2017年3月17日金曜日

小型株11 G-FACTORY △

■発見した経緯
「J-STOCKアクティブ投信」の1月の月報で紹介されていた。

■どんな会社か
飲食店や美容室の出退店支援サービスを手がける。ウナギのファーストフード店「宇奈とと」も運営。2016年9月にマザーズに上場し、時価総額は72億円。

<出退店支援サービスとは>
中小の飲食店では店舗開発や財務に長けた人材を雇うのは難しいため、出退店の手続きは基本的に社長1人で行うことになる。そうなると本業に集中できなかったり、規模が小さいため交渉が難航したりするケースが多くなってしまう。G-FACTORYの社長も以前「宇奈とと」の店舗網を広げようとした時に苦労したという。その時の経験がきっかけになりこのビジネスを始めたという。

出退店支援サービスには物件情報サポート、内装設備サポート、丸ごとサポートの3つがある。物件情報サポートとは、退店希望顧客に代わって店舗物件の賃貸契約を引き継ぎ、内装を買い取って、その店舗物件を出店顧客にサブリースしていく事業になる。内装設備サポートとは内装のリース契約をサポートする事業になる。丸ごとサポートとは物件情報サポートと内装設備サポートをまとめた事業になる。

顧客はこれらのサービスを使うことにより労力や費用、リスクを減らすことができる。一方、大家さんは賃料未回収などのトラブルを回避することができる。

■成長ストーリー
”ストック型の出退店支援サービスを全国、海外に広げていく“というのが基本シナリオ。

日本の飲食業界は飽和状態にあるが、飲食業界の新陳代謝は絶えず行われている。飲食店開業後の2年以内の撤退率は50%となっており、そのうちの8割を30坪以下の中小型店が占めている。

G-FACTORYのメインターゲットはこの回転率の高い30坪以下の中小型店になる。取り扱う物件は好立地の居抜き物件に厳選しているため空室リスクはほとんどないという。
*居抜き物件とは前テナントの内装設備が残っている物件のことで、こうした物件に出店すれば出店費用を半分程度に抑えることができるため人気が高い。

株式上場によって大家さんからの信頼度が上がり、居抜き物件が集まりやすくなっているという。

現在、出退店支援サービスは東京と大阪、シンガポールで展開しているが今後は九州や札幌、東南アジアにも展開していく予定。日本食ブームで海外進出意欲のある飲食店は多いという。

上場で得た資金で内装設備リースを自社リースに切り替え、ストック型収益を増やしていくという。2019年にはストック型収益の比率を現在の71%から84%へ、営業利益率を15%から20%へ高めていくという。

■参入障壁(競争率)は高いか
それほど高くない。
居抜き物件情報サービスではすでに競合が多数存在。
内装設備リースでも競合がひしめいている。
ただし丸ごとサポート(物件情報サービス&内装設備リース)では店舗流通ネットなどに限られ競合は少ない。ビューティーガレージもつい先日美容室向けの丸ごとサポート事業をはじめたらしい。
*G-FACTORYの社長は店舗流通ネット出身。

参入障壁はそれほど高くはないが、G-FACTORYは特定の分野に特化しているので競争力は高そう。

■戻り売りの圧力はないか
ほとんどなし。チャートも悪い形ではない。

■割安感はあるか
今期の予想売上高成長率は17%、営業利益成長率は11%でPERは20倍なのでやや割高感がある。ただし今期の業績予想は昨年の人員、過去の実績のみで計算したものなので上振れ余地はある。

■問題点
この会社は社員が若く、経営陣も株式を大量保有している感じだったので期待していたが、どうやら上場後に売りさばいたらしい。大株主の欄からは社長以外の名前がすべて消えている。これが上場ゴールというやつだろうか。

大株主だったある取締役はインタビューで「夢は?」と聞かれ「株式上場」と答えていたが、それは会社の信用力を上げるためではなく、ただ単に目先のお金が欲しかっただけだったのかもしれない。

■結論
小型で、若く、ストック型の会社で、ビジネスモデルも独自性があって面白いと思ったが、社長以外の経営陣に期待が持てず、割高感もあるので今回は見送り。すでに少し買ってしまったが売却していく。

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