるとされる。ただしデジタル経済で増している経済厚生(経済的幸福度)は成長率には反映されにくいので、見かけほどには不況感が強まらない可能性もある。経済成長率を測る指標の一つであるGDPは1年間で生み出された付加価値額の総和になるが、デジタル経済で生み出されているサービスの大半は公共財に近い性質があるため金銭的な数値には反映されにくい。今は若い人ほど幸福度が高いという調査結果が出ているが、これはデジタルサービスの恩恵を最も受けているためともいわれている。
*仏経済学者のジャン・フーラスティエは今から70年くらい前に「農耕社会、工業社会の後にはサービス社会へ移行するが、そこは経済成長のない世界になる」と言っている。11/27日経
→問題あり

<インフレ>
・米国の予想インフレ率は2019年が1.8%、2020年は1%?
・欧州の予想インフレ率は2019年が1.2%、2020年は0%?
・日本の予想インフレ率は2019年が0.9%、2020年は0%?
*2019年はIMFの数値。
*インフレ率が上がらないのもデジタル経済の影響が大きい。デジタル経済で登場している財やサービスは既存のものより便利で安価なものが多い。例えば検索やSNSは無料だし、ネット上では価格比較を簡単にできるので売り手側は超過収益を得にくくなっている。またスマホが登場してからはカメラやオーディオプレーヤー、電子辞書などが売れなくなっており、5000万曲をいつでも自由に聴けるSpotifyは月980円で利用できる。他にも複製コストゼロのデジタル商品やシェアリングサービスの普及などもあり、物価はどうしても上がりにくくなっている。『FREE』の著者クリス・アンダーソンは「モノ中心の経済はインフレ志向になるが、情報中心の経済はデフレ志向になる」と言っている。
*原油など商品価格の停滞もインフレ率停滞の要因になる。かつての景気回復局面では商品価格も大きく上昇していたが、今回の景気回復局面では成長率が穏やかなため商品価格も上がりにくくなっている。また経済のサービス化に伴い財への需要が弱くなっている面もある。加えて、環境保護や社会の持続性などで省資源化が求められていることもあり、今後も商品価格の停滞が続く可能性は高い。
*コロナの影響で解雇や賃下げが発生して購買余力が低下しており、感染への恐れから消費も停滞している。全体的な需要不足でデフレ圧力がかかりはじめている。
*コロナショックで企業倒産が相次いだ場合は、コロナ収束後に供給が追いつかず、インフレが発生する可能性がある。
*コロナ対策として世界中の政府・中銀が大量の資金を供給しているが、これは通貨価値の下落を引き起こし、インフレ圧力になる。
*中央銀行の最大の責務は「物価の安定」になるが、中央銀行は経済にとってベストなインフレ率を2%としており、その水準で物価を安定させることを目標にしている。中央銀行が行う金融政策はインフレ率2%を基準に決められており、それより低ければ金融緩和、高ければ金融引き締めを行うことになる。先進国のインフレ率は長期的に低下傾向で、足下では2%を下回りはじめているので、今後長期で金融緩和が続く可能性が高い。ただ、デジタル経済や商品価格の停滞、少子高齢化、グローバリゼーションなどを考慮すると、中銀のインフレ目標には無理があるようにも見える。
*ゼロインフレが続く環境では、中央銀行は物価安定策(インフレ抑制策)をする必用がなくなるので、中央銀行の主要責務は物価安定から金融安定にシフトしていく。6/30日経
*2025~2030年あたりにビッグデータ分析などで現実をより精緻にとらえた新しい経済理論が作られるとも言われている。その頃になればインフレに代わる新たな「経済の体温計」が生まれそう。
→問題なし

<金利>
・米国の2年金利は015%で10年金利は0.67%。
・日本の2年金利は-0.14%で10年金利は-0.03%。
*米国の2年金利が10年金利を上回ると平均18ヶ月後に景気後退に陥るといわれるが、2019年8月に2年金利が10年金利を上回っている。
*足下ではインフレ率の低下により、米国の実質長期金利(名目長期金利-インフレ率)はプラス圏に浮上しており、米株には割高感が出始めている。*実質長期金利が上がると企業債務の負担感が高まる。*実質長期金利は上昇しているが、それでもほぼゼロ%なので、株式以上に国債が割高なのは変わらず。
→問題なし

<債務>
・米国の民間債務残高はGDP比150%で横ばい傾向。
・日本の民間債務残高はGDP比150%で横ばい傾向。
・中国の企業・家計債務残高はGDP比210%まで上昇しており、足下でも微増傾向。日本のバブル期のピークは220%になる。
・新興国の民間債務残高はGDP比140%で現在も微増傾向。
・過去10年で各国政府は債務を大きく膨らませている。
・コロナショックで政府債務は急膨張し始めている。IMFは「日米欧など先進国の公的債務は20年にGDP比141%まで上昇し、第二次世界大戦時(1945年)の116%を大幅に上回る」と予想している。6/25日経
*GDPは債務返済能力の代理変数になる。
*米企業の対GDP債務残高比率は10年移動平均線から3%超乖離しているが、これは直近3回の債務バブルのピーク時とほぼ同じ水準になる(2019/7/19ダイヤモンド)。債務拡大ペースがGDPの成長速度を上回った状態が続くと、どこかで必ず逆回転が起こる。
*今は信用力の低い企業の債務が膨張しているが、全体で見ると健全な企業の貯蓄に相殺されている(2019/11/10日経)。FRB元議長のグリーンスパン氏は「米企業の資本支出がキャッシュフローを上回ると(「純借り入れ」の状態になると)景気後退に陥るが、現時点ではまだそのような状態にはなっていない。過去50年、このような状態で景気後退に突入したことはない」といっている。1/6日経
*米企業の債務残高は2011年のGDP比65%から2019年には過去最高の73%まで上昇している。一方で米家計の債務残高は2007年のGDP比97%から76%まで低下している。2019/5/23日経
*過去の景気拡大期では家計の貯蓄余剰が減ったり、企業の投資超過が広がったりしているが、現在は家計の貯蓄余剰が膨らんでおり、企業は概ね収支均衡の状態にある(1/15日経)。*貯蓄余剰の状態になると、余ったお金で国債を買うか現金のまま持つようになるので金利は上がりにくくなる。
*今のような低成長、低インフレ、過剰貯蓄の状況では低金利が続きやすく、高債務の状態が維持されやすい。
*先進国では超低金利が続いているので債務拡大はまだ続きそう。
*債務の質は劣化しており、2019年には米国の投資適格債の半分以上が格付けの最も低いトリプルBになっている。
*信用格付けの低い企業は米シェール企業などエネルギー企業に多いが、原油安によりそれらの企業の信用リスク(デフォルトリスク)が高まっている。米ムーディーズはWTI価格が40ドル程度で推移した場合、シェール企業の4割が2年以内にデフォルトすると予想している。6/30日経
*格付け会社のムーディーズやフィッチは「米国のジャンク債市場デフォルト率は1990年、2000年、2009年の景気後退時はいずれも10%前後であったが、今回はその水準を上回る可能性もある」と言っている。6/4ヴェリタス
*今のように金利が経済成長率を下回っている状態が続くと企業は財務レバレッジを効かせるだけで(低金利で社債を発行して自社株買いをするなど)で利益を手にできるので債務が膨張しやすい。政府債務においては、今のように国債金利がGDP成長率を下回っている状態だと、多少の財政赤字を続けても債務残高GDP比を一定の水準に維持できる。日本政府の場合は対GDP比で2.5%程度の赤字を続けても債務残高GDP比を一定に維持できる。10/7日経
*米企業は過剰な自社株買いなどで財務体質が脆弱になっていたところにコロナが直撃したので、さらに財務が脆弱になっている。
*今は企業がお金を借りて経済を牽引しなくなった分、政府がお金を借りて経済を下支えする構図になっている(11/10日経
 *政府がお金を借りて経済を下支えすると財政赤字は膨らむが、民間需要が足りてない中で財政支出を減らしても、景気悪化を招き財政赤字は膨らみやすくなる。
 *財政赤字が拡大すると公共サービスなどの政府機能が落ちていく。
*中国の企業・家計債務は危険水準に達しているが、2018年に習政権は経済の筆頭課題に金融危機封じ込めを据えていたので(2018年中盤から景気重視に転換)、しばらくは心配しなくてもよさそう。
*中国の企業債務は積み上がっているが、その大半は国営企業によるものなので、計画に沿って徐々に削減していけそう。
*中国は2016年に政府出資の資産管理会社(AMC)を設立し、不良債権の最終処理を進めている。*AMCとは銀行の不良債権を分離して買い取り、それを海外の投資銀行や資産運用会社などに売却する会社。
*中国の可処分所得に対する家計債務比率は日本のバブル期並の120%まで上昇しているので、中国は今後深刻な消費不振に陥る可能性が高い(7/28日経)。ただ中国政府は8月にその対策を打つといっているので、当面は大丈夫そう。
*中国は2013年に労働人口がピークアウトしているので、今後は経済成長減速と同時に社会保障費など政府支出が増大して政府債務が膨らんでいく可能性が高い。1/18日経
*新興国や資源国はコロナショックにより、通貨安・高インフレ・高金利になり、債務圧縮局面に入りつつある。
→問題あり

<金融政策、財政政策>
・コロナショックで世界中の国が金融緩和に転じている。
・日米欧は金融緩和が限界に近づきつつある。
*スウェーデン中銀は2020年1月にマイナス金利だと家計債務の膨張が止まらないなどの理由で政策金利を0%に引き上げている(12/20日経)。金利緩和の限界が露呈しつつある。
*金融緩和を長期で続けていくと、従来ならインフレが過熱して、それが金融緩和の歯止めになっていたが今回はそれがない。金融緩和が長期化した場合のメリットは失業率の低下やデフレ阻止になるが、デメリットは債務の増加や産業の新陳代謝の低下になる。
*金融緩和が長期化すると産業の新陳代謝が進まず(ゾンビ企業が存続する)、潜在成長率が落ちていく。潜在成長率が落ちるとインフレがさらに起こりにくくなる。現在中銀がインフレを起こそうと行っている金融緩和は長期的にはインフレが起こりにくい経済構造を作っているという面もある。
*日本はこのまま金融緩和を続けると、金融仲介機能を持つ銀行の収益が落ち、金融政策が円滑に機能しなくなる恐れがある。日銀の責務には「物価の安定」の他に「市場・金融システムの安定」があるが、長期の金融緩和により金融システムが不安定になりつつある。
*主要中銀の量的緩和(資産購入)は2019年は40兆円ほどだったが、今年はコロナショックにより800兆円くらいまで拡大するといわれている。4/16日経
*日本は現在、財政赤字拡大を容認する現代貨幣理論(MMT)のような金融・財政政策をしているが、歴史的には中銀の貨幣発行によって財政赤字の穴埋めをしてきた国は、インフレを制御できなくなり、投資や成長が著しく落ち込むという結果に終わっている。
 *MMTとは自国通貨で借金をできる国は破産することはなく、高インフレを招かない限りは財政支出のしすぎを心配しなくてよいという政策。提唱者のケルトン教授によれば、財政支出を拡大してインフラや教育、研究開発に投資すれば長期的には国の潜在成長率を高めることができ、財政赤字を縮小できるという。高インフレ問題についてはインフレ防止条項(増税など)を入れておけば問題ないとのこと。10/7の日経には財政出動をして、長期的な収益率が政府の借入金利を上回るようなものに投資すれば、短期的に需要を押し上げるだけでなく、長期的にも財政状態を改善できるとある。このような投資に該当するものには出生率向上策や気候変動への取り組みなどがあるという。ただし、完全雇用の状況では労働力不足でこのような需要喚起策は打てない。
 *MMTで潜在成長率を高められなかった場合は、膨張した政府債務を国民が増税や高インフレなどで負担しなければならない。
 *MMTで高インフレになった場合、中銀は金利を引き上げられない。中銀のバランスシートの質はすでに劣化しており、そこで利上げをしたら自己資本がさらに劣化し、さらに金利が上がる、という悪循環に陥ってしまう。
  *MMTと日本の金融・財政政策は若干異なる。MMTは財政再建をそれほど重視せず、中央銀行を政府の支配下に置くが、日本の政策の場合は、政府は一応は財政再建を目指し、中央銀行は政府から独立している。
*日本や米国は慢性的な財政赤字体質なので、将来的にはMMTのような財政・金融政策に移行せざるを得ない。
*先進国の金融政策はほぼ限界にきているので、次の景気後退時の景気刺激策は財政政策しかない。
*今回のコロナショックを機に先進国はMMTのような政策に移行したように見える。FRBや日銀は国債購入の上限額を撤廃して財政支出を拡充する政府との協調姿勢を鮮明にしている。4/24日経
*コロナショックで企業が破綻し生産基盤がなくなってしまうと、コロナが収束した後の景気回復が弱いものになってしまう。それを避けるためには政府や中銀の大規模な支援策が不可欠になる。支援の規模はGDPの落ち込みと同規模なものが必要になる。これをすると財政赤字は莫大なものになるが、もしこれをしなければ恒久的な経済的損害が生じ、長期的により莫大な財政赤字が発生する確率が高くなる。4/5日経ヴェリタス
→問題なし

<政治>
・日本の政治は比較的安定。コロナ対策は迷走気味だったが、国民性のためか(5/31日経)、「自粛警察」の取り締まりのためか、結果的にはうまく押さえ込まれている。ただ、日本人はコロナの抗体を持っている割合が全国民の1%以下で、”ワクチンアレルギー”があるため、真の収束にはかなりの時間がかかりそう。
*ウイルスの脅威は人口の70%がウイルスに感染して集団免疫を獲得するか、有効なワクチンが開発されるまでは消えないとされる。
*ワクチンは基本的に10万回に1回程度、副反応が出るとされる。日本人はワクチンの副反応への抵抗が強く、子宮頸ガンを予防するHPVワクチンの接種率は1%以下に留まっている。
・海外は不安定。米国と中国の覇権争いは、ハイテク・軍事分野を中心に今後長期にわたり続きそう。貿易戦争は一時休戦していたが、足下では再開されつつある。
 *米中貿易戦争が激化・長期化すると、貿易環境に強い不透明感が生じ世界的に投資が落ち込んでいく。米中貿易摩擦の最大の敗者は、貿易依存度が高い日本やアジア、ユーロ圏とも言われている。
・香港ではデモが続いているが、これはもしかすると中国民主化への序章になるかもしれない。ウイグル自治区では中国の思想を植え付ける100万人規模の再教育施設があるようだし、中国の監視・信用格付け社会では社会的弱者の不満が高まっているようなので、中国に経済ショックのような大きな打撃が加われば、一気に民主化の機運が高まっていく可能性がある。足下で起こっている「コロナショック」はそのきっかけになるかもしれない。
・英国はEUから「合意ありの離脱」をしたが、これから始まるEUとの通商交渉は不透明感が強い。
・英国のグダグダ感が効いてか、EU域内のEU離脱派・懐疑派の勢いは当初よりも弱まっている。しかし失業率・成長率の悪化や所得格差の拡大、価値観の分断を背景にしたポピュリズムは今後も長期にわたり続きそう。
・EUはコロナショックの財政政策で、北欧の財政健全国と南欧の重債務国が対立している。財務状況の異なる国々が単一の財政政策をすることにもともと無理があるので、今回のコロナを機にEU解体機運が高まる可能性がある。
→問題あり

<その他の景気後退シグナル>
・米景気の先行指標である米住宅着工件数はコロナによりピークアウトしている。
・世界景気の先行指標である世界新車販売台数は2018年、2019年と2年連続で減少している。*景気拡大期の終盤に入ると、消費者はまず住宅や自動車などの大型耐久消費財の購入を手控えるようになる。
・米景気の先行指標である米ISM製造業景況指数は4月に41.5の底をつけ、6月は52.6と急反発している。(同指数が45を下回るか、50割れの期間が半年を超えるとデフォルトが増えると言われる)。米経済の牽引役である米ISM非製造業指数は  ??
米国の失業率はコロナショックで4月に戦後最悪レベルの14.7%まで上昇していたが、6月には11.1%と徐々に改善しつつある。
 *コロナで失業した人の約7割はレイオフ(一時的な解雇)のため、経済が再開すれば早期の雇用回復が見込める。
 *失業率には「理由不明の休職者」は含まれていない。この人口を加算すると失業率はさらに5%上昇する。5/11日経
*米国では失業率が前四半期と比べて0.25%上がると景気後退に陥ると言われている。
*失業率が最低水準まで下がると賃金上昇により企業収益が圧迫され、労働力不足で経済成長は頭打ちになる。
*過去の相場分析では米株が底値を付けるのは失業率のピークから平均して4ヶ月前になる。今回は失業率が7月にピークをつけると考えると3月に付けた安値が底値になる(5/9日経)。米株が安定的な回復基調になるのは失業率がピークを打って低下し始めた後になる。4/25日経
・米景気の先行指標になるダウ輸送株ラッセル2000はすでにピークアウトしている。
・景気拡大期の終盤は、金余りと鈍化した成長率を引き上げるため巨大M&Aが盛んになるが、2018年、2019年はまさにその状態だった。*高値で行われたM&Aは景気後退期にのれんで巨額の減損が発生しやすい。
・世界景気の先行指標である銅価格はすでにピークアウトしている。
・世界景気を半年先取りするOECD景気先行指数は98.8と節目の100を下回っている。4/8日経
・世界景気の先行指標である中国製造業PMIはコロナショックで2月に過去最低の35まで落ち込んでいたが、足下では節目の50を超えている。ただし、PMIは生産や受注が前月と比べて増えたかどうかを調べるものなので、節目の50を超えたからといって必ずしも経済が全面的に回復したということを意味しない。
・マクロ経済の不透明感を表す経済政策不確実性指数は世界、米国、中国で過去最高水準まで高まっている。
・経済危機をいち早く察知する米低格付け債の利回りはコロナショックで一時大きく下落したが、FRBが(一部の)低格付け債を買い入れているため持ち直している。*シェールガス企業などの投資不適格債(ジャンク債)はFRBの購入対象外。
・米国で「長短金利の逆転」「社債スプレッド(社債利回りと国債利回りとの差)の拡大」「物価上昇」のうち、2つが起きたら景気後退に陥るといわれるが、今はかろうじて「長短金利の逆転」だけにとどまっている。
・FRBの利上げ局面における株式相場は「1,金融緩和の終了を嫌気した調整」→「2,利上げ中盤にかけての良好なファンダメンタルズを好感した上昇」→「3,利上げ終盤の過度な引き締めを懸念した反落」→「4,利上げの打ち止めを好感した反発」→「5,ファンダメンタルズの悪化を織り込んだ大幅な下落」という経過をたどることが多いが、今は利下げ局面に入っている。
→問題あり

■テクニカル
・チャート
ナスダックは「バイイング・クライマックス」(買いの最終局面)のような出来高をつけている。ナスダックは大天井を付けたのかもしれない。・・もしくはこれはバブル相場の号砲なのかもしれない。
<5年チャート>
→問題あり?

・ディストリビューション・デー(機関投資家の売り抜け日)
日経平均 3日
NYダウ 5日
ナスダック 3日
→問題なし

・騰落レシオ
日経平均 83
NYダウ 121
ナスダック ?
→問題なし

・信用評価損益率
ー16 %
→問題なし

■まとめ
株式市場は金融緩和と景気後退とのせめぎ合いで振れ幅の大きい展開になりそう。政府・中銀がコロナのダメージを吸収できなくなったときが株式市場の終焉になるかもしれない。コロナとの戦いは長期戦になりそうなので、政府・中銀が経済を支えられなくなる可能性は十二分にある。
*景気後退とはGDP成長率が2四半期連続でマイナス成長になること。

ーーーーー
1年以内に米国が景気後退に陥る確率:100%

1年以内に中国の債務バブルが破裂する確率:40%
中国はデフォルトモードに入っていたところで(11/29日経)、コロナが直撃したのでデフォルトモードが加速しそう。社債の償還がピークを迎える2021年,2022年頃(12/27日経)に中国共産主義は危機を迎えるのかもしれない。ただ、中国の独裁体制は2000年以上続いているようなので(4/14日経)、そう簡単には終わらなさそうでもある。

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