2017年5月12日金曜日

中小型株15 アイチコーポレーション △

「グローバルラップ日本小型株式ファンド」の月報で見つけた銘柄。

■どんな会社か
高所作業車のメーカーで国内シェアは約6割。海外売上高比率は5%程度。高所作業車の売上高規模は世界3位。東証1部上場で時価総額は630億円。

■成長ストーリーは
「インフラ投資のグローバルトレンドに乗って成長していく」というのが基本ストーリー。

日本での業績はほぼ頭打ち。ただし高所作業車を作る工場のIT化や生産設備の合理化を進めており利益率は上昇傾向にある。現時点で営業利益率は12%程度だが、近いうちに15%を超えていきそう。

今後の牽引役は海外になる。特にアジア圏ではインフラ投資が活発になりはじめたばかりで開拓余地は大きい。

つい先日の決算で今期の業績予想が発表されたが売上、利益ともに微増となっている。しかし会社の業績予想は保守的な傾向があり上振れ余地がある。2014年の会社予想は売上が480億円で営業利益が33億円だったが、実績は490億円と42億円に上振れている。2015年も530億円と50億円が、570億円と63億円に上振れており、2016年も600億円と69億円が、620億円と78億円へ上振れている。特に営業利益の上振れが著しい。
2017年も過去のパターンでいくと630億円と80億円が、650億円と92億円あたりまで上振れそう。

■参入障壁(競争力)は高いか
日本ではシェアが60%あり、そこからさらに上昇傾向にあるので盤石といえる。
海外はほぼ未開拓なのでよくわからない。ただ日本のトップ企業であり、トヨタ系列でもあるので、競争力は高そう。

■問題点
海外に高所作業車の研修拠点がないこと。今後は海外が主戦場になっていくわけだが、日本のような万全のサポート体制がないと普及が順調に進まない可能性がある。

アイチコーポレーションを唯一分析しているいちよし経済研究所は5月1日に通期業績予想を92億円から会社計画並みの80億円に、来期を98億円から72億円に引き下げている。今期の下期に国内での高所作業車の需要が減少するとのこと。
しかし会社の投資キャッシュフローをみると、15年が30億、16年が50億、17年が80億と増えており、今後業績が右肩下がりになっていくような会社のお金の使い方ではない。今後も業績はじわりと拡大していくのではないかと思う。

■戻り売り圧力はあるか
短期的にはあるが長期的にはそれほどない。
               <1年チャート>

<3年チャート>

■チャートはどうか
短期的には会社の保守的な業績予想や、いちよしのレーティングにより大きく売られているため上がりにくそう。
しかし中長期では上昇トレンドに乗っており、業績が拡大しているにも関わらず保ち合いが2年ほど続いているので、今後業績が上振れしたら株価も素直に上振れしそう。

■結論
生産性向上のための投資を増やしており、またインフラ投資のグローバルトレンドに乗ろうとしているので成長余地はまだある。指標面で割高感はなく、テクニカル的にも底堅いので790円で購入。上記の2点が順調に進み成長株と認識されれば、今年度中に1300円くらいまではいくのではないかと思う。

しかしながら現在保有している他の銘柄と比べると今後の見通しや成長率の面で若干見劣りするので、保有している銘柄に問題が生じた場合にシフトしていこうと思う。

追記2017/05/16
主力の国内向けは下期にピークアウトしそうで、海外展開はやや不透明。当面上値は重そうなので買値で売却。

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