2016年10月14日金曜日

金持ち父さんの大暴落予想

「金持ち父さん」シリーズの著者ロバート・キヨサキが大暴落を予想しているとのふれこみのあった新刊「金持ち父さんのセカンドチャンス」を読んでみた。(米国では2015年刊)

彼の説では2016年近辺に史上最大の、究極の大暴落が起こるという。世界の中銀が行う金融緩和がバブルを歴史上最も危険なものにしているらしい。震源地はおそらくデリバティブ市場になるということだが、デリバティブ市場は複雑怪奇なので「問題が見えないのが問題」というオチがつき、説得力に欠けていた。

*デリバティブ市場とはリスクを取引する一種の保険市場で、市場規模は株式市場よりもはるかに大きく1000兆円を超えているという。これほど大きな市場にかかわらず規制はほとんどなく、バフェットはこの市場を「金融市場の大量破壊兵器」といっている。

またキヨサキ氏は大量の通貨供給は通貨の価値は落とすことに触れているが、それによって株式市場を底上げさせることには触れていない。通貨を大量に供給し、通貨の価値を下落させれば、企業価値を通貨で評価する株式市場は底上げされる。1976年に金本位制が廃止され変動為替相場制に移行して以来、通貨供給量は一貫して増え続けており、それに連動して株式市場も上昇してきた。リーマンショック後の大規模な量的緩和では株式市場は一気に底上げされた。そして今後もおそらく通貨供給量が増え続けていく状況に変わりはない。このような状況下で株式市場が大幅に下落して、1929年の大恐慌時のような自体に陥るのだろうか。

アメリカはすでに景気後退局面に入っている可能性があり、近いうちになんらかのきっかけでバブルが崩壊する可能性がある。しかしもしそうなったも政府は再び大規模な資金供給をして相場を下支えし、数年程度で市場は回復するのではないかと思う。

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