2017年5月26日金曜日

吹き上げそうなチャート発見 FPG →△

キンドルアンリミテッドで過去の日経マネー(2016年10月号)を読んでいて見つけた銘柄。これは個人投資家・今亀庵さんの保有銘柄(当時)で、氏によると今後は強化された相続増税への対策という新しい需要を取り込むビジネスが狙い目だという。

FPGにおいては相続増税対策の収益は全体の数%しかないが、チャートがよさそうなので調べてみた。

■チャートで目をひいところ
・長期チャートが非常に底堅い。
・大きな三角保ち合いを形成している。
・長期の移動平均線はゴールデンクロスを形成しており、短期でも形成しそう。

<10年チャート・月足の一目均衡表> 長期の戻り売り圧力はほとんどなく、株価は下がりにくい。

<5年チャート・累積売買高> 累積売買高では今が底になる。大きな三角保ち合いを形成しており、移動平均線は2年ぶりのゴールデンクロスを形成している。

<1年チャート> 200日線を75日線が上抜いているので上昇圧力は強い。近いうちに25日線と75日線のゴールデンクロスを形成する確率は高い。

「チャート=凝縮されたファンダメンタルズ」という観点で見れば、これだけでかなり有望なのがわかる。一応、会社についても調べていく。

■どんな会社か
中小企業の課税繰り延べニーズに特化したニッチなビジネスを手がけるニッチトップ企業。

課税繰り延べメリットのある日本型オペレーティングリース商品が売上の9割を占める。
日本型オペレーティングリース商品とは、航空会社や海運会社など輸送関連会社の設備投資ニーズと日本の中小企業の課税繰り延べニーズを結びつけたもの。FPGはこの間に入り、リース商品の組成、販売、管理を行い、その対価として手数料を得ている。

日本型は欧米型オペレーティングリース商品と違い、利回りを追求していないためリース料を低く設定することができ、そのためリース案件の組成において欧米企業より優位に立つことができる。また世界の航空会社や海運会社のリースニーズは旺盛で、今後長期間にわたりリース商材が不足することはないという。

中小企業はリース商品を買うことで、投資額に比べて資産価値を大きくでき、減価償却による利益の圧縮効果を得ることができる。一般に、リース商品は一時的に利益が膨らんだ場合や、数年先に大型投資を予定している場合に利益を平準化させるために利用される。
*課税の繰り延べが目的であり、節税とは異なる。

設備投資がないため配当性向は40%(利回り3.6%)と高い。

■成長ストーリー
中小企業の業績拡大と課税繰り延べリース商品の認知度向上に伴いFPGの業績が拡大していく、というのが基本ストーリー。

中小企業の業績は、前項「実は業績相場だった?」で触れたように、今後しばらく拡大していきそうなので、旺盛な需要が期待できる。

認知度については、東証一部に昇格し知名度や信用力が向上しており、また提携する金融機関数(110件)や会計事務所数(3100件)が順調に増えているため、認知度は徐々に高まっている。

業績は、第2四半期が終わった時点で売上、利益ともに過去最高を更新しているが、予定している組成金額の進捗率はまだ26%(前期比-42%)にすぎない。残りの74%は下期にクリアできるとのことだが、もし今の収益ペースでそれらをこなせば業績は大幅に上振れする。
追記 2017/05/28
残りの74%を下期に組成するわけだが、組成した商品は1年以内に売りさばけばいいわけで、下期の業績にダイレクトに反映するわけではない。また上期の業績は前期の売れ残りを売っていたというわけで、もしかしたら今、組成が遅れているのは前期の供給が過剰だからかもしれない。

■参入障壁(競争力)は高いか
日本型オペレーティングリースを手がけるのは十数社あるが、専業はFPGと野村ハブコックアンドブラウン、ジャパンインベストメントアドバイザーの3社になる。FPGは市場シェア3割を占める最大手になる。

この事業は組成ノウハウを持ち、投資家から広く出資を募ることができなければ成り立たないので過去25年間で新規参入はほとんどないという。銀行系リース会社はこのようなビジネスに不慣れで事業の拡大には消極的という。

*FPGのシェアは2015年の32%から2016年には29%に落ちている。2014年にマザーズに上場したジャパンインベストメントアドバイザーが急速に成長しているためかもしれない。利益率の高いビジネスなので今後さらに競争が激化していく可能性はある。

■問題点
・最大のリスクは借り手側の破綻になる。もしそうなるとリース料が入ってこなくなり、投資家に損失が発生してしまう。しかし事業開始以来、借り手側のリース料不支払いや倒産はない。リース先はルフトハンザやエールフランスなど一流の会社になる。

・航空会社や海運会社の業績の影響を受ける。地政学リスクもある。

・税制改正によって商品設計の見直しが必要になる。しかしFPGの説明によると迅速に柔軟に対処できるとのこと。

・商品在庫は商品組成から1年以内に売り切る必要がある。1年を超えた場合は、投資家はリース期間中で最も大きい初年度の損金を決算に取り入れることができなくなり、商品の価値が劣化してしまう。しかし事業開始以来、1年を超えて売れ残ったことはないという。FPG曰く「自社の最大の強みは確実に売りさばく力」とのこと。

・この会社のお金の流れがよくわからない。キャッシュフロー計算書を読んでも独自の用語がたくさん出てきてよく理解できない。

■結論
チャートもファンダメンタルズも大きな問題はなさそうなので1040円で購入。資金の10数%を投資。

追記2017/05/29
FPGがニッチな分野を切り開いたわけだが、参入障壁はそれほど高くなさそうなことがわかってきた。金融商品の組成進捗率の低さからは供給過剰気味なことがうかがえ不透明感が出てきた。売却していく。

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