インフル薬で覇権を握りそうな塩野義だが、インフル薬はどれくらい売れそうか、それ以外の業績はどうなっているのかを調べていく。
■インフル薬
インフルエンザは毎年世界中で発生している病気なので薬はたくさん売れると思っていたが、実際それほど売れないらしい。薬を飲むと耐性ウイルスができてしまったり、そもそも健康な人なら薬を飲まなくても治ったりするので、日本以外ではあまり薬は使われないという。欧州ではタミフルの保険適用すら認められておらず、タミフルのピークセルは900億円程度にしかならないという。JPモルガンの塩野義のインフル薬の売上予測は2017年が5億円、2018年が30億円、2019年が45億円、2020年が60億円程度となっており、売上が3000億円ある塩野義にとっては、それほどインパクトのある数字ではない。
■インフル薬以外の薬
塩野義の一番の成長エンジンはHIV薬になる。成長率は15%以上で利益率も高い。HIV治療薬では世界トップシェアを占め、売上を度々上方修正している。
有望な新薬群も控えている。中でも麻薬成分オピオイドが引き起こす便秘に対応した薬が近々上市されるらしく、これも高い売上を期待できるという。
JPモルガンのアナリストによると、市場はまだHIV薬とオピオイド便秘薬への適切な評価をしていないという。
■株価について
塩野義の今後3年間の利益成長率は年率12%程度で、現在のPERは20倍になる。製薬業界の平均PERは26.5倍であり、もしもこの水準まで株価が上昇すれば7300円になる。JPモルガンはこれにさらにプレミアをつけて目標株価を8000円としている。現在の株価5000円は割安な水準といえるのかもしれない。
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