2023年10月1日日曜日

ボリンジャーバンド

株式需給について調べていたら、「チャートで需給を見る」という言葉を見つけた(ダイヤモンド・オンライン2022/3/9)。響きが新鮮だったので記事で紹介されている本を読んでみた。

本の内容はテクニカル分析がメインの普通の投資指南本だったが、2点だけ参考になるというか、考えさせられる箇所があった。

1点目は「損切り」の箇所。

・保有している小型成長株が急落したら理由を考える前に問答無用で売る。理由はすぐにわからないことが多く、わかってからでは遅すぎる。すばやく売ることを徹底することが長期的な高パフォーマンスにつながる。

・どれほど成長期待が大きくても急落した小型株はいったん売って頭を冷やして考え直した方がいい。企業の未来を正確に予想することはできない。

・暴落銘柄は暴落する前に何度も売りシグナルを発していることが多い。そこで売っていく必用がある。

ここで言っていることはよくわかる。これまでこれをせずに何度も悲しい思いをしてきた。しかし性格上、この「問答無用で売る」ということができない。問答をして、たとえ屁理屈でも、理由がはっきりしない限り売買することができない。ただ株式投資で最も重要なことは「知識をつけること」だと思っているので、これからも問答をして知識をつけることを重視していこうと思う。いったん売ってから問答するという手もあるかもしれないが、狼狽売りになったり、興味を失ったり、売買でメンタルが消耗したりするので、それはやらないことにする。

最近では株価が出来高をつけて大きく動いたときは、その理由がだいたいすぐにわかるようになってきた。この変動要因を見極める力を今後も鍛えていきたい。


2点目は「ボリンジャーバンド」の箇所。

これまでボリンジャーバンドは全く使ってこなかったが、『2000億円超を運用した伝説のファンドマネージャー』の著者はこのテクニカル指標を最も信頼していたという。使えそうな指標なのでこの指標について簡単にまとめておく。

ボリンジャーバンドは1980年代にアメリカのアナリスト・ボリンジャーさんが考案した指標で、1本の移動平均線とその上下6本の標準偏差(線)で構成されるバンド(帯)になる。
*標準偏差とは、データが平均値の周辺でどれくらいばらついているかを表すもの。

標準偏差が小さいと、つまり株価の変動が小さいと、バンド幅は狭まっていく。反対に株価の変動が大きいと、バンド幅は広まっていく。ボリンジャーバンドが最も使えるタイミングは、このバンド幅が狭くなったときになる。

ボリンジャーバンドの標準偏差は±1α~±3αまで3種類ある。
±1α標準偏差の中に株価が納まる確率は68%になる。
±2α標準偏差の中に株価が納まる確率は95%になる。
±3α標準偏差の中に株価が納まる確率は99%超になる。

この局面で使う標準偏差は±2αになる。±2αのバンドが狭まった状態で、株価が上下どちらかのバンドにタッチ(または貫通)した場合は、これまでなかった新しい動きと解釈でき、株価の方向性が出やすくなる。そのタイミングで売買すれば出たばかりの材料に乗れる確率が高くなる。

ただし、その後に値動きの激しい状態が続き、広くなった±2αを株価が超えていく場合は行き過ぎのサインで、反転する確率が高くなる。


この指標を使って過去のいろいろな銘柄のチャートを見てみると、確かにこのルール通りに動いているものが多い。試しにエムスリーの今後をボリンジャーバンドで占ってみる。

<エムスリーの3年チャート> 直近でバンド幅は狭くなっており、-2αのバンドを一度貫いている。今はタッチしている状態。下降トレンドはまだ続くのかもしれない。

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