2017年4月14日金曜日

中小型株13 インフォマート ○

前項「ビッグチェンジ」のところで登場した銘柄。ビジネスモデルやチャートが良さそうなので詳しく調べてみる。

■どんな会社か
企業間の紙によるやりとりをIT化する事業を手がける。1998年の創業当初からこの事業に特化し、食品業界では最大の企業間電子プラットフォームを構築している。2年ほど前から他の業界にも進出し、インフォマートのシステムを利用する企業は急増している。

ビジネスモデルは利用企業数の増加に伴ってシステム使用料が増加していく典型的なストック型ビジネス。東証一部上場で時価総額は770億円。

■成長ストーリーは
「企業間電子プラットフォームをあらゆる業界に浸透させ、生産性の高い、ペーパーレス社会にする」というのが基本ストーリー。

インフォマートの現在の売上高の内訳は、食品業界の受発注システム部門が37億円、食品などの規格書を取り扱う部門が11億円、請求書等システム部門が12億円、その他事業が1億円となっている。その他事業以外では年率10%以上成長しており、中でも請求書等システム事業は今後の急速な伸びが期待できる。

<請求書システム>
企業間の請求書のやりとりは今までほとんどが紙だったが、発行、受け取りともに手間とコストが発生していた。これを電子化した場合、90%の時間短縮と80%のコスト削減をできるという。データの呼び出しも簡単で、紙や輸送エネルギーを使わないため環境にやさしいというメリットもある。
16年1月には改正電子帳簿保存法が施行され、電子保存をすれば企業側は請求書の原本を保存しなくてもよくなった。その意味でも普及に弾みがつきそう。

請求書システムは運用を始めてわずか2年で利用企業数が13万を超えている。会社の計画では18年3月期に100万社まで増やすという。そんなにすんなり進むとも思えないが、このシステムは2社間以上の取引なので利用企業がネットワーク状に広がる特徴がある。すでに日本のメガバンク3行や野村證券、サイバーエージェントなどに採用されており、それだけでも対象企業は膨大になる。インフォマートは大手企業を集中的に攻め、そこから自然に派生していくような戦略を採っている。

請求書事業が普及したら、同じクラウドプラットフォームで他のサービスも順次展開していくという。

インフォマートは2015年から2016年にかけて増資や大型投資をしている。今期に新システムが2つ稼働し、それでビジネスモデルはほぼ完成するという。2017年後半あたりから収穫期に入る。

■参入障壁(競争力)は高いか
市場独占型のプラットフォームなので非常に高い。

■問題点
・3月27日に創業社長が51歳の若さで急逝してしまったこと。ビジネスモデルはほぼ確立しており、創業メンバーが後を引き継ぐのでただちに業績に影響がでるということはなさそうだが、強力なリーダーシップが失われる可能性がある。

・システム開発会社から訴訟を起こされていること。ただ訴訟を起こしたeBase側はインフォマートが儲かりだしてから権利を主張しはじめているので、インフォマートのほうに多少、分がありそう。

■成長性と割安感について
今期は35%程度の成長率になり、今後3年間の予想成長率も同程度になる。現在のPERは45倍で指標面でそれほど割安感はない。

■戻り売り圧力はあるか
ほとんどなし。長期では非常に底堅い。

■チャートは
2014年7月頃に600円をつけ、現在も600円と3年間保ち合いが続いている。これはエネルギーをため込んでいると解釈でき、業績の急拡大とともに株価の急上昇が期待できる。
短期のチャートでは底値を徐々に切り上げているのも良い。

■まとめ
指標的に割安感はないが、業績が落ちにくいビジネスモデルと底堅いチャートのため下値不安は小さい。”ビッグチェンジ”の3要件を満たしているのも良かったので、ソリトンやフルスピードを売って590円で購入。600円以下でもう少し買い増す予定。

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