2023年1月1日日曜日

投資にベストな心理状態

株式投資をしていると株価が上昇しているときは楽観的になり、投資判断を誤ることが多いように感じる。経営者の発言でも株価や業績が急上昇しているときは楽観的な発言になり、その後業績(株価)が失墜することが多いように感じる。例えばスマホゲーム制作会社gumiの國光元社長はスマホゲームが隆盛を極めていた2013年頃に「時価総額8兆円は見えた」と語り、その後業績は右肩下がりになっている。ZOZOの前澤元社長も株価が急上昇していた2018年に「10年以内に5兆円企業を目指す」と語り、その後株価は急落している。

このようになる仕組みがいまいち謎だったが、『ストレス脳』(アンディシュ・ハンセン)にそのあたりのことが書いてあった。

「喜んでいる人は悲しんでいる人よりテストの点数が低い。気分のよいときはあら探しをするのをやめてしまうためかもしれない。うまくいっているのだから間違いを探す必要なんてない、というように。人は気分がよいと全体的な情報だけを処理し、細かいことは無視する傾向がある。また気分がよいときは騙されやすくもある。普段ほど批判的に細部まで分析できないためだろう。

しかし、気分が落ち込んでいるときは逆になる。細かい点にこだわり、批判的になり、間違い探しをするかのように情報を分析する。私たちの思考能力は気分と関係があって、どういう能力が必要とされるかはその時々による。人生を左右するような問題に取り組むときに人が鬱々として引きこもるのは、脳の戦略なのかもしれない。ちなみにこれは分析的反芻の仮説と呼ばれている」

となると、株式投資をする際にベストな心理状態は陰気くらいがちょうどよいのかもしれない。少なくとも浮かれた状態では足をすくわれやすくなるということは気に留めておきたい。それと業績(株価)絶好調時の社長の発言は少し割り引いて解釈するようにしたい。

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