2020年10月2日金曜日

持ち株チェック

保有比率の高い順に見ていく。

■弁護士ドットコム
基本シナリオ:法律分野をITで変革し最強のプラットフォーマーに
クラウドサインは快走中だが、弁護士プラットフォーム事業の方は雲行きがあやしくなってきた。アクセス数の回復に相当手こずっているようで、昨年11月からアクセス数は減少の一途をたどっている。

以前、グーグルで「法律相談 ネット」と検索すると弁護士ドットコムが運営する「みんなの法律相談」がトップに表示されていたが、今では5番手に表示される。また「弁護士 大阪」と検索すると類似サイトのココナラよりも下に表示されてしまう。

弁護士ドットコムのサイト自体には優位性がありそうなので、なにか技術的な問題が発生しているのかもしれない。ただ、このままアクセス数の低下が止まらない場合は弁護士マーケティング事業に影響してくるので、今後アクセス数の回復を図るため「みんなの法律相談」を無料にする可能性もある。

おそらく今後立て直していけるとは思うが、この点が少し心配。
*現在「法律相談 ネット」で検索すると「みんなの法律相談」が2番手に表示される。SEO(検索エンジン最適化)対策が効き始めたのかもしれない。

会長が財務大臣政務官になり、兼職禁止の規定により退任してしまった。この会社の要所要所には精鋭が配置されており、事業の方は軌道に乗っているので業績の方は問題なさそうだが、株主として一抹の寂しさがある。とはいえ、これは「栄転」であり、この会社のおかげで資産が倍増したので、今後の会長の活動は陰ながら応援しようと思う。

・・しかしどうして会長は法務大臣やデジタル改革大臣の政務官ではなかったのだろうか。会長がデジタル庁の政務官になれば面白い展開になりそうなのだが・・。日本の大臣は専門外の人間が就くことが多いのでよくわからない。(日本では仕事だけでなく政治も「メンバーシップ型」なのかもしれない。この点については「ランサーズ」を参照)

今後3年の予想売上高成長率は年率30%程度。現在妥当だと思う時価総額は1500億円(株価7000円、PSR30倍)くらい。2030年の予想売上高は、売上高成長率が年率25%の場合は400億円、年率35%の場合は860億円。2030年の予想時価総額は4000~8000億円。

■ジモティー
基本シナリオ:最強の地元取引プラットフォームに
第2四半期決算は、アクセス数が増えて業績が下振れする、という予想通りの内容だった。株価は上下どちらに振れてもおかしくない状況だったが、長期目線の投資家の方が多かったようで、決算後に大きく上昇した。株価はこの調子で4800円くらいまではいきそう。

「ジモティー」の主要カテゴリーの件数を記録していく。
・売ります・あげます 7月中頃  893080件 → 10月 945116件
・メンバー募集 67116 →69364
・助け合い 25300 →26203
・不動産 466478 →511537
・アルバイト 43710 →44585
・正社員 13703 →14002

今後3年の予想売上高成長率は年率20%程度。現在の妥当だと思える時価総額は280億円(株価4800円、PSR20倍)くらい。2030年の予想利益は現在の10倍くらい。

■ペプチドリーム
基本シナリオ:最強のペプチド創薬プラットフォームに
コロナの影響で今期の臨床入りは2件くらいにとどまりそう。コロナが落ち着くまでは冴えない展開が続くのかもしれない。ただ、機関投資家注目の多発性骨髄腫の薬剤開発は順調に進んでいるもよう。

中村超硬を調べていたら、中村超硬がペプチスター(ペプチド製造工場)事業から撤退していたことがわかった。今回の撤退は超過債務の解消が主目的だが、他の新規事業(ナノゼオライト事業)の方は撤退してないので、ペプチド製造事業の見通しはあまり良くなかったのかもしれない。

今後3年の売上高成長率は年率20%程度。現在の妥当だと思える時価総額は5000億円(株価4000円、PER100倍)くらい。2030年の予想利益は、売上高成長率が年率20%なら300億円、年率30%なら700億円。2030年の予想時価総額は2兆~5兆円。

■ステムリム
基本シナリオ:再生誘導医薬が再生医療の主役に
再生誘導医薬と似た作用機序(仕組み)を持つミューズ細胞の存在が気になり始めた。当初、ミューズ細胞(薬剤)は他人の細胞を体外で培養するものなので、コストや安全性、効能の面で劣ると思っていた。しかし、第二相臨床試験の結果は良好のようなので、脅威になりうると思い始めた。9/4日経

ミューズ細胞について調べてみると潜在市場は2700億円以上あり(2019/11/26日経)、脳梗塞の第二相治験では梗塞を起こしてから4週間までなら効果があるようなので、もしここで再生誘導医薬が優位性を示せれば、テンバガーを狙えるのではないかと思った。
*現在ステムリムが行っている脳梗塞治験では「発症後4時間から24時間の患者」がターゲットになっている。おそらくこのターゲットではティムスのSMTP化合物には勝てない。

米セルジーンで臨床開発部長だった永松和朗氏が7月にステムリムの開発部長に就いた。この会社にも国際色が出てきた。
*米セルジーンは2019年に米ブリストル・マイヤーズスクイブに7兆円で買収されたバイオテクノロジー企業。

国(AMED)が実施するコロナ治療薬の開発にステムリムの薬剤が採択された。適応症は重症化したコロナ肺炎になるが、これは再生誘導医薬のコンセプトに合っているので、トントン拍子で開発が進むかも知れない。

ステムリムがまたストックオプションを発行した。この半年間で3回も発行している(10月に4回目を発行予定)。今後の業績によほど自信があるのかもしれないが、ストックオプションは発行する側にとっては無リスクなので、あまり参考にするのはやめようと思う。・・しかし、ストックオプションをこれほど連発した会社はこれまで見たことがない。ひょっとすると「大爆発」するのかもしれない。

動物実験施設の建設計画があったが、現在の施設を拡充する方向で動いているようなので、資金調達の必用はなさそうだとわかった。

今後3年の予想売上高成長率は年率0~10%程度。業績が急拡大するのは早くても3年後。現在の妥当だと思える時価総額は800億円(株価1400円)くらい。

■eBase
基本シナリオ:最強の商品情報管理プラットフォームに
コロナの影響で契約が遅延気味のようだが、コア事業(eBASE事業)の方はそこそこ順調な伸び。eBASEが提供するソフトウェアはクラウドサインのようにネットワーク効果付きなのでまだまだ成長しそう。

プラットフォームで集めたデータに付加価値を付けて販売するという新規事業の方も期待できる。一般に「観察できなかったものが観察できるようになると革命的な変化が起こる」と言われているが、データも顕微鏡や望遠鏡のようにこれまで観察できなかったものを観察できるようにしているので、eBASEもうまいことやれば小売業界に革命を起こせるかもしれない。現在、需要予測システムやPOSシステムを手がけるデータテクノロジー企業との提携を進めているようだが、こういった会社との提携を増やしていけばデータの付加価値を高めることができそう。

ただここで少し気になるのが、この会社の”おっさんくさい”ところになる。社員の口コミなどを見ると、この会社の組織文化は「統制的」「官僚的」な雰囲気があるように見えるが、データ利活用が活発な会社は「協調」や「創造」を重視する組織文化があるようなので、この点が今後少しネックになってきそうではある。

今後3年の予想売上高成長率は年率10%。現在の妥当だと思える時価総額は550億円(株価1200円、PSR25倍)くらい。2030年の予想利益は現在の3倍くらい。
*PSR算出で使う売上高は「eBASE事業」の売上高だけ。

■チームスピリット
基本シナリオ:最強の業務管理クラウドソフトに
コロナ下で、ラクスの「楽楽精算」は大きく伸びているが、「TeamSpirit」は伸びが若干鈍化している。「TeamSpirit」は単一ソフトと比べて大がかりなシステムのため導入が減っているとのことだが、「楽楽精算」を導入した企業が「TeamSpirit」を導入する可能性はほぼないので、この調子でいくとまずい状況になる。

チームスピリットは競争の激しい中小企業向けではなく、大企業向けに力を入れていくとは言っているが、大企業向けでも「コンカー」などがおり、競争は激しそう。

「TeamSpirit」が「楽楽精算」などの単一ソフトとAPI連携(ソフトウェア連携)をすれば状況は変わるかもしれないが、今のところそれをする気配はないので、今後成長スピードが落ちていくかもしれない。

勤怠管理や経費精算などを一体化した「TeamSpirit」のコンセプトは面白いと思うのだが、各々のソフトが弱いとろこに問題があると改めてわかった。

今後3年の予想売上高成長率は年率25%程度。今年の妥当だと思える時価総額は260億円(株価1600円、PSR10倍)くらい。2030年の予想利益は現在の3倍くらい。

■今後の計画
ポートフォリオの再構築はほぼ完了。今後しばらくはこの布陣でいこうと思う。

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