2017年3月3日金曜日

敏腕ファンドマネージャー2 奥野一成

2人目は「10倍株の特徴」や「ダブルスコープ 撤退」のところで登場した奥野一成さん。

■投資手法 参入障壁株投資
・最も重視するのは持続可能な参入障壁をもっているかどうか。持続的に企業価値を増大させるためには、後発企業の新規参入を阻止する参入障壁を維持して、競争上の優位性を保つことが必要になる。

その企業が所属する産業の成長率も重視する。あまりにも成長率が高いと新規参入の負担が大きくてもすぐに儲かるので投資を回収しやすい。そのため参入しようという後発企業が次々に現れてしまい参入障壁が崩れて競争上の優位性を維持できなくなってしまう。

産業の成長率が5~15%であれば新規に参入してもすぐには儲からないので、あえて参入しようとする企業は現れない。市場シェアを握っている先発企業は後発の脅威にさらされることもなく、競争上の優位を維持し、市場の拡大とともに成長し続けることができる。

・永久に持ち続けられそうな企業だけに投資する。株式の売却益ではなく、永続的な企業価値の増大を追求する。見立てが変わらない限りは投資し続ける。これまでの平均保有期間は6年。

・強靱な企業を選び出す際の要素は3つ
1,産業そのものの付加価値が高いもの
2,市場で圧倒的なシェアを握るなど競争上有利な状況にいること
3,人口動態など不可避的な長期の潮流にのっていること
これら3つの特徴をもつ企業は構造上、間違いなく儲ける仕組みをもっている。利益率や資産効率、増収率などが高く、バランスシートもきれいなことが多い。

・PERやPBRなどの投資指標は株を売買する際の参考程度にとどめ、銘柄の選別には利用しない。

■運用助言しているファンド
・企業年金ファンドや政府系ファンドなど。一般向けはない。
・2009年からのリターンは年率18%。
・助言銘柄は日本株21銘柄と米国株25銘柄。すべて大型株。
・上記の条件を満たす銘柄は、日本の場合は産業財メーカーが多くなる。日本の産業財メーカーには世界シェアが高く競争上の優位を保っている企業が多い。信越化学工業がその代表例。それ以外はファナックやセブン&アイ・ホールディングスなど。

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