2017年5月5日金曜日

中国の債務

中国の債務については「経済は機会のように動く」のところでもあっさり書いたが、先日の日経ヴェリタスに詳しく書かれていたので簡単にメモっておく。

・中国の債務は官民合計でGDP比300%に接近しており、債務残高の増加に歯止めがかかっていない。中国の政治経済の安定性は秋の党大会まで維持されるとの見方が大勢だが、その後にリスクが表面化する可能性がある。

・中国経済のハードランディング懸念が後退しているのは事実だが、これは資本規制の強化や過剰な投資による作為的な虚像感がある。

・不動産部門の上場企業の3分の1はデフォルトの瀬戸際にありつつも、なお借り入れを続けて存続しているゾンビ企業になる。

・バブル後の日本は過剰債務に苦しみ、貸し出しを増やした銀行の経営がゆらいだ。貸し渋りや貸しはがしによる企業の倒産が急増し、1990年後半の金融危機を誘発。債務圧縮が一段落するのに10年を要した。過剰債務の処理に手間取りデフレにも陥った。

■まとめ
中国は近いうちに債務圧縮が必要で、債務圧縮をすれば景気後退に陥る。私は以前は金融緩和をすれば景気後退は避けられると思っていたが、それをすると債務が増加してしまうのでそれもできそうにない。2017年秋の中国党大会が終わった後に中国政府が債務圧縮に動いたら、破綻企業が相次いで経済が急降下する可能性がある。

参考 ヴェリタス2017/4/30 「リスクは中国経済・日本政治に」
   グーグルニュースや日経でも検索

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