2017年5月5日金曜日

敏腕ファンドマネージャー5 塩住秀夫

ペプドリファンにはお馴染みのファンドマネージャー。

■運用するファンド
レッグメイソンIFジャパンエクイティファンド。2016年のリターンは29%、2015年のリターンは49%。1996年の設定来のリターンは約400%。約800億円の運用資産を日本の内需成長株38社に集中投資。

■投資手法 中型成長株投資
株式投資で重視するのは企業の成長性と経営者の資質。

まずは日本の社会や経済構造を観察して、どのような業種が日本経済の新たな牽引役になるのかを考える。今ならデフレや高齢化、人口減少がトレンドになる。そのトレンドの恩恵を受ける業種は医療、介護、ネット関連であり、その業種の中でトップ企業として生き残っていきそうな銘柄を探していく。

銘柄選びのポイントは業績伸張の裏づけのあるもの。増収率と増益率が過去2年は少なくとも2割以上あり、今後2年も2割以上が見込めるものがいい。売上の伸びが重要で、これがともなわないと4~5年後に大きな企業には育たない。

高値つかみを避けるためPEGレシオ(PERをEPS成長率で割ったもの)が1倍を超える銘柄は基本的に買わない。これは株価が企業の成長を上回っていることを意味するため。ただし独占的な地位を築いて高成長を続けている企業の場合はPEGレシオでは株価の適正水準を判定できないので使わない。

良さそうな銘柄が見つかったら経営者と会う。いかに嘘を言わないか、素直な人であるかを重視する。投資で最も難しいのは成長株を持ち続けることだが、我慢して持ち続けられるかどうかは、企業の成長と経営者の手腕に強い信頼を置けるか否かにかかっている。そのためにも企業について調べると同時に、経営者と何度も話して信頼できる人かどうかを確かめていく。

投資する銘柄が決まれば集中投資していく。株で成功するにはこれが大事。2,3銘柄は大きく損を出すが、大幅に値上がりする銘柄が補ってくれる。

売却は経営者の発言内容が変わったり、将来の利益成長に対する確信がなくなったりしたときに行う。

■その他ポイント
集中投資は短期的に浮き沈みが激しくなりやすく、苦しい時が続く時がある。重要なのは経験で、半年や1年間苦労を重ね、数年後に利益を上げるという成功体験を得られれば、長期投資のスタンスを維持できるようになる。

■長期投資に転向した理由
証券マン時代に上司から年初のポートフォリオをそのまま持っていたらどんな成績だったか計算するよう助言され、それを確認したらポートフォリオに変更を加えない方がパフォーマンスが良かったと気づいたため。

■失敗談
「リーマン・ショック前に新興不動産会社を保有していたが、それらが軒並み破綻した。急成長に目を奪われ判断を誤った。現在不動産会社は1社も保有していない」

■今後の相場観
日本株の先行きには楽観的。日本株はまだ上げ相場の第2段階とみている。悲観的な意見がある限り上げ相場は続く。日銀の2%の物価上昇率目標が達成間近と言われ始める2018~19年が第3段階になる。2020年にインフレ目標を達成するとみんな楽観的になり、そこが相場の終わりになる。

参考:日経マネー6月号
   ブルームバーグ「72歳ファンドマネージャー 内需一徹 設定来400%」
   日経2016/9/27「日本株で安定利益 個人は成長株の長期保有を」
   日経2017/4/10「投資家の金言「度胸は成功の母」」

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