2017年5月19日金曜日

「定期的に間違いを繰り返しなさい」

これは『マーケットの魔術師』で最も印象に残った言葉。
ブルース・コフナーは師匠のマイケル・マーカスにこのように言われ、「間違うことは悪いことではない。ベストの判断を下して間違え、またベストの判断を下して間違える。そして3回目のベストの判断を下すと、その後に自分のお金が倍になることだと思う」と解釈している。
*コフナーは現在5500億円を保有する資産家

しかしこれは「ベストを尽くして間違える」という意味ではなく、「意図的に間違えろ」という意味で言っているように見える。米投資家のミネルヴィニが「うまくいった時期のあとに「もうわかった」と思ったとき最大の損失をする。利益は不注意につながり、不注意は災難を招く。成功が続くと度を超えた願望を持ってしまう」と言っているように、うまくいっている時期のあとは調子に乗って大きなミスを犯しやすい。うまくいっている時に気を引き締めるために、わざと負けろと言っているのではないかと思う。

脳科学的にも「わざと負ける」ことは有用らしい。そもそも人類の歴史は競争の歴史であり誰もが心のどこかに「勝ちたい」という気持ちをもっているため、わざと負けるという思考回路が働かなくなっているという。わざと負けるようにすると脳の使われていなかった部分が刺激され、自分の視点を変えたり、新たな考え方を生み出すことにつながるという。

今年に入ってから投資パフォーマンスが非常に良い。ここで調子に乗らないためにも、また新たな視点を得るためにも「わざと負ける投資」をやってみようと思う。

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