2017年6月2日金曜日

為替予想の達人 小池正太郎

日経マネー2016年10月号で為替予想の達人を見つけた。小池氏は2015年4月頃、1ドル120円の円安トレンドまっただ中に、2016年に1ドル100円台になると予想し、それを的中させている。また2016年8月には、2016年末は115~118円になると予想し、それもぴたりと的中させている。


2016年に1ドル100円台を付けると予想した時の根拠は以下の3つ。
・米大統領の二期目は円高ドル安傾向になる傾向がある。経験則から一気に円高になる可能性がある。
・為替相場は政治的に大きな変化が現れるとトレンドががらりと変わる。今年は中国の新5カ年計画の始動や、米大統領選など政治の大きなイベントがある。
・長期的には1ドル140円へと円安に進むと予想しているが、そこまで円安が進むにはいったん1ドル=100円までの円高にならないと円安へのエネルギーが膨らまない。

*1ドル140円になる時期や根拠については不明。

2016年末に115~118円になると予想した時の根拠も3つ。
・米国の景気回復に対する信認が強まるため。米国の足下の経済指標を見ても小売売上高や新規住宅着工件数など前年比では伸びている。
・消費者物価指数は前年比1%程度と低調だが、FRBが重視する個人消費支出も前年比では改善傾向にある。こうした状況が続けば利上げを実施する。
・日本はデフレ脱却の見通しがつかないため、FRBが利上げを実施できれば日米の金利差から円安に傾く。

たかだか2例しかみてないが、根拠は的確に見え、ただの偶然とは思えない。
小池氏は予測精度を高めるために長年以下のことをやっているという。

1,毎日の為替レートや株価を手書きで記録していく。手書きで記録するのはその方が体で覚えるから。

2,記録に加えて、前日の値動きの理由を1行でまとめる。1行にまとめるのは、様々な材料から何がもっとも影響が大きいのかを見極める力を養うため。材料は1つに絞りきれない日もあるが、影響度の順番をつければ、何が重要なのかを考える癖がつく。

3,これからどう相場が動くのかの予想も加える。そうすることで重要経済指標の発表など、相場を動かす可能性のある重要なイベントに注意をはらえるようになる。

これを毎日続けていると観察力や俯瞰力が養われ、投資に必要な脳が作られていくという。

小池氏の2017年の見通しは、「円高は4月17日の108.13円で終了。今後は112円~115円のレンジを保ちつつ、125円まで円安が進み、年末は120円になる」とのこと。

参考:小池正一郎の為替大観
   「リーダーからの金言」日経マネー2016年10月号

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