2016年11月4日金曜日

ダブルスコープ 撤退

9月の終わり頃にダブルスコープに買いで入ったが、今後の見通しが悪いことに気づいたので撤退していくことにする。今回の敗因を探っていく。

まずは、なぜ買ったのかについて。
きっかけは9月8日頃の日経産業新聞にダブルスコープが年率35%のペースで成長していくという記事が載っていて、PERを調べてみたら24倍程度と割安に感じたこと。
さらに調べてみると、成長の原動力となる電気自動車の普及が拡大しはじめていて、今後電気自動車が年率30%以上のペースで成長していくとわかったこと。そのような状況ではダブルスコープの35%成長には妥当性があると思ったこと。それに加え中期的なテクニカルでは反転を示す買いシグナルが発生していたこと、あたりになる。

敗因はなにか。
チャートの全体像を重視しなかったから。
チャートにはファンダメンタルズが凝縮されており、チャートに異常がある場合は、ほぼ確実にファンダメンタルズに問題がある。ダブルスコープのチャートは、高値から半分以下まで下落しており、深刻な問題がある確率が高かったがそこを軽視してしまった。

ダブルスコープの最大の問題はセパレータの過剰供給懸念になる。確かに電気自動車の成長率は30%程度と高いが、セパレータの供給はそれ以上のペースで進みそうなのである。もしそうなれば需給バランスは崩れ、値崩れが起こってしまう。過剰供給懸念は今後も消え去ることはなく、また2020年頃にはセパレータ不要の理想的な性能を備えた電池、全固体電池が出回りそうなので長期的な見通しはさらに悪くなる。ダブルスコープは実質的にセパレータの専業メーカーなのでセパレータのみで長期的に年率35%の成長を達成していくのは難しいと思うようになった。

今回わかったことあと2つ。
1つは短中期チャートの”鉄板”と思われていたシグナルがあまりあてにならないということ。25日線と75日線のゴールデンクロスは結局デッドクロスに転換しそうだし、一目均衡表の雲も悪い方へ通り抜けてしまった。MACDのゴールデンクロスもしかり。長期的に深刻な問題がある場合は、出来高の急上昇もそれほど当てにならないということもわかった。
*今回の出来高急上昇は分割したのも理由の一つだがそれに気づかなかったのもある。(2分割した場合は出来高は2倍になる。)

もう1つは、空売り機関の予測は基本正しいということ。今後はプロの分析力をもう少し参考にしていきたい。

今後、銘柄をチェックするときの優先順位は
1,ファンダメンタルズ
2,長期のチャートと機関投資家の動き
3,ファンダメンタルズ
4,中期のチャート
になる。

今回犯した間違いがあと一つあった。
それは株価が予想よりも下がったところで買い増したこと。今後は株価が予想よりも下がったらそれは自分の間違いととらえ、様子見もしくは損切りしていくことにする。

今後の株価は2200円(2年チャートの75日線)、最高で2500円(週足の一目均衡表の雲)くらいまで反発し、そこからまた下がっていくと予想。

ぽつぽつと売っていく。


追記 2016/11/11
2016/11/9の日経に以下のような記事が載っていた。
「高い成長性のある産業は新規参入を助長し競争が激化して、収益率が落ちていく。高成長企業で最も大事なのは新規参入を思いとどまらせる参入障壁である」「参入障壁のないところにに超化的な付加価値創出の余地はない」(奥野一成)

セパレータの参入障壁は他の電池部材に比べると高いが、現時点で既に10社以上が参入しており競争は激化している。そこには大量生産に強い中国も含まれるので今後収益率が落ちていく可能性は高い。

ダブルスコープはペプチドリームと同じような成長率35%程度の高成長企業だと思ったけが、参入障壁の点に関しては異なっており、そこがダブルスコープの致命傷になってしまったようだ。


追記2016/11/16
会社が出した決算説明会資料を読んだが典型的なポジショントーク & half truth。なぜ自社の生産能力を公表しないのか?全固体電池にまったく触れないのはどういうことか?「民生用ハイエンド、EV用途のサプライヤーは3社+1社に集約化」とあるが、4社合計のグローバルシェアが46%でどうして集約化といえるのか・・などなどツッコミどころ満載だ。
会社の説明を鵜呑みにしてはいけないというのも今回の教訓だね。

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