日本を筆頭にポピュリズム(大衆迎合主義)が世界的に波及してきた。なぜポピュリズムが広まってきたのか、ポピュリズムにより市場はどうなっていくのかを考えていく。
■なぜポピュリズムが広まっているのか
民主主義がうまくいくのは高成長期だけと言われている。高成長期は税収が増え、政府からの分配や社会保障が充実して市民の不満が生じにくいらためしい。しかし低成長期に入ると政府からの分配が減り市民の負担が増え、また高成長期に構築した充実した社会保証制度を存続させるための負担も増えてしまうため、市民の不満は充満していくという。
ポピュリストはこのようなタイミングで登場するという。ポピュリストは痛みを伴う政策は一切不要で、もっと魅力的な政策があるといい、拡張財政による高い成長で問題を一気に解決できるといって支持を集めるという。
■そのとき市場はどうなるか
ポピュリズムによって短期的なバブルが生じる。アメリカにおいては保護主義を掲げながら金融規制緩和をしようとしているのでバブルがさらに膨らむ可能性がある。
一般人は株高が経済成長率の改善か需要の先食いかを区別することはできないので株高=成長と錯覚しやすい。ポピュリストはこれを利用し、市場が好感する近視眼的な政策ばかりを行ってさらに株式市場を盛り上げていく。
■拡張財政や保護政策をすると長期的にはどうなるか
拡張財政を行うと一時的に景気はかさ上げされるが、それは将来の需要の先食いにすぎないので潜在成長率は上がらない。政府の負債は膨らむため長期的な成長率は落ちていく。
保護政策を行うと新規参入が阻害されて技術革新が起こりにくくなる。また経済全体のパイが小さくなっていくので、この政策によっても長期的な成長率は落ちていく。
これらの政策により経済成長力は落ちていくので、政府の負債が限界に達したところでバブルははじける。
参考:河野龍太郎の論説など
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