2020年4月3日金曜日

マクロ系金融資産チェック

市場の仕組みを理解しやすい順番で見ていく。

■米長期金利 (保有資産:なし)
今後1年の予想レンジ:0%~1%の間で推移

長期金利に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・経済成長率+インフレ率↓
米長期金利の基準値は経済成長率+インフレ率になるが、今後は両者とも低下傾向になる。米国の2019年の経済成長率は2.4%、2020年は(予)-10~-5%で、インフレ率は2019年が1.8%、2020年は(予)0%になる。足下では新型コロナウイルスが流行しており、経済とインフレには強い下押し圧力がかかっている。
*2019年の数値はIMF予想。

・財政赤字の拡大↑
米政府は財政支出を拡大しており、今後も年金や医療、福祉などの社会保障費が税収の伸びを上回って増加していくので、長期的に財政赤字の拡大は続きそう。2018年の米国の財政赤字は100兆円を超えており、この水準は当面続く見込み。2020年は新型コロナ対策により財政赤字は200兆円を超えそう。

・金融政策↓
インフレ率が2%を下回り始めているので、FRBは2019年7月に金融緩和に転じた。現在は新型コロナ対策で政策金利をほぼ下限(0~0.25%)まで下げている。

3月23日にFRBはドル不足や金利急騰を抑えるために量的緩和(資産購入)を無制限で実施することに決めた。今後、米政府が発行する国債はFRBがすべて買い取りそう。

・リスクオン、オフ↓
米中貿易戦争の休戦と金融緩和によりリスクオンになりつつあったが、コロナショックと石油価格戦争で再びリスクオフに。

・米国債の人気低下↑
米10年国債の利回りは先進国の中では相対的に高いので海外から買われやすかったが、足下では為替ヘッジコスト(2.2%?)が米長期金利(0.87%)を上回っているので、海外からの米国債の購入は減りつつある。双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)の拡大も人気低下の要因になる。
*ヘッジコストとは外貨の短期金利と運用国通貨の短期金利の差から生じるコスト

・資金需要の低下↓
第4次産業革命の主役はデジタル企業になるが、デジタル企業は設備投資のための資金需要がそれほど多くない。少子高齢化で住宅ローンなどの借り入れも減少している。

・潜在成長率の低下↓
生産性の伸び悩みで潜在成長率は長期的な低下傾向にある。

・トランプ大統領の介入↓
低金利好きのトランプ大統領はFRBへの口先介入のみならず、FRBへ緩和派の人間を送り込むなどして金融緩和圧力をかけ続けている。

・チャート
チャートは底抜け。しばらく停滞しそう。

■WTI原油 (保有資産:なし)
今後1年の予想レンジ:15ドル~45ドルの間で推移

原油価格に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・産油国の採算ライン↑
サウジが財政均衡に必要な水準は1バレル60~83ドル、アラブ首長国連邦(UAE)は70ドル、イラクは60ドル、ロシアは42ドル、米企業の採算ラインは45ドルになる。3/10日経3/10日経
*ただし、ロシアは「今後6~10年に1バレル25~30ドルの水準になっても乗り切れる」と言っている(3/10ロイター)。ただ、3/24日経にはロシアについて「低水準の油価が続けば3年程度で資金が尽きる」とある。
*サウジは値下げでシェアを拡大させれば当座はしのげると見込んでいるが(3/11日経)、サウジの2020年の財政予算は1バレル80ドルの原油価格を前提としてつくられており、現在の原油価格(1バレル24ドル)でこの予算をこなすにはシェアを現在の倍以上まで高める必用がある。しかしサウジの生産能力は現時点では1.3倍程度までしか高められないので、シェアを倍増させるのは現実的には不可能。他の産油国も似たような状況なので、結局はどこかで協調減産を再開することになりそう。

・トランプ大統領の介入↑
米石油企業は米企業業績への影響が大きいが、原油価格が1バレル40ドルを下回る状況が続くと、石油企業が抱える多額の負債の返済が難しくなり、信用リスクが高まる恐れがある。信用収縮が起こり景気後退に陥ると大統領選にも影響してくるのでトランプ政権は原油価格が下がりすぎないよう産油国に政治的圧力をかける。3/20ロイターによると、米政府はすでにその方向で動いているもよう。

一方で、原油価格が1バレル65ドル以上になると、インフレに上昇圧力がかかるので、インフレ上昇(金利上昇)を嫌うトランプ大統領は原油価格の上がりにくい政策をとる。

・需要↓
原油の需要予測はIMFの世界経済成長率予想などを基につくられるが、2020年のIMFの予想経済成長率はコロナショックにより、当初の3.4%から「0%以下」に下振れ。3/29の日経ヴェリタスには「大手シンクタンクは今後2~3カ月の間に世界の石油需要は日量1200万~2500万バレル減少すると予測。ヒューストンの専門家は通年で日量約600万バレル減少すると予測」とある。
*平時の世界の石油消費量は日量1億バレル程度。

今回のコロナショックでは商談や会議のバーチャル化が急速に普及しているので、コロナが収まっても航空旅客需要は以前の水準に戻らない可能性が高い。

中長期的には景気後退や温暖化対策(再生エネルギーへのシフト)、脱プラスチック運動など需要を抑制する要因もあるが、人口増や世界経済の成長に伴い原油消費量は増加基調になる。IEA(国際エネルギー機関)は石油需要が2040年まで拡大を続けると予測している。OPECは2040年の石油需要を現在の12%増の日量1億1060万バレルと予測している。ただし、今後は脱炭素の流れが加速していきそうなので、IEAやOPECのシナリオが崩れる可能性も少なからずある。

・供給↓
「コロナショック」で需要が弱まる中、OPECプラスが協調減産の協議をしたが、シェア低下を恐れるロシアが反対し交渉決裂。サウジはそれを受け、価格下支えから市場シェア重視の戦略に転換した。米バンク・オブ・アメリカは「価格競争の標的が米国のシェールオイルの場合、原油価格下落は長期にわたる公算が大きい」「原油価格は将来的に1バレル20ドルを下回る」と言っている(3/9ロイター)。
*石油価格戦争には高コストな再生エネルギー生産者を市場から追い出すという意図もある。
*サウジのエネルギー政策は2019年9月からムハンマド皇太子と異母兄のアブドルアジズ王子・エネルギー相が決めているが、2人はテクノクラート(技術官僚)ではないため、近視眼的な政策をしている可能性が高い。

原油輸出シェアの全体の3分の2を占めるOPEC非加盟国の供給も増加傾向にあるので需給はかなり緩んでいる(1/12日経)。

長期的には原油価格の停滞や脱化石燃料への投資家圧力などにより新規の油田開発が停滞しているので、将来の供給を確保できなくなるリスクがある。
*現在ESG(環境、社会、企業統治)の観点を考慮しない企業は評価しないという流れになってきている。地球温暖化につながる化石燃料は環境リスクが高く、2019年3月には世界最大の政府系ファンド・ノルウェー政府年金基金が石油・ガス関連株の一部を投資先から外すという方針を示している。

・産油国で不測の事態が起こる↑
米国は2019年1月にベネズエラ国営石油会社への制裁を決定した。ベネズエラの産油量は投資不足などもあり著しく低下している。

リビアでは内戦が激化している。生産設備の被害や輸送の寸断で一気に生産量が落ちる可能性がある。

米国は2019年5月にイラン産原油を全面禁輸することに決めた。イランは対抗措置として原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡(世界の石油タンカーの2割が通過)を閉鎖すると警告していたが、5月に入りさっそく通過するタンカーなどへの攻撃を開始。その後もゴタゴタが続いており、9月にはサウジの中核の石油処理施設が親イラン武装組織フーシから大規模な攻撃を受けた。2020年1月には米国がイラン革命防衛隊司令官を殺害。イラン側は反発し米基地への報復攻撃をしたが、その後はやや落ち着きつつある。

・リスクオン、オフ↓
中東情勢の緊迫や新型コロナウイルスの蔓延でリスクオフに。
*原油は株式と同じリスク資産になる。

・為替↑
原油はドル建てのためドル高になると原油価格に低下圧力がかかるが、ドルはほぼ頭打ちの状態なので、今後は原油価格に徐々に上昇圧力が加わってきそう。ドル安になると新興国の輸入が増えやすくなるのでこれもまた上昇圧力になる。
(WTI原油価格連動型上場投信においては、ドル安(円高)が進むと基準価額が下がる)

・船舶の燃料規制↑
2020年から船舶燃料油の硫黄分濃度規制がはじまる。硫黄分の少ないWTI原油や北海ブレントには5ドル程度の価格上昇圧力がかかると言われている。

・チャート↓
チャートは底抜け。しばらく停滞しそう。


■ドル円 (保有資産:ドル売り)
今後1年の予想レンジ:90円~110円の間で推移

為替に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・日米の金融政策↓(↓は円高方向)
ドル円レートの基準値は購買力平価になるが、今は購買力平価(95円)から円安方向に振れている。円安方向に振れている最大の要因は日銀の金融緩和になるが、その緩和が限界に近づきつつある。一方で米国は金融緩和余地があり、足下のコロナショックで最大限の緩和をし始めている。ただ今回の緩和で米国も打ち止めになりそう。

・日米の長期金利差↓
日米の長期金利差はドル円相場との相関が高いが、コロナショックや石油価格戦争による景気後退懸念により米長期金利が急低下している。日本の長期金利はすでに下限に達しているので、日米の長期金利差は縮小しつつある。

・米財政赤字の拡大↓
米国の財政赤字は年100兆円を超え始めており、コロナショックにより今年はさらに100兆円超上乗せされそう。FRBは大量に発行される国債の買い手としてドルを大量に発行している。
*今現在、日本でも同様のことが、ほぼ同規模(対GDP比)で起きているが、米ドルは基軸通貨なので米国は今後、より積極的に財政拡大(ドル発行)していくことができる。その場合は日本も円高対策で米国と足並みをそろえようとするはずだが、日本政府の債務は対GDP比で200%を超えており、コロナの影響も比較的軽いので、米国についていけない可能性がある。

・米経済の強さ↓
資金は経済の強い国へ流れ、その国の株式や不動産などの資産が買われるが、デジタル革命を主導する米経済は相対的に強いのでこれまではドル資産が買われやすかった。しかしコロナショックや石油価格戦争により米景気が後退する確率が高まってきたので、ドル資産は売られやすくなっている。米国以外の国も景気後退に陥りそうだが、これまで最も買われてきた資産は米国資産なので、その反動が最も大きくなるのも、おそらく米国資産になる。

・リスクオン、オフ↓
コロナショックと石油価格戦争でリスクオフに。

*リスクオフになった場合のドル円の基本的な動きついて。まず条件反射的に円が買われる。そこからさらに不透明感が強まるとキャリー取引の巻き戻し(円の買い戻し)が起こる。本格的なリスクオフまで発展すると対外資産の引き上げ(投資撤退)と、その思惑による円買いが起こる。
 *キャリー取引とは金利差を狙った取引で、市場環境が落ち着くと低利通貨を売り、高利通貨を買って金利差で収益を得る取引が盛んになる。ただ足下では円以外のユーロやドルも低金利通貨になりつつあるので、キャリー取引は減少傾向にある。
 *日本が持つ対外純資産は世界最大の340兆円になるが、そのうち資産の引き上げが起こりやすい証券投資の割合は3割(100兆円)程度になる。
 *足下では米投資家が対外資産を引き上げ始めている(ドル高要因)。
 *日本でも対外資産の引き上げが起こりつつある。3月22日にはソフトバンクグループが最大4.5兆円の資産を売却すると発表。今後も厳しい決算をにらんだドル建て資産の売却が続くかもしれない。

・ドル需給↑
「コロナショック」により、企業にはキャッシュが入ってこなくなったため、企業は手元資金を増やす動きを活発化させている。金融機関は投資ファンドの解約・返金に備えるため、他の金融機関への短期資金の融通を大幅に抑えている。基軸通貨の米ドルは世界の大部分で資金調達に使われているので、ここでも強いドル需要が発生している。そのためドル需給はかなり締まっており、銀行間の翌日物金利は一時2%まで上昇している。

ただ、足下では各国中銀が協調してドル資金を大量に供給しており、また金融規制(バーゼル3)を緩和しているため、需給は緩みつつある。これら一連の動きはリーマンショック発生直後の動きと似ているが、リーマンショック時は需給が落ち着いた後、ドル安に転じている。3/24日経

・国内投資家の対外証券投資↑
日本の債券投資家は国内の超低金利で運用難に陥っているので、為替差損回避(ヘッジ)付きでも高い運用利回りが見込める海外債権などを買っている。国内の超低金利は当面続きそうなので、今後も対外証券を積み増していく可能性が高い。しかし今はコロナショックが起きているので、対外証券投資はしばらく停滞するかもしれない。
*足下では世界的な金利低下により外債の利回りも下がっているので外債購入は鈍りつつある。
*年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2020年度の外国債券での運用比率を従来の15%から25%まで引き上げることに決めた(目標値から6%までの乖離は許容)。この変更により、今後15~25兆円の対外証券投資需要が発生する。4/1日経

日本の対外証券投資は年によってばらつきがあるが、平均すると年10兆円程度の買い越しになる。今後は異次元緩和前の比較的高い利回りで購入した国内債権の償還が始まるが、戻ってきたお金は国内債への再投資ではなく、外債に回る可能性が高い。2020年の償還額は33兆円程度になる。
*2019年の対外証券投資は9兆5000億円。
*国内勢が外債を買うときは、円を売って外貨を買い、その外貨で外債を買うわけだが、円を買う側の海外勢はその円で日本国債を買うことが多い。海外勢は1月~8月までの間に12兆円の日本国債を買っている。これは円高圧力になる。
*対外証券投資のうち外貨建て(円売り)は7割程度になる。

・日本企業の対外直接投資→
国内需要はほぼ頭打ちなので、日本企業の対外直接投資は今後も増えていきそう。2019年の対外直接投資は22兆8千億円と過去最大を記録している。日本企業は200兆円以上の現金・預金を抱えており、今後も対外直接投資が続く可能性は高い。しかし今はコロナショックが起きているので、対外投資はしばらく停滞しそう。
*対外直接投資額のうち外貨建て(円売り)は半分程度になる。

・米経常赤字(貿易赤字)の拡大↓
米経常赤字は10年ぶりの水準まで悪化しているが、原油価格急落(米産油量減少により石油の輸入が増える)によりさらに悪化する可能性が高い。

・日本の経常収支↓
まずは貿易収支について。
海外現地生産の拡大やスマホ・医薬品の輸入が増加傾向で、これは貿易赤字要因だが、輸入額の4分の1(20兆円)を占める原油・天然ガスの価格が足下で急落しているので、今年の貿易収支は黒字が増えていきそう。
*2019年の貿易黒字額は約5000億円になる。

(貿易収支を含む)経常収支は20兆円程度の黒字を維持しているが、この黒字の大半は過去に行った投資のリターンである所得収支が占めている。所得収支の黒字は貿易黒字と違い、半分程度が円に換えず現地で再投資されるため円買いフローは半分(10兆円)程度しか発生しない。

・日銀が保有するETFの簿価割れ↑
日銀の自己資本は8兆円なのに対し、保有する日本株ETFは約30兆円ある。ETFの損益分岐点は日経平均株価が19500円くらいで、ここを下回ると自己資本が目減りし通貨の信認が揺らぎ始める。日経平均株価が13000円台まで下落すると債務超過に転落し、さらに通貨の信認が落ちる。3/9日経
*日銀のETF購入にも円安作用がある。

・投機筋の持ち高↓(「円 投機的ネットポジション」で検索)
買い持ちが増加傾向。投機筋は円高が進むとみている。
*ただし円を買い持ちした場合はスワップポイント(金利差収入)がマイナスになるので、買い持ちポジションが長く続くことは少ない。

購買力平価
物価が上がると(インフレが進むと)、物やサービスを買うときにより多くの額のお金が必要になるが(購買力は下がるが)、物価が下がると(デフレが進むと)、物やサービスを買うときにより少ない額のお金しか必用なくなるので購買力は上がる。この物価変動に着目して二国間の通貨価値をならしたものが購買力平価になる。

日本円を米ドルと比較した場合、米国の方が慢性的にインフレ率が高いので円の購買力平価は長期的な円高傾向にある。ただ米国のインフレ率は年々低下していて日本のインフレ率との差が縮まってきているので、購買力平価の下降曲線はなだらかになってきている。為替相場は長期的にはこの購買力平価に収斂していくとされるが、現在の購買力平価は95円程度なので、円の下限は75円、上限は115円くらいになる。

・チャート↓
<5年チャート> 大きな三角持ち合いを形成している。移動平均線的には大きく下振れしそうな感じ。ただ下ヒゲが出てるので、下げにくそうでもある。


■日経平均 (保有資産:なし)
今後1年の予想レンジ:13000~20000円で推移

日経平均に与える影響が大きい要因順に見ていく。
・EPS(1株利益)↓
日経平均株価は基本的にはEPS(1株利益)× PER(人気度)で決まるが、2019年のEPSは-8%、2020年は(予)-40~0%になる。
ーーーーー
EPSに影響を与える外部要因についても見ていく。
・為替↓
今後為替は中長期的に円高に振れていきそうなので、海外で6割を稼ぐ日本企業の利益は下振れしていきそう。

・海外景気↓
日本企業は海外で6割を稼いでいるので海外景気の影響を大きく受けるが、2020年はコロナショックで世界景気が景気後退に陥りそう。

・失業率↓
失業率が低下すると賃金が上昇して企業収益が圧迫され、労働量力不足で成長が頭打ちになるが、現在の失業率は最低水準(2.4%)になる。

・減価償却費や資源価格(原材料費)↑
景気拡大期の終盤は減価償却費や資源価格(原材料費)が上昇して利益が圧迫されやすいが、コロナショックと石油価格戦争により資源価格は大幅に低下している。

・金融政策→
景気拡大期の終盤は上昇した金利により企業の利益や資金調達環境は悪化するが、今回は金融緩和が続いているのでほとんど影響なさそう。
ーーーーー

・PER(人気度、リスク選好度)→
日経平均のPERは基本的に11~16くらいの間で推移するが、現在のPERは11.90。コロナショックによる景気後退懸念を考慮すると、このくらいの水準が妥当なのかもしれない。

・需給↑
日銀が日本株を買いまくっているので日本株は下がりにくい。日銀の買越額は年間6~12兆円規模になるが、他の投資主体の売り玉はつきつつあるので(アベノミクス後の海外投資家の買越額は7兆円まで縮小)、残りの売り玉はすべて日銀が吸収してくれそう。

 <2020年の主な投資主体の予想売買動向>
 日本銀行、金融政策により6~12兆円の買い越し。現状は2兆5千億円の買い越し。
 事業法人、自社株買いにより2~3兆円の買い越し。現状は1兆3千億円の買い越し。
 海外投資家、景気後退懸念で2~4兆円の売り越し。現状は1兆7千億円の売り越し。
 個人投資家、逆張り投資で1~3兆円の買い越し。現状は1兆8千億円の買い越し。

*原油安により中東産油国が財政赤字に陥りそうなので、政府系ファンドが金融市場から資金を引き上げる可能性が出てきた。中東産油国が抱える金融資産は約200兆円になる。

・金融政策↑
日本株はFRBの量的緩和(資産買い入れ)との相関が強いが、FRBは3月から無制限の量的緩和を始めている。

・利回り↑
日本株式の益回りは8%超、配当利回りは2%超と、日本国債の利回り0%より高いので、株式に資金が流れやすい。

投機筋の持ち高
買い残は7000億円で、裁定売り残高は1兆6000億まで拡大している。投機筋は日本株が下がるとみている。
*裁定残高は通常、売り残高よりも買い残高が多い。一般に、裁定買い残高が3000~6000億円まで減少すると「売られすぎ」、3.5兆~4兆まで増加すると「買われすぎ」の水準になる。

・チャート↓
<10年チャート> 三尊天井完成。一目均衡表(月足)の雲を下抜けしているので、地合いが大きく転換したように見える。

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