2016年10月21日金曜日

ダブルスコープ 様子見

■ここ数週間のニュース
<EVへのシフトは進む>
・パリで行われたモーターショーでは、VWの排ガス不正の問題もあり、欧州メーカーの開発がEVに絞りこまれているとのこと。2016/10/07産業
・EVは燃焼エンジン車と比べると設計がずっとシンプルで、組立に10分の1程度の人員しか必要としないため、生産コストを大幅に削減できる。物流会社のドイツポストは自前でEVを設計・生産している。ロイター2016/10/07
・「バッテリーコストの低下で内燃機関の自動車は2025年以降にEVと価格の面では競争できない時代が来る」LG電子常務談 2016/10/12産業
・EUでは燃費規制が強化される。21年に二酸化炭素排出量を15年規制値より3割減らさなければならないが、ディーゼルエンジンやターボチャージャーといった内燃機関の改良だけで数値目標を達成するのは困難。
・ドイツではEV普及のため官民が折半出資して、20年までに1万5千カ所の充電スタンドを整備。
・ドイツの上院はEU域内でのガソリン・ディーゼル車販売を30年までに禁止することを求める。2016/10/15日経
・中国は世界最大の自動車市場であり、その影響で大気汚染は深刻化。習近平国家主席がいる北京もそれを免れることはできないため、政府は燃費規制を急ぐ。現在検討中の新エネルギー車規制(NEV)は排ガスを出さないEVなどの電動車の販売を一定の比率で義務づけるようにする。達成できなければ罰金を科せられる。18年の導入を目指す。みずほ調査部の試算では15年の販売水準でも113万台の新エネ車の生産、輸入が義務づけられることになる。2016/10/19産業

<直近のダブルスコープのコメント>
・中国経済の減速懸念はあるが、ダブルスコープ幹部によると「中国景気減速の影響はまったくない」とのこと。2016/10/02ヴェリタス

<セパレーターの参入障壁は高い>
・電気自動車(EV)の普及でリチウムイオン電池の需要は拡大する見通しだが、安全性を左右するセパレーターなどと比べて参入が容易な電解液は過当競争に陥っている。2016/10/13
・VWは電池については他社提携を続ける方針。ヴェルシュ氏は「日本や韓国のリチウムイオン電池サプライヤーと協力し開発を続ける」。2016/10/14日経

■ネガティブニュース
<セパレーターの過剰供給問題>
・矢野経済研究所が9月30日に刊行した調査レポート「2016年版 リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望 ~セパレーター編」には、「コーティング加工など難易度があがる一方でコストダウンがせめられる苦境」「足元の需給ギャップは解消の方向へ向かうも、中国では生産能力過剰となる可能性もとある」とある。
・「セパレーターは日本勢も買収・増産などで手を打っているが、垂直統合を進める中国・韓国勢がコスト競争力を高めている」。2016/10/12産業

<次世代電池>
・2020年以降にはリチウムイオンに変わる次世代電池の実用化が見込まれるが、その本命は電解質を液体から固体に置き換える全固体電池との見方がある。課題は量産化。2016/10/12産業
・全固体電池は従来のリチウムイオン電池と比べ、安全性、耐久性、航続距離、充電時間、コスト面において圧倒的にすぐれている。来年にはサンプル出荷を開始し2020年に製品化の予定。トヨタや日立造船などが開発を進めている。2016/10/2ヴェリタス

■テクニカル
・MACD(週足)はGC形成 ↑
・25日と75日の移動平均線もGC形成 ↑
・一目均衡表(日足)は雲を一時突破したが、また雲の中へ。 →

■まとめ
セパレーターは供給過剰になる可能性が高く、ダブルスコープの年率35%の成長路線には不透明感がでてきた。長期的には全固体電池の存在で見通しがさらに悪くなる。中長期で成長率35%を達成していくのは厳しいように感じはじめた。

現在ホールド中だが、もうしばらく様子見。EVへのシフトは進んでいるため電池の引き合いは強く、また最高益更新中なので株価の下振れはそれほどないと予想。次回の決算で上昇トレンドが始まることがあれば12月半ばごろまではホールドしようと思う。決算が下振れしたら売却予定。どちらにしろ長期で保有する可能性は低くなった。

今回もう一つわかったのは、株価が200日移動平均線を下回っている場合、もしくは最高値よりも40%以上下落している場合は、やはり何か深刻な問題があるということ。よく知っている銘柄はともかくとして、新しく発見した銘柄では気をつけていきたい。

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